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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻
文献名2第5篇 御玉の争奪
文献名3第39章 白玉の行衛〔39〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ竹熊はまず、白色の玉を持つ田依彦から玉を奪おうとしていた。田依彦の姉・草香姫は麗しい容貌を持っていた。草香姫は豆寅の妻であったが、魔子彦に思いを懸けていた。
竹熊は魔子彦に宝や美しい衣装を与えて、草香姫を誘惑するように命じた。草香姫は魔子彦への恋慕の情に、病に伏せることになった。
田依彦は姉の病気を治そうとして苦慮していたが、魔子彦は、田依彦が秘蔵している白色の玉を草香姫に抱かせれば、病気が治る、という神夢をでっち上げた。姉の病気を治したい田依彦は、玉を姉に渡した。
魔子彦は見舞いを装って草香姫を訪れたため、草香姫の病はほとんど癒えてしまった。魔子彦は草香姫をだまして玉を渡させ、邸内の松の木から鳥船に乗って遁走してしまった。
竹熊は部下の大虎彦に命じて魔子彦を殺させ、玉を奪ってしまった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月24日(旧09月24日) 口述場所 筆録者谷口正治 校正日 校正場所
OBC rm0139
本文の文字数2460
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本文  黄金水の精より出でたる十二の宝玉は、個々別々に使用しては何の効用も現はれないものである。しかしこれを拾ひ得たる十二柱の神司も、竹熊の一派もその真相を知らず、一個を得れば一個だけの活用あり、二個を得れば二個だけの神力の現はるるものといづれの者も確信してゐた。
 そこで竹熊は、第一番に田依彦の持つてをる白色の玉を、手に入れむことを計画したが、どうしても田依彦を説服して、その自分に譲らしむることの容易ならざるをさとり、ここに竹熊は一計を案出し、田依彦のもつとも信頼措かざる魔子彦を、物質欲をもつて甘く自分の参謀にとりいれた。魔子彦は容姿端麗なる美男である。さうして田依彦の姉にして豆寅の妻なる草香姫といふのがあつた。これもまた非常な麗しき容貌を備へていた。しかるに草香姫はいつとなく、魔子彦に思ひをかけてゐた。
 このとき竹熊は魔子彦に種々の珍しき宝を与へ、また非常に麗しき衣服を与へた。ここに魔子彦はその美衣を身に着し、薫香つよき膏を肉体一面に塗りつけ、草香姫が吾に恋愛の情を深からしめむとした。この行動は竹熊の内命に従つたものである。
 ここに草香姫はますます恋慕の情が募つてきた。されども、あからさまに心の思ひを魔子彦に打ちあけることを愧ぢて、日夜悶々の情に堪へかねてゐた。つひに草香姫は気鬱病になり、病床に臥して呻吟し、その身体は日一日と痩衰へ、生命は旦夕に迫つてきた。弟田依彦は大いに驚き、かつ悲しみ、いかにもして草香姫の病を癒やし救はむと、百方苦慮しつつあつた。
 時に田依彦は自分の信ずる魔子彦が、内々竹熊の参謀役になつてをることは夢にも知らず、魔子彦をよんで、草香姫の病気をいかにせば全快せむやと、顔の色をかへ吐息をつきながら相談をしかけた。
 魔子彦は時節の到来と内心ひそかに打ち喜びつつ、田依彦に向つて言葉をかまへていふ。
『われ一昨夜の夢に、高天原にまします国常立尊、枕頭に現はれたまひて、言葉厳かに宣り給ふやうは、……草香姫はもはや生命旦夕に迫る。これを救ふの道は、ただ単に田依彦のもてる白色の玉を草香姫に抱かしめ、日十日、夜十夜これを枕頭より離れざらしめなば、病はたちまち癒ゆべし……との大神のお告であつた。しかし貴下はわが夢に見しごとき美しき白玉を果して所持さるるや、夢のことなれば信を措くにたらず、痴人夢を語るものと失笑したまふ勿れ』
と空とぼけて、田依彦の心を探つてみた。
 田依彦は平素信任する魔子彦の言を、少しも疑ふの余地なく、ただちに自分が件の玉を拾つて珍蔵してをることを、あからさまに答へ、その玉の神力によつて姉の命が救はるるものならば、これに越したる喜びなしと雀躍し、肩を揺りながら直ちに草香姫の許にいたり、魔子彦の神夢の次第を語り、
『この玉を十日十夜抱きて、寝ねよ』
と告げ、玉を草香姫に渡し、会心の笑を漏らして帰つてきた。
 ここに草香姫は田依彦の厚意を喜び、教へられし如くにして、五日を経過た。しかるにその病気に対しては少しの効力もなく、身体は日夜衰へゆくのみであつた。時分はよしと魔子彦は、美麗やかに衣服を着かざり、身に薫香を浴びつつ四辺を芳香に化してしまつた。その香ばしき匂ひは、病の床にあつて苦悶しつつある草香姫の鼻に、もつとも強く感じた。
 草香姫はこの匂ひを嗅ぐとともに、すこしく元気が恢復したやうな心持になつた。しばらくあつて魔子彦は病気見舞と称して、いと静かに這入つてきた。さうして田依彦に偽り伝へた神夢を、さも真実しやかに草香姫に物語つた。草香姫は真偽を判別するの暇なく、一方は弟の言葉といひ、一方は日ごろ恋慕する魔子彦の親切なる言葉なれば、あたかも大慈大悲の大神の慈言の如く驚喜した。さうして玉の神力の数日を経ても、顕はれないにかかはらず、
『貴下の麗しき御姿を拝してより、にはかに元気恢復して、精神涼しく爽快さを感じたり』
と顔を赧めつつ、小声で呟くやうに心のたけをのべ伝へた。
 してやつたり、願望成就の時こそ今と、魔子彦は、後をむいて舌を出し、素知らぬ顔に言葉をもうけていふやう、
『すべて神の授けたまふ神玉は、熱臭き病人の肌に抱くは、かへつて神威を汚涜するものなり。この玉を抱いて、病を癒やさむとせば、まず汝が身体に薫香の強き膏を塗布し、芳香を四辺に放ち、室の空気を一変し、天地清浄ののちに非ざれば、効なかるべし』
と告げた。草香姫は、
『薫香の膏は、いづれにありや』
と反問した。魔子彦はすかさず腮をしやくりながら、
『この膏は容易に得らるべきものにあらず、シオン山の南方にある小さき峰の頂に、時あつて湧出するものなり』
と、その容易に得べからざることの暗示を与へた。
 ここに草香姫は口ごもりつつ、
『この玉を貴下の肌に抱きたまひて玉を清め、玉の神力を発揮せしめ給はずや』
と嘆願した。魔子彦はわざと躊躇の色を見せながら、内心欣喜雀躍しつつ、なまなまに玉を抱くことを承諾した。不思議にも草香姫の病は、白色の玉が魔子彦の懐に抱かれるとともに、ほとんど癒えたやうな気分になつた。
 魔子彦は庭園の景色を賞めつつ、何くはぬ顔にて徜徉しつつありしが、庭内に聳えたつ一本の老松の枝に手をかけ、樹上に昇るや否や、西方より翺けきたる天鳥船に身を托し、雲上高く姿を隠した。しかるにこの玉を乗せたる鳥船は、中空において大虎彦の乗れる鳥船に衝突し、玉は飛んで大虎彦の鳥船に入り、魔子彦は中空よりシナイ山の渓谷に墜落して、霊体ともに粉砕滅亡してしまつた。
 大虎彦の手に入つた玉は、やがて竹熊の手に渡された。竹熊は謀計の後に破れむことを恐れて、中途に大虎彦をして魔子彦を亡ぼさしめたのである。悪霊の仕組は実にどこまでも注意深い、いやらしきものである。
(大正一〇・一〇・二四 旧九・二四 谷口正治録)
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