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霊界物語あらすじ

説明を読む
ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第10巻 霊主体従 酉の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
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天地の神の守護厚い日の本の国は、開国してから五十年、列強に伍して日清・日露の戦争を戦い、勝利を得た。日の御子のご英断と神威の賜物により、国勢は高まった。
神国の民は、この責任重大なるを覚悟して、兵力によって平和をもたらす戦いに勝ち、また新旧思想の戦いという霊的戦争にも打ち勝って、神国を守るべきである。
皇祖皇宗の神勅である大本の神諭を遵守して、人格を高め神格を進め、神威を顕彰するのだ。
神州国土を平安に守り、子孫代々、暗の世界を修理固成することを天職となすという使命を、直霊に省み真心込めて祈るべきである。
日の本の国は、神が初めて造った珍の神国である。他の国々が、我が皇室の御陵威になびき、仁慈に浴すべく、漏れることなく安くしろしめすのが天職である。
東洋文明を代表し、西洋文明を調和して、さらに世界の文明を醇化し美化していく。人類の真の平和を促進する。そして人道が完備した瑞祥の世が来るように図ることが、神国民の天職使命と覚悟せよ。
神の教えをよく守り、国の光を輝かせよ。
本文
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世は常闇となり果て、天岩戸を開くよしもない状態である。
九月十八日より述べ始めた霊界物語は、三つの御魂にちなんだ三筋の糸に引かれて、二度目の天の岩戸を開く、めでたい神嘉言である。
常世の国の自在天は、三つ葉葵の紋章を高く掲げている。
思想の洪水は氾濫して、ヒマラヤ山をも浸すほどであるが、この混乱が収まる兆しはまだ見えない。
妖邪の気は満ち満ちて、人の心は腐り果てている。この惨状を救う神はいったいどこにいるのだろうか。
三五教の御教えこそが、この世の光明であり、とどめ(艮)の教えなのである。
キリスト、マルクス、釈迦、竜樹、アインシュタインらが世界の実相を説き明かしてきたと言うが、果たしてそれは真理の究明であったであろうか。
宗教学者が主張する死した神仏を葬って、最後の光が墓を蹴り倒す。そうしてよみがえらすのは、五六七神(みろく神)である。
そこに胎蔵されているのは、根本的な改造の大光明である。仏者の言う、尽十方無碍光如来(あらゆる方向に向かって何物にも妨げられない光を発する如来、阿弥陀如来)とはこれである。釈迦に悟りを開かしめた暁の太白星も、東方の博士をキリスト生誕の馬小屋に導いた怪星も、否定の闇を打ち破る大統一の太陽も、捨身供養の炎も、みなすべて五六七(みろく)の顕現なのである。
精神上の迷信に根ざす宗教はもちろん、物質上の迷信に根ざす科学をも焼き尽くして、迷える魂を導いて神国に復す導火線にしようと、密かにただ一人自負を抱き、二人の吾が真の知己のために注ぐ熱血なのか、自暴自爆の懺悔の火なのか、自分ではわからないが、神のまにまに述べ伝う第十巻である。
本巻は、三個の桃の実と現れた松・竹・梅の三姉妹の、獅子奮迅の大活動を後の世に残す物語である。三姉妹の活動が八洲の国の礎を築いたごとく、この物語が、多くの人を大神の誠の道に導き、雄雄しい魂となさしめ給いますように。
黄泉比良坂の大峠の物語は、今も昔も同じことである。三つの神魂に習い、桃の花・桃の実となって御国のために尽くすべきである。
神は汝とともにある。仁慈深い大神の御手に引かれてやってきた曲神たちを、誠の教えの剣、善言美詞に打ち払い、自身の身そのまま神となって、皇御国のために力限りに尽くせ。
神を離れて神に就き、道を離れて道に就く。三五教の月の心を心として尽くす真人こそ、頼もしい限りである。
本文
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『変性女子は尊き至聖至厳の五六七殿に、仮説劇場を常置して霊界物語なんぞを語っている。変性女子にだまされきった近侍たちは、浮いた調子で節をつけ、寄席気分で神を馬鹿にしている』と嘆く輩がいる。
そういった輩は、霊界物語は変性女子の世迷言であるとして認めず、何を言っても聞き入れてくれない。
しかしながら、失礼ながら聞かない方が日本一の信天翁(あほうどり)ではあるまいか。体主霊従の輩に限って、殊勝なことを言って聖人面をするものである。
三味線弾いて節つけて語るが馬鹿なら、一言も聞かずにごてごてと謗る方も馬鹿ではないか。変性男子の筆先にも、阿呆になりてくれ、とあるではないか。
そんなこともわからないとは、邪神八十八系統に知らずのうちに魂を抜かれてしまっているのではないか。そういう人こそ、血道をあげて一心に欺かれているのではないのか。
もう構わないから、どしどしと節をつけて面白く語って弾いて、難しいことを仰るお方の肝玉をデングリ返し、怖じず臆せずやり通せ。
分からぬ盲は後回しでいい。やがて後悔するだろう。何があろうと曲津が騒ごうと、道を説き明かす五六七の教えを、生命の限り止めはせぬ。
しかしこんなことを書いたら、またぞろ自惚れ審神者先生どもが、『歌劇思想の悪霊が、緯役の変性女子に憑いて書かせたのだ』などと言って減らず口を叩くんだろう。
まあ、自分の顔についた墨もわからぬ、自分の目に入った梁も見えない盲者どもの言い訳なぞ、世迷言と聞き流そう。
馬耳東風の瑞月は、嘲罵の雲霧を吹き分けて、下界をのぞくのだ。そして二百十日の風のように、力いっぱい、大木の倒れるまで吹いて見せようぞ。
本文
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01 01 〔431〕
ロッキー山のふもとの常世城では、大自在天・大国彦が自ら常世神王と称していた。大国彦はまた、自ら日の出神に化け、妻を伊邪那美命と偽って、世を欺いていた。
鷹取別を宰相とし、広国別を常世神王の影武者として、体主霊従の政策を行わせていた。
鷹取別の部下・照山彦、竹山彦(=実は鬼武彦の化身)は、間の国で捕らえた松・竹・梅の宣伝使を護送して常世城にやって来た。そして門番に開門を要求し、自らの手柄を常世神王に奏上せんとした。
門番の蟹彦は、常世神王の指図がなければ門は開けられぬ、しばらく待て、と照山彦・竹山彦一行をさえぎった。竹山彦は通せと蟹彦をしかりつけるが、蟹彦は常世城門番の職掌を楯に、通さない。
蟹彦は松代姫の駕籠を除いて、姫の美貌にしりもちをつき、すっかり肝を奪われてしまった。そして同僚の赤熊に、ちょっとのぞいて見よ、と誘いかける。
剛直無比の赤熊は、蟹彦の体を見てしかりつけた。蟹彦は、この天女の美しさが分からぬ奴は枯木か岩石だ、と逆に赤熊をなじる。
二人がやりあっているところへ、門内から常世神王の入城許可が下りたと報せの声がした。照山彦、竹山彦は松・竹・梅の宣伝使を護送して場内に入っていく。
本文
01 02 〔432〕
照山彦、竹山彦は、常世神王(実は広国別が影武者となっている)に、松・竹・梅の三宣伝使捕縛を奏上した。常世神王は、さっそく三姉妹の宣伝使を連れてくるように命じた。
照山彦の部下・固虎彦が、三宣伝使を駕籠から出して連れ出した。蟹彦は竹野姫、梅ヶ香姫も姉の松代姫に劣らず美しいのを見てまたしても泡を吹き、肝を奪われている。
同僚の赤熊はまたもや蟹彦のだらしなさを責め始めた。赤熊と蟹彦が互いを罵り合っていると、突然常世城は闇に閉ざされ、風が猛然と吹き始めた。
赤熊と蟹彦は目耳を押さえて大地に平伏し、ただただ災難が去るのを待つばかりであった。
本文
01 03 〔433〕
常世城の奥殿では、照山彦、竹山彦が間の国で三宣伝使捕縛の様子を、常世神王と鷹取別に報告していた。常世神王、鷹取別はご機嫌斜めならず、二人に慰労の言葉をかけた。
照山彦は感謝を述べ立てた。竹山彦は三五教の宣伝使は必ず見つけて御前に引き出して見せよう、と意気を露にしたが、広国別が常世神王の影武者になっていることを非難し、照山彦が得意そうに功名を誇っている様を笑い飛ばした。
照山彦は立ち上がり、固虎にすぐに三宣伝使を引き出してつれてくるようにと催促した。すぐに連れて参ります、という固虎の声がしたかと思うと、たちまちあたりは暗黒となり、暴風が吹きすさんだ。
突然、暗黒の中に毬のような一個の玉が現れた。玉は光は発さないが、赤、白、黄色、紫と色を変じながら、照山彦の頭に向かってポンと突き当たった。
照山彦はアイタタ、と叫んでうつぶせに倒れた。玉は照山彦の頭をつきながら跳ねている。玉を打とうとした鷹取別は、仰向けに倒れてしまった。
今度は玉は鷹取別の頭をついて跳ねはじめた。すると鷹取別の体は硬直してしまった。次に玉は常世神王の額に向かって衝突し、高座から打ち倒した。
竹山彦は玉に向かって、悪神退散の言霊を発した。すると玉は姿を消し、猛り狂った風も止んだ。竹山彦は銀燭に火を灯した。玄関には、松・竹・梅の三宣伝使を伴い来た固虎が、腰を抜かしていた。
竹山彦は、松・竹・梅の三姉妹に、常世神王、鷹取別、照山彦の介抱を命じた。たちまち辺りは馥郁たる香りに包まれ、喨々たる音楽が聞こえてきた。
常世神王、鷹取別、照山彦は三姉妹に介抱されて痛さも忘れ、悦に入っている。これ以降、三姉妹と竹山彦は常世神王に重用され、重要な決定には必ず参画するほどになった。
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01 04 〔434〕
松、竹、梅の三姉妹は、常世神王(広国別による影武者)の覚えめでたく、側近く仕えることになった。竹山彦も昇格し、鷹取別と同列の大臣扱いとなった。
松代姫は、ロッキー山に現れた伊弉冊命様を慕って常世国へ宣伝にやってきた、と言うと、常世神王は、伊弉冊命はロッキー山でウラル教を開いたのだ、としたり顔に偽りを言う。
そこへ、ロッキー山の使いとして、美山別と国玉姫がやってきた、という報せが届いた。常世神王は、鷹取別に神使と面会するよう命じると、自分は三姉妹を従えて寝殿に下がって休んだ。
鷹取別、竹山彦、遠山別の三人は神使に面会したが、ロッキー山の伊弉冊命の命令は、松・竹・梅の三姉妹をロッキー山に差し出せ、というものであった。
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01 05 〔435〕
ロッキー山の命令を聞いた常世神王は、お気に入りの三姉妹を差し出すのに忍びず、身代わりとして、間の国の春山彦の三人娘を差し出そうとする。早速遠山別が三人娘を迎えに間の国へと出立した。
そこへ、間の国で捕らえた三五教の宣伝使・照彦が護送されてきた。照彦は護送の駕籠からでると、座敷にどっかと座して常世城の没落を不適にも予言すると、笑い声と共にどこかへ消えてしまった。
一同はあっけに取られたが、竹山彦は狐のいたずらであろう、と笑っている。
そこへ門番の蟹彦が、照彦が門前で現れて暴れている、と注進があった。急いで駆けつけると、そこには誰もおらず、ただ月が皓皓と照っているのみであった。
彼方の森からは狐の鳴き声が聞こえてくる。
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01 06 〔436〕
一同が照彦が消えてしまったことを不審に思っていると、欄間にかかっている額の裏から、唸り声が聞こえてきた。
一同が驚いていると、声は照彦を取り逃がした中依別の失態をあげつらい出した。照山彦が木刀で額を打つと、声は今度は別の方角から聞こえてきた。
そして、ロッキー山の偽伊弉冊命の計略や、常世神王も広国別の影武者であることを暴露して、声は消えてしまった。
固虎、蟹彦は声に馬鹿にされて、常世城への不満をひそひそと語り合っている。それを聞きつけた竹山彦ら上役が、二人をしかりつけているところへ、間の国から春山彦の三人娘を送り届けてきたという使いが返ってきた。
一同は、遠山別がそんなに早く間の国へ行って往復してこれるはずがない、と不審に思い、門を開けると、そこには誰もいなかった。
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01 07 〔437〕
わけのわからない事態がつぎつぎに起こり、中依別は、照彦がいなくなってしまった失態を、門番の固虎、赤熊に着せようとして詰問し始めた。
竹山彦は、照彦を逃がした失態の責任は、中依別が取るべきである、として、中依別に辞職を促した。
蟹彦は竹山彦の審判に喝采し、馬鹿口をたたいて中依別を罵り始めた。竹山彦は蟹彦をたしなめ、罰として門番を罷免し、常世神王の側付きに任命する、とおかしなことを言い出した。
その場はひとまず、蟹彦・赤熊の二人は門番として戻ることになった。すると、間の国から本物の遠山別が、月・雪・花の三人娘を連れて帰って来た。
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01 08 〔438〕
蟹彦は遠山別の到着を注進に行き、上司たちを相手に馬鹿口を叩いている。
常世神王は奥の間から出てきて、遠山別の労をねぎらった。するとどこからともなく声が響き、一同に、足元に注意せよ、と呼ばわった。
常世神王はじめ一同が気がつくと、みな常世城の馬場にへたりこんで、泥にまみれている。
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01 09 〔439〕
松・竹・梅の宣伝使は、間の国を立ち出でて、目の国を宣伝しながら、常世の国へ向かって北上していた。
川田の町の十字街で、ばったりと淤藤山津見に出くわした。一同は森の中に行って休息し、そこでこれまでの宣伝の旅について話をしようということになった。
すると、騒々しい物音が聞こえてきた。見ると、宣伝歌を歌う人物が、数百人に取り囲まれている。三姉妹と淤藤山津見は、群集に紛れて様子を見ると、一人の男が小高い巌の上に立って、説教をしている。
群集の中から色黒の大男が現れて、常世城の牛雲別と名乗ると、宣伝使に降伏しろ、と怒鳴りつけた。
宣伝使は牛雲別を上回る大声で、ウラル教徒をしかりつけ、三五教への改心を迫った。その言霊に、牛雲別の手下らは肝をひしがれて、しゃがみこんでしまった。
牛雲別が宣伝使に打ってかかると、宣伝使はひらりとかわして、牛雲別の足をさらえた。牛雲別はもんどりうって倒れてしまった。群集の中から、蟹雲別と名乗るもう一人が宣伝使に打ちかかると、宣伝使は蟹雲別をひっつかんで、牛雲別の上に吊り下げてしまった。
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01 10 〔440〕
牛雲別と蟹雲別は、群集をかきわけてこそこそと逃げてしまった。
宣伝使は蚊ヶ虎(珍山彦)であった。蚊ヶ虎は声を張り上げて、常世城内の失態を暴露し、群集に目を覚まして三五教に改心せよ、と説教を続けている。
淤藤山津見が宣伝歌を歌うと、群集の中の牛雲別の手下どもは縮み上がってしまった。蚊ヶ虎は淤藤山津見に気づいて声をかけた。そして、五人の宣伝使は合わせて宣伝歌を歌い始めた。
群集たちはその言霊に打たれてつられて宣伝歌を歌い始めた。縮み上がっていた者らも立ち上がり、嬉し涙に歌い舞い踊る。
これより、この国の神人は三五教に改心することとなった。この国には、今に至るまで珍山彦の血縁が伝わると聞く。
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01 11 〔441〕
一同は、常世の国の南東のカリガネ半島に上陸した。一同がこれまでの旅程を話し合っていると、前方より人馬の物音が聞こえてきた。
常世城が宣伝使捕縛のために使わした軍隊であった。この軍を指揮していたのは、固虎であった。固虎は一同を取り囲み、上空からは天の鳥船で天を覆い、宣伝使たちを威嚇した。
珍山彦は吹き出して、爆弾を投下するならやってみよ、と怒鳴り返すと、懐から火打ちを出して、枯れ葉につけた。珍山彦の焚き火は、常世城の爆撃の合図と同じであった。
固虎は自分たちが爆撃されてしまうのを恐れて、慌てて珍山彦の焚き火を消すように部下たちに下知した。しかし三姉妹たちが、向かってくる兵士たちを掴んでカリガネ湾にどんどん放り込む。
上空の鳥船は、珍山彦の焚き火を合図と勘違いし、次々に爆弾を投下し始めた。味方の爆弾で、固虎の兵士たちは死傷して、惨憺たる光景を表した。
固虎軍の兵士たちは、口々に降参と改心を申し出る。宣伝使たちが宣伝歌を歌い始めると、固虎をはじめとする兵士たちも歌い舞い始めた。知らず知らずに、爆弾で破れた体も元に戻り、負傷の跡形もなくなっていた。
固虎は翻然として悟り、三五教に改心して、ロッキー山への道案内を務めることとなった。固虎は後に、固山津見という神名をいただき、大活躍をすることになる。
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01 12 〔442〕
一行は固虎の案内で、シラ山山脈を越えている。ロッキー山は西にそびえている。
珍山彦は淤藤山津見に、ロッキー山の伊弉冊命が本物かどうか、問いかけている。淤藤山津見は竜宮城で別れるときに、伊弉冊命が「ロッキー山に行く」と言っていたことを信じていた。
固虎も常世の国の人民一般は、ロッキー山に現れたのが真の伊弉冊命であると信じている、と言う。
珍山彦は、神様の経綸は表もあり裏もある、と言って、注意を促す。また、ロッキー山に行ってみて、現実が思っていたとおりと違っていても、信仰をぐらつかせることがあってはならない、と諭した。
固虎は、昨冬にここにいる松・竹・梅と同じ名前の宣伝使が常世城に囚われてきて、そのときの騒動で自分は門番から上役に変えられた、とこれまでの経緯を語った。
すると、ロッキー山の方から鬨の声が聞こえてきた。一行はシラ山の山頂でそれぞれ袂を分かち、各自行動することになった。
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01 13 〔443〕
淤藤山津見は固虎を案内者としてロッキー山に向かった。ロッキー山に着いてみると、多数の魔軍は武装を整え、今や出陣せんとする真っ最中であった。
淤藤山津見は固虎を偵察に使わした。偵察に赴いた固虎は、城門で蟹彦にばったりと出くわした。
蟹彦はやはり門番から上役に変えられて、将軍となっていたのであった。蟹彦は、出陣の理由を語って聞かせた。
天教山から伊弉諾命が黄泉島に現れ、黄泉比良坂に向かって軍勢を率いて出陣してきたので、常世の国にとって重要な地点である黄泉比良坂を守るために、ロッキー山の「伊弉冊命」が出陣を命じたのだ、と語った。
さらに蟹彦は、ロッキー山の伊弉冊命は実は、大自在天の妻・大国姫命であり、ロッキー山の日の出神は、大自在天・大国彦命が化けているのだ、と明かした。そうして、広国別が常世城で常世神王に化けているのだ、と語った。
そして、蟹彦は、実は聖地エルサレムの家来・竹島彦命であり、大自在天常世神王の命によって、わざと横歩きをして門番と化けていたのだ、と素性を明かした。
蟹彦の竹島彦命は、今回の出陣の総大将を命じられている、という。そして、今回の戦いには松・竹・梅の三宣伝使が三個の桃の実としてどうしても必要であり、三個の桃の実がなければ、この戦いは勝ち目がないのだ、と秘密を明かし、出陣の準備に行ってしまった。
固虎は淤藤山津見のところへ戻って、委細を詳しく報告した。淤藤山津見は、ロッキー山の秘密が珍山彦の神懸りで託宣されたとおりであるので、驚き、かつ託宣を疑っていた自分を恥じた。
ロッキー山からは、蟹彦を総大将とした軍勢が次々と出陣していく。ロッキー山側は、国玉姫、田糸姫、杵築姫を偽の三個の桃の実に扮して、桃の実隊を組織している。
二人が軍勢の様子を見ていると、木霊の中に宣伝歌が聞こえてきた。
本文
01 14 〔444〕
宣伝歌の主は、珍山彦と松・竹・梅の宣伝使であった。淤藤山津見は、固虎の報告を伝え、一刻も早く松・竹・梅の宣伝使を黄泉比良坂の戦いに役立てなければ、と焦りを伝えた。
珍山彦は泰然として、松・竹・梅の三宣伝使は、去年のうちにもう黄泉島に渡っている、と言った。淤藤山津見が現にここに三人とも居るではないか、と問うと、珍山彦は、この三人は化けているのだ、と答えた。三人は消えうせてしまった。
大軍勢が続々とロッキー山から出撃していく。淤藤山津見は、これだけ大部隊が出陣したら、後の陣営は空虚でしょうか、と問うと、珍山彦は、後にはまだ、醜女探女の魔神らが場内に充満しており、彼らは最後に黄泉比良坂に攻めかけるのだ、と注意を促した。
そして、珍山彦の姿も煙と消えてしまった。
この不思議に淤藤山津見と固虎はあっけに取られるが、気を取り直して、ロッキー山の城内に潜入しようとする。
そこへ、突然照彦の姿が現れた。問いかける淤藤山津見に、照彦は、淤藤山津見と固虎がロッキー山にとどめおかれたのも、神界の深い経綸によるのだ、と告げて姿を消してしまう。
本文
01 15 〔445〕
国祖国治立命の時代は、黄金時代であった。しかし天足彦・胞場姫の体主霊従的邪念が凝って、悪鬼悪狐が地上に蔓延してしまった。そのために、多くの神人が利己主義に走り、大神の神政を破ったのであった。
遂には邪気が天変地妖を現出し、大洪水を招いた。世界は泥海と化してしまった。
このとき高皇産霊神、神皇産霊神、大国治立神は、顕国玉の神力を活用し、天の浮橋を現して、地上の神人たちを救いかつ戒めた。
また、諾冊二神を地の高天原である天教山に降して、天の沼矛で地を修理固成せしめた。国生み神生みを行い、再び地上に神政を敷こうとした。
しかし、幾多の年月を経てまたしても地上には邪神がはびこり、再び荒んだ世の中を現出してしまった。
常世彦・常世姫の系統は、ウラル彦・ウラル姫と現れて、盤古神王を偽称していた。大国彦・大国姫はロッキー山に伊弉冊命と日の出神を僭称した。
伊弉冊命は自ら邪神の根源地である黄泉の国へと降りて、牽制的な神業を行った。次いで、海中の竜宮城に現れて、一切の神策を施した。その後一切の幽政を国治立命、稚桜姫命に託すと、ロッキー山に行くと見せかけて実は天教山にいったん帰り、そして地教山に身を忍んで修理固成の神業に就かせられたのである。
神人らはこの神業を知らず、ロッキー山に伊弉冊命が行かれたと思い込んだ。大国彦・大国姫は、その情報を利用して偽伊弉冊命と現れた。そして黄泉島を占領しようと企んでいた。
ここに、伊弉諾命は黄泉比良坂の戦いを起こすこととなった。この戦いは、善悪正邪の勝敗の分かれる、世界の大峠である。
諾冊二神の修理固成以前と以後では、物語に登場する各地の位置は、大いに変わっていることを注意しなくてはならない。
また、過去の巻に出てきた神人が、大洪水後にも現れて、以前より若くなっていたりするのは、この物語が神人の霊を主とした霊界物語だからである。すべて神人は現幽を往来して、神業をなすものなのである。
物語では、時間空間を超越した霊界の現幽一貫的な活動を、物質化・具体化して述べたものなのである。
その他、種々今日の知識からは不可解なことがあるが、時間空間・現界幽界を脱出して、大宇宙の中心から神霊界の物語を口述したものである。
口述者は決して自己の憶測・推量によってなしたものではない。幽斎修行の際に見聞したままの物語なのである。
本文
01 16 〔446〕
淤藤山津見は固虎に固山彦と名を与えて、ロッキー山城に忍び込もうとした。固虎は出征から戻ってきた振りをして、ロッキー山城の門を開けさせようとする。
門を開けさせた固虎は、淤藤山津見を伴って場内へ進み入る。門番たちが喧嘩を始めたところへ、またしても後から門を激しく叩く者がある。そして、ついに強力に任せて門を打ち破って中へ入ってきたのは、照彦であった。
門番たちは照彦に恐れをなして震えている。照彦はゆうゆうと美人の女宣伝使たちを従えて場内に入っていった。その歌う宣伝歌に、門番たちは大地に縮み上がってしまった。
本文
01 17 〔447〕
城内に進み入った固虎は、逆国別に出会う。固虎は、宣伝使・淤藤山津見を生け捕って帰ったと告げて、「日の出神」に注進するようにと伝えた。
大自在天の「日の出神」が現れ、固虎と淤藤山津見に面会した。淤藤山津見は元大自在天の部下・醜国別である。
淤藤山津見は大自在天に、自分が今三五教の宣伝使となっているのは、三五教に潜入して、内情を探るためだ、と答えた。そして、伊弉冊命に化けているのは大国姫であろう、と企みを問いただして明かさせた。
しかし大自在天は二人が松・竹・梅の三姉妹の宣伝使を捕らえてこなかったことを疑い、問い詰めた。二人は困惑してしまうが、そこへ照彦が蚊ヶ虎の姿となって現れ、松・竹・梅の宣伝使を差し出した。
そして昨年、常世城からロッキー山に護送されてきたのは、目の国の月・雪・花の三姉妹であって、これは常世城で常世神王の影武者をしている広国別の謀反の証拠である、と大自在天に信じさせた。
怒った大自在天は、逆国別に命じて、広国別捕縛の軍を常世城に向けた。
本文
01 18 〔448〕
常世城では門番たちが、のんきに話しにふけっていた。そこへ、ロッキー山からやってきた逆国別が到着した。
門を開けさせた逆国別は、城の出入り口を兵士たちに見晴らせて、乗馬のまま中門を潜り進んで行く。
本文
01 19 〔449〕
広国別、広国姫は、今度の大戦の行く末をひそひそと話し合っていた。そこへ、ロッキー城から日の出神の使いとして、逆国別がやってきたと報せを受けた。
広国別は、召使の笠取別を呼び、にわかに大臣待遇に任じて代理とし、逆国別の応対をするようにと命じた。
笠取別は大臣待遇となり、勇んで逆国別の前に現れ、常世神王であるかのように振舞うが、捕らえられてしまう。笠取別を広国別と勘違いした逆国別は、そのままロッキー山に引き上げてしまった。
本文
01 20 〔450〕
逆国別が去った後、常世城から黄泉島へ出陣したはずの竹山彦が、大軍を従えて帰ってきた。竹山彦は、ロッキー城の日の出神が広国別を召捕ろうとしていることを探知して、警護のために帰ってきたのだ、と述べた。
そして、逆にロッキー城を攻めて日の出神の大自在天をとりこにし、自分たちがロッキー城の主となろう、と広国別をたきつけた。
ロッキー城はこの様子を聞いて驚き、黄泉島からやはり軍団の一部を割いて、急ぎロッキー城の防備に回らせた。そのため、黄泉島の大自在天軍は大半が削がれてしまった。
本文
01 21 〔451〕
一方本物の日の出神は、神伊弉諾神の命を奉じ、三軍を率いて黄泉島に進んだ。大自在天・大国彦の軍勢は多くの魔神・魔軍を布陣したが、神軍の前には魔力を発揮することはできなかった。
しかし魔軍の将・美山別らの反撃に、神軍の形成はにわかに不利になった。このとき松代姫、竹野姫、梅ヶ香姫の三姉妹の宣伝使は、月・雪・花の三姉妹を従えて、宣伝歌を歌いながら敵の陣中に向かって舞い踊った。
魔軍は女神たちの美しさに心魂を奪われ、武器を地に捨てて見とれていた。魔軍は闘う力を失って、ただ平伏するのみであった。
この三姉妹のはたらきに対し、神伊弉諾命の声が中空から語りかけ、意富加牟豆美神(おほかむづみのかみ)と名を与えた。
本文
01 22 〔452〕
黄泉島の形成は、ロッキー山に伝えられた。大雷は、見方の全敗を大国彦、大国姫に注進した。
そして松・竹・梅の三個の桃の実に化けていたはずの国玉姫、杵築姫、田糸姫らもロッキー山に帰城した。そして、負け戦にも関わらず、大笑いをして大国姫を驚かせた。
敗軍を報せに来た大雷は実は、本物の日の出神の使い・鬼武彦の化身であった。そして国玉姫、杵築姫、田糸姫、火雷ら魔軍の中心的な諸将も、鬼武彦の眷属が化けた姿であったことが明かされた。
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01 23 〔453〕
そこへ大自在天・大国彦がやってきて、常世城の広国別が攻め寄せてきた、と伝えた。そして自分はここで広国別を迎え撃つが、大国姫は黄泉島へ行って神軍と最後の決戦をするように命じた。
大国姫が黄泉島へ向かって出立すると、固虎と淤藤山津見がやってきて、大国彦にロッキー城の落城を告げた。大国彦は慌てて二人を連れてロッキー城に駆けつけると、そこには人影もなく、ただ城門が開け放たれているのみであった。
淤藤山津見と固虎は自らの三五教への改心を明かし、大国彦に降伏を迫った。大国彦は最後の力を振り絞って大刀を抜き放ち、二人に撃ってかかる。二人は剣の下をかいくぐり、表門めがけて逃げ出した。
固虎は逃げながら、三五教の教えのために大国彦に反撃できないことを嘆くが、淤藤山津見は固虎に、敵といえどもすべては神の子であり、神の子を傷つけることはできない、と諭し、大国彦に改心を迫るのはまたの機会にしよう、と告げた。
二人を追って来た大国彦は、この会話を聞いて三五教の仁慈に富んだ教えに心を打たれ、大声をあげて泣きはじめた。大国彦は、泣き声を聞きつけた淤藤山津見に対して、改心を申し出た。
淤藤山津見は大国彦に、これから常世城に向かって広国別を言向け和そう、と促した。三人が常世城に向かうと、常世城の竹山彦らの軍勢は案に相違して、歓呼で迎えた。
これより、常世城とロッキー山には、十耀の神旗が翻った。
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01 24 〔454〕
黄泉島の戦場で、神軍の言霊に戦意を喪失していた魔軍は、ロッキー山の伊弉冊命(=大国姫)自らの出陣を聞いて、再び勢いを盛り返し始めた。
このとき日の出神は黄泉比良坂の上に立ち、天地神明に祈りを捧げると、大火球となって魔軍の前後左右を唸りを上げて飛び回り始めた。
魔軍は神光に照らされて化石のごとく強直してしまった。
正鹿山津見は進み出て、魔軍に降伏を諭す宣伝歌を歌い始めた。そして大国姫に対して、幽界に出て黄泉醜女を言向け和し、幽界に落ち行く魂を和める役割をなせ、黄泉の神となれ、と呼びかけた。
大国姫はこの歌に感じ、黄泉の大神となって幽政を支配することとなった。ついに伊弉諾神の軍勢は、言霊によって魔軍を言向け和すことに成功し、天教山に凱旋した。
魔神たちは、そのまま行きながら悔改めて善道に立ち返るものもあり、また根底の国に落ち行きて、黄泉大神の戒めを受けて長い年月の苦しみを受け、その結果霊魂を清めて現界に生まれ変わり、神業に参加するものも多数あった、とのことである。
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01 25 〔455〕
伊弉諾命の凱旋に、伊弉冊命は戦勝の歌を歌った。そしてあをぎが原の神殿の奥深くに姿を隠した。
続いて木花姫命、日の出神が喜びの歌を歌った。天教山は、神々の歓喜の声に包まれた。
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01 26 〔456〕
神伊弉諾大神は、青木ヶ原の中津瀬に降り、身魂を漱ぎ、各々の神々の司を定めた。
大国彦を八十禍津日神に命じた。かつての大国彦の従臣たちにもその職掌を分けた。そして淤藤山津見を大禍津日神に命じた。大禍津日神は悪鬼邪霊を監督し、誅罰を加える役目である。八十禍津日神は、各地に分遣されて、小区域の禍津神を監督し罰する役目を負う。
豊国姫神は神直日神となり、月照彦、足真彦、少彦名神、弘子彦神にその神業を分担させた。国直姫神を大直日神に任じ、高照姫、真澄姫、純世姫、竜世姫、言霊姫に役割を分担させた。いずれも皆、霊的主宰の神々である。
次に木の花姫神、日の出神を伊豆能売神に任じた。
すべて神人の身魂は、正神も邪神も、上中下・百八十一の階級に分かれる。それぞれを洗い清める底筒男神々、筒之男神々を定めた。
こうして分掌の神々を定めて、左の目を洗ったときに天照大御神を生み、太陽界の主宰とした。右の目を洗ったときに月読命を生ませ給い、太陰界の主宰とした。
最後に豊国姫の身魂を神格化して、神素盞鳴尊(またの名を国大立命)とした。大海原を司らしめた。国大立命の四魂は、月照彦神、足真彦神、少彦名神、弘子彦神である。
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02 27 〔457〕
伊邪那岐神は陽神、伊邪那美神は陰神である。天地の陰陽はめぐるが、人の息は双んで出入をなす。人の息は、両神の宮である。
天の浮橋は、水火おのずからめぐって縦横を成す。孕んで胎内に初めて動くのが、天の浮橋である。
伊邪那岐命と伊邪那美命の神徳は、地球を修理固成し、生成化育を止まないようにする御神徳を持ち、発揮する。
伊邪那岐命は天津神の心を奉戴して大地を保ち、善道にいざなう水火様である。伊邪那美命は身体地球の基台となり暗黒界を照らし給う。太陰の活用あり、月の大神様、瑞の御魂である。
伊邪那岐命が『吾は厭醜悪穢国に到りて在りけり』と言ったのは、現代が道義の廃れた状態であることを言うのである。
筑紫の日向の立花の小門の阿波岐原に到り、禊をしたというのは、大々的宇宙の大修祓を断行することを宣言したのである。「筑紫の日向の立花の小門の阿波岐原」は、霊系である高皇産霊神の神業を大成する霊場である。
美曾岐は風と水の霊徳を発揮してあらゆる汚穢を祓い塵埃を清める修祓である。
伊邪那岐命が帯を投げ捨てたというのは、すべての教育・宗教・倫理の学説を、根本から革正する、ということである。
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02 28 〔458〕
伊邪那岐大神が御裳を投げ捨てた、というのは平民教育を革正した、ということである。また御衣は肉体、すなわち医術のことである。現代の西洋医学も漢方医も、これを廃して、神国固有の医学を採用せなくてはならない、という意味である。
御褌は交通機関、通信機関のことであり、これの大変更が必要である。御冠は華族・神官・大臣・高等官らのことである。同様にして、陸海軍にも大々的改良を加え、神軍の兵法によらねばならないことが示されている。
次に農工商に使用すべき機械器具の大改良が必要である。
ここまで、伊邪那岐大神投げ捨てたものによって生った十二柱の神々は、大神の大英断によって、世界の各方面に大々的改革を実行され、もって宇宙の大修祓の端緒を開いた神業を現している。
現代は上流社会が体主霊従の行為をなし、神に反対している。下流社会には権力も財力もなく、改革を実行する実力がない。そこで大神は中つ瀬である中流社会に降り潜んで、世界大修祓、大改革の神業を遂行したまうのである。
大神が宇宙の大修祓をなしたときに出現した神は、八十禍津日神、大禍津日神の二柱である。八十禍津日神、大禍津日神は禍津神たちを監督・制御・懲戒する神である。
「日」の字が名前にあることで、悪神である禍津神と区別する。「日」の字がない八十禍津神、大禍津神は悪神である。
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02 29 〔459〕
神直日神は、宇宙主宰の神の直霊魂である。大直日神は、天帝の霊魂の分け御魂である人間の霊魂を完全にしようとする直霊である。これが伊吹戸主神である。
八十禍津日神、大禍津日神は瀬織津姫神である。伊都能売神は、速秋津彦神、速秋津姫神という。神素盞鳴神を速佐須良姫神と言う。以上の四柱の神々を総称して、祓戸の大神、というのである。
大禍津日神は大神の神勅を奉じて邪神を討伐する大首領の神である。八十禍津日神はその指揮下で働く将卒である。
さらに、直霊について大要を示す。
直日の霊は、四魂のいずれにも含有される。四魂の中で美しく細しき霊の名称であり、善々美々なるものと言う。
直霊は過失を未然に消滅する力がある。直霊は平時には現れない。事があったときに発動する。神直日とは、天帝の本霊である四魂に備わる直霊魂である。
大直日とは、天帝から賦与された吾が魂の中に備わる直霊魂のことである。
曲霊
曲霊を、八十曲津神、大曲津神という。八十曲津神は霊魂の外に存在しており、災禍をなす曲霊である。大曲津神は自分の霊魂中にひそむ曲霊である。
曲霊が荒魂を乱すと争いが起こる。和魂を乱すと悪になる。幸魂を乱すと逆となる。奇魂を乱すと狂になる。
曲霊は、体を重んじ霊を軽んじて生り出た悪霊である。いわゆる悪魔、邪神、妖魅、探女である。
神明の戒律
省みる、恥じる、悔いる、畏れる、覚るの五情は、霊魂の中に備わっている。すなわちこれが、神明の戒律である。みだりに外に戒律を作るべきではない。むしろ、外的な戒律は社会の発達、人智の開明に大いなる害をなすものである。
省みる=直霊、恥じる=荒魂、悔いる=和魂、畏れる=幸魂、覚る=奇魂のはたらきである。
直霊五情曲霊の解
荒魂は勇である。勇のはたらきは進、果、奮、勉、克である。
和魂は親である。親のはたらきは平、修、斎、治、交である。
幸魂は愛である。愛のはたらきは益、造、生、化、育である。
奇魂は智である。智のはたらきは巧、感、察、覚、悟である。
義は四魂のおのおのにそなわっている。奇魂である智は、「裁」である。これが裁智である。和魂である親は、「制」である。これが制親である。荒魂である勇は、「断」である。これが断勇である。幸魂である愛は、「割」である。これが割愛である。
過ちを悔改めるのは、四魂それぞれに備わった義のはたらきによる。
欲は四魂より出るものである。欲はそれぞれの義を対応している。ゆえに、義のはたらきである裁・制・断・割に対して、名・位・寿・富となる。名は美を欲し、位は高を欲し、寿は長を欲し、富は大を欲す。
経の魂である荒・和二魂の主宰する神魂を厳の御魂という。緯の魂である奇・幸二魂の主宰する神魂を瑞の御魂という。厳瑞合一した至霊を伊都能売御魂という。
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02 30 〔460〕
水底に生れる各綿津見神の段の言霊を解釈する。万物の穢れを洗浄し、清浄ならしむる活用をミナソコというのである。水は低きに集まり、熱によって姿を変え、雲雨となって地上一切を保育する。こうした活用のある神霊を称えて、水の御魂というのである。
ミは生成化育、ナは万物の統御、ソは神知妙徳を発揮、コは大神人が隠伏する低所を指している。
綿津見の神の言霊解
ワは物・人の起こりにして、世を保つ言霊である。タは対照力である。ツは大金剛力である。ミは身であり充ち満つるの意にして、惟神大道のミチである。
以上の四言霊をもって思考するときは、実に無限の神力を具備し、円満充全にして、天下の妖邪を一掃する、五六七の大神のご活動ある神であることがわかるのである。
筒之男命
ツツノオの言霊は、大金剛力を具有し、正邪・理非を決断し、水の性質を発揮して悪事を洗い清める、霊主体従日本魂の御魂に復帰せしめるという神名である。
その神名に、底・中・上が区別されているのは、大いに意味があることである。それぞれ、神界と現界社会の三段を現している。筒之男命は、三段に別れて厳社会の大改革を断行する、という御神事である。
神界の大祓行事でなくては、曲津神を征服することはできない。
神界の権威である宇宙の大修祓は、万物の霊長である人間の行為と密接な関係があるのである。地上の人間の行動によって、精神界の治乱に影響を与えてしまうからである。
皇国とは、世界を同義的に統一すべき神明の国である。体主霊従の経綸のように、征服とか占領とかの無法横暴なことは許されないのである。この皇典古事記の御遺訓を奉り、国政を革新する。それが皇道を広め興す基礎になるのである。
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02 31 〔461〕
墨江の三前の大神の言霊解説
神鏡のように顕幽を透徹し、真の中心に位置してあらゆるところに到達する。各自の天賦の御魂を明らかにする。地の高天原に八百万の神を集え、スを守る。
ゆえに三柱の大神のご活動があるときは、一切の災害はなく松の世・ミロクの世を現出する。
ついに天照大神、月読命、須佐之男命の三柱の貴の御子が生まれ、日・地・月各自その位にたって全大宇宙を平安に治めたまうに到ったのである。
天地経綸の司宰者として生まれた人間は、各自御魂を磨き清め、神人合一の境地に入って、宇宙の大禊祓の御神行に奉仕しなくてはならない。
宇都志日金拆命
綿津見神の御子である。その御神名の言霊は、知識明達にして、大造化の極力を発揮する。天下の不安を平定し、思想世界を樹立するの基礎である。
真理に徹して事物の本末を明らかにする。無限絶対無始無終の神名の光徳を宇宙内に輝かす。皇徳を宇宙中に広める。
宇宙の大修祓の原動力の位置にある神と言う意義である。
阿積の連
アヅミの活用は、天之御中主神の霊徳が現れて、月の本能を実現する真人ということである。
ムラジは天津誠の神理をもって、神名鬼神を号令し使役する神の御柱のことである。
伊邪那岐大神の宇宙の大修祓の神功なくては、神人を安息させることはできない。現代は、大神の禊ぎの大神事が大々的に必要な時機が迫っていることを確信するものである。
また、国祖国常立尊、国直日主命、稚姫君命の神剣の御発動を期待し奉る次第である。
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03 32 〔462〕
海月なす漂える国を固めた伊邪那岐皇大神は、日の国の元津御座に帰りましました。そして神伊邪那美大神は、月の御国に帰りましました。
速須佐之男大神が大海原の主宰神と定められた。そして、伊都能売の神の霊である木之花姫神と日の出神に、現界・幽界・神界を守られた。
天地はよく治まり、ミロクの御代となった。
しかしそうした時代もつかの間、荒ぶる八岐大蛇や鬼や狐の曲津神が起こって神の国をかき乱す。
大自在天・大国彦とその妻神大国姫は、真の神の光に照らされて神人を守る神となった。
しかし常世彦・常世姫の末裔であるウラル彦・ウラル姫は、懲りずにまた盤古神王と偽って、アーメニヤに都を構えてまたぞろ世を乱す活動を始めた。
東雲別の宣伝使・東彦は、石凝姥神となって、アーメニヤに宣伝をしようとアルタイ山の原野に進んで行く。
ここには大きな川が行く手をふさいでいた。この川は渡る者の命を奪い、死の川、魔の川といわれる恐ろしい川であった。
そこへ上流から濁流が流れてきて、巨大な材木を流し、自然に浮橋ができた。この光景を見て魔の川のほとりに話しにふける四五人の男たちがいた。
男たちは、ウラル彦が三五教の宣伝使を捕らえればこの川に橋をかけてやる、と言っていたことを思い出して話していた。そこへ石凝姥神が三五教の宣伝歌を歌いながらやってきた。
男たちは川べりの砂の中に首から下をすっかり隠して潜り、宣伝使を待ち構えた。そこへ石凝姥神がやってきて川の面をみると、沢山の材木が自然の浮橋を架けている。
石凝姥神は神恩を感謝し、河辺で神言を奏上し始めた。おりしも日は西山に傾きはじめている。すると、祝詞の声が始まると共に、付近の河辺からうめき声が聞こえてきた。
石凝姥神は正体を見極めようと河辺の砂原に降りた。すると男たちはむっくと砂から姿をあらわし、宣伝使を捕らえようと前後左右から石凝姥神を取り囲んだ。
石凝姥神は天の数歌を唱えると、男たちは頭痛を催して、砂の中に逃げ込んだ。石凝姥神は砂を握って団子にし、ふっと息をかけると石になった。それを砂の中の男たちに次々に投げつけると、男たちはたまりかねて砂から姿を表し、両手を合わせて平伏し、降参した。
石凝姥神はこの土竜のような男たちを許す宣伝歌を歌った。男たちは石凝姥神の神にしたがって浮橋を渡り、一緒にアーメニヤに宣伝に行くこととなった。
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03 33 〔463〕
男たちは石凝姥神と一緒に浮橋を渡り、久しぶりに故郷の対岸に帰ってくることができた。男たちの中の鰤公は、一同を代表して石凝姥神に願い出た。
鰤公によると、アルタイ山には蛇掴という悪神が棲んでおり、蛇を食べているのだが、蛇が足りないときには人間を食らう。そのため村人たちは手分けして蛇を獲っているのだが、寒いときにはたいへんな苦労を強いられている、という。
石凝姥神は、そんなことはなんでもない、アルタイ山に登ってその魔神を退治してやる、と請け負った。男たちは石凝姥神を自分の村に案内していく。
村は金谷村という。村は何ゆえかどの家も灯りがついておらず、やや高いところに一柱だけ火がまたたいていた。そこは金谷村に酋長・鉄彦の屋敷であった。
石凝姥神は門外から声を張り上げて宣伝歌を歌い始めた。中から現れた門番の時公は、酋長の娘・清姫が、蛇掴の餌食になろうとしている、と状況を説明した。そして、鰤公の娘もすでに蛇掴に食われてしまったのだ、と語った。
鰤公はそれを聞いてその場に倒れてしまった。
石凝姥神は門をくぐって進み入った。
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03 34 〔464〕
時公は三五教の宣伝使がやってきたことを酋長に知らせに行った。酋長は、三五教を引き入れたら、ウラル彦配下の蛇掴にまた難題をふっかけられると思い、追い返すように怒鳴りたてた。
このとき玄関で石凝姥神は、自分がこの曲事を祓い清めよう、と宣伝歌を歌った。この歌を聞いて酋長をはじめ一同は、蘇生したごとくなり、踊りくるってよろこんだ。
このとき、門を潜って入ってきた女があった。そして玄関で三五教の宣伝歌を歌い始めた。これは梅ヶ香姫であった。
石凝姥神と梅ヶ香姫は、この奇遇に互いに顔を見合わせた。
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03 35 〔465〕
梅ヶ香姫は、酋長の娘・清姫の身代わりとなって、唐櫃に入った。石凝姥神と時公は唐櫃を担いで、村人と共にアルタイ山に向かった。
アルタイ山の山口にさしかかると、にわかに空は黒く曇り、ものすごい山おろしが吹きすさんできた。村人たちはいっせいに逃げ出した。石凝姥神と時公は、近くの茂みに潜んで、様子を窺っている。
するとアルタイ山一帯に青い火がまたたきはじめ、その中でもひときわ大きな火が唐櫃に向かって降りてきた。しかし唐櫃の中から宣伝歌が聞こえてくると、火光は唐櫃の上を回るだけで降りてこない。
宣伝歌がさらに大きくなると、アルタイ山の青火は次第に小さくなって消えていってしまった。唐櫃の上を回っていた大きな青い火光も、西南の方向に逃げていってしまった。
石凝姥神は梅ヶ香姫の唐櫃を開け、悪神が逃げ去ったことを告げた。梅ヶ香姫は、石凝姥神を蛇掴に擬して、討ってかかる真似をする。石凝姥神は防戦する。
暗闇の中、梅ヶ香姫は時公の近くにばったりと倒れた。時公は驚いて、蛇掴に命乞いをする。それを聞いた石凝姥神は、蛇掴の声色を使って時公をからかいだした。
時公は窮地に陥って、石凝姥神や梅ヶ香姫の悪口を並べ立て出した。石凝姥神は元の声に戻って時公をたしなめた。
そうこうするうちに夜が明けてきた。見ると、そこら中に鬼の形をした岩石が散乱している。石凝姥神は辺りの岩で石鎚をつくり、鬼の石像を片っ端から打って砕いて回った。不思議にも、鬼の石からは血煙がさかんに噴出した。
すべての鬼の石像の首を落とすと、三人は凱歌を上げながら村に帰ってきた。
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03 36 〔466〕
酋長夫婦をはじめ村人たちは、石凝姥神らを喜んで迎えた。しかし時公が大法螺を吹きだして、蛇掴をやっつけたのは自分だと、手柄話を始めだした。そして、蛇掴は降参したが、最後に人間の食い納めに、酋長一家を食べにくるのだ、と出鱈目を言い始めた。
酋長一家と村人たちはわっと泣き出すが、時公が冗談だ、というと村人たちは怒って時公に詰め寄った。
石凝姥神は宣伝歌で、昨晩の様子を村人たちに伝えた。石凝姥神の宣伝歌を聴いて、酋長もやっと安心した。そして宣伝使に感謝の意を表すために祝宴を開いた。
酋長の鉄彦は、宣伝使に感謝の歌を歌い、三五教への帰依を誓った。この後、鉄彦は梅ヶ香姫の従者となって、アーメニヤに進んで行くことになる。
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03 37 〔467〕
祝宴の中、村人たちは、石凝姥神の宣伝歌で知った時公の失態をあげつらって時公を囲んでいる。時公はどこ吹く風で、またしても法螺話を始めた。村人たちはまともに取らずにはやしている。
鰤公は、時公から娘は食われたと聞いていたので、祝宴の中でも大泣きしている。村人の一人が鰤公に、娘は死んでおらず、祝宴に来て鰤公を探している、あれは時公がお前を脅かしただけだ、と伝えた。ここに鰤公は妻と娘と再会を果たし、嬉し涙を流している。
祝宴の最後に、梅ヶ香姫が三五教の教えを誓いを宣伝歌に歌った。酋長の鉄彦は、後事を妻の鉄姫に託して、宣伝使の供としてアーメニヤに進んで行くこととなった。
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