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文献名1出口王仁三郎著作集 第1巻 神と人間
文献名2大本略義よみ(新仮名遣い)
文献名3厳瑞二霊よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ天之神界(天の神界)、地之神界(地の神界) データ凡例 データ最終更新日2022-04-15 17:10:22
ページ236 目次メモ
OBC B195301c46
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本文 厳瑞二霊

 天之神界の組織経綸の大要を述べたから、順序として、爰に地之神界の組織経綸の大要を述べねばならぬ。
 天之神界を組織する所の天津神に対し、地の神界の神々を国津神と称える。即ち国津神は、大地の内部を舞台として活動する所の神々を指すのである。
 既に説けるが如く、最初大地は、今日の如き凝集固成した一小天体ではなく、其太初にありては天地未だ剖判せず、宇宙全体は天にして、同時に又、地であった。それが造化陰陽二系の神々の活動の結果、縮小して先ず大々地となり、更にそれが分裂して八百万の天体と成り、最後に宇宙の中心に現在の大地を成した。されば今仮りに、宇宙間に羅列運行する各種の天体を、八百万の酒に譬うれば、大地は、それ等八百万の酒から絞りあげたる酒粕の総集合体である。かかるが故に、容積から云えば大地は甚だ細微なものだが、この団塊中には、あらゆる天体の要素を含有している。構成の順序から云えば、大地は天体中にありては最後に出来たが、見様によりては、完全なる大地を構成せんがために、日月星辰が先ず分離したとも言える。宇宙の万有悉く宇宙の縮図でないものはないが、この意義に於て、大地は特に重要なる宇宙の縮図である。其容積の微小なのにも係らず、本邦の古典を初め、何処の国の古経典に於ても、天と地とを対立並称する所以である。物質にのみ拘泥する偏見者流は、其形の小なるを以て、地球を軽視する傾向があるが、それは一を知って未だ二を知らざるものである。天と地とを対立せしむるのは、決して滑稽でも不合理でもない。陽と陰、霊と体、+と−とを対立せしむると同意義、同価値を有するものである。
 兎に角、大地は宇宙間にありて最重要の位置を占むる中心の統一機関で、其中には、あらゆる天体の要素一切を包含して居ることは、科学の研究の結果から見ても明白である。語を換えて云えば、八百万の天津神の分霊は、悉く大地に宿りて居る。それが八百万の国津神の霊魂であるのだ。天津神も八百万、国津神も八百万、そして本霊と分霊とは相呼応して、天と地との経綸を行うのである。恰も大小無数の歯車が相連関して一大機関を構成するのと、何の相違はないのである。
 国津神の発生は大地の凝結集成と其時を同うし、之を経営すべき使命を帯びて発生したのであるが、其順序手続きも、人間界から観れば随分距離が遠く、自然力とか造化の働きとか云って仕舞いたくなる。天津神々を産み成し給うたのは、「ウ」「ア」の二大言霊を受持ち給う所の伊邪那岐、伊邪那美の二祖神であったことは既に述べたが、国津神を産み成すべき大神事を分掌し給うたのは、霊系(天)に属して高天原を主宰し給う天照大御神、及び体系(地)に属して地球を主宰すべき素佐之男尊の二神であった。要するに、曩きに岐美二神の行われたる同一神事を小規模とし、之を大地に対して行われたので、之を天然現象として言い現わせば、火と水との調和塩梅により、土中から神々を発生せしめたのである。
 例によりて『古事記』には、此間の大神事を、神話的概観の下に面白く描破してある。天の八洲河に於ける璽剣の誓約の段がそれである。姉神なる天照大御神は、先ず弟神なる須佐之男尊の佩かせ給える十拳剣を請い給いて、三段に打折り、奴那登母々由良に天の真奈井に振り滌ぎ、佐賀美に賀美て吹棄てられた。すると、その気吹の狭霧に成りませる神は三女神で、即ち多紀理姫命、市寸島姫命及び田寸津姫命である。次に須佐之男尊が、先ず天照大御神の左の御髻に纒せる八尺の勾瓊を請い受けて、気吹放たれると、御出生になったのは正勝吾勝命であった。次に右の御髻の珠からは天之菩日命、御鬘の珠からは天津彦根命、左の御手の珠からは活津彦根命、右の御手の珠からは熊野樟日命、併せて五彦神が御出生になったのである。この物語が含蓄する神秘は実に深い。
 須佐之男尊は体系(陰系、水系、地系)の活動力である。この活動力を表現する剣を中枢とし、霊系(陽系、火系、男系、天系)の活動力たる天照大御神の御魂を以て外周を包めば、生れたものは三女神である。それと正反対に、天照大御神の御魂(璽)を中枢とし、須佐之男尊の御魂を以て外周を包むと、生れたものは五男神である。男性と女性との生まるる神界の秘奥は、爰に示されている。即ち女性の生まるる場合、陰が陽に包まれ、男性の生るる場合は、陽が陰に包まる(ママ)。陰陽一対の二神は、かくして或る時は女性を生ましめ、或る時は男性を生ましむるのである。
 三女神とは即ち三つの御魂である。瑞の御魂である。右の系統、水の系統で、円満美麗にして、みずみずしい御魂である。『大本神諭』に「変性女子の御魂」とあるのは之を指すので、要するに外姿は男性なれども、その内性が女性であることを謂うのである。又五男神とは、即ち五つの御霊である厳之御魂である。左の系統、火の系統で、稜威しき御魂である。『大本神諭』に「変性男子の御魂」とあるのがそれで、要するに外姿は女性なれど、その内性は男性であることを謂うのである。二者各々其特徴があるが、変性女子のみでも不完全、又変性男子のみでも一方に偏する。両者を合一して、初めて長短得失相補うて完全なものとなる。是が即ち伊都能売御魂である。地の神界の経綸も其根本に於て、変性女神たる須佐之男尊と、変性男神たる天照大御神の誓約に基いて出来た。人界の経綸も矢張り同一組織で遂行さるるので、現に大本も、厳の御魂と瑞の御魂との結合によりて、始めて基礎が出来、活動が出来ることになっている。人倫の大本たる夫婦の関係も同様である。厳と瑞との霊的因縁ある二個の肉体が合一して、初めて其天職を完全に遂行し得る。



大正十四年三月二十九日  成瀬勝勇  謹写
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