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霊界物語あらすじ

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ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第28巻 海洋万里 卯の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
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月光いよいよ世に出て、精神界の王国は東の国に開かれた。真理の太陽はこうこうと輝き渡り、永遠に尽きない生命の真清水は下津岩根にあふれ、慈愛の雨は降り注ぐ。
荘厳無比の光明は現れた。人々よ、一日も早く目を覚ませ。四方の国より聞こえ来る誠の神の声を聞け。霊の清水に渇く人よ、瑞の御魂に潤えよ。
本文
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三千世界の一切の生きとし生けるものを救う神幽現の救世主は東天に現れた。一切万事更生の誠の智慧を胎蔵し、迫害を甘受して世界を助けて行く。
歓喜と平和を永遠に森羅万象に供給し、至幸至福の神の恵みの精神上の王国をこの土の上に建設する。
無限の仁慈を経となし、無窮の知識を緯として、小人弱者の耳にもよく理解しやすい明らかな教えを徹底的に唱導する。
いかなる悪魔も言霊の威力に言向け和しつつ、寄せ来る悲哀と災厄を少しも心にかけずに、所信をあくまで貫徹する。
裁・制・断・活の道を極め、神人和合の境に立ち、敵にあうごとにますます心は堅実になり、信仰の熱度は日に日に加わっていく。
三千世界に共通の真の文明を完成し、世界雑多の宗教やすべての教義を統一し、崇高至上の道徳を不言実行に体現する。
暗黒無道の社会を、神の教えと神力によって照破し尽くして天津日の光を四方に輝かす。マイトレーヤの神業に奉仕することこそ、世を澄ます大神人の神務である。
本文
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01 01 〔801〕
高砂島の胞衣となる台湾島は、全島一の高山・新高山の北麓に、花森彦の子孫であるカールス王が鎮まる都が古くから建設されていた。
花森彦の子の兄弟のうち、兄であるアークス王の子がカールスである。弟のエーリスの子がヤーチン姫である。カールスとヤーチン姫は、互いに夫婦たるべしと思いあっていた。
高国別と、悪神の化身・玉手姫の間に生まれたサアルボースとホーロケースの兄弟は、アークス王に仕えながら暴政を敷いていた。
アークス王が玉手姫の怨霊によって死去した後、カールスが王位を継いだ。数多の群臣は、ヤーチン姫を妃にしようとしたが、サアルボースは自分の娘・セールス姫を王妃となして権力を握ろうと画策していた。
ヤーチン姫は妃となるべく新造の館に移ったが、そのとたんに病気に伏せってしまった。あるとき、セールス姫がヤーチン姫の見舞いに訪れると、病床のヤーチン姫は逆上して、ヤーチン姫を邪神と罵って襲い掛かり、乱暴をなした。
その後もヤーチン姫の病気ははかばかしくなかった。ヤーチン姫の看病をする侍女のユリコ姫の前に、金狐が女神の姿で現れて、姫を毒殺すべく毒薬を与える等の怪事があった。
ユリコ姫の機転によって毒薬は見破られたが、ヤーチン姫の侍臣・キールスタンは、アークス王がバラモン教を奨励したことが原因であろうと、三五教の大神と国魂神・竜世姫を奉斎することを提案した。
ユリコ姫は賛成し、両人は三五教の大神と竜世姫に祈願した。するとヤーチン姫の病気は快方に向かい、四五日で全快した。これより、ヤーチン姫は三五教を信奉することになった。
一方、セールス姫は館に帰ると、狂乱したヤーチン姫に乱暴したことを、父・サアルボースの司・タールスに物語った。タールスは、セールス姫の侍女のマリヤス姫にもその有様を問い詰めた。
マリヤス姫は日ごろのセールス姫の暴虐ぶりに愛想をつかしていたので、今回のことも天の戒めと思っていた。また、このことがヤーチン姫に害を及ぼすことになるかもしれないと思い、返答をためらっていた。
セールス姫は怒って、マリヤス姫に自分がされたよりも酷い乱暴をなすと、自分がされた行いはこのとおりだ、とタールスに告げ、父に報告するようにと命じた。
本文
01 02 〔802〕
タールスの報告を聞いて、サアルボースとホーロケースはヤーチン姫に対して大いに怒った。そして、ヤーチン姫に見方をした侍女のマリヤス姫を詰問した。
マリヤス姫は、血だらけになりながら、自分は実は先代アークス王の落胤であり、サアルボースとホーロケースの身辺を探るために侍女となって忍び込んでいたのだ、と明かした。
サアルボースらはそれを知ってマリヤス姫に斬ってかかったが、マリヤス姫は刃をかいくぐってサアルボースとタールスを投げ飛ばすと、その場を逃げてしまった。
一方カールス王は、日ごろ想いを寄せるヤーチン姫の病気が重いとの報を受けて落胆し、新高山の渓谷から身を投げて死のうと、夜密かに館を抜け出して谷のほとりをさまよっていた。
するとヤーチン姫の姿をした美人が、中空を歩きながら現れ、王の手を取って館まで送ると、その姿は忽然と消えうせた。これは、王の自殺を押し留めようとの邪霊の計略であった。また王は姫の姿が煙のように消えてしまったことでヤーチン姫に対して疑念を抱くことになった。
そこへ、病気が快癒したヤーチン姫が、王に面会しようとやってきた。しかし王は姫に対して疑念を抱いたままであった。そこへサアルボースとホーロケースがやってきた。サアルボースは本物の姫はすでに死して、邪神が化けているのだと王の前に申し立てた。
ヤーチン姫と父・エーリスをはじめ従臣たちは、サアルボースの讒言に怒った。しかしカールス王は前夜の邪神の姿に惑わされ、疑いを晴らすことができなかった。サアルボースは王の疑心に乗じて、数多の部下に命じてヤーチン姫を捕らえてしまった。
本文
01 03 〔803〕
真道彦命は、国治立大神の御代より台湾島に鎮まり、子孫はみな真道彦の名を名乗り、新高山の北方に居を定めていた。しかしアークス王は島に漂着したバラモン教に帰依したため、真道彦一派は、アークス王の権力が及ばない、新高山の南方に移って教勢を維持していた。
真道彦は新高山の東南にある高原地・日月潭に居を構えた。サアルボース兄弟は、この地を征服しようと何度も兵を送っていた。
あるとき、ホーロケースは三五教の巡礼に化けて聖地に入り込み、日月潭の玉藻山の聖地に押し寄せた。真道彦は、息子の日楯・月鉾とともに防戦に当たった。
ホーロケースの勢いすさまじく、その剣は真道彦の胸を貫いたと見えた。真道彦は突き倒され、その体から白煙が上がり、女神の姿となって雲の彼方に姿を隠してしまった。
真道彦の軍は敗れて散り散りとなり、玉藻山はホーロケースに占領されてしまった。日楯と月鉾は日月潭の竜の島にのがれ、島山の頂上の岩窟に身を隠した。二人は岩窟の奥へ進んで行くと、日月潭を見渡せる断崖に着いた。
そこから見える玉藻山は、すでにホーロケースに占領されてしまっている。兄弟はもやはこれまでと、この断崖から大神に祈願を籠めて飛び降り、生きていたなら再びバラモン教を打ち負かすことができるだろうと言って、決行しようとした。
すると傍らの木のかげから宣伝歌が聞こえてきた。宣伝歌の主は、言依別命教主と国依別であると名乗り、兄弟に玉藻山を取り戻す神宝を授けようと歌った。
兄弟は夢かとばかり驚いて平身低頭したが、二人が面を上げると、不思議にも二人の宣伝使の姿はなかった。これより兄弟は勇気百倍し、再び玉藻山に向かって言霊戦を開始しようと、七日七夜の禊を修し、言霊の練習に全力を尽くした。
マリヤス姫は、玉藻山の聖地に逃げていたが、ホーロケースの襲来により、捕われてしまった。ホーロケースは玉藻山を占領して我が物顔に振舞っていたが、マリヤス姫を幽閉し、自分の妻となるよう迫っていた。
マリヤス姫がホーロケースの横恋慕に苦しんで述懐の歌を歌っていると、俄かに館内騒がしく、バラモン軍たちが慌しく逃げ出した。ホーロケースは慌ててやってくると、変事が突発したと言って、マリヤス姫を連れ出そうとした。
そこへ琉球の玉の威徳によって五色の霊光を放射しながら、日楯・月鉾が入ってきた。ホーロケースは太刀打ちできず、数多の部下とともに逃げて行った。
玉藻山の聖地は再び三五教に戻り、広大な神殿が造営された。日楯・月鉾の名声は近隣にとどろいた。
本文
01 04 〔804〕
真道彦はホーロケースに破れんとした刹那、木花姫命の化身に救われて、新高山の峰続きのアーリス山の渓谷に草庵を結び、三人の従者とともに逃れていた。
ある日、絶壁の谷の傍らに阿鼻叫喚の声が聞こえてきた。見れば、谷底の激流に浮きつ沈みつ籐の籠が流れてくる。真道彦は言霊を唱えると、籠は渦に巻かれて足下の淵に寄ってきた。
真道彦は従者に命じて籠を拾わせ、見れば品格の高い美女が縛められて気絶していた。一同は水を吐かせてようやく蘇生させた。これはサアルボースによって谷川に投げ入れられたヤーチン姫であった。
ヤーチン姫の侍臣のキーリスタンとユリコ姫もその場にやってきた。二人は真道彦にお礼を言った。
真道彦は、崖の上にサアルボースとホーロケースらが籠の行方を見届けようとしていることに気付くと、警戒し、一同を連れて玉藻の湖水のほとりに戻った。
日楯・月鉾は教勢を取り戻し、大勢の信徒とともに、禊を修し祈願を凝らしていた。真道彦は、息子たちが玉藻山を取り戻したことを知らなかったので警戒していたが、日楯の宣伝歌を聞いて事情を悟り、踊るばかりに喜んだが、人目をはばかりじっとこらえて様子を見ていた。
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01 05 〔805〕
日楯と月鉾は禊を終わって、信徒を連れて神殿に戻ってきた。そして神殿の前で父の無事な帰還を祈っていた。そこへ人々をかきわけて真道彦が現れ、兄弟と共に拝礼を行った。
真道彦は拝礼を終えると、兄弟の手を握って父の名乗りをした。兄弟をはじめその場の信徒一同は喜び、祝いの直会は三日も続いた。
玉藻の湖水の東には、天嶺という景勝の山地があり、日楯とユリコ姫に守らせることになった。西側の泰嶺には、月鉾とマリヤス姫に守らせた。真道彦は玉藻山の霊場にヤーチン姫を奉じていた。
日楯とユリコ姫は夫婦となって神業に仕えた。マリヤス姫は月鉾に想いを寄せたが、月鉾は神の命により独身生活を続けていた。
ヤーチン姫は、老いたとはいえ精悍な真道彦に対し、自分を救ってくれたという思いからいつしか恋の想いを抱くようになった。そしてその想いが募って病気を発し、床に就いてしまった。
侍臣のキールスタンはヤーチン姫を看病したが、一向に効験はなく重病となってしまった。ある日真道彦がヤーチン姫の病床を見舞った。ヤーチン姫は、真道彦に想いを伝えた。
真道彦は、死の床にある婦人に対して没義道な振る舞いをせずに見送ろうと決心し、姫の思いを入れる返答をなした。ヤーチン姫は喜び、病の身のまま病床を出て身を繕い、真道彦を自分の居間に導いた。
そして真道彦をカールス王であると誤認して、当惑する真道彦の腕にしがみついて泣き伏した。キールスタンはこの様を見て驚き、二人の間には夫婦関係が結ばれたものという噂が信徒の間には広まった。
しかし真道彦は将来を慮り、ヤーチン姫には一指もさえることはなく、主人のように尊び仕えた。ヤーチン姫も病気が回復するにしたがい、誤認は解けて、真道彦の信仰の堅実さに感歎し、互いに胸襟を開いて神業に参加することとなった。
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01 06 〔806〕
カールス王は、嫌っていたセールス姫を王妃に押し付けられ、病を発して蟄居させられてしまった。セールス姫は従兄のセウルスチンと関係を結び、セウルスチンと共に暴政を敷いた。
国内は混乱し、至るところに騒乱が起こり、心ある人々は密かに国を出て玉藻山の聖地に逃れた。
一方、日楯は湖水のほとりで、アーリス山の木こりと称する男を助けた。男は、自分の娘がセウルスチンに目を付けられたのを拒否したため、斬り付けられて命からがら逃げてきたのだ、という。
介抱の結果、男の怪我は全快し、日楯の僕として忠実に働くようになった。しかしこの男・ハールは、実はセールス姫がつかわした間者であった。これ以外にも、二三の者が間者として玉藻山の聖地に入り込んだ。
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02 07 〔807〕
泰安城はセールス姫一派の暴政により、国民の怨嗟の声は日増しに高まっていった。ついに、バラモン教のシャーカルタンとトロレンスが一派を率いて蜂起し、それぞれ呼応して泰安城に攻め寄せた。
この変事はたちまち台湾全島に伝わった。ここに真道彦らは重臣を集め、このたびの争乱にどう対処するかを協議することとなった。重臣たちはそろって、この機に乗じて泰安城に攻め寄せ、セールス姫一派も革命軍も退けて、三五教が泰安城の主権を取り戻そうと主張した。
中でも、セールス姫の間者ハールは、カールス王を退けて真道彦が台湾全島の主権を握るべきだ、と主張した。これに対して、あくまでカールス王を元の主君として泰安城を建て直すべきだという一派と、主権者は誰でもよくて台湾島が再び平和に治まればよいのだ、という一派が、互いに議論を争った。
真道彦は憤然として登壇し、自分は祖先来、教権を担当する家柄の者であり、カールス王に取って代わろうなどという野心は持っていない、重臣たちがそのような誤解をすることは心外であると訴えて、日楯・月鉾とともに退場した。
セールス姫の間者カントンはこれを受けて登壇し、真道彦は逆のことを言って謎をかけたのであり、真意はやはり台湾島の王となることなのだ、と真道彦の言を曲解する演説をなした。そして、ここにいる重臣たちは、真の英雄である真道彦が王に就くことに依存はないはずだ、と訴えかけた。
あくまでカールス王を元の主権者に立ち戻そうとする頑固派のエールは、カントンと論争になった。最後にエールは烈火のごとく怒り、カントンを殴り倒して逃げてしまった。
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02 08 〔808〕
エールは二三の供人らとともに聖地を脱出し、泰安城近くの山に身を忍ばせて、形成を伺っていた。
聖地の重臣たちは出陣と意向を固め、泰安城に攻め寄せることとなった。真道彦は必死で自分の意ではないことを説いて回ったが、重臣たちは真道彦の言を逆に取り、逆に真道彦も推されて出陣することになってしまった。
日楯・月鉾をそれぞれ天嶺、泰嶺の要所に守りとして残し、聖地にはヤーチン姫、マリヤス姫を残して、三万の兵を率いて泰安城に向かった。
先に泰安城付近に潜んでいたエールは、数十人の部下を集めていた。そして、真道彦の神軍を待ち伏せていた。エールたちを見た、真道彦軍先頭のテールスタンは、仲間割れはやめて共に闘おうと呼びかけた。
エールは感激し、カールス王救出のために一軍を割いてくれないかとテールスタンに頼み込んだ。テールスタンは自分が率いる軍を、カールス王の救出に向かわせることになった。
セールス姫一派のサアルボースは、カールス王を幽閉した淡渓の館を警護していた。トロレンスは王を自分の手中に収めようと、淡渓の館を取り囲んだ。
落城寸前の状況に、サアルボースはカールス王に自害を迫り、王が承諾しないと自ら手を下そうとした。すると一塊の大火光が落下して、サアルボースは失神して倒れてしまった。
トロレンスは勝ちに乗じて館に乱入しようとしたが、そこへテールスタンとエールの神軍が現れ、不意を付かれたトロレンス軍は泰安城方面に敗走した。正気づいたサアルボースも、三五教軍が現れたことに驚いてその場を逃げ出した。
テールスタンとエールはカールス王を救い出し、淡渓をさかのぼった新高山の岩窟を仮の城塞となして立て籠もり、状況を窺うこととなった。
泰安城はセールス姫軍の本体が守り、シャーカルタンの革命軍を防いでいた。そこへテールスタンの一隊が攻め寄せたため、シャーカルタン軍は窮地に陥った。
また、真道彦軍の本隊も到着して攻め寄せたが、はからずもテールスタン軍と衝突してしまった。テールスタン軍は敗走して、新高山岩窟に逃げ帰った。テールスタンは、真道彦のことをカールス王に讒言したため、王は真道彦を疑うこととなった。
真道彦軍は泰安城をセールス姫一派らから奪い返すと、三五教の大神を祀り、戦勝の祝いの宴を開いた。
真道彦は、聖地からヤーチン姫、マリヤス姫を泰安城に招いた。そして、新高山の岩窟にカールス王が隠れていることを知ると、王を城に迎えようと重臣を使いに出した。しかし使いはいつまで待っても帰ってこなかった。そのため後から数人の重臣を使いに出したが、いずれも帰ってこなかった。
真道彦はマリヤス姫に泰安城を任せると、ついに自らヤーチン姫とともに、王の元に向かうこととなった。
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02 09 〔809〕
テールスタンは、泰安城で真道彦軍本隊に敗退させられたことを根に持って、真道彦を口を極めて讒言した。そのため、真道彦の使者は疑心暗鬼のカールス王に尋問され、真道彦を擁護した者は投獄され、共に真道彦を讒言した者は取り立てられた。
そうとも知らずやってきた真道彦とヤーチン姫は、たちまち捕らえられて投獄されてしまった。
そうしてカールス王は軍勢を率いて泰安城へ乗り込んだ。この勢いと教主の投獄に、マリヤス姫ら聖地軍は敗走し、カールス王は泰安城を取り戻した。三五教は火の消えたようになってしまった。
カールス王は泰安城を取り戻して政務を取ったが、国内の情勢は穏やかならず、セールス姫一派が再来するとか、シャーカルタンやトロレンスが再起を図っているとかの噂で持ちきりだった。
しかしカールス王は重臣の甘言に耳を塞がれており、天下は無事太平であると信じてしまっていた。テールスタンら真道彦を讒言して王に取り入った重臣たちは、三五教を捨てて元のバラモン教を祀り、国勢の補助とした。そのため国内には怨嗟の声が満ちることとなった。
本文
02 10 〔810〕
日楯夫婦と月鉾は、父・真道彦やヤーチン姫が重臣たちの裏切りによって捕らえられたことに心を痛め、神前にて祈願をこらしていた。たちまちユリコ姫に神懸りがあり、国魂神・竜世姫命の神勅が降りた。
それによると、このたび真道彦の禍はすべて神界の経綸によるものであり、案じ煩うことは無い、とのことであった。そしてカールス王の迷夢を覚ますためには、日楯夫婦と月鉾の三人で、南琉球の王である照彦王を尋ね、救援を求めよ、と神命を下した。
三人は密かに旅立ち、キールの港を指して山道を進んだ。月の照る夜、三人はアーリス山の山頂で休んでいた。すると峠を登ってくる菅笠が見えた。見ると巡礼姿の妙齢の美人である。
巡礼姿の美人は、月鉾を追って来たテーリン姫であった。テーリン姫はどうしても月鉾と同行すると言い張り、三人が神勅による旅だと言っても、月鉾が自分から逃げて、マリヤス姫の元に逃げるのではないかと疑って聞かない。
三人が困り果てていると、最前より木陰に潜んで様子を窺っていたマリヤス姫が現れ、月鉾が自分のところに逃げるなど無礼千万と言って、月鉾に打ってかかった。テーリン姫はそれを見てマリヤス姫に狂気のごとく組み付いた。
月鉾はこれを見てテーリン姫を縛り上げた。そして三人はこの機に乗じてその場を逃げた。後に残されたマリヤス姫は、テーリン姫に優しく接した。最初は疑っていたテーリン姫も、正直に身の上を話すマリヤス姫に心を開き、二人は姉妹のように親しむようになった。そして月鉾らの帰りを待つこととなった。
本文
02 11 〔811〕
一方、日楯ら三人はアーリス山を下り、テルナの渓谷に着いた。三人は飢えと疲れから、谷に生える木茄子を見つけてむしり食べると、その場に熟睡してしまった。
この木茄子は、テルナの里人が、バラモン教の祭典に際して供物に捧げようと保存しておいたものであった。祭典にあわせて木茄子を取りに来た里人たちは、木茄子がひとつも残っておらず、巡礼姿の三人の男女が傍らで寝ているのを見て驚き、酋長を呼んだ。
里人は三人を起こして、神饌の木茄子を食べてしまったことを責め立てた。酋長がやってくると、バラモンの神に大罪を犯した者は、生贄にするのだと言い渡した。しかしユリコ姫に相好を崩し、自分の妻になれば命は助けてやる、と言い出した。
ユリコ姫の助命嘆願に、酋長は、日楯と月鉾が烈火をくぐり、剣を渡り、釘の足駄を履いて裸で茨の叢をくぐれば赦してやる、と言い渡した。
酋長と里人たちは、三人を促して祭典の場所に連れて行った。そして日楯と月鉾を燃え上がる火の中に投げ込んだ。二人は天の数歌を唱えると、猛火の中を少しも火傷をせずに巡って戻ってきた。二人の神力に、里人たちは肝をつぶした。
一方ユリコ姫は酋長の俄妻として美々しく飾り立てられて、酋長と並んで祭壇に立たされたが、どこからともなく一塊の火光が来て爆発し、酋長は空中に巻き上げられた。里人たちは驚いて逃げる者、腰を抜かす者など混乱している。
ユリコ姫は美々しい衣装を火中に投げ捨てると、日楯、月鉾とともに祭壇の前に立って、感謝祈願の祝詞を唱えると宣伝歌を歌い始めた。
祈り終わると、酋長は礼服を着飾って三人の前にひざまづき、生き神に対して数々の無礼を加えたことを陳謝した。そして大自在天の怒りの火光で中空に巻き上げられた後、国魂神・竜世姫の守りによって助かったことを明かした。
三人は酋長をはじめ里人たちに三五教の教理を説き諭し、数日後に送られてキールの港に着いた。
本文
02 12 〔812〕
三人はサワラの都にたどり着いた。広い平原の中央に築かれた新都会である。サワラの都は広大な堀で四方をめぐらしている。三十万年前の都としては、かなり大きな街であった。
三人は夕方に門から街区に入り、城門の前で門番に声をかけた。門番は誰もすでに居眠りをしており、起こそうとする日楯に文句を言って寝てしまう。
そこへ表門が開かれ、中から立派な行列が現れた。行列の大将は三人に声をかけ、台湾島の真道彦の子息一行ではないか、と問うた。日楯は丁寧に挨拶を返した。男は自分は照彦王の側近でセルと名乗った。数日前に照子姫に竜世姫が神懸かり、三人の来島を告げたという。一行は、セルに続いて城内に入って行った。
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03 00 - 本文
03 13 〔813〕
三人はセルに導かれて広い一間に通された。侍臣によれば、照彦王と照子姫は、今朝神勅により天啓山に登ったが、戻ってくるまで三人は無言無食無飲の行を行って待たなければならないという。
侍臣たちは砂や石の食事を持ってきたり、三人を笑わそうと滑稽を見せたりしたが、三人は三日三晩、行を勤めた。
すると大勢の従者を連れて照彦王が帰ってきた。照彦王らは無言のまま三人に一礼すると、別館に行って神前に祈願の祝詞を唱えた。照彦王と照子姫は、侍臣の八千代姫、照代姫に三宝を持たせて三人の前に現れた。見れば、三人に当てた封書であった。
三人がそれぞれ封書を押し頂いて開けてみると、そこにはさまざまな神示が書かれてあった。三人は喜び、無言のまま感謝の意を表した。照彦王と照子姫は別館に姿を隠した。
一行はさっそく神示にしたがって館を出て城外に走り出した。八千代姫と照代姫もそれに続いた。一行は常楠仙人が籠もるという向陽山を目指していた。
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03 14 〔814〕
照彦王から与えられた封書には、向陽山の麓の大谷川を渡るまで、無言の行を解いてはならない、常楠仙人から摂受の剣と祈伏の剣を受け取り、泰安城の魔軍を退けてカールス王とヤーチン姫を救うべし、と書かれてあった。
一行が向陽山麓が見える地点まで来ると、大きな沼が前をさえぎった。一行は思い切って沼に入って進んで行くと、不思議にも易々と沼を渡ることができた。後を振り返ると、沼は跡形もなくなっていた。
一行が野宿にて夜を明かしていると、大怪物が現れて、日楯と月鉾を飲み込んでしまった。女たちも怪物のなすがままに任せていると、怪物は女たちを背に乗せて進んで行った。
あたりがぱっと明るくなったと思うと、日楯と月鉾は大谷川を渡って向陽山の麓にいた。見れば、三人の女はまだ向こう岸に立っていた。日楯と月鉾は無言の行が解けたので、天津祝詞を奏上すると、女たちは激流の上を平然として渡ってくることができた。
日楯と月鉾が今度は感謝の祝詞を奏上していると、女たちは手招きしつつ、猿のように山の斜面を登って行って霧の中に姿を隠してしまった。
日楯と月鉾が女たちを追ってくると、どこからともなく叫び声が聞こえてきた。見れば、三人の女たちがそれぞれ大蛇に飲まれそうになっている。月鉾はこれを見るとその場に失神してしまった。日楯は誰を先に救おうか迷っていたが、八千代姫と照代姫を救うのが人の道と決心して、大蛇に打ちかかった。
すると、大蛇の姿は消えてしまった。あたりをみると、白髪の老人が杖をついて近づいて来る。日楯は倒れている月鉾に、湖水の水を吹きかけて蘇生させた。老人は微笑をうかべながら、二人を手招きしつつ、向陽山頂にいざなった。
二人は一生懸命に登って行った。すると、大岩石が前をさえぎった。岩石は鏡のように輝き、その向こう側に三人の女たちが見えた。兄弟は岩の向こうに行けずに困っていると、上の方から「天津祝詞」という声が聞こえた。
二人ははっと気付いて拍手し、天津祝詞を唱えた。二人の体は透明な岩窟の中に吸い込まれた。見れば、外には大蛇が迫っており、岩に写った一行を飲もうとしているが、岩にさえぎられてただこちらを眺めているだけなのが見えた。
二男三女はここに合流し、岩窟の奥に進んで行った。岩窟の終点には先ほどの老人がいた。老人は一行の労苦をねぎらうと、神宝はこの岩窟の入口に置いたので、それをもって台湾島に帰るように言い渡すと、姿を消した。
五人は岩窟の入口に戻ると、二つの玉と三つの鏡が置いてあるのを見つけた。日楯は赤い玉、月鉾は白い玉、ユリコ姫、八千代姫、照代姫はそれぞれ大中小の鏡を一つずつ押し頂いて、天の数歌を歌いながら向陽山を下って行った。
大谷川の急流に際して、ユリコ姫が大の鏡を取り出して川面を照らすと、激流は分かれて道ができた。一行はそこを渡って足を早め、エルの港から漕ぎ出だし、台湾島のキールの港に着いた。
五人はいったん玉藻山の聖地に帰り、信徒らに迎えられた。玉と鏡を安置して、昼夜祈願を凝らすこととなった。凱旋に当たり、留守を守っていたマリヤス姫はテーリン姫とともに一行を迎え入れ、祝歌を歌い自ら舞った。
本文
03 15 〔815〕
日楯と月鉾は、マリヤス姫にならって、これまでの艱難辛苦から、今の神宝を授けられて戻ってきた喜びと、これからの戦いに臨む意気込みを歌った。
月鉾はテーリン姫に向かって、泰安城の戦に出て見事凱旋してから夫婦の契りを結ぼうと歌いかけた。
それに対してテーリン姫は、本当に自分を想う気持ちがあるのであれば、出陣前に今ここで、夫婦の誓いをして自分も戦に連れて行ってくれと歌って月鉾に迫った。
マリヤス姫も月鉾を促した。そして、ここに月鉾とテーリン姫の結婚式が行われた。これより、マリヤス姫を主将とし、日楯・月鉾夫婦と八千代姫、照代姫らは準備を整えて出陣することとなった。
本文
03 16 〔816〕
三五教軍のためにいったんは退けられたセールス姫、シャーカルタン、トロレンスらの一派は、三派同盟を作って泰安城に攻め寄せた。泰安城はひとたまりもなく落城し、カールス王をはじめ重臣らは捕らえられ、牢獄につながれて責め苦を受けることになった。
セールス姫は泰安城の女王となり、魔軍を率いて今度は三五教の拠点を奪おうと、軍勢を率いて玉藻山の湖水近くまで攻め寄せた。
マリヤス姫はユリコ姫に命じて、鏡で敵軍を照らさせた。敵軍はたちまち眼くらみ心がおののいて将棋倒しに倒れてしまった。敵将のセウルスチン、サアルボース、ホーロケースらは命からがら逃げてしまった。
その場に倒れて苦しんでいる敵兵たちに向かって、マリヤス姫は宣伝歌を歌った。兵卒たちは「惟神霊幸倍坐世」を幾度となく唱えると、目を開いて立つことができた。兵卒たちはマリヤス姫の前にひざまづき、三五教軍に帰順して泰安城の言霊戦に従軍することになった。
泰安城にて、八千代姫、照代姫の鏡に照らされた敵軍の両翼は、眼を奪われてたちまち降伏した。マリヤス姫は日楯と月鉾を率いて城の正面から攻めかけ、セールス姫に対して赤・白の宝玉を射照らせた。
セールス姫はたちまち金毛九尾の悪狐の正体を表し、雲を起こしてどこかへ逃げてしまった。
マリヤス姫は泰安城を守り、八千代姫らに聖地を守らせると、日楯と月鉾は牢獄につながれた人々の救出に向かった。カールス王をはじめ、ヤーチン姫、真道彦命、そして重臣たちは二人の手によって救い出され、泰安城に戻っていった。カールス王は真道彦命の息子たちに救い出されて感謝の念を表し前非を悔いた。
泰安城に戻ると、セールス姫軍の兵卒らは、まだ鏡の威徳に打たれて盲目のまま倒れ苦しんでいた。カールス王がこの有様を尋ねると、日楯は琉球で授けられた神宝の威徳と言霊戦の様子を物語った。
日楯は倒れている敵軍の兵卒に向かって、言霊歌を宣し与え、懺悔を呼びかけた。数万の兵卒たちはたちまち目を開き、一同の前に感謝の涙を流して帰順した。日楯は兵卒たちに三五教の道を説き聞かせておのおの家に帰らせた。そして自らは王をはじめ、重臣たちと泰安城に入って行った。
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03 17 〔817〕
泰安城に戻ってきた一行は、カールス王を中心に、大広間にて会見の式を行った。互いに祝辞を述べると、大国治立尊のひもろぎを立て、国魂神の祭典を厳かに行い、直会の宴を設けた。
カールス王は立って、自らの不明から正しい教えを見失い、国を混乱させたことを懺悔し、ヤーチン姫やマリヤス姫へのこれまでの仕打ちを詫びる歌を歌った。
ヤーチン姫は、自分を救ってくれた人々に感謝を表し、カールス王に神の恵みがあり、自分自身も神業に参加できるよう祈願する歌を歌った。
真道彦は自分の家系の役割を歌い、これまでの艱難辛苦を神の鞭と受け止めて、今後の泰安城の繁栄を祈る歌を歌った。
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03 18 〔818〕
直会の宴で、マリヤス姫は立ち上がって歌った。自らの生い立ちを歌に明かし、悪人たちの動向を探りつつ、三五教のために立ち働いたこれまでの経緯を歌った。
続いて照代姫は、琉球にて代々三五教を奉じていた家の出であり、妹の八千代姫とともに照彦王に仕えていた身の上を歌に歌った。そして照彦王の命により、台湾島のために尽くす覚悟であることを歌った。
カールス王は真道彦命にこれまでの無理解と無礼を謝し、突如、罪滅ぼしのために宣伝使となって各地を放浪するために、真道彦に王位を継ぐようにと懇願した。
真道彦は驚き、互いの家系の使命を説いてカールス王を諌め、断固として王位に就く意思のないことを明かした。真道彦の清廉潔白なる精神に感じたカールス王は、真道彦を導師として、全島に王として範を示すことになった。
カールス王はヤーチン姫を正妃となし、マールエースを宰相となし、ホールサースを副宰相とするなどして国の要職の人々を定め、ここに台湾島は治まった。王は琉球の照彦王に感謝の使いを遣わした。照彦王はカールス王の誠意に感じて台湾島に渡り、泰安城に迎えられて歓迎を受けた。
ここに琉球と台湾は相提携して神業に奉仕することとなった。マールエースは八千代姫、ホールサースは照世姫を娶り、その子孫は永く繁栄し泰安城に仕えた。
カールス王とヤーチン姫の間に、八千彦、八千姫の一男一女が生まれた。照彦王と照子姫の間にも、照国彦、照国姫の一男一女が生まれた。真道彦の媒酌によって八千彦と照国姫、照国彦と八千姫を娶わせ、両家は親族関係を結ぶこととなった。
また、マリヤス姫はカールス王のいとこにあたるフエールスの妻となり、夫婦合わせて国王夫妻を助け、今まで混乱を重ねた台湾島を天国浄土となした功績が大いにあった。
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04 00 - 本文
04 19 〔819〕
高姫は常彦、春彦に舟を操らせてテルの国の山々が見えるところまで漕ぎつけたが、舟は暗礁に乗り上げて粉砕してしまった。この時代は海の塩分が非常に濃かったので、一里二里くらいであれば、なんとか海上を渡ることができた。
しかし三人が海を渡っていると風が吹き始め、波が荒れ出した。炎天下も手伝って、そろそろ高姫は不安の念にかられだし、声を限りに天津祝詞を唱え、日ごろ宿敵と楯突く言依別命にまで祈願をこらしだした。
そこへ竜宮丸という船が通りかかり、三人を救い出した。竜宮丸は、筑紫の島、竜宮の一つ島から常世の国へ渡る人々を乗せていた。船長は骨格勝れたタルチールという大男であった。
船長は、救い上げた三人を、船の規則に照らして誰何し、行き先を質した。しかし高姫は、自分は神の生き宮で神界の都合で動いているのだと傲然と述べるばかりである。船長は一方的に改心せよと迫られて怒り出した。
常彦と春彦は、高姫が変わっているのだといって船長をなだめるが、高姫はますます逆上する。船長は、高姫がのぼせ上がっているので縛って吊るし上げる必要があると宣言し、捕縛して帆柱に吊るし上げた。
そこへ、この船に乗り合わせていた言依別命と国依別がこの場に走り来たり、船長に目配せした。船長は慌てて高姫を降ろしたが、高姫、常彦、春彦は言依別命らが助けてくれたことには気がつかなかった。
船長のタルチールは言依別命と国依別の説示を聞いて三五教に改心しており、すでに宣伝使となっていた。それゆえ、常世の国に着いたら宣伝使として各地を廻る決心をしていたのであった。
言依別命と国依別は、素早く船長の部屋に姿を隠した。船長を含めて三人は鼎座して高姫話に時を遷した。
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04 20 〔820〕
常彦と春彦は、高姫にやたらなことを言わずに船中はおとなしくしているように懇願する。しかし高姫は反省するどころか、神がタルチールを使って自分を帆柱の上に上げて陸の様子を見させたのだ、とますます強弁する。
常彦と春彦は、船長に目を付けられないように船中では師弟の縁を切ってもらうことにした。高姫は怒って二人の縁を切り、さんざん憎まれ口を叩いた。
常彦はやけくそになって海に向かって宣伝歌を歌った。高姫への苛立ちを籠めつつも、三人そろって失われた宝珠を見つけ出してつつがなく聖地に帰ることができるよう、神に祈願をこらす歌を歌った。
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04 21 〔821〕
船長のタルチールは、そろそろ本当のことを高姫に告げて、安心させてやった方がよいのでは、と言依別命に話しかけた。言依別命は、宝珠の神業は大神様の御経綸なので、高姫に明かすことはできない、と答えた。
そして言依別命はタルチールに明かして、如意宝珠の宝玉は自転倒島の冠島と沓島に隠してあるのだ、と答えた。そして、いかに自分たちが玉を所持していないと言っても、高姫は信用しないので、高姫にそれとなく示してくれないか、とタルチールに頼んだ。
タルチールは宣伝使の初陣として引き受けた。船長は高姫を船室に招き、丁重に迎えた。そしてバラモン教の信者を装って高姫の教示を聞くふりをして、高姫と問答を始めた。
タルチールは高姫から言依別命の名が出てくると、最近自分の船で三五教の言依別命一行に会ったと話し、立派な宝玉を高姫から守るために自転倒島に戻っていったと告げ、高姫に自転倒島に戻るように促した。
しかし高姫は船長を信用せず、言依別命が自分を騙すために仕組んだものと疑って、船室を出て行ってしまった。
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04 22 〔822〕
高姫が甲板に来ると、常彦と春彦が手をつないで、歌い踊っている。二人は高姫に勘当されたお祝いに踊っているのだ、と高姫に答える。調子に乗っていると、春彦は足を踏み外して海に落ちてしまった。
常彦は声を限りに助けを求めると、船客の一人が綱に板切れをつけて放り投げ、春彦を助け上げた。常彦がよく見れば、それは国依別であった。国依別は高姫に悟られないようにと、常彦に釘を刺し、姿を隠した。
高姫は、自分に懸っている日の出神が春彦を助けたのだ、と意気を上げている。常彦はそんなはずはないと高姫に反論したが、高姫は怒って常彦の胸倉をとり、喉を締め付けた。常彦は悲鳴を上げる。
春彦は高姫の足をさらえた。今度は高姫が海中に落ちてしまった。常彦と春彦は、高姫に綱を投げて助け上げたが、高姫は日の出神に感謝する。高姫の傲慢な物言いに二人はあきれてしまうが、高姫がまた胸倉を取ったことで、また険悪になってしまう。
船が陸に着いた。高姫は面を膨らして一番に飛び出して行った。常彦と春彦もそっと後を追った。
船長のタルチールは息子に船を与えて船長とすると、言依別命と国依別と一緒に宣伝歌を歌いながら高砂島に進み入った。
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現代社会は力がものをいい、力なきものは道理も立たず、力あるものは無理に押し通す。弱者は自ら犯さざる罪をも謝さねばならぬ。強者は自ら犯した罪も平気で押し通す現状だ。強者は悪をなしても世間をうまく誤魔化して無上の善行とされる、暗闇の世だ。
誤解を解くには他の誤りを正すのが第一である。自己の正しい主張を明白に徹底的に、相手方に合点の行くように弁明し釈明すべく努力することが必要であり、袖手傍観的な態度は結局神の国のためには卑怯者また反抗者となる。
強者に対して何事も譲歩するのはかえって誤解を大きくする。相手方の無理を是認したも同然となってしまう。
他の誤解を解くことにも増して重要なのは、自ら他を誤解しないようにすることである。いわゆる、彼を良く知る、ということが重要である。
人間の身体内には天国と地獄が包蔵している。人間は天使と悪魔のあいのこである。現代人は特にこの傾向多く、神示に言う八街人間、中有人間というのはこれである。
現代は悪魔横行の世であることを正しく理解せよ。獅子や虎狼が疲労の結果、休息していても決して猫や羊や兎になるものではない。必ず元気回復して眠りから醒めるときが来る。
一難来るごとにその信仰と勇気を強め、快活に愉快に立ち働く誠の神国魂の人は、果たして幾人あるであろうか。三五教の無抵抗主義の真諦を誤解して、極端な無抵抗主義を取るのも考えものである。
卑劣、柔弱、無腸漢の卵とならなければ幸いである。世間の評判や新聞の悪評やその他の圧迫を気遣って、正義の大道を歩むことさえ恐れるに至ったら、もはやその人間は駄目である。
世間の評判や新聞の批評こそ当てにならぬものはない。評判が良いからといって安心していると背負い投げを食わされる。逆に、一昨年来悪罵され続けた東西の男女があったが、実際に面会してその思想・行為・態度を実見すると、まったく正反対の人物であることがわかった。
黒雲に包まれた大空の月も、仇雲の扉を開いてその瑞々しい姿を現すときは、暗黒の地上も直ちに瑞光燦爛たる神姿を見ることができるであろう。
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