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文献名1霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻
文献名2第1篇 山陰の雪よみ(新仮名遣い)さんいんのゆき
文献名3第6章 暗雲消散〔256〕よみ(新仮名遣い)あんうんしょうさん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-04-09 23:50:42
あらすじ一同は身を清めて立派な衣服を身に着け、天津祝詞を奏上した。そして美山彦を縛り上げると宣伝歌を歌った。美山彦は宣伝歌を耳にしてしきりに苦しみを覚えた。美山彦は無念の歯噛みをなして悔しがったが、縄は強くいかんともすることができなかった。また、大広間では一同の部下も酒に酔ったところを春日姫、春姫に縛られて、叫喚の声を発していた。宣伝使たちは宣伝歌を歌うと、縛られた邪神の部下たちは苦しみ転げまわった。春日姫は鬼熊彦に向かって、常世城の蚊取別ではないか、と問い詰めると、果たして縛られたままに白状した。一行はさらに宣伝歌を歌って皆に憑依していた邪神を退去させると、縄を解いた。鬼城山の面々は両手を合わせてひざまずき、宣伝使たちに神恩を感謝した。美山彦は天教山への帰順を誓った。宣伝使たちは鬼城山を下ると、ナイヤガラの瀑布に身を清め、ふたたび諸方に遍歴を続けた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年01月16日(旧12月19日) 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年5月10日 愛善世界社版38頁 八幡書店版第1輯 645頁 修補版 校定版39頁 普及版17頁 初版 ページ備考
OBC rm0606
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本文  ここに月照彦、足真彦、春日姫、春姫は、悠々と温泉に入りて心身を清め、いづれも携へ来れる包みより立派なる衣服を取出し、心も身をも新しく着換へながら、天地に向つて恭しく天津祝詞を奏上し、かつ感謝し終つて美山彦の居間に立現はれ、細紐を以て手足を縛り、長柄の杓に水を汲みて、その顔面および全身に注ぎ酔を醒させけるに、美山彦は驚いて俄に酒の酔を醒し見れば、四人の男女は枕頭に儼然として控へゐる。夢か、現か、幻か、美山彦は辺をきよろきよろ見廻すをりから、春日姫は声をはげまし、
『汝悪党の張本美山彦、妾が宣伝歌を耳を澄して聴けよ』
といふより早く、
『三千世界一度に開く梅の花
  開いて散りて実を結ぶ
 時鳥声は聞けども姿は見せぬ』
と謡ひ始めけるに、美山彦は頭上を鉄槌にて打ち叩かるるごとく、胸を引裂かるるごとき心地して、苦しみ悶えだしたり。春日姫は声もさわやかに、又もや流暢なる声調にて頻りに謡ふ。美山彦は七転八倒目をむき、泡を吹き、洟を垂らし、冷汗を滝のごとく流して苦しみもだえける。春日姫は言葉を重ねて、
『妾かつて汝を帰順せしめむとして、この山河を過ぐる折しも、汝の部下の鬼熊彦らの悪人現はれ来り、妾は女の身の遂に衆寡敵せず、侍女春姫と共にこの館に捕虜はれ、日夜の侮辱をうけ、悲しみの月日をおくり、大切なる宣伝を妨げられたるは、千載の恨事なり。されど至仁至愛の大神は、決して悪を悪とし、敵を敵としてきため給ふことなく、飽くまで慈愛の乳房を哺せ、改心を迫らせ給ふなり。妾は今汝を殺さむとせば、あたかも嚢中の鼠のごとし。されど五六七神政の宣伝使たる妾らは、汝らごとき小人を苦しむるに及ばず、慈愛を以て汝が生命を救はむ。汝今より翻然として前非を悔い、真心に立帰らば、汝が縛めの縄を解き、自由の身となさむ』
と宣示すれば、美山彦は無念の歯噛みを為し、
『殺さば殺せ。か弱き女性の分際として、われに向つてさも横柄なるその言葉つき、目に物見せむ』
と縛めの縄を引切らむとして藻掻きはじめたり。されど縄は強くして切れず、眼をいからし、恨めし気に春日姫を睨めつけ居たる。このとき月照彦、足真彦は、
『アヽ美山彦、汝は吾が顔に見覚えあるか』
と被面布をめくれば、美山彦は大に驚き、歯をガチガチ震はせながら、たちまち色蒼白め、唇は紫色に変化したりける。
 折しも大広間に当つて叫喚の声聞え来たる。即ちこの場は春姫に監視せしめ、三人は大広間に現はれ見れば、いづれの奴原も、足真彦、春日姫の二人に手足を縛られたることを覚り、おのおの声を放つて泣き叫ぶなりける。三人は又もや宣伝歌を高唱したるに、いづれも激しき頭痛胸痛を感じ、縛られたるまま前後左右にコロコロと回転し始めたり。尚も三人は宣伝歌を頻に唱へ続くる。酔ひつぶれたる奴原は、一時に酔を醒し、
『救けて、救けて』
と口々に叫ぶ。春日姫は禿頭の鬼熊彦に向ひ、
『汝は常世城において腕を折りし蚊取別ならずや』
と尋ぬれば蚊取別は手足を縛られながら、
『カ ト リ ワ ケ』
とわづかに答へける。
 ここに三人は、いよいよ天地の大道を説き宣伝歌を謡ひ、遂に彼らに憑依せる邪神を退去せしめ、各自の縛を解きやりければ、一斉に両手を合はせて跪き、その神恩に感謝し声を揃へて天津祝詞を、足真彦の導師の言葉につれて、恭しく奏上したり。
 その勇ましき声は九天に轟きわたり、今まで暗澹たりし黒雲の空は、その衣を脱ぎて処々に青雲の破れを現はし、遂には全くの蒼空と化し去りにける。
 美山彦は、遂に我を折り帰順の意を表したるにぞ、ここに四人は、美山彦以下に天教山の教示を諭し、向後を戒め、悠々として鬼城山を下り、ナイヤガラの瀑布に一同身を浄め、ふたたび宣伝使として諸方を遍歴したりける。
(大正一一・一・一六 旧大正一〇・一二・一九 外山豊二録)
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