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文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3皇道は神に基くよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考出典不明
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ348 目次メモ
OBC B123900c103
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本文  余は明治三十一年から約四十年に亘って、終始一貫皇道精神発揚のために身を捧げて来た。
 その間、外尊内卑の高調が堤を決して押寄せる真っ只中に、全身に飛沫を浴びながらそれを防がうと血みどろに闘った時代もあった。或ひは爛漫と咲き誇る欧米物質文化の花園から静かに退いて地の一角に生命の種子を蒔き、その若芽を育んだ時代もあった。豪雨狂ひ疾風荒ぶ覇道文明の激浪に、ノアの方舟を漕いで神の救ひの御手に来たれと絶叫した時代もあった。
 かくして或ひは幾度か刺客の白刃を潜り、或ひは万人の馬詈と嘲笑を一身に浴びて冷獄の人となり、或ひは蒙古の荒原に囚はれて死刑の宣告を受けた。しかしこの数奇を極めた吾が半生を一貫して導いたものは、ただ神に事へる真心と皇国を思ふ純情以外に何ものもなかったのである。
    ○
 満州事変の突発と共に、日本精神に還れ、皇道精神に目覚めよ、の叫びが高らかに唱へられた。しかして皇道の研究が卒然として起り、日本主義の読物がたちまち店頭を埋めるの偉観を呈した。その有様はこれを譬ふれば、春風に梢を鳴らす桜の花ともいふべきか、遠く離れてそれを眺める者も、樹の下蔭に花の衣を着る人も、今を盛りの色に酔ひ、過ぎにし冬の寒さを忘れ、明日にも来たらむ嵐を知らぬ風情であった。
 まことに、学者の教ふる惟神の道、思想家の説く皇道精神、そして軍人の叫ぶ日本主義、総てその内容は精細を極め巧妙を尽しまた精力溢るるものがあった。四十年間脇目も振らず、あらゆる試練を潜って皇道一本に突き進んで来た自分でさへも、今さらのやうに思はず目を見張らなければならなかった。
 しかし余は、かく皇道を叫ぶ人々の多くが最も肝腎な一事をゆるがせにしてゐるやうに感ぜられた。然らば最も大切な一事とは何か、皇道は神より発する道であるといふことである。故に皇道に関する百の理論よりも、大切なるは敬神の一事である。神ながら言挙げせぬ国が日本の本然の姿である。だからして神社参拝を実行しない者に皇道が判るはずはない。神様をわが家に斎かざる者に神ながらの道を説く資格はない。神に一切を捧げ、神の心に融け込んでこそ、始めて皇道の真諦に触れることが出来るものである。神の無い皇道は稔る事なき徒花である。たとへ五色に色香は咲いても、稔らぬ花は栄えない。余が長い間、
「三千世界一度に開く梅の花、開いて散りて実を結ぶ」
と云ったのはここのことである。開いて散りて実を結ぶ、開いた花は散らねばならぬ。そして散った後において始めて徒花と実の花が判ってくるものである。
    ○
 満州事変直後、皇道の潮が澎湃として高鳴る時、今にも昭和維新が眼前に実現するかの如き勢ひを示した。実にここ数年間に、皇道の旗を掲げて革新日本の前線に躍り出た人々は無数である。
 しかし、開いて散りて実を結ぶ、開いた花は散らねばならぬ。今や皇道運動者に立別の嵐が吹いてゐる。それは一度は通過せねばならぬ必然の運命である。余は一面、これが早く来ることを待望してゐたのである。国家の大事をなす者は、如何なる時代においても金も名も生命も要らぬ赤誠の士でなければならない。故に真に神を信ずる者のみは、いよいよ辛酸が加はりますます試練が重なるにつけて、完成の日近づけりと心に歓喜を覚えるものである。永遠に栄えの実を結ぶ者は、ただ神を信じ神の御心に生きる者のみである。
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