王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く

霊界物語あらすじ

説明を読む
ここに掲載している霊界物語のあらすじは、東京の望月氏が作成したものです。
まだ作成されていない巻もあります(55~66巻のあたり)
第32巻 海洋万里 未の巻 を表示しています。
篇題 章題 〔通し章〕 あらすじ 本文
- - - - 本文
- - - -
本巻は伊豆の湯ヶ島温泉湯本館にて、神明の加護により三日で脱稿することを得たものである。
二三人の大本幹部諸氏が、霊界物語はくだらないから発行停止するべきだと言っていると、天声社より便りがあった。しかし本教の大精神をあまねく世に紹介するためには、物語という方法に依る必要がある。
あまり立派な学究的な書物は一般の人々に諒解しがたいゆえに、やむを得ず神様から親切にお示しくださっているのである。
私瑞月はただ、惟神のままに従うほかはないのみであり、いかなる妨害圧迫も恐れずに口述し、広く世に発表する考えである。
本文
- - - -
本巻は言霊学応用の大要を示し、かつ神の平等愛はあまねく禽獣虫魚に至るまで降り注いでいることを具体的に表している。
三五教主・言依別命と国依別命は、アマゾン河および南北の大森林で舎身的に大活動中、琉球の玉の霊光に照らされて功を奏した。一行十八人は、アルゼンチンのウヅの都に首尾よく凱旋をなし、神素盞嗚尊に親しく拝顔することを得た。
国依別と尊の末女である末子姫との結婚の約が成立した際には、高姫が極力妨害運動を開始したおもしろき顛末も述べている。双方ともに私心無き真心の発動により、ただ神を思い世を思うのあまり、意見の相違をきたした次第が、明らかに現れている。
本文
01 00 - 本文
01 01 〔892〕
ウヅの国の荒野ヶ原で神の戒めにあって改心し、アマゾン河の大森林の魔神を言向け和すべく、鷹依姫、竜国別、テーリスタン、カーリンスの一行四人は河口にやってきた。
アマゾン河で猛獣の王として君臨しているのは、水陸両棲のモールバンドという怪物である。図体は象の体を十四五集めたような太く長く、四本の足の先には水かきのついた指と剣のように光る七八尺の爪がついている。頭部は鰐のごとく、四五十間も伸ばすことができる尻尾には、鋭利な諸刃の剣のような凶器を持っていた。
大蛇も森林や水底に潜んで、獣や人々を狙っている。しかし猛獣も大蛇も、モールバンドには恐れをなして姿を隠している。
モールバンドに次ぐ恐ろしい生き物として、エルバンドという動物もいた。四本の足を持ち、鱗は鉄のように固い。丸い玉のような頭には、小さな目がついている。この丸い頭部を細長く伸ばし、獲物の血を吸って生きる怪物である。
鷹依姫一行は怪物たちが住む河を遡るのを避け、船を捨てて上陸し、河の南岸を時雨の森を指して進んで行った。そして森林に住む動植物の声を聞いて状況を理解し、モールバンドやエルバンドの征服に従事することになった。
ところで、宇宙の森羅万象はすべて陰陽の水火(いき)によって形成されている。すべてのものは言霊の水火を有し、言語を発しているのである。また禽獣も人語を解するとともに、人にも禽獣草木の言葉を解する能力が備わっている。
世が下って人々の心が曲がってしまい、言語を理解できない人間に堕落してしまっているのである。言霊学を体得するときは、禽獣虫魚山川草木の言葉も容易に解することができるのである。
国魂の優れた日本人は、本来、円満晴朗なる七十五声を完全に使用することができるのだが、今はまったく心の耳・心の眼が閉じてしまっていることは、実に嘆かわしいことである。
今日の世界の言語は、言霊学上の原則を乱しているために、お互いに諒解しがたい点が多々あることになってしまっているのである。言霊の原則を誤らなければ、世界共通的に通用することができる。これが言霊の妙用であり宇宙の真理なのである。
本文
01 02 〔893〕
宣伝歌を歌いながらアマゾンの大森林に進み入った鷹依姫一行の前に、大きな兎の一族が現れた。兎の長老は、月の大神のお示しにより、宣伝使たちがやってくることを知り、自分たちを助けてくれるように懇願しに迎え出たのだという。
この時雨の森は、太古に月の大神から兎一族に与えられた楽園であったが、アダムとエバの霊魂から発生した八岐大蛇とその眷属が跋扈し、モールバンドやエルバンドのような怪物となって兎一族を餌食とし暴威を振るっているという。
竜国別は兎の長老の請いを容れて、兎一族の都に向かうこととなった。兎たちは怪物や猛獣を避けて、広い湖をめぐらした、四方を丘に囲まれた安全地帯に住んでいた。兎一族は、湖のほとりに棲む数多の鰐族と同盟を結び、互いに怪物や猛獣に対する守りを固めていた。
モールバンドとエルバンドは、兎たちがここに居を定めてから、兎を食べることができなくなってしまった。そのため、代わりに獅子、虎、狼、熊などの猛獣を食らっていた。
あるとき、モールバンドはエルバンドを使者として、猛獣の集まる森林の都の獅子王に遣わした。モールバンドとエルバンドは、獅子王に、猛獣の軍隊を引き連れて兎の都を襲い、兎を食料として提供することを要求した。
この要求を飲まなければ、モールバンドとエルバンドは猛獣を手当たり次第に取り食らうという脅迫も含んでいた。獅子王は、熊、狼、虎、大蛇、鷲などの猛獣の頭を集めて協議をなした。
モールバンド・エルバンドに従うか抗戦するかで議論は紛糾したが、獅子王は結局、強敵に立ち向かうよりも、弱い兎を攻めて自分たちの命をつなぐ方を選択した。猛獣たちの軍はただちに兎の都に向かって進撃した。
兎の王はそうとは知らず、鷹依姫、竜国別、テーリスタン、カーリンスの宣伝使たちを饗応していた。
本文
01 03 〔894〕
兎の王は、モールバンドやエルバンドら八岐大蛇の眷属に悩まされていた自分たちの一族を救うために、宣伝使をお迎えすることができたことを感謝する歌を歌い、舞った。
鷹依姫は面白い仕草で歌い舞い、自分もかつては曲がった道を歩いていたが、神の御光に照らされて身魂が開いたように、大神の大慈大悲によって悪神たちもまつろわせることができる世も来るだろう、と諭した。
そして禽獣虫魚に至るまで、神の恵みがあまねく降り注ぐようにという祈願をこめて歌を終わり、座に就いた。兎をはじめ、この言霊歌を聞いて喜び勇んで集まってきた鰐たちも、ただ感謝するのみであった。
本文
01 04 〔895〕
鰐の頭は四人の宣伝使の前に現れ、感謝の意を込めた歌を歌って歓迎の意を表した。
竜国別は兎と鰐の一族を前に、時雨の森を守り平和を取り戻す決意を歌で表明した。
テーリスタンは滑稽な歌を歌ってその場を和め、また勇気を鼓舞し、兎と鰐を安堵した。
本文
01 05 〔896〕
カーリンスも滑稽な歌の中にも兎と鰐を安堵する内容を込めて舞い踊った。
鷹依姫一行が兎の都に迎えられてから一年ほど経った夜、四方の丘から怒号の声が聞こえてきた。兎の王は鷹依姫の前に走り来たって、猛獣の軍隊が攻め寄せたことを注進した。そして、鰐たちが防戦しつつあるが、大軍のために宣伝使たちにも神力による助力を懇願した。
鷹依姫は直ちに拍手して天津祝詞を奏上し、天地に向かって言霊歌を宣り上げた。すると屏風山脈の最高地点の帽子ヶ岳から、二つの火光がサーチライトのように輝いた。兎の都の四方を囲んでいた猛獣の魔軍は光に打たれてその場に震えおののいた。
竜国別は火光に向かって拍手し、琉球の霊光の援軍に感謝の宣伝歌を歌った。そして兎の王に、霊光の威徳が現れたことに安堵するよう伝えた。
鰐の頭も天佑の顕現に勇み立ち、兎の王に防戦の成功を請け合った。一同は帽子ヶ岳の霊光に感謝し、歓声を上げてこの天佑を祝し、その夜を無事に明かすことになった。
本文
01 06 〔897〕
左守の大兎は立ち上がり、琉球の霊光の出現を祝し、鷹依姫ら四人の宣伝使たちに感謝を顕す歌を歌った。
そこへ、ほとんど瀕死の状態になった兎の一群が、鰐に運ばれてやってきた。竜国別はそばに寄り添って天の数歌を高らかにうたいながら、傷を撫でさすった。そして天津祝詞を唱えて一同の回復を暗祈黙祷した。
すると神徳たちまち現れて、運ばれてきた兎たちの痛みは癒え、傷は回復した。兎たちは竜国別に涙を流して感謝の意を表した。
兎たちは、獅子王の棲み処の森に近づいたところ、猛獣隊に襲われて捕えられ、命を奪われようとしたときに霊光が照らし、猛獣たちは倒れ伏してしまったという。兎たちは命からがら湖まで逃れ、運ばれてきたと報告し、また改めて宣伝使たちに感謝を表した。
兎の都を襲撃した猛獣の大軍は、琉球の霊光に照らされて命からがら、獅子王の本拠であるアラスの森に敗走しつつあった。
戦況報告を待っていた獅子王の下に、禿鷲の王がいち早く戻ってきて、兎方に強力な神威が現れあえなく敗戦した旨を伝えた。獅子王はこれを聞いて悲憤にくれてしまった。
そこへ、風のまにまにどこからともなく宣伝歌が聞こえてきた。それを聞くと獅子王は頭を抱え目をふさぎ、たちまちその場に倒れ伏して苦しみ悶えてしまった。
本文
02 00 - 本文
02 07 〔898〕
高姫は、常彦、春彦、ヨブとともにアマゾンの時雨の森の北の林に到着した。高姫は、この森林に居る鷹依姫一行を助け出そうと森の中を進んで行った。
すると前方より、えもいわれぬ美しさの女が一人現れ、一行に向かって近づいてきた。一行は、すわ妖怪変化かと警戒している。
女は高姫の前に来てお辞儀をした。女は高姫たちがここへくることを知っており、金剛不壊の如意宝珠、紫の玉、黄金の玉、麻邇の宝珠などは、自分の館に神政成就の宝として蓄えられているので献上しようと申し出た。
改心したはずの高姫は、この甘言を聞いてたちまち元の病が再発したごとくに目を丸くして顔を緊張させ、女の話に食いついてきた。世界に二つとない宝が本当にこんなところにあるのかと疑う高姫に対し、女は実地に来てみて調べればわかる、と答えた。
女は鷹依姫たちがどこに居るかも後で教えよう、と言うと、高姫たちを迎える準備をするからしばらく待つようにと言い残して去って行った。
高姫は女を見送って上機嫌で、常彦、春彦、ヨブに自分の神徳をひけらかし始めた。常彦は高姫に合わせて、宝珠が手に入る運びになったことを馬鹿喜びしている。
春彦は、女の耳がビリビリ動いていたことを告げて、高姫と常彦に女は妖怪変化ではないかと懸念を伝え、用心するようにと戒めた。高姫は春彦を叱りつけ、言い争いになってしまう。
春彦とヨブは高姫のもとを去ろうとするが、高姫は二人をあわてて引き留める。高姫の味方をしていた常彦にしても、高姫に同意しているようで実は皮肉っている口調が現れてきてしまっていた。
そこへ先ほどの女が美々しく盛装をこらし、二人の侍女を従えてやってきた。
本文
02 08 〔899〕
高姫は、自分に玉を献上しようという美女が侍女を伴ってやってくるのを見て、心待ちにしている。春彦は高姫の物欲しそうな様子に笑いをこらえながら、魔性の女に気を付けるよう高姫に忠告をする。高姫は怪しむ春彦を叱りつけた。
やってきた女は高子姫と名乗った。高姫は高子姫にお世辞を述べるが、春彦がまたしても茶々を入れる。高姫はまた叱りつけるが、春彦は大昔の常世会議を例に引いて、滑稽な調子で高姫に忠告する。
高姫は、実地に玉を見てみればわかると言い張り、女たちに付いていくことになった。途中に大きな川があり、女たちは石を軽々と伝って向こう岸に着いたが、高姫はすべって川に落ちてしまった。
春彦はあわてて川に飛び込んで高姫を救い上げた。高姫は助けに来なかった常彦とヨブを責め、春彦には手柄を立てるというお蔭をいただいたのだ、と強弁する。春彦、常彦、ヨブの三人はあきれて顔を見合わせてしまった。
高姫は、高子姫らの招きに応じて川を慎重に渡って行った。
本文
02 09 〔900〕
三人の女の後から意気揚々として付いていく高姫の様子に、春彦は宣伝歌を歌いだした。その歌は、またしても玉への執着にとらわれて、怪しい女に付いていく高姫をからかいたしなめていた。
また春彦は歌の中で、如意宝珠の玉のありかは自転倒島にあると錦の宮の杢助から聞かされていたことを明かした。そして、高姫に玉を献上しようとにわかに表れた三人の怪しい女は、白狐の化身であり、高姫を改心させようという神の御心から遣わされていることを見抜いていた。
高子姫は一行を、森林の中に大岩石が屹立している場所に案内した。立派な岩戸が立てられており、高子姫はここが自分たちの住処であると伝えた。
春彦は高姫に岩窟に入らないように強く注意を促すが、にわかに足が引きつって歩けなくなってしまった。高姫は神罰があたったのだと、かまわず高子姫に付いて岩窟に入って行ってしまった。常彦とヨブも高姫に続いた。
本文
02 10 〔901〕
外から見たよりも広く、青畳を敷き詰めた岩窟内に高姫が感嘆していると、高子姫は、この岩窟は自分が生まれたときから自分の父が開掘し始めたもので、今年で五十六億年目になるという。
高子姫は、自分は竜宮の乙姫で夫は日の出神、ここは暗黒世界の中心点で五里霧中郷で高姫村の黒姫御殿だ、と言い出した。
高姫は自分がだまされてここに連れ込まれたことに気が付き、高子姫を詰問した。高子姫はにわかに白髪の化けものと変じて、言霊歌で高姫の執着心を責め始めた。
高姫はここからが化けもの退治の幕開きだといきがって、常彦とヨブを大声で叱咤した。しかし常彦とヨブは、高姫が草原で一人叫んでいるので不思議に思い、声をかけているのみであった。
高姫は一人、岩窟の中に居る気で高子姫とやりあい、いきりたっている。高子姫は、玉は自転倒島付近の小島にあり、雄島雌島には麻邇の宝が隠してあると明かした。そして、鷹依姫と合流して御用を勤めあげ、改心して玉照彦・玉照姫に使えるようにと高姫を諭した。
高子姫は岩窟の壁を透かして鷹依姫一行の様子を映し、高姫に見せた。鷹依姫たちは兎と鰐に取り囲まれて宴に興じていた。高姫は怒り、鷹依姫たちに詰め寄ろうとしたが、それは鏡に姿が映っていたのであった。
今度は高姫は、自分の姿が映ったのを見て驚き、常彦とヨブを呼んで、自分の姿と同じ化けものを殴りつけるようにと命じた。常彦とヨブは本物の高姫を殴りつけた。
高姫は合点が行かない様子だったが、高子姫を成敗しようと、岩窟の入り口に向かって、常彦とヨブとともに追っかけて行った。
高姫が岩窟の入り口に来ると、春彦が大笑いしている。高姫は、高子姫を追ってい行った常彦とヨブが見えなくなってしまったのだ、と春彦に言うが、春彦は高姫・常彦・ヨブはさいぜんから、泥水の葦原で転がっていたと指摘した。
そこへ三人の怪しい女たちが現れた。高姫は殴りかかるが、女たちの姿はぱっと消えて、大きな白狐が這い出し、森林に消えてしまった。
高姫はこれより翻然として悟り、玉への執着心を心の底から払拭し去った。そして時雨の森の邪神を言向け和してめでたく自転倒島に帰国することとなる。
本文
02 11 〔902〕
アマゾン河の南岸の大森林は、猛獣毒蛇が暴威をたくましくしていたが、帽子ヶ岳の山頂から照らされる霊光により、すべて鷹依姫に帰順していた。
一方で北の大森林の猛獣たちは妖怪変化をなし、ひととおりでは通過することができない状態であった。ここへ入って来ようとしている高姫の執着心を去って完全な神の司として探検せしめようと、大江山の鬼武彦が白狐たちを遣わして、神の試練に遭わせたのであった。
春彦は、自分の忠告が正しかっただろうと高姫に言うと、高姫はそんなことは知っていたと強がりを言い、一人で沈思黙考するのだと森林の中へ入ってしまった。常彦は高姫の姿を見失わないようにと一目散に高姫を追って駆け出した。
春彦は、高姫とはいずれどこかでまた会うだろう、鷹依姫一行を探さなくては、とわざと高姫とは反対の方角に進んでいった。ヨブも春彦に続いた。
しばらく三人が進んで行くと、苔の生えた割れ地蔵が並んで立っている。春彦は、この地蔵も何かの化身であろうから、気を付けないと自分たちが高姫の二の舞になると気を付けた。
ヨブは、高姫の態度に愛想が尽き、三五教が嫌になったと春彦に愚痴をこぼした。春彦は、高姫を信じるのか、三五教の神を信じるのかとヨブをたしなめた。二人が問答をしている背後で、そろそろ石地蔵が歩きだし、二人の前に胡坐をかいて座った。
驚くヨブに春彦は、ここは化けものの巣窟だからと泰然と答え、今度は石地蔵にからかいながら話しかけた。石地蔵は、春彦は高姫を見捨てるのかと逆に問いかけてきた。石地蔵は、今高姫はモールバンドに狙われて、常彦とともに大木の上に難を避けているところだと言う。
春彦は自分たち二人が行ったところでどうにもならない、と答えると、石地蔵は口ばかり立派で実行力がないのは誠が無い奴だと嘲った。春彦はそれを聞いて奮起して、ヨブを促して高姫のところへ助けに走ることになった。
本文
02 12 〔903〕
高姫を助けに森林に入った春彦とヨブは、呼ばわっても高姫の居場所がわからない。春彦は探しながら宣伝歌を歌い始めた。これまでの経緯を歌いながら、高姫の改心を願う内容であった。
春彦とヨブが奥へ奥へと進むと、ようやく高姫が避難している大樹のところまでやってきた。見れば小山のようなモールバンドが目を怒らせて高姫を狙っている。春彦は恐ろしさに震えて、言霊がうまく発射できなくなってしまった。
モールバンドは春彦とヨブが近づいてきたことに気づき、今度は春彦とヨブを狙い始めた。二人は大木に登って避難し、互いに境遇を嘆きながら誰か助けに来てくれる者がないかと待つのみであった。
すると、そこへ安彦、宗彦、秋山別、モリスの四人が、宣伝歌を歌いながらやってきた。高姫や春彦らは樹上からその歌を聞いて、三五教徒であることがわかり、勇気づけられて力いっぱい天津祝詞を奏上した。
安彦ら四人も、高姫たちがいることがわかって喜び、呼応して元気を出して天津祝詞を奏上した。モールバンドはなおもひるまず樹上の一行を狙っていたが、そこへ琉と球の大火光が帽子ヶ岳から落ちてきた。モールバンドはこれに驚き、こそこそと森林を逃げ出してアマゾン河に去ってしまった。
ここに高姫一行と安彦一行合わせて八人は合流した。安彦たちは高姫に、アマゾン河の南の大森林に、鷹依姫が猛獣たちを従えていると消息を伝えた。一行の発した天津祝詞の声を聴きつけて、北の大森林の猛獣たちが慕い集まり、八人の後に続いた。
アマゾン河を前にして高姫は、南岸に無事に渡ることを一生懸命に祈願した。すると幾千万もの鰐が川底から現れ、鰐橋をかけた。高姫は、大神の神徳と鰐の好意に感謝した。
こうして、何里もの広いアマゾン河の川幅も、無事に渡りきることができた。また、集まってきた北の森の猛獣たちも一緒に南岸に渡り、高姫一行を兎の都まで送った。
本文
02 13 〔904〕
高姫たち一行は、森林の兎の都の霊場に着いた。鷹依姫はあまねく獣の霊の済度に全力を尽くしていた。高姫は鷹依姫との久しぶりに面会し、嬉しさと懐かしさに涙を流した。
高姫一行四人、安彦一行四人、鷹依姫一行四人の合わせて十二の身魂は、天地に向かって七日七夜、間断なく神言を奏上し、すべての猛獣をことごとく言向け和した。肉体を離れた後は必ず天国に至り、神人となって再びこの地に生まれ来て神業の参加すべき約束を与えた。あらゆる猛獣たちは歓喜の涙にくれた。
猛悪な獣も、肉体の保存上やむを得ざるときに他の動物の命を奪うのみである。しかるに万物の霊長たる人間は、食物が満ち足りてもなお欲をたくましくし、他人を倒して自己の財を肥やし、わが子孫のために美田を買って他を憐み助ける意思のない者が大多数を占めている。
しかしながら神代は社会上の組織はもっとも簡単にして、物々交換の制度自然に行われていた。さまざまな珍しきものが通貨の代わりに使われて、一定の価格も定まっていなかった。それゆえに神代の人はもっとも寡欲であった。
大宜津姫神が現れて衣食住の贅沢が始まり、大山祇、野槌の神などが土地山野を区画して占領したとしても、現代ほど貧富の差もなく狭くもなく、安泰なものであった。
高姫、鷹依姫、竜国別は、神に許しを受けて、猛獣に対して律法を定めた。
肉食を廃すこと
時々代表者を兎の都に派遣して、最善の生活上の評議をなすこと
鰐によってモールバンド、エルバンドへの防備となし、また河の往来の用に任じること
鰐を獅子王の次の位とし、毎年月の大神の神前で鰐を主賓として懇談会を開き慰労すること
律法に違反した者は獅子王の命によって肉体は取り食らわれ、その子孫は永遠に獣類の身体を得て地上に棲息する神罰を与えられること
この律法を遵守し、月の大神の宮に詣でて赤誠を捧げた獣は、帰幽するとただちにその霊は天国に上り、人間として再び地上に生まれて来ることになった。
国治立大神は、神人のみならず禽獣虫魚に至るまでその霊に光を与え、いつまでも浅ましき獣の体を継続させることなく、救いの道を作り律法を守らせて、その霊を向上せしめ給うたのである。
それゆえ、禽獣虫魚が帰幽したその肉体は、ただちに屍化の法によって天に昇るのである。みな、神の恵みによってある期間種々の修行を積み、天上に昇って霊を向上せしめるのである。
これ天地の神の無限の仁慈が偏ることなく等しくすべての命に行き渡っていることの証拠である。禽獣虫魚としてのいやしい肉体をもってこの世にあるのは、人間に進む行程であることを思えば、いかなる小さな動物といえども、粗末に取り扱うことはできないことを悟らねばならない。
その精神に目覚めなければ、神の神国魂となり、神心となることは到底できない。また人間としての資格もない。
ただし、職業として漁師・猟師を営む者は宿世の因縁にして、天より特に許されたものである。しかるに遊猟・遊漁のごとき、自分の心を一時慰めるために禽獣虫魚の命を絶つことは、鬼畜にも勝る残酷な魔心といわねばならない。
人には各々、天より定められた職業に一意専心に努めて、士農工商ともに神業に参加することをもって、人生の本分とするものである。
たとえば神は、ツツガムシの発生を抑えるためにネズミを作り、ネズミの発生を抑えるために猫を造り給うたごとく、仕組まれているのである。
禽獣虫魚はすべて、引く息をもって音声を発するのに対して、神国人は吹く息をもって臍下丹田より喨喨たる声音を発するのである。また禽獣虫魚はすべて、その性質に見合った言霊を発することで動・止・進・退するものである。
言霊の真意活用を悟った真人は、天地を震撼し、風雨雷霆を叱咤し駆使し、山川草木を鎮定せしめ、安息を与えるという妙用を行いうるのである。
これより高姫、鷹依姫、竜国別たち一行は、月の大神の前に拝礼を終わり、猛獣たちに兎の王に仕えさせた。そしてアマゾン河のほとりに出て、モールバンドとエルバンドの一族に向かい、善言美詞の言霊を与えて彼らを悦服せしめた。
遂にモールバンドとエルバンドは言霊の妙用に感じて雲を起こし、竜体となって天に昇り、雨風を起こして地上に雨露を与え、清鮮の風を万遍なく与る神の使いとなった。しかしながらまだ悔い改めない怪獣類は森林、幽谷、海底、河底などに潜伏して、面白からぬ行員を送っているものもあるのである。
古の怪しい獣は、今日よりも数も種類も多かった。しかし三五教の神の仁慈と言霊の妙用によっておいおい浄化し、人体となって生まれて来ることになったのであった。ゆえに霊の因縁性来等によって今日といえども、高下勝劣の違いを来すことになったのである。
しかしながらいずれもその根本は、天御中主大神、高皇産霊神、神皇産霊神の造化三神の陰陽の水火より発生したものなれば、宇宙一切の森羅万象はみな同根にして、いずれも兄弟同様なのである。ただし、幽玄微妙なる霊魂の経緯によって区別ができるのである。
物質文明の学は泰西人によって先鞭をつけられたが、現今は霊魂学においても先鞭をつけられているのは主客相反する惨状と言わねばならない。邦人はいかなる深遠なる真理といえども泰西人の口と筆から出でなければこれを信じない悪癖がある。
この物語も、一度泰西諸国の哲人の耳目に通じ、再び訳されて輸入し来るまでは、邦人の多数はこれを信じないだろうと予想し、深く嘆く次第である。
本文
02 14 〔905〕
神代の昔、五六七の神と現れた瑞の御霊の月神が、大海原に漂う高砂島の秘密郷・ブラジル国のアマゾン河の大森林の中心に聖地を造った。これを兎の王に与えて千代の棲み処と定めた。
常世会議の武備撤回の制定後、翼をはがれた猛獣たちは常世の国からこの森林に襲い来て、兎のやからをしいたげ殺して餌となした。
この暴虐に種族も絶えなんとするとき、三五教の神司の鷹依姫や竜国別一行により、猛獣たちは言向け和された。また高姫一行、安彦一行が加わって、モールバンドやエルバンドの霊を清めて神の御使いとなした。
十二人の一行はアマゾン河の魔神たちに霊魂の行く末を明らかに諭し、救いの道を説いた。そして意気揚々と宣伝歌を歌いながら、山川渓谷を跋渉し、ようやく帽子ヶ岳に止まっていた教主・言依別命と、国依別命の前に帰って来た。
互いにその無事を祝し、成功をほめ感謝の涙を流しつつ打ち解け、喜び勇んで帽子ヶ岳の山頂に国魂神の神霊を祀り、感謝の祝詞を奏上した。あたりの木の実を集めて、ここに山上の大宴会が開かれた。
しかしながら、北の大森林に同じく高姫を探しに遣わされていた正純彦、カール、石熊、春公の一隊からのみ、消息がなかった。言依別命は国魂神を厚く念じ、一同神楽を奏して言霊歌を歌い、無事の祈願を込めた。
正純彦たち一行四人は大森林に迷い、高姫に会えなかったが、春彦とヨブが出会った石地蔵にたどり着き、石地蔵から高姫たちは神業を果たして凱旋したことを伝えられた。正純彦一行は三日遅れて帽子ヶ岳山頂に到着した。
一行は十八人となり、屏風ヶ岳山脈を下って長い原野を渡り、ブラジル峠を越えてウヅの都の末子姫の館に凱旋した。
本文
03 00 - 本文
03 15 〔906〕
ウヅの国に神館を開き、親子で黄泉平坂の戦いに名を挙げた桃上彦(正鹿山津見神)は、教えの司・国彦にウヅの館を任せてエルサレムに帰還した。国彦の長子・松若彦は父の後を継いでいた。
そこへ神素盞嗚大神の娘・末子姫が現れた。松若彦は父の言葉にしたがって、ウヅの教えの司神となるべく末子姫を館に迎え入れた。
ウヅの館に帰還してきた言依別命一行の凱旋を祝して、末子姫は自ら金扇を拡げて自ら舞い、祝歌を歌った。高砂島に舟に乗ってやってきた経緯と、言依別命らのアマゾン河の魔神征服の功績を称えた。
末子姫は歌い終わると一同に会釈して、神素盞嗚大神の鎮まりいます奥殿に進んで行った。
本文
03 16 〔907〕
ウヅの神館の八尋殿に、末子姫の発起として大歓迎会が開かれた。言依別命は立って簡単な祝歌を歌った。太古の昔の大神のご神業の経緯から、自転倒島の霊場に三五教が開かれ、教主に自分が任命されてここにあることを歌った。
そして、厳と瑞の大神の御言によって自分が聖地を離れて高砂島に来たところ、神素盞嗚大神の娘・末子姫がはからずもウヅの神館に迎えられたところを目の当たりにしたことを歌った。
末子姫の侍女・捨子姫に懸った神素盞嗚大神の命により、アマゾン河の魔神征服に赴いた経緯を歌い、一同見事に神業を成し遂げ凱旋してみると、この館に神素盞嗚大神がご来臨されていることを祝した。
尊い神の御恵みを称え、祝歌を結んだ。言依別命は歌い終わると、末子姫に続いて奥殿に進み入った。
続いて国依別は金扇を開いて祝歌を歌いかつ舞った。言依別命にしたがって船に乗り、途中高姫一行を救いつつ高砂島にやってきた経緯を歌った。言依別命と別れてヒルの国で楓別命の館に立ち寄り、地震の危難から人々を助けたこと、ウラル教のブールを三五教に改心させたこと、その後シーズン川を越えて帽子ヶ岳に登り、再び言依別命にまみえた冒険の愉快さを歌った。
そしてアマゾン河から凱旋し、ウヅの神館に末子姫がおさまり、松若彦と捨子姫の補佐、そして神素盞嗚大神のご来臨というめでたさを寿ぎ、歌い終わると欣然として奥殿に続いた。
本文
03 17 〔908〕
松若彦は銀扇を拡げて舞い、祝歌を歌った。末子姫と捨子姫の来臨を感謝し祝い、また言依別命一行の魔神征服の功績を称えた。歌い終わると松若彦は一同に拝礼し、奥殿に姿を隠した。
次に鷹依姫が銀扇を開き、歌いかつ舞った。メソポタミヤの顕恩郷でバラモン教の鬼雲彦にしたがっていたこと、自転倒島に来てバラモン教を盛り返すためにアルプス教を開いたこと、初稚姫の言霊に打たれて三五教に改心した自分の過去を歌った。
息子の竜国別に再開したが、聖地で玉の紛失事件に巻き込まれて世界中を旅する身となり、高砂島の荒野ヶ原で神の戒めにあって心を入れ替えたこと、神命によって長い旅路を経てアマゾン河の大森林に至り、帽子ヶ岳の霊光に助けられて猛獣たちを言向け和した経緯を歌った。
そして凱旋したウヅの神館で神素盞嗚大神、末子姫、松若彦に迎えられたことを喜び、神恩に感謝して祝歌を結んだ。鷹依姫は歌い終わって一同に丁寧に礼をすると、自席に戻った。
次に高姫は金扇を開いて自ら歌い舞った。瑞の御霊の大神の御心を疑って反抗し、ウラナイ教を開いたこと、一度は改心して聖地に仕えたが、執着心から玉の紛失に顛倒して竜宮の一つ島に出向いたこと、麻邇の宝珠の試しに遭ってまたもや疑いの心を抱き、言依別命を追って船出した経緯を歌った。
そして荒野ヶ原で木の花姫命の化身の試練に遭い、神命によってアマゾン河の大森林に鷹依姫を助けに行き、安彦らの助けや言依別命・国依別の琉球の神光によってモールバンドを退け、凱旋したことを歌った。
最後にウヅの都で神素盞嗚大神、末子姫、松若彦に迎えられたことを感謝し、自らの改心の決心の覚悟を述べて祝歌を結び、莞爾として自席に着いた。
本文
03 18 〔909〕
竜国別は銀扇を開いて自ら歌い舞った。ウラナイ教の松姫の門番として仕えていたこと、馬と鹿によって実地を見せられ三五教に改心し、アルプス教を言向け和しに出向いたところ、教主の鷹依姫が自分の実母であることがわかった過去を歌った。
三五教の聖地に仕えていたところ、黄金の玉の紛失騒ぎに巻き込まれて鷹依姫とともに玉の探索に出発し、高砂島のアリナの滝で偽りの神官となって玉探しをしていたことを懺悔した。
荒野ヶ原で神の化身に戒めを受け、アマゾン河の大森林にて猛獣たちと魔神を言向け和し、帽子ヶ岳にて言依別命と国依別に再開したときに嬉しさを歌った。最後にウヅの神館と神素盞嗚大神のご威光を称え、祝歌を終わり、自席に戻った。
本文
03 19 〔910〕
バラモン教の教主として高砂島の高照山山麓に勢力を誇っていた石熊は、乾の滝で大蛇に魅入られていたところを末子姫に助けられ、三五教に改心した。巽の池の魔神を言向け和そうとして失敗し、三五教のカールに助けられ、ウヅの館を守っていた。
このたびの言依別命出張とアマゾン河の魔神退治にあたり、石熊もカールを伴って出陣していたが、凱旋するとウヅの神館には神素盞嗚大神がご光臨されていた。石熊は歓喜の年に堪えず、祝歌を歌い舞った。
バラモン教の司として様々な画策をなしていた過去、末子姫に助けられ、巽の池で試にあってカールに助けられ、自分の配下のバラモン教徒たちをウヅの館に導いたこと、アマゾン河の魔神退治の経緯と、大神ご来臨の喜びと感謝を歌うと、自席に戻った。
今度はカールが面白く踊りながら歌った。松若彦の命によってバラモン教に潜入し、石熊の部下となって仕えていたこと、高砂島に着いた末子姫と捨子姫をウヅの都に案内し、その途上で石熊を助けて三五教に加えた経緯を歌った。
そして、巽の池で魔神退治に失敗し、両足が動けなくなった石熊をわざと嘲って治した有様を、こっけいを交えながら歌い披露した。そしてこれによって石熊の本当の笑顔を見て、心を合わせるようになった経緯を明かした。
言依別命にしたがって石熊たちとともにアマゾン河にお供し、ウヅの都に凱旋すると、神素盞嗚大神のご光臨を知り、その嬉しさと感謝を表した。カールの滑稽を織り交ぜた歌は宴席をどっと湧かした。
本文
03 20 〔911〕
神素盞嗚大神は奥殿より神司たちを従えて現れ、一同に向かって愉快気に目礼をし、座の中央に立ち給いて喜びの歌を歌い給うた。
その歌は、国治立大神のご退隠の昔から歌い始め、神伊弉諾大神の御子と生まれたご自身が大海原に漂う島々を治めたこと、さらに天の誓約の故事から千座の置戸を負って高天原を追われたことを歌っていた。
地上をさすらった神素盞嗚大神は、八岐大蛇を言向け和しつつ瑞の御霊と現れて、旅の果てにフサの国のウブスナ山脈の最高地に館を定め、日の出神に守らせた。
このたび末子姫がさすらいの旅の末に、ウヅの国にたどり着いてこの国の救世主と任じられたその初めは、バラモン教に乗っ取られたメソポタミヤの顕恩郷を言向け和すために、自らの八人の娘たちを遣わしたことだった。
大神は、斎苑の館を出でてここに来てみれば、教えの御子たちがアマゾン河の悪神たちを言向け和した功に勇み立ち、祝い言葉をかけるためにここに現れたのだ、と歌った。
そして、神より万人に与えられた真心によって神政に仕えて天職を立て、その真心を決して汚すことなかれ、と諭して祝歌を終えた。
本文
03 21 〔912〕
末子姫をはじめ一同は、この大神の宣旨にただ、涙を流してうつむいて神恩に感謝するのみであった。
捨子姫は一同を代表して、謹厳な口調で奉答歌を歌った。メソポタミヤの顕恩郷で末子姫に出会って共となった経緯から、神恩への感謝と、今後、高砂島の人々に神の教えを伝えていく自分たちの使命への誓いを歌にした。
また、その場に居たその他の神司たちもそれぞれ、祝歌を歌った。終わって一同は神殿に詣で、天津祝詞と神言を奏上し、神恩を感謝して各々の席に戻った。
ここに神素盞嗚大神は、言依別命と松若彦を奥殿に招き、末子姫の一身上に関する大問題について協議を凝らし給うた。
本文
04 00 - 本文
04 22 〔913〕
神司たちは各々眠りにつき、体を休めた。あくる朝早々、松若彦は国依別の一室にやってきた。改まってやってきた松若彦が切り出したのは、末子姫との婚姻話であった。
神素盞嗚大神から相談された末子姫の結婚相手について、言依別命と松若彦は、そろって国依別を推薦したというのである。また神素盞嗚大神も、国依別の名前を聞いて大いにお喜びになったという。
それを聞いて国依別は涙を流してうつむいている。訳を尋ねる松若彦に対して国依別は、自分は若いころから極道をなしたので、改心してからは女と一切関係を絶ち、生涯独身を覚悟しているのだと告げた。
松若彦は、大神様は国依別の素性は知ったうえで縁談に前向きなのだと伝えた。松若彦と国依別は押し問答を繰り返したが、最後に国依別は覚悟を決め、何事も大神様のおおせと松若彦に任せると答えた。
松若彦は喜んで部屋を後にした。
本文
04 23 〔914〕
国依別と末子姫の縁談の噂は、たちまち館の内外に喧伝された。言依別命は結婚の準備に独り心をはたらかせていた。そこへすっとふすまを開けて高姫が入ってきた。
高姫は、こともあろうに瑞の御霊の大神の御娘子を国依別とめあわせるなど飛んでもないことだと、この結婚話に反対するべく言依別命を説得に来たのであった。
言依別命は用事があるからと、逃げ向上を述べて高姫を避ける。高姫は捨て台詞でその場を離れると、国依別本人のところへやってきた。
国依別は、独身生活でのんびりできるのは今のうちだと、素っ裸で畳の上にあおむけになっていた。そこへ入ってきた高姫は目を丸くして国依別を怒鳴りつけた。
国依別は単衣をひっかぶって高姫と問答を始めたが、国依別は相変わらずの茶目ぶりで高姫の説教を煙に巻いた。高姫は馬鹿にされ、怒ってあわただしくこの場を去って行った。
本文
04 24 〔915〕
高姫は、縁談を壊す算段をしようと、今度は鷹依姫と竜国別のところへやってきた。鷹依姫と竜国別は高姫を歓迎し、このたびの縁談の祝いの品について、高姫に相談をもちかけた。
しかし高姫が縁談を壊そうとしていると知った竜国別は、高姫に食って掛かり非難した。高姫と竜国別がやりあっているところへカールがやってきて、高姫が縁談を壊そうとあちこちへ出張っているので気をつけろ、と注進にやってきて高姫に出くわした。
本文
- - - - 本文
王仁DB (王仁三郎データベース、略してオニデビ)by オニド /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。凡例はこちら。/データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:oni_do@ybb.ne.jp(飯塚弘明)
(C) 2016-2017 Iizuka Hiroaki