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霊界物語あらすじ

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ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第5巻 霊主体従 辰の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
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霊界物語は五巻で終了する予定だったが、筆録者の希望により、四巻辺りからより詳細に物語ることになった。
そのため、伊邪那岐・伊邪那美二神が天の浮橋にご降臨される場面は、第六巻で物語られることになる。
物語は、明治三十二年七月から三十三年の八月にかけて執筆されていた。ただ一部の信者にのみ、閲覧を許していた。
そうしたところ、物語を読んだ者の中でよからぬ考えを起こした者たちがおり、妖魅に取りつかれて死んでしまったり、五百巻余りの物語を焼き捨てたりしてしまった。
大正十年の旧九月まで、神界の許しが無く、再度物語を口述することができなかった。最近、邪神に取りつかれて、開祖の系統の人が物語を解き明かす、といったような支離滅裂なことを言い出す人がいる。
これは、悪神が物語を読み覚えていて、さも何もかも知っているかのように言って、惑わしているのである。邪神に憑かれた人の筆先に、似たような神名が出てくるのはそのせいである。
天授の奇魂によって、正邪を判断しなければならない。
また、物語について世間の学者先生の批評がいろいろあるようだが、私はただ神示のままに工作し口述するするばかりである。
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国祖・国治立命は、逆神・常世彦(初代常世彦の息子)の反逆に対しても、天地の律法を遵守した。
邪神に憑かれた常世彦は、国祖が強い態度に出ないことにつけこんだ。国祖の部下の神々が変幻自在の奇策で邪神の企みを破ったことを、律法違反として告発したのである。
国祖は仁慈の心を持って、部下諸神人の罪悪を一身に受けて千座の置戸を負い、根底の国にご隠退されたのであった。
最初はしかるべき神司を得て善神の世であったが、数百年を経て年とともに神々は悪化してしまった。国祖の大目的は破滅してしまったのである。
しかしついに時節を待って国祖大神が再臨されたように、たとえ何度失敗を重ねようとも、最善の努力を尽くすことである。
わが身の失敗の原因は、得てして自己の責任でもある。地上天国の実現のためには、各人がまず、自己の魂を磨いて水晶の魂に建て替える、ということがなければ、とうてい実現できないのである。
しかしこれも、暗黒の中で前途の光明を見出すべし、という大神の御仁慈なのかもしれない。いかなる困窮も勇んで神の鞭として甘受するときは、もはやとらわれていない。むしろ執着心が苦痛の原因となるのである。
果たして今日の末法の世に、オレゴン星座から現れたキリストはどこに再誕再臨し、いつ衆生に安息を与えるのであろうか。
さて、八王大神を襲名した常世彦は、天津神の命によって塩長彦を奉じて地上神界の実権を握った。しかし聖地エルサレムには自己の神政に都合が悪いため、アーメニヤに神都を遷した。
一方、常世城の大鷹別は、大自在天大国彦を奉じてアーメニヤの塩長彦・常世彦に反抗を始めた。地上神界はまたしても混乱に混乱を重ね、ついには諾冊二神が降臨して、修理固成を行うに至るのである。
第一巻で金や銀の棒が変化して天地万物となった、というくだりに難癖をつける学者があるそうだが、宇宙間の森羅万象、金銀銅鉄などの鉱物を含まない存在はない。人間をはじめ動植物も、剛体すなわち玉留魂(たまつめむすび)の守護を受けているのである。
人間の小智をもって広大無辺の神界の経綸を計るべきではない。
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01 01 〔201〕
国祖をはじめ、部下の天使たちが隠退して以来、聖地の宮殿はまったく常世彦の館となってしまい、小さな宮が申し訳程度に橄欖山に設けられて、一年に一度祭りが行われるのみとなってしまった。
常世彦と常世姫の間には、常治彦、玉春姫が生まれた。常治彦は額に牛のような角があった。
常世彦は律法を無視し、放縦な政治を行ったために、聖地には奇怪なことが続出した。天には三個の太陽が一度に現れたり、三個の月が現れたり、星は大音響を立てて飛び散り、彗星が現れて衝突した。
しかし神々はこれを盤古大神・塩長彦の神政の瑞祥であるとして、かえって喜ぶ有様であった。
あるとき常世彦は恐ろしい不吉な夢を見てやや反省の色を表し、橄欖山の神殿を改築して各地の八王たちに、神殿を作って大神を祀るようにと通達を出した。
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01 02 〔202〕
八王大神は表向きは盤古大神を奉戴していたが、盤古大神は温厚ながら威風備わり、なんとなく気兼ねがして疎ましく思っていた。
そこで敬遠主義を取り、盤古大神夫婦をエデンの園に転居させて表面的に指揮を仰ぐこととした。盤古大神は常世彦の心中を察しながらも、見てみぬふりをしていた。
さて、橄欖山の改築された神殿に奉納する神璽を乞うため、常世彦は娘の玉春姫をエデンの園に使わした。
そのころ、盤古大神の宮殿の床下からは太いたけのこが二本生えだし、宮殿の床を持ち上げ、屋根をつきぬいて殿内を竹やぶとしてしまった。これは大江山の鬼武彦の仕業であった。
盤古大神は、国祖の祟りであろうとして大いに怒り、竹を片っ端から切って門戸に立てかけた。これが正月の門松のはじまりである。
玉春姫の使い一行がエデンの園の宮殿にやってきたが、竹に行く手をさえぎられてなかなか進めずにいた。侍者の八島姫は姿を消すと、巨大な松に化してしまった。また同じく春日姫は梅の木となった。
盤古大神は鉞やのこぎりで、この突然現れた巨大な松の木、梅の木を切り捨てさせ、国祖の怨霊の調伏とした。これが後世、年の初めに松竹梅を切って門戸に飾る元になった。
玉春姫はこの怪事に驚いて、井戸に落ちてしまった。盤古大神の長子・塩光彦が玉春姫を助け上げた。これにより、玉春姫と塩光彦は相思の間柄になってしまった。
盤古大神は大神の神霊を玉箱に奉安し、玉春姫に渡した。しかし箱の中の神璽には、なにゆえか神霊は鎮まっておらず、盤古大神の祈りもむなしく、空虚であった。
しかしエデンの大河を渡ると、なぜか神璽の玉箱はにわかに重量が加わり、数十柱の神々がやっと担いで捧持するほどになった。
玉春姫の帰途に当たって、八島姫、春日姫はどこからか戻ってきて共に聖地エルサレムに帰還した。塩光彦は玉春姫を追って大蛇となってヨルダン河を渡り、エルサレムを目指した。
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01 03 〔203〕
持ち帰った神璽は橄欖山の神殿に鎮祭された。それより神殿は一日おきに鳴動するようになった。しかしこの神璽に宿っていたのは、八頭八尾の悪竜の霊であった。
これより聖地エルサレムには怪事が続発して暗雲に包まれた。八王大神はやや反省の色を表し、ひそかに国祖の神霊を人知れず鎮祭していた。
玉春姫と塩光彦は駆け落ちしてエデンの園の大樹の下で、ひそかに暮らしていた。盤古大神は息子がいなくなったのを悲しみ、神示を乞うた。すると、息子はエデンの園の大樹の下に、一人の女性と暮らしているのが見えた。
盤古大神はただちに大樹の周りを探させた。塩光彦と玉春姫は樹上に逃れて捜索の目をくらましていたが、ついに見つかって連れ戻された。
一方常世彦夫婦も、娘がいなくなってしまったために方々を捜索させていたが、何の手がかりもなかった。常世彦は国祖に祈って、エデンの園という神示を得た。
常世彦はそこで、娘・玉春姫の捜索を盤古大神に願い出たが、盤古大神は常世彦に一通の信書を返すのみであった。
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01 04 〔204〕
盤古大神の信書には、塩光彦と玉春姫の間柄の経緯がのべられ、玉春姫を読めとしてつかわすように、と書かれていた。
常世彦は、娘が主上である盤古大神の息子の妃となるのは、立身であるとして、承諾することとなった。そして、自分の息子の常治彦には、盤古大神の娘・塩治姫をめあわすように、と要求した。
盤古大神夫妻は娘に対し、常治彦の妃となるよう言い渡した。塩治姫は悲しんで、ついにエデンの園の宮殿を飛び出してしまった。
いつまで経っても塩治姫がやってこないので、常治彦はみずから盤古大神の宮殿に出向いた。宮殿内は、塩治姫を捜索する神々で騒然としていた。
常治彦はこの様子に身の危険を感じて引き返した。常治彦がエデンの河辺までやってくると、人々が騒いでいる。何事かと聞いてみると、盤古大神の娘・塩治姫が河に飛び込んでしまった、という。
騒ぎを聞きつけて、宮殿から塩光彦と玉春姫もやってきた。常治彦は妹の玉春姫を認めると、聖地へ帰ろうと言って小脇に抱えると、共にエデンの大河に飛び込んでしまった。
塩光彦は玉春姫が奪われたことを悲しんでいたが、白雲が降りてくると、雲の中から玉春姫が現れた。塩光彦は喜んで手をとって宮殿に帰還した。
一方、聖地エルサレムには常治彦が塩治姫を携えて無事に帰還していた。本物の常治彦はエデンの大河に妹と飛び込んでしまっている。聖地に帰還した常治彦と塩治姫は、一体何者であろうか。
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01 05 〔205〕
エデンの大河に飛び込んだ塩治姫、常治彦、玉春姫は、大亀の背に助けられて大河を下った。両側が切り立った崖の河を降っていくと、白い洲が見えた。
亀は三人を乗せたまま、その洲の中を進んでいく。すると酒に酔った神々らが現れて、三人の周りで歓呼の声を上げた。亀はさらに進んで、この地の首長らしき立派な神の前まで進んでいった。
この地は三方を山に守られた、顕恩郷という楽園である。この地の統治者を南天王と言った。南天王は、実は大道別であった。南天王は三人を歓待させた。
顕恩郷の人々は、みな蟹のような顔をしていた。そして、この地には、角の生えた救世神が降臨して顕恩郷を守る、という伝説があった。そのため、顕恩郷のひとびとは常治彦を神輿に担ぎ上げると、東北の山向こうの切り立った立岩の上に乗せ、礼拝を始めた。
常治彦は岩の上に乗せられて降りることもできず、ただ助けを呼ばわっていたが、塩治姫、玉春姫が白いひれを降ると、顕恩郷の神々らは元の平地に帰ってしまい、常治彦はひとり岩の上に残されてしまった。
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01 06 〔206〕
顕恩郷の神々は、二人の女性を南天王の妃とするよう奏上した。南天王は、表面上これを許した。
塩治姫と見えたのは、実は春日姫であった。また、玉春姫と見えたのは、八島姫であった。国祖が隠退された後、国祖派の神々は、律法に遠慮することなく神術を駆使して邪神に対抗し始めていたのである。
春日姫、八島姫は、南天王が大道別であることを知って、再開を喜んだ。春日姫は恋人の鷹住別を思い出して沈んでいたが、鷹住別は清彦と名を変えて、南天王に仕えていた。二人は再会を喜んだ。
また、かつて大道別を想って故郷を飛び出した八島姫は自らの運命を嘆いていた。大道別は今は日の出の神・南天王となって国祖の神命を受けて活動中であるため、夫とすることはできなかったのである。
大道別は、そこで従者の芳彦という者を呼んだ。
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01 07 〔207〕
芳彦は、八島姫の父に仕える従者・玉純彦であった。大道別はそこで、玉純彦と八島姫に夫婦の契りを結ばせた。
八島姫はただ、父のゆるしなく結婚することにためらいを覚えたが、大道別は一通の信書を姫に差し出した。それは父・大島別からの手紙であり、八島姫は玉純彦と夫婦となって、南高山の後を継ぐべし、と書かれていた。
実は大島別自身も大道別のはからいで顕恩郷に隠れていた。玉純彦・八島姫の結婚の席にて三人は再会を果たした。そして、三人は密かに逃れて南高山に帰り、玉純彦は南高山の八王となった。
後には、白狐の旭が八島姫として顕恩郷にとどまっていた。南天王は鷹住別・春日姫に顕恩郷の王の位を譲ると宣言して、日の出の神としての神業に旅立ってしまった。
鷹住別は南天王の位を継ぐこととなり、祝宴を張った。この様子を棒岩の上から見ていた常治彦は悔しがって暴れ回った。すると、神輿はぐらついて岩の上からまっさかさまに落下してしまった。
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01 08 〔208〕
岩から落ちた常治彦は、額の角が根元から抜けてしまった。常治彦は血まみれになりながら、宴席に向かって石を投げつけようとしたが、体がその場に硬直してしまった。
そして、そこに現れた鬼武彦によって、エデンの大河に投げ込まれてしまった。
酒宴に顕恩郷の人々は酔いつぶれて、蟹の姿になってしまった。また、巨大な大亀が現れて酒を飲んで酔い、立ち上がって踊り出した。南天王の鷹住別は、この光景を見ておかしさに笑ったとたんに腰が抜けてしまった。
鬼武彦は驚いて神言を奏上すると、人々は蟹から元の姿に戻り、亀はばったりと伏して四つんばいになった。
鬼武彦は亀の背にまたがって棒岩に向かい、岩に登ると石像と化してしまった。顕恩郷の神々は、喜んで像を祀り祈願した。大亀は、また姿を消してしまった。
顕恩郷ではそれ以来、この石像を神と崇拝し、南天王夫妻も日を定めて参拝し、神勅を乞うて政を決するようになった。顕恩郷は天地の大変動による洪水まで、安全な場所であった。
鬼武彦の本体は、顕恩郷を去って常治彦を追っていた。常治彦はエデンの大河から這い上がり、命からがらエルサレムに帰郷した。しかし、聖地にはすでに常治彦が塩治姫とともに政務を補佐していたのであった。
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01 09 〔209〕
常治彦はエルサレムに帰還する前、エデンの河から這い上がって深い谷あいにやってきた。そこには、美しい女性のまわりに多数の鶴が舞っていた。
女性の側には湯が湧き出ており、女性は身体の傷を湯で治療していたのである。また、女性をよくよく見れば、塩治姫であった。
女性は常治彦を湯に招いた。常治彦が湯に入ると、前頭部の傷はすっかりいえて、角はなくなり、立派な神格の神となった。常治彦はこの塩治姫と夫婦の契りを結んだ。
温泉で養生を続けた二人は回復し、聖地に帰ることとした。すると一羽の鶴が降りてきて、常治彦の額を突いた。するとたちまち、たけのこのような角が額に生え出した。塩治姫はなぜか、常治彦の角を口を極めて賞賛した。
二人が聖地に帰ると、門を守っていた小島別が二人をさえぎった。常治彦は怒って、打ちかかってくる小島別を角で刺し殺した。
たちまち四方から、聖地の従者たちが得物をもって、常治彦に打ちかかった。常治彦は鋭い角で応戦した。
この騒ぎを聞きつけて、常世彦は殿内の常治彦・塩治姫とともに駆けつけた。すると、常治彦・塩治姫と瓜二つの者が、従者たちと争っていた。
常世彦は常治彦・塩治姫の手をとって宮殿の奥に引き返してしまった。
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02 10 〔210〕
常世彦は驚いて宮殿の奥にのがれ、国祖に祈った。すると大江山の鬼武彦が現れて、角のある常治彦の姿と代わってしまった。
同時に三人の常治彦が現れて、牛のように常世彦に突きかかってきた。すると奥殿から大爆音が聞こえて、瞬く間に宮殿は燃え尽きてしまった。
竜宮城の金殿はにわかに鳴動し、天に向かって延長して雲に達した。金殿は際限なく延長し、巨大な浮橋を形作った。浮橋から白煙がもうもうと現れ、聖地に雪を降らせた。常世彦は聖地を捨て、アーメニヤに向かって逃げ出した。
一方、エデンの宮殿も轟然と打ち倒れ火に包まれた。盤古大神は雪を掻き分けながらアーメニヤに向かって命からがら逃げていった。
途中、急に太陽が熱を増して雪が溶け、そこらじゅうが泥海になってしまった。常世彦、常世姫、盤古大神らは樹の上に逃れたが、そこに多数の蛇が逃げてきて巻きつき、苦しめた。
八頭八尾の大蛇が現れて暴れまわると水が引き、常世彦、常世姫、盤古大神らはアーメニヤにたどり着くことができた。
盤古大神がアーメニヤに着くと、不思議にもそこにはすでに立派な宮殿が建てられており、妻の塩長姫、長子の塩光彦が多くの従者らとともに出迎えた。このように奇怪なことが続発する世界となってしまった。
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02 11 〔211〕
盤古大神らは、忽然と現れたアーメニヤの宮殿に本拠を置くこととした。
神々が遷都を祝っていると、空に神軍が現れ、国祖が采配を振るっているのが見えた。神々が恐れのあまりひれ伏すと、宮殿と思えた場所は泥田の中であった。
一同が驚いていると、宮殿は蜃気楼となって空中に飛び上がってしまった。それとともに盤古大神、常世彦ら上位の神々も、宮殿とともに空に舞い上がったかのような幻が見えた。
従者神たちは、上位の神々が天上に登ってしまったかと思って探し回ったが、実は盤古大神も常世彦も泥田の中にいて、探し回る従者神たちの足に踏みつけられていた。
今まで国祖の神軍が見えた空には、八頭八尾の大蛇が火を吹いており、満天を黒雲で包んでしまっていた。
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02 12 〔212〕
そこへウラルの山颪が吹きまくり、神々を中天に巻き上げて釣りまわした。吊り上げられた神々らの首は、鶴のように長く伸ばされてしまった。
風が止むと全員、地上に落下して半死半生の状態で苦しんだ。中空に『八岐大蛇、八岐大蛇』という声が聞こえた。一柱の神が思わず、『八岐大蛇様、助けたまへ』と叫んだ。
すると天上よりうるわしい男女の神々が下ってきた。その中の長とおぼしき神は口を耳まで開き、ウラル山を守護する八頭八尾の大蛇である、と名乗った。そして、アーメニヤに神都を開くためには、八頭八尾の大蛇の霊を祀って百日の断食をすべし、と命じた。
神々らはウラル山に登山して、断食をなすこととした。断食を破って果物を食べた神々は、腹が裂けて苦しみを受けた。断食の違反者たちは縛られて木の枝にかけられた。空中からは、『鬼になりたい者は神命違反者を食らえ』と声がしたが、さすがに誰も応じる神は無かった。
断食五十日目には、神々らは立つ気力さえない状態となった。そこへ、東北の空から六面八臂の鬼神らが襲い掛かった。
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02 13 〔213〕
鬼神たちは神々を鉄棒でさんざんに打ち悩ました。すると突然暴風が吹いて、鬼神たちは追い払われた。
神々が不思議に顔を見合わせていると、盤古大神、常世彦、常世姫をはじめ、多数の神々は神がかりとなって、上下左右に身体を振動させて狂気のように飛び回り始めた。
これは、心身が弱ったところを見計らって、邪霊たちがいっせいに憑依したのである。
聖地エルサレムの天使・言霊別の長子である竜山別は、腹黒い神で、野心を抱えていた。エルサレムの変乱にも自己の一派はたくみに逃れて常世彦の配下に収まっていた。
竜山別は今回の断食にも参加していたが、八頭八尾の大蛇の眷属に憑依され、日の大神・月の大神であると百雷が轟くような声で名乗った。神々らはいっせいに歓喜の声を上げた。
そこへ中空に『邪神にたぶらかされるな』という声が聞こえた。盤古大神はこの声を聞くと、突然その場を逃げ出した。
盤古大神を常世姫がさえぎり、二神は格闘を始めた。他の神々は邪霊に憑依されて、残らず常世姫の肩を持った。
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02 14 〔214〕
竜山別は神がかりの状態で小高き丘陵に飛び上がると、盤古大神を非難した。
盤古大神は少しも動ぜず、鎮魂の姿勢を取って対峙した。また、常世姫の襟首を掴むと大地に思い切り投げつけた。常世姫は神がかりが解け、元の温和な性格に戻ってしまった。
このように、邪神は四魂を弱らせ、肉体を衰えさせて憑依するのである。深山幽谷で苦行をなすのは、すでに邪神に精神を惑わされてしまっている証拠である。
神がかりの修法のためには、正食をなし、心身ともに強壮にして爽快である必要があるのである。
盤古大神の審神は功を奏して、いったんは邪霊どもを追い払うことができたが、一度憑依した悪霊は、全部脱却することは難しい。悪霊の部分が、体内に浸潤してしまっていたのである。
そのため次第次第に常世彦、常世姫、竜山別は悪神の本性を表し、ついにまったく八頭八尾の大蛇の容器となって、神界を混乱させてしまうに至るのである。
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02 15 〔215〕
盤古大神の審神によって憑依は沈静した。神々らは盤古大神の神力に感服し、服従することになった。
盤古大神はウラル山中腹の平地に宮殿を造営しようとし、神々らは工事に着手した。
宮殿を造営するに当たり、棟木の材料のみが手に入らなかった。そこで盤古大神は自ら審神者となり、竜山別に神がかりさせて、神示を乞うた。
竜山別にかかった山口の神は、鷹鷲山の大樹を伐って棟木とするように告げた。人々は鷹鷲山に出向いたが、木は稀代の大樹であり、伐るのにほとんど三年を要した。
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02 16 〔216〕
常世彦の命によって常世城を守っていた大鷹別は、盤古大神がアーメニヤに遷都して宮殿を造営中であることを知ると、自らの野心を成就するために、大自在天を奉じて謀反を起こそうと画策していた。
このとき、本物の塩治姫、玉春姫は、白狐の術によって常世城に導かれ、捕虜となっていた。塩治姫、玉春姫は、大鷹別の野望を知ると、常世城を脱出してこのことを父に知らせようとしていたが、警備は厳しく、隙がなかった。
一方、盤古大神は霊夢の中で、アーメニヤにいる塩治姫、玉春姫らは白狐の化身であり、本物は常世城にとらわれていることを知った。
盤古大神は白狐を詰問するが、白狐たちは悪神を懲らすために、アーメニヤに怪事を起こしていたことを告げると、逃げてしまった。
大自在天はついに常世城を占領し、盤古大神一派に対して戦端を開くこととなった。
聖地竜宮城の三重の金殿は自然に延長して天空に高く伸び、丁字型の天の浮橋は燦然として東南西北に回転し始めた。その橋の先端からは、美しい金色の火光を花火のように地上に放射するようになった。
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03 17 〔217〕
大自在天は常世城で神政を開始し、自ら常世神王と名乗った。常世彦はこれを嫌って、自らウラル彦と名前を改めた。常世姫はウラル姫と改名した。盤古大神は盤古神王と改称した。
各地の八王はみな神を称し、八王八頭の名称は撤廃されてしまった。
ここに神界は大自在天一派と、盤古神王一派に二分された。万寿山、南高山をのぞく各八王八頭は、あちらに付きこちらに味方し、混乱はますます激しくなった。
この状況をかげながらうかがっていた国治立大神は、野立彦命と名前を変えて、木花姫の鎮まる天教山に現れた。豊国姫命は野立姫命となって、ヒマラヤ山に現れた。
高山彦、天真道彦命、天道別命らとともに、律法を遵守し、神業について計画しつつあった。万寿山の磐楠彦と瑞穂別、霊鷲山の大八洲彦命と大足彦らとともに、天下の形成を観望していた。
天道彦命は、野立彦命の内命を奉じて、青雲山に現れた。神澄彦、吾妻彦とともに、天地の大変動が来ることを予知し、神人を教化していた。
盤古神王とウラル彦は、常世神王の反逆に対して、各地の神々をアーメニヤに召集して討伐を計画していた。しかし常世神王の威力をおそれて、盤古神王に応ずるものが少なかった。
一方、常世神王・大自在天も八王八頭を招集しようとしたが、やはり参集するものはなく、八王八頭をまとめることはできなかった。
八王八頭は情勢を見つつ、小競り合いを繰り返すのみであった。今となっては、盤古神王も常世神王も、何となく威徳が薄く上にいただくのに物足りなさを感じていたのである。八王八頭は、ふたたび国祖のご出現を望むようになった。世界の混乱の鎮定を祈り、天地創造の大原因である神霊が降下して、善美なる神政を樹立する時を待ち望むようになったのである。
求心力を失った神界は、邪神が蹂躙するところとなった。
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03 18 〔218〕
国祖が野立彦命として現れた天教山には、木花姫命の招きにより、四天使(大八洲彦命=月照彦神、言霊別命=少彦名神、神国別命=弘子彦神、大足彦=足真彦)、国直姫命=国照姫神、大道別=日の出神、磐楠彦(万寿山の八王)=磐戸別神、斎代彦(天山の八王)=祝部神、大島別(南高山の八王)=太田神、鬼武彦=大江神、月日明神(高倉、旭の合体神)をはじめとする神々らであった。
召集された神々は、野立彦命の神勅を奉じて、予言者となって世界各地に派遣された。その神言は、『三千世界一度に開く梅の花、月日と土の恩を知れ、心一つの救ひの神ぞ、天教山に現はれる』というものであった。
しかし神々はこの予言を軽視し、単なる流行歌としてのみ聞き流していた。
あるとき、常世神王・大自在天は、門前に月日明神が予言歌を節面白く歌っているのを聞いて招き、宴席で歌い舞わせた。
月日明神の歌舞に、宴席の神々らは感嘆して見とれていたが、常世神王は苦悶と恐怖の色を浮かべて、落ち着かない様子であった。部下の問いかけにも、常世神王はただ、月日明神を賓客として大切に扱うように、とだけ言い残して、奥殿に下がってしまった。
月日明神は『世の終わりが近づいたため、心底より懺悔せよ』と言い残して、姿は煙のように消えてしまった。
常世神王は、月日明神の童謡は普通の神人が作ったものではない、天上の神の予言警告である、として天地の神霊を奉斎すべき、と宣言した。そして、それについては盤古神王と心を合わせるべきであるとし、捕虜としていた盤古神王の娘・塩治姫とウラル彦の娘・玉春姫を送還した。
アーメニヤでは、常世神王がにわかに前非を悔いて捕虜を送還してきたことに慢心し、意気盛んになった。そこへ、三千世界一度に開く梅の花、と歌う宣伝使・日の出神の声が聞こえてきた。
盤古神王はその歌を聞くと、威徳に打たれてその場に平伏した。しかしウラル彦夫妻は冷笑を浮かべるのみであった。
本文
03 19 〔219〕
ウラル彦は宣伝使・日の出神を捜索して捉え、牢獄につないでしまった。そして『飲めよ騒げよ、一寸先は暗よ』という歌を作って四方に宣伝させた。
ウラル彦たちが宴会を開いて、飲めよ騒げよ、と歌っていると、その場に盤古神王が現れて、宣伝歌を歌い始めた。盤古神王の歌を聞くと、過半数の神々は酔いもさめて畏れおののいた。
ウラル彦夫妻は負けじと、飲めよ騒げよ、と歌い返して両者争っていたが、牢獄の奥から荘厳な声が聞こえ、神々は苦悶して倒れた。
盤古神王はその声を便りに牢獄に進んでいくと、そこには日の出神がとらわれていた。盤古神王は日の出神を救い出し、丁重にもてなした。日の出神は野立彦命の神意を伝え、改心を迫った。
常世神王は帰順し、ウラル山の上に立派な宮殿を造り、日の神、月の神、大地の神を荘厳に鎮祭し、礼拝を怠らなかった。
一方ウラル彦夫妻は無神説を唱えて反抗した。飲めよ騒げよ、と歌って神務を忘却するに至った。
このとき、轟然と音響が響き、強烈な光が地上に放射された。それは、天の浮橋からの光であった。浮橋の先端から金色の星が幾十となく放出して、ウラル山上の盤古神王の宮殿に落下した。
盤古神王は大神の恵みとして、玉を拾い集めて神殿に安置し、日夜奉祭した。それよりウラル山上は瑞祥があふれるようになった。
そしてこのときより、盤古神王とウラル彦の間には、深い断絶が築かれてしまったのである。
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03 20 〔220〕
顕恩郷の南には、エデン側をはさんで桃園郷という部落があった。顕恩郷の住人が蟹に変化するのに対し、桃園郷の住人は、猿のような出で立ちをしていた。
桃園郷は異常気象に見舞われて積雪・寒風吹きすさび、住人たちは飢えていた。ついに桃園郷の王は、顕恩郷を占領しようと企てた。
桃園郷の住人たちは夜陰にまぎれて顕恩郷に襲来し、果実で飢えを満たすと、鬨の声を上げて攻め寄せた。桃園王は大刀を引っさげて南天王の宮殿に暴れこんだ。
不意を突かれた南天王は桃園王の一撃に深手を負って、山中の鬼武彦の石像まで逃げて行った。
そこへ桃園郷の追っ手が迫ってきたが、鬼武彦の石像から怪しい光が発射し、強熱で桃園郷軍を追い払った。エデン河に追い立てられた桃園郷軍は、蟹と化した顕恩郷軍にさんざんに敗北した。
鷹住別の南天王は、最初の敗北と逃走で、顕恩郷の人々の信頼を失ってしまった。これはいつしか鷹住別が心を緩めて慢心し、祭祀の道をおろそかにした故であった。鷹住別夫婦は顕恩郷を飛び出して、モスコーへ逃げ帰ることになってしまった。
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03 21 〔221〕
鷹住別の南天王夫婦が去ってしまったため、顕恩郷では蟹若という強者が指導者に選ばれた。顕恩郷の人々は鬼武彦の石像を頼りにし、日夜礼拝を怠らなかった。
あるとき、顕恩郷をものすごい旋風が襲うと、雲の中から鋭い光がひらめき、石神像のままの神が現れた。これは本物の鬼武彦に他ならなかった。
鬼武彦は大江神と改称し、顕恩郷の人々に天教山の野立彦命の教えを伝えるために現れたのであった。
大江神は、『三千世界一度にふさがる泥の海、月日と地の恩を忘れな、心次第の援けの神』と唱えた。神人らは、平和な顕恩郷がどうして泥の海になるのだろうか、といぶかしんだ。
大江神は大神の神示を伝え、顕恩郷の恵みを飽食して暮らすだけではなく、貧しい桃園郷の人々と分かち合う道を説き諭した。
顕恩郷の神人らは大神の神意を悟り、桃園郷に大江神とともに出向いて顕恩郷への移住を勧めた。
顕恩郷の恵みは移住者を受け入れても、十分に有り余るものであった。これより神人らは大江神の教えを守り、敵対していた二つの種族も今は仲良く暮らす小天国が建設された。
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03 22 〔222〕
大江神はこの小天国の神王となった。蟹若と桃園王がその補佐となった。大江神は果実が実らない木を伐採し、方舟を多数作らせた。人々はいぶかったが、蟹若はただ、大江神を信じて従うのみ、と神人らを諭した。
神人らの働きにより、三百三十三の方舟が完成した。舟には残らず果実や家畜、草木の種を満載した。
すると、顕恩郷の東北に立っていた鬼武彦の石像が立つ棒岩は、音を立てて回転し、天に向かって伸張し始めた。これを天の逆鉾という。顕恩郷の人々は逆鉾の下に来て供え物をし、祝詞を唱えて顕恩郷の繁栄を祈願した。すると天の逆鉾から宣伝歌が聞こえ、そして沈黙した。
後に地上の大洪水が起こったとき、この郷の神人らは残らず方舟に乗ってヒマラヤ山に難をのがれ、二度目の人間の祖となった。
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04 00 - 本文
04 23 〔223〕
聖地エルサレムが崩壊し、八王大神らがアーメニヤに逐電した後、橄欖山の神殿は鳴動し、竜宮城の三重の金殿が空中に向かって延長し、上端は東西に伸びて丁字型の金橋を形作った。
この金橋は緩やかに回転し、橋の各部から美しい細い金色の霊線が発生して、柳のように地上に垂下した。霊線の先には、金・銀・銅・鉄・鉛などの鉤がついていた。これを「神の御綱」、または「救ひの鉤」という。
中空に金橋が伸びて回転する様を見て、地上の神人らは怪しみ不安の念にかられた。宣伝使たちは各地を回って、教えを受け入れ正道に帰順した神人には、ひそかに見えない「神」の印をつけて歩いた。
しかし、ウラル彦の体主霊従の宣伝歌も勢いを得て、これに狂惑される神人らも多数あった。
そんな中、「神」の字がつけられた神人は、金橋の霊線の鉤にかけられて中空に引き上げられるものが多数出てきた。引き上げられるものの中にも、行いや心がけに応じて、苦しみつつ引っかけられるものもあれば、帯に鉤がかかって易々と金橋に上るものもあった。
中には耳、鼻、あご、首、腕などを鉤にかけられ、苦しみの余り地上に落下してしまうものも沢山に現れた。
このとき、天橋には第二の銀色の橋があらわれ、銀色の霊線を地上に垂らし、中の身魂の神人を引っ掛け始めた。また同じく銅色の橋が銅色の霊線を垂らし、同様に相応の身魂の神人らを引っ掛け上げ始めた。
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04 24 〔224〕
天橋は、竜宮城の顕国玉の神威の発揚であった。金・銀・銅の橋は、それぞれ上中下の身魂の神人らを救い上げた。
瑞月の前には銀色の霊線が下りてきて、たちまち腹部の帯に鉤がかかると眼もくらむばかりの速さで空中に引き上げられた。『眼を開けよ』という声が聞こえた。するとはるか空中の銀橋の上に立たされていた。
頭上から国姫神の神示が聞こえ、小松林命の神名を授かった。そして、天上の光景を両親兄弟朋友知己に語って悔い改めを促し、神の道に就かしめるように、との命が与えられた。
頭上から降ってきた金線を掴むと、あっという間に地上に降ろされた。そこは広々とした原野で、恐ろしい猛獣が散在していた。しかし猛獣たちは不思議にも、立派な館に住んでいた。
国姫神より、黒布が授けられた。この黒布をかぶってみると、猛獣たちは人間であり、自分の親しい友人たちも混じっていた。
そうするうちに、また金線が下がってきて上空まで引き上げられた。今度は金橋の最高点で、国姫神が現れて、金橋について語った。
それによると、この橋は黄金の大橋といい、また天の浮橋という。地球の中心である火球から金気が上り騰がり、顕国の玉となり、この玉の威徳によって、国の御柱が空中に高く延長したのである。
御柱の頂上は左右に分かれ、左が男神、右が女神が渡る橋である。この橋はなめらかで欄干も無く、暴風が吹いて、油断すれば再び地上に転落してしまう。一足も油断無く、あらゆる心を配って渡るべき橋は、実に神柱たるもののつとめである、との神示であった。
王仁はその教訓を拝して一歩一歩はだしで進んでいった。たちまち金橋が回転を始め、危機迫る思いに顔色をなくしてしまった。すると、勇猛・果断たれ、毅然として神命を敢行せよ、恐れるな、との声が聞こえた。
この声に恐怖心はすっかり払拭された。金橋は回転を速めて旋回し、また元の東の位置に戻った。するとそこは、天教山の頂であった。そこには木花姫命をはじめ、多数の神人らがいて、歓迎の意を表した。
王仁は天教山の山頂に、神々とともに停立していた。
突然山上を吹きまくる吹雪の寒さに痛みを感じ、烈風に吹かれて山上に倒れ伏した。額を打って両眼から火光が飛び出したと思うと、王仁の身は高熊山の岩窟に静座して、岩角に頭を打ち付けていたのであった。
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04 25 〔225〕
瑞祥あふれる天教山に、木花姫命をはじめ宣伝使たちは意気を休めていた。神々らは天眼鏡を片手に地上の様子をおのおの眺めていた。
木花姫命は一同を集めると、さまざまな色の被面布を授け、現界・幽界で神言を伝える際には、この覆面を必ずかぶるように、と言い渡した。神々は変装して、野立彦命の神教を宣伝するため、八方に手分けすることになった。
このとき天教山は鳴動を始め、その音響は次第に強烈になってきた。木花姫命は、天教山の鳴動は火球の世界から大神の神霊が現れ、スの種を世界にまくばる瑞祥のあらわれである、と諭した。そして自らは天教山の中腹に転居した。
木花姫命は神々らにヒマラヤ山に一度集合して、野立姫命の神教を拝受した後、宣伝使となって世界を救済するように、と凛とした威厳をもって宣旨した。
天教山はついに大爆発を起こして中空に火花を散らすことになった。
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04 26 〔226〕
轟然とした大音響と共に、天教山の頂上から多数の星光が打ち上げられ、世界の各地に落下した。これは、神示の宇宙で示した地球の中軸の大火球(=根底の国)に落ちて、種々の艱難辛苦をなめた神人らの身魂が、時を得て、野立彦命の神徳により、地中の空洞(天の岩戸)を開き、天教山の火口から爆発したのであった。
これがいわゆる、地獄の釜の蓋が開く、ということである。また、「天の岩戸開き」というのも、このことを言うのである。
地上に散布された星光は、根底の国の労苦によって洗練され、天授の真の霊魂に立ち替わり、美しい神人として地上にそれぞれ身魂相応の新徳を発揮することになったのである。
これが、木花姫命が説き諭した、三千世界一度に開く梅の花、開いて散りて実を結び、スの種子を養う、ということなのである。つまりこれは、野立彦命が、世の立替、立て直しの先駆として、まず世に落ちていた正しい神人を一度に地獄の釜を開いて救い、世界改造の神種とした、深遠なる御経綸なのである。
木花姫命が宣伝使とともに天教山の中腹に下ってくると、銀橋を渡って天教山にたどり着いた神人らが、歓呼の声で迎えた。このように天教山には、上中下の身魂の神柱がおのおの部署を定めているのである。
地上に星光として散布された身魂は、美しい神人となって各地に現れた。この宣伝者の教えを聞いて随喜し、説く者と聞く者の意気が合するときは、神の正しい教えが身魂の奥にしみわたり、磁石が鉄を吸い寄せるような密着の関係を作ることができる。これを因縁の身魂という。
木花姫命の宣旨を奉じた宣伝使たちは、ちょうど回転して来た銀橋に乗り、そのまま空中をめぐって無事にヒマラヤ山に降り立った。ヒマラヤ山では神人らが木を伐採し、夜に日を継いで盛んに建築をしていた。一行はその中を丁寧に一礼しながら、山上の野立姫命の神殿に向かって粛々と登っていった。
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04 27 〔227〕
一行は、ヒマラヤ山の山頂の白銀の宮にたどり着いた。そこでは高照姫神が一行を出迎えたが、その場には、いったん根底の国に退去したと思われていた、宣伝使たちの妻神たちが居並んでいた。
しかし神人らは互いに神命をつつしみ、ただ目と目を見合わせて言問うことを控えていた。高照姫神は、野立姫命は今は蔭の守護となっており、面会することはできない、と伝えた。
高照姫神をはじめ一同は、祝部神がいないことに気がついたが、その場はひとまず解散となった。少彦名神は、祝部神を探してにぎやかな建設現場の方へと歩いていった。すると、声勇ましく汗みどろになって立ち働いている祝部神を見つけた。
祝部神は木花姫命からもらった被面布も失くすほど夢中で立ち働いていたが、少彦名神に気をつけられて、被面布を探し出し、白銀の宮に登っていった。
白銀の宮の前では、妻神の祝姫が心配そうに待っていた。二神は顔を見合わせ、ただ無言のまましばし休憩した後、それぞれの持ち場に戻っていった。
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04 28 〔228〕
高照姫神から授けられた野立姫命の垂訓は、『朝日は照るとも曇るとも 月は盈つとも欠くるとも 大地は泥に浸るとも 誠の力は世を救う 誠の力は世を救う』という宣伝歌であった。
宣伝使たちは諸方宣伝の旅の門出に当たって、祝いの宴を振舞われた。そして一行は世界に散って行った。
祝部神は祝宴もそこそこに一目散にヒマラヤ山をどんどんと下って行った。山麓では神人らが大勢集まって、飲めよ騒げよ、とウラル教の歌を歌っていた。
祝部神は負けじと宣伝歌を大声で歌い始めた。神人らはこの声に非常な苦痛を感じ、祝部神に打ってかかった。祝部神が追い詰められているところへ、ちょうど山を下りて来た天道別命、月照彦神らの一行が出くわした。
天道別命らも、一緒になって宣伝歌を歌い始めた。山麓の神人らは天道別命らにも打ってかかったが、被面布をかぶった宣伝使たちの姿はたちまち、見えなくなってしまった。
そうするうちに天に荘重な声があり、山麓の神人らを諭し、高山彦・高山姫に従って地教山に仕えるように、と聞こえた。神人らは驚き畏れ、ひれ伏して宣伝使たちに謝罪した。
そこへどこからともなく天の磐船が現れて、天道別命ら一行を乗せて天高く、東西南北それぞれの方向に姿を隠してしまった。
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05 00 - 本文
05 29 〔229〕
宣伝使が選定されて各地に配置された後、金銀銅の天橋の光は消えうせた。そして東北の天に十六個の黄金色に強く輝く大星が輝き、西南には銀色に輝く十六個の星が現れた。
たちまち天は墨を流したように暗黒となり、また血のように真紅の色となり、さまざまな色に変化した。そして暴風、日照り、寒風、火山、地震などの天変地異がしきりに発生した。
神人らは神頼みでいっせいに地に伏して嘆願する惨状を呈した。この天変地異は七十五日続いた。これは大神が地上神人の身魂を試したご経綸であったが、真の神の恩を感得した者は、千分の一にも満たなかった。
大神の悲嘆の涙と吐息は天変地異を発現させるため、穢れ曇った地上世界の様子をご覧になっても、泣くにも泣かれず隠忍していた。しかし数十万年のうちに体内に蓄積した涙と吐息は抑えきれず、ついにいつ体外に勃発するかもしれない事態に至った。
体内に溜め込んだ吐息は鼻腔よりかすかに漏れて大彗星となり、宇宙間に現れては消えていった。しかしその邪気なるガス体は宇宙間に飛散して、一切の生物の寿命を害するようになった。
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05 30 〔230〕
暗澹とした天地の光景は一変し、穏やかな日となった。地中海の渡船場にひとりの異様な旅姿の宣伝使があらわれ、乗船を迫った。
船戸神は宣伝使を差し招き、一点の雲もない空の下、穏やかな海面を船は出港した。風のない海面で船は遅々として進まずに漂っていた。神人らは四方山話にふけって時を費やしていた。
連日の無聊に退屈した神人らは、ウラル教の宣伝歌を歌って騒ぎ始めた。これを聞いていた宣伝使は身を起こし、涼しい声を張り上げて天教山の宣伝歌を歌い、手をうち足を踏みとどろかして舞い狂った。
神人らはこの歌声につり出されてともに興に乗って踊り始めた。
この光景に苦々しい面構えをした巨大な神人が立ち上がった。
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05 31 〔231〕
船中の宣伝使は、祝部神であった。一方、これに対抗して立ち上がったのは、ウラル彦の宣伝使・牛雲別であった。
祝部神はかまわず、牛雲別を揶揄するこっけい歌を歌って挑発した。船中の神人らは祝部神の大胆さにあきれて様子を見守っていた。
牛雲別は大口を開けてがぶがぶ酒を飲みながら、酒を賛美し祝部神を罵る歌を歌って、船中の神人らに酒を振舞った。神人らは牛雲別の酒を振舞われて、酒を賛美する歌を歌って踊った。
祝部神は元来酒好きであったが、ここは神の試練とぐっとこらえて、声を張り上げ宣伝歌をふたたび歌い始めた。
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05 32 〔232〕
へべれけになった神人らには、祝部神の歌う「三千世界云々」の歌に苦痛を覚えた。やがて夜もふけて静かな丑三つ時ごろ、酒に酔いつぶれて寝ている神々らを嵐が襲った。
神人らはいっぺんに酔いもさめて激しく波風に揺られ翻弄される船の中にただ震えていた。祝部神はここぞとばかり声を張り上げて、悔改めの宣伝歌を歌い始めた。
やがて船は一つの島に打ち上げられた。
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05 33 〔233〕
船が打ち上げられたのは、地中海の牛島(サルヂニア島)であった。ここは、黄金水の霊から現れた玉のうち、竹熊に奪われなかった残りの瑠璃光の玉を、高杉別が従者・杉高に命じて密かに隠させた場所であった。
玉を島の頂上の岩石に隠し、その上にしるしの松を植えて杉高に守らせたのである。
先の天教山の爆発に際して、天空から十一個のうるわしい光輝の宝玉が瀬戸の海に落下した。海神はそれを杉高に奉ったため、牛島には十二個の宝玉が揃うことになったのであった。
これは玉を守る杉高の真心に感じて、国祖が賜ったものであった。後に、杉高は十二個の宝玉を奉じて高杉別とともに神業に奉仕することになる。
さて、暗中島に打ち上げられた神人らは、この苦境の中で、祝部神の歌う宣伝歌に感じてその意を悟り始めた。祝部神はさらに、改心を促す歌を歌った。
祝部神の歌が終わるとともに、朝日がさんざんと輝いた。牛雲別はこの苦難のうちに自らの非を翻然として悟り、酒を廃して祝部神に帰順した。
牛雲別は祝彦を改名し、杉高は杉高彦と名乗り、共に祝部神に付いて宣伝使となった。牛島の十二個の宝玉は天の磐船に載せられて、地教山の高照姫命のもとに送り届けられた。
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05 34 〔234〕
牛島に打ち上げられた神人らは、山の杉の大木を伐りだして船を作り、ふたたび海に漕ぎ出した。祝部神は、船中の神人らに船旅の意図を尋ねた。
神人らの中の長と思しき神人は経緯を語った。神人らは小郷の酋長たちであった。先ごろの天変地異に対して里の神人らの不安は一方ならない中、西南の銀色の十六個の星が何事かを暗示していると思われるため、西南に向かって真相を確かめに行く途中である、と明かした。
意見を求められた祝部神は、主神の存在を説き始めた。そして体主霊従の邪気によって世界が悪化し国祖がご隠退されたために、現在の天変地異が引き起こされた経緯を説いて、悔い改めを諭した。
そして、自分たちは野立彦命、野立姫命の神勅を伝えるために旅をしていることを明かし、福音に耳を傾けるようにと説いた。並み居る神人らは緊張した面持ちで祝部神の話しに聞き入った。
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06 00 - 本文
06 35 〔235〕
祝部神の教示を聞いていたかの酋長は、もし宇宙の独一真神である大国治立尊が存在するならば、何ゆえ天変地妖をを鎮めて地上の神人らを安堵しないのか、と尋ねた。
祝部神はこともなげに、全知全能の大神の経綸は、我々の知るところではない、と言い放ち、吉凶禍福は神の命じるところであり、我々はただ神の教示に従って霊主体従の行動を取ればよいのだ、と喝破した。
祝部神は雲の出現と行く末さえも、我々は予知することができない、と続け、ただ大神の意思に従順にしたがうのみである、と宣伝した。船中の神人らは大神の無限絶対の霊威に感嘆し、「惟神霊幸倍坐世」と高唱した。
おりから寒風が強く吹いて霰が船に降り注ぎ始めた。祝部神は立ち上がり、宣伝歌を歌って船中の神人らを勇気付けて宣伝を続けた。
船は荒れ狂う海を越えて、かろうじて西南の岸に着いた。ここは埃(え)の宮、または埃(え)の港という。一行は勇んで上陸した。
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06 36 〔236〕
埃の宮では、天教山・地教山の宣伝歌を節面白く歌う宣伝使に神人らが群がっていた。祝部神はその声に心勇んで、祝彦、杉高彦とともに声のする方に進んでいった。
埃の宮で吹きすさぶ烈風にも負けずに歌う宣伝歌は、月照彦神と祝部神であった。その宣伝歌は地教山にまで届いた。地教山の高照姫神は黄金の幣を取り出して、烈風を払った。
真澄姫神は地教山の高殿から、埃の宮で宣伝を続ける夫神・月照彦神のために歌を歌った。その歌は埃の宮の宣伝使たちに届いた。二宣伝使は勇気百倍して、宣伝を続けながら聖地エルサレムを指して進んでいく。
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06 37 〔237〕
烈風ふきすさぶ埃及(エジプト)に現れた宣伝使一行はここに別れを告げ、月照彦神は東方を指して、祝部神一行はエルサレムを指して進んでいった。
風がおさまってからりと晴れた中、前方からやせ衰えた女人が車を引いて、北へと向かっているのに出くわした。車には、足がきかない様子の男子が乗っている。
祝部神はこの様を見て驚いた。女人は祝部神を見ると、袖にすがりつき、自分はモスコー八王の娘・春日姫であると明かした。そして、祝部神に、貴下は天山の八王・斎代彦ではないか、と問いかけた。
祝部神は黙って春日姫の口に手を当てた。春日姫はその意を悟り、そ知らぬふりで自分の思い違いであると宣し直した。祝部神は、自分はただ、素性の卑しい宣伝使であり、そのような尊き神人ではない、とだけ言った。
祝部神は車上の男子が鷹住別であると気づいて、驚いて声をかけた。鷹住別はたださめざめと涙を流すのみであった。
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06 38 〔238〕
祝部神は、めそめそする奴は大嫌いだ、と言い放つと、杉高彦、祝彦とともに面白歌を歌って踊り始めた。
その歌は、鷹住別と春日姫の仲をからかう滑稽な歌であった。この面白い歌に車上の鷹住別は思わず立ち上がって足を踏みとどろかせて一緒に舞い踊った。
鷹住別の足が立ったのを見て、春日姫はうれし泣いた。祝部神はまた、泣く奴は大嫌いと言って面白い歌を歌って踊り、溝の中に落ちた。落ちながらもまだ歌い踊っていた。
その様を見て一同はどっと笑い転げた。難病の足が治ったのも、ひとえに笑いと勇みの効果である。
天地の間のことはすべて、言霊によって左右されるものであれば、笑い勇んで暮らすべきである。万物の霊長と生まれた人間が、この世を呪い悲しむべきではない。この世を怒り憂い悲しむ禍津の心を取り直し、いかなる大難にあっても決して悔い悲しむべきではない。
勇めば勇むだけ神徳が備わるべき人間として生まれさせられているのである。
本文
06 39 〔239〕
西に高山、東に万里の海を控えた浜辺に立って、怒涛のごとく荒れ狂う波を眺めながら、雑談にふける四五人の男たちがあった。
男たちは、宣伝使が最近あちこちに現れては、三千世界一度に開く梅の花、大地が沈むとも真の神は世を救う、という福音を宣伝していることについて、あれこれと品評をしていた。
そんなことがあるものか、といって互いにけなしあいながら、おかしな話をしていた。乙はウラル教の教えこそ天国の福音だ、と言う者もいた。
そこへはるか前方から三人の宣伝使が、予言の宣伝歌を歌いながらやってくると、ウラル教を賛美していた乙は、顔をしかめてしゃがみこんでしまった。暴風はますます激しくなり、一同は山へ逃げ込んでしまった。
本文
06 40 〔240〕
月照彦神は、宣伝の道すがら、モスコーの道貫彦の神館を通りかかった。すると館より鷹住別・春日姫夫婦が月照彦神の前に現れた。夫婦は父の八王・道貫彦は天教山の教えに耳を傾けず、どうか諭してほしい、と月照彦神に嘆願した。
道貫彦は館で酒宴の真っ最中であったが、突然倒れ、館内は大騒ぎになってしまった。そこへ館の外では怪しい三人の宣伝使が、涼しい声を張り上げて、道貫彦に警告を与える宣伝歌を歌い始めた。
この警告の宣伝歌の文句は、道貫姫の胸に突き刺さった。そこで姫は従神に命じて宣伝使を招き、奥殿に招きいれた。宣伝使たちは遠慮もなく進みいると、天教山の教えを伝える宣伝歌を歌い始めた。
卒倒していた道貫彦はがぜん立ち上がり、一緒に踊り始めたので、神人らは驚いた。
三柱の宣伝使は身にまとった蓑笠を脱ぎ捨て、中央に鼎立した。それは、大八洲彦命(月照彦神)、鷹住別、春日姫であった。
道貫彦は悔改め、月照彦神の教示を受け入れて従者となり、一緒に諸方を遍歴することとなった。
本文
06 41 〔241〕
青雲山を訪れた宣伝使・天道別命は、八王・神澄彦夫妻、八頭・吾妻彦夫妻の歓待を受けた。
神澄彦夫妻、吾妻別夫妻は天教山の神示を奉じて、青雲山の役職を捨て、宣伝使となって旅に出発した。
本文
06 42 〔242〕
神澄彦宣伝使は、一面の銀世界の中、雪をかきわけて南高山へとやってきた。みすぼらしい蓑笠姿で夜に門を叩くが、門番神は取り合わない。
神澄彦は大音声で出任せ歌を歌いながら、南高山の大島別を呼ばわった。大島別の娘夫婦、玉純彦と八島姫は、ただちに宣伝使を館内に招き入れた。夫妻はそれが神澄彦であることを認めた。
神澄彦は、天教山の宣伝使となって旅をしていることを打ち明けた。夫妻は神澄彦の宣伝に熱心に耳を傾けていた。
しばらくして、奥殿にそうぞうしい声が聞こえた。見れば、南高山の大島別は、憑依していた邪神が神澄彦の宣伝歌に驚いて逃げ出した刹那、老衰のために帰幽してしまっていた。
これより、玉純彦、八島姫夫妻は神澄彦の誠心に感じ、宣伝使となって南高山城内をはじめ諸方を遍歴し、神の福音を伝えることとなった。
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07 00 - 本文
07 43 〔243〕
神澄彦の手引きで、野立彦命の教えに帰依して宣伝使となった南高山の玉純彦は、妻の八島姫に別れを告げて、聖地エルサレムに向けて宣伝の旅に旅立った。
八島姫は夫の無事を祈る歌を歌った。
本文
07 44 〔244〕
ロッキー山のふもと、スペリオル湖では、少彦名神の宣伝使が、船に乗っていた。激しい風に湖面は荒れて、すさまじい光景を見せていた。
少彦名神が言霊を唱えると、暴風はぴたりと止んだ。船内の常世の国の人々は一様に少彦名神に感謝の念を抱いた。船客のひとりが少彦名神の素性を問うたのをきっかけに、少彦名神の船内の講話が始まった。
曰く、宇宙間には無限絶対無始無終の大国治立の大神が存在し、この世のものすべては、大神の御分霊である、と。そして船客の問いに答えて、スペリオル湖にも神はおり、あらゆる場所に神が宿るがゆえに、神を汚してはならない、と教えを説いた。
船を降りると、少彦名神は宣伝歌を歌いながら西へ西へとあてもなく進んでいった。
本文
07 45 〔245〕
万寿山の八王であった磐楠彦は、磐戸別の神と名を改めて、宣伝の旅に各地を回っていた。常世の国を横断し、竜宮城へと渡るために、常世の国の西岸の紅の港にやってきた。
そこには船人たちが雑談にふけっており、噂話に花を咲かせていた。海の向こうの戦争の話から、万寿山の宣伝使の宣伝の話をしていた。
そして竜宮島=冠島に秘めおかれた潮満潮干の玉をウラル彦の手下が取ろうと攻め寄せ、大海原彦神が迎え撃ったが、玉には神力がなく、奪われてしまった、という。また、沓島の玉にも力がなく、これも敵に奪われてしまった、という話をしていた。
しかし実は玉の力は厳の御魂がシナイ山に隠してしまっていた。ウラル彦の手下はシナイ山も攻めたが、守護神の貴治別が岩石を降らして撃退した、という。
本文
07 46 〔246〕
ウラル彦は大蛇の身魂の威力を借り、ウラル姫は金狐の悪霊の指図を受けて、アーメニヤは一時的に隆盛を極めた。アーメニヤに集まってきた神々はいずれも、体主霊従の行動を取った。
ウラル彦はついに、日ごろから仲の悪かった盤古神王を暗夜に乗じて攻撃するに至った。ウラル彦は盤古神王の孫神にあたるにもかかわらず、このような恐ろしい挙動に打って出たのである。
盤古神王は無抵抗主義を取って泰然としていたが、賓客として滞在していた日の出神に励まされ、妻・塩長姫、娘・塩治姫と共に、夜陰にまぎれてアーメニヤを脱出した。
聖地エルサレムに逃れた盤古神王は、形ばかりの仮殿を建てて天地神明を祀り、世界の混乱鎮定を祈願することになった。天変地異が頻発し、地上の神人は非常な苦しみを味わう世界となってしまった。
本文
07 47 〔247〕
盤古神王を都から追い出したウラル彦は、自ら盤古神王を名乗った。そして軍を召集すると、常世城奪還の戦争を開始し、常世神王軍と激しく争った。
しかし暴風が激しく吹きすさび、津波が発生して常世城が今にも水没するという災禍が起こったため、盤古神王軍はひとまず引き返した。常世神王は驚いて天地を拝して天津祝詞を唱え、天教山に向かって助けを求める賛美歌と唱えた。
すると天橋が現れて、常世神王や部下の大鷹別の体を引っ掛けて空中に吊り上げてしまった。
盤古神王のウラル軍は大半が水没し、命からがら逃げ帰った。
本文
07 48 〔248〕
聖地エルサレムは荒廃のきわみにあった。かつての天使・真心彦の従臣であった国彦、国姫の子ら、真道知彦、青森彦、梅ヶ香彦は、祝部神から天教山の教えを聞いて意を決し、神政を復興しようとした。
父母である国彦、国姫を主管者と仰ぎ、三兄弟が神政を補佐することとした。諸方に散乱していた神人らは、この報せを聞いて集まってきた。皆、聖地の神政を待ち望んでいたのである。
しかし国彦、国姫は放縦で節制がなく、三兄弟の諫言も聞かず、再び聖地は混乱に陥ってしまった。
竜宮城の三重の金殿は、諸刃の剣の形となって天に延長してしまった。これを天の浮橋、また弥勒塔という。
三兄弟は橄欖山の大樹を伐って方舟を作らせたが、国彦、国姫はこれを妨害した。
そこへ、盤古神王の一行がウラル山を逃れて日の出神の手引きでエルサレムにやってきた。エルサレムは再び隆盛を見ることになった。
しかし天変地異が起こり、天地は振動し、星は空中に乱れ散り、怪しい音響、雨が滝のように降り注いで聖地も半ば水中に沈んでしまうほどであった。
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07 49 〔249〕
エルサレムの三兄弟は、盤古神王を丁重に迎えた。
三兄弟は国彦、国姫が神明に背いて律法をかく乱するのを見て、情よりも大儀を取り、盤古神王を総統神と仰ぐことにした。
しかし天変地異はおさまらなかった。
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07 50 〔250〕
大足彦はいまや足真彦と名前を変えて、宣伝の旅に諸方を巡っていた。常世の国の紅の郷にやってきた。この地は蓑彦という正しい神人が治めていた。
足真彦は、数十人の神人らが山林の楠の木をしきりに伐採しているのを見た。彼らの話によると、これは蓑彦が来るべき大洪水に備えて方舟を作っているとのことであった。
蓑彦は足真彦の後を追って来て、丁重に館に迎え入れた。
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