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文献名1霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻
文献名2第2篇 善悪正邪よみ(新仮名遣い)ぜんあくせいじゃ
文献名3第11章 狸の土舟〔61〕よみ(新仮名遣い)たぬきのつちぶね
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
美山彦・国照姫は、常世国の常世姫を使って竜宮城を乗っ取ろうとした。常世姫は稚桜姫命の三女で、野心の強い神であった。美山彦・国照姫は自分の部下の魔我彦・魔我姫を常世姫につき従わせて入城させようとした

常世姫は竜宮城の入り口の黄金橋までやってくると、神威に打たれて、進むことができなくなった。しかし稚桜姫命は肉親の情から舟を出してヨルダン河を渡らせ、常世姫は竜宮城に安着してしまった。

常世姫は久々の親子の対面に、稚桜姫命に提案して、竜宮城の神人一同で、舟遊びをすることとした。そして、言霊別命には泥舟を用意して溺死させようと企んでいた。

言霊別命は魔我彦によって無理に泥舟に乗せられ、舟が沈んでいったが、従神の斎代姫によって救われた。すると常世姫は、言霊別命と斎代姫の間に怪しい関係ありと誣告をして回った。

言霊別命の妻神・言霊姫は、この誣告を信じなかったが、この一件により、言霊別命夫婦と、稚桜姫命・常世姫親子の間に、面白からぬ高い垣根が築かれてしまった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月29日(旧09月29日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年1月27日 愛善世界社版55頁 八幡書店版第1輯 177頁 修補版 校定版56頁 普及版26頁 初版 ページ備考
OBC rm0211
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本文  ここに高虎姫の偽名なる国照姫は、常世国に時めきわたる常世姫を動かして自分の目的を達せむとした。この常世姫は稚桜姫命の第三女にして、もつとも野心の強い神司であつた。国照姫は竜宮城の寵神言霊別命、言霊姫を排除し、みづから代つてその地位に立たむとしてゐたのである。ここに国照姫は偽の美山彦とともに常世国にいたり常世姫の意を迎へ、もつて竜宮城に帰還せしめむとした。しかるに彼らは、天使大八洲彦命、言霊別命にその大敵たることを悟られをるをもつて、自分の部下なる魔我彦、魔我姫とともに母神に会見し、その目的を達すべく常世姫を教唆した。
 常世姫は久しぶりにて魔我彦、魔我姫をともなひ数多の神司に送られて無事に竜宮城に帰還せむと、黄金橋の袂にさしかかりしとき、神威にうたれて容易に橋を渡ることができなかつた。常世姫はやむをえず信書を認め烏の足に縛りつけ、黄金橋畔まで帰りきたりしことを稚桜姫命に奏上した。稚桜姫命は従臣に命じ、新しき黄金の船を出してこれを迎へしめられた。常世姫は何の障もなく竜宮城に到着し、種々の珍らしきものを八足の机代に盛足らはして、これを命に奉つた。命は久しぶりの親子の対面を非常によろこばれ海山の話に夜を徹し、常世姫は常世国の事情を詳しく述べ、珍らしき話に花が咲き、和気靄々として春陽の気分にみたされたのである。その翌日、ただちに数多の神司を集め歓迎の宴をはつた。神司は先を争ふて宴席に現はれ無事の対面を祝した。
 さて常世姫は、稚桜姫命にむかひ、一度ヨルダン河に黄金の船を浮べ、神司とともに船遊びせむことを希望した。稚桜姫命は直ちにその請を容れ、諸神司に命じ、その準備に着手せしめられた。

  御馳走にヨルダン河の舟遊び教の舟にヨルものは無し

 今日のヨルダン河は河幅もあまり広からず、流れもまた清からず、濁りをおびをれど、神界にて見たるヨルダン河は水清く流れも緩やかにして、広きこと揚子江のやうである。これは神界におけるヨルダン河の光景である。黄金の船は幾艘となく準備された。上流には、かの金色燦然たる黄金の大橋が、太鼓を並べたやうにその影水に映り、実に荘厳を極めてをる。常世姫を主賓として周囲に数多の船をならべ、珍酒佳肴に酔ひて諸神司は交るがはる面白き歌舞音楽を奏し、実に賑はしき底抜け騒ぎの大散財であつた。

  そこぬけのさわぎに舟の底いため

 この時、竜宮城の神司は大部分出遊し、猫も杓子もみな船遊びに耽つた。言霊別命は何となく心に不安を感じ、船遊びの列に加はらなかつた。その時稚桜姫命は色を作し、
『汝は常世姫の久しぶりに帰城せるを喜ばざる面持あり』
と不満の意を表はされた。折しも常世姫の使なりとて魔我彦は礼をつくし言霊別命を迎へにきた。言霊別命は否むに由なく斎代彦、斎代姫とともに船遊びの列に加はることとなつた。あまたの神司は命の河畔に現はれしを見て大いによろこび、手を拍つて喝采した。この時魔我彦は新しき黄金の船に搭乗を勧めた。命は虫が知らすか何となくこの船に乗ることを否む色があつた。ふたたび魔我彦はしきりに搭乗を勧めてやまぬが、他の船には神司満乗してすこしも空席がない。已むをえずしてこれに乗り中流に棹さしてすすんだ。魔我彦は常世姫の乗れる大船の側近く寄るとみるや、この船を捨てて常世姫の用船に飛び入つた。言霊別命を乗せた船は、表面堅固に見えてその実はもろき狸の土船であつた。土製の船に金箔を塗りたる偽船である。たちまち船は崩壊沈没した。言霊別命は水に溺れ深みに沈まむとして九死一生の態である。神司はアレヨアレヨと声を放つて叫ぶばかりである。この時斎代彦は水練に妙を得たるをもつて、からうじて岸に泳ぎついた。
 斎代姫は身を犠牲として激浪の中に飛び入り、言霊別命の頭髪を握り、流れ渡りに此方の岸についた。ここに国照姫の謀計は全く破れた。
 常世姫は船遊びををへ、諸神司と共に竜宮城に帰還し、
『斎代姫は夫の斎代彦に目もくれず、言霊別命を命をかけて救ひたる義侠と勇気は感ずるにあまりあれども、また一方より考ふる時は、まことに怪しき節あり』
と言霊姫および稚桜姫命に種々の言葉を設けて誣告した。

  きりまくる舌の剣のおそろしさ

 これより言霊別命は稚桜姫命の大なる疑惑を受けた。されど妻神はこれを信じなかつた。それより稚桜姫命、常世姫と、言霊別命、言霊姫の間に面白からぬたかき垣が築かれた。
(大正一〇・一〇・二九 旧九・二九 加藤明子録)
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