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文献名1霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻
文献名2第6篇 百舌鳥の囁よみ(新仮名遣い)もずのささやき
文献名3第33章 五大教〔283〕よみ(新仮名遣い)ごだいきょう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-04-23 18:44:01
あらすじウラル教の治世を恨む歌を歌いながら、エデン川の岸辺を降る漂浪人の一団があった。そこへ、『神が面に現れて 善と悪とを立て別ける』と節面白く謡い来る宣伝使があった。これは、混乱の世をただすべく黄金山の麓に現れた、埴安彦という大神が立てられた、五大教という教えの宣伝使・東彦であった。漂浪人たちは、宣伝使の歌う宣伝歌に興味を持ち、宣伝使を呼び止めた。宣伝使・東彦は路傍の平たい石に腰かけ、一同はその周りに座って問答を始めた。漂浪人の一人は、今の世の中は宣伝歌にあったような、公明正大な神様が現れて善と悪とを立て別ける、といったことがあるのでしょうか、と問いかけた。東彦はそれに答えて、今の世は神様の御用のために作られた、神の生宮であるはずの人間が汚れてしまっているので、それを清めるために、神様が諸方に宣伝使を派遣することになったのである、と答えた。もう一人の漂浪人は、弱肉強食の世の中で一部の人間が財産を独占していることに対して、いつ神様が現れて善と悪とを立て別けてくれるのか、と質問した。東彦は、現世的な財産はかりそめの富であり、人間が死後にも滅ぶことがない宝とは、神の御国に積む誠という宝である、と諄々と説いた。一同は息をこらして東彦の教えに耳を傾けていた。そこへ、『ただ何事も人の世は 直日に見直せ聞き直せ 身の過ちは宣り直せ』と謡って来る宣伝使があった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年01月22日(旧12月25日) 口述場所 筆録者藤原勇造 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年5月10日 愛善世界社版196頁 八幡書店版第1輯 696頁 修補版 校定版195頁 普及版80頁 初版 ページ備考
OBC rm0633
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本文 『可飲の流れは止まるとも  とめて止まらぬ色の道
 酒と博奕は猶やまぬ  飲めよ騒げよ一寸先や暗と
 旨いこといふ宣伝使  俺らは裸体で蓑蟲の
 雨に曝され荒風に  吹かれて深山の霜を踏み
 常夜の露に曝されて  飲み渡き酒もヱー飲まず
 食ひたいものもヨー食はず  人の屑やら余りもの
 貰うて其日をひよろひよろと  渡る浮世の丸木橋
 吾身に襤褸は纏へども  肝腎要の魂は
 錦を飾る大丈夫ぞ  ウラルの彦の邪曲に
 虐げられて吾々は  昨日は山に今日は又
 野辺の嵐に晒されて  臭い狗めに嗅出され
 捕へられて何時の日か  ウラルの山に連れ行かれ
 舌を捩られ眼を抜かれ  手足を菱に縛られて
 飲めよ騒げよ暢気なる  歌を聞かされ木兎の
 身の行く果を偲ぶれば  この世は鬼か大蛇か暗の夜か
 旦の露と消ゆる身の  実にも果敢なき身の宿世
 救ひの神は何時の世か  天より降り来るらむ
 助けの船は何時の日か  海の底より浮び出む
 憂ひに沈む吾々は  何時の世にかは浮ばれむ
 嗚呼味気なの闇の世や  嗚呼あぢきなの闇の夜や』
と謡ひながら、エデン川の岸を降る漂浪神の一群があつた。このとき前方より、
『神が表に現はれて  善と悪とを立て別ける
 魂を研けよ立替へよ  身の行ひも立て直せ
 誠の力は世を守る』
と節面白く謡ひ来る宣伝使ありけり。是は黄金山の麓に、この混乱紛糾の世を救ふべく、埴安彦といふ大神現はれて、五大教といふ教を立てられ、その宣伝使なる東彦と云ふ神人なりき。一行はこの声を聞いて耳を傾けゐる。宣伝使は猶も、宣伝歌を謡ひながら此方に向つて進み来たる。
 宣伝使は、蓑笠を纏ひ、草鞋脚絆の、身軽な扮装にて宣伝歌を高唱しながら、一行と行き違ひ進み行く。一同は互に顔を見合せ、
甲『今の歌は何だか、吾々の耳にはいり易すい様な気がして、何処ともなく面白いぢやないか』
乙『ウン、さう云へばさうだ。神様の御声のやうにも響いた』
丙『兎もかく呼び止めて、詳しい話を聞いたらどうだ』
丁『呼び止めたつて、吾々のような人間に、振り向いては呉れはしないだらう。恥をかくよりは、止したらどうだ』
丙『馬鹿云へ、人を助けるのが宣伝使だ。そりや、屹度呼び止めたら、待つてくれるよ』
一同『それがよからう。オーイ オーイ』
と一同は声を揃へ、右手をあげてさし招いた。宣伝使はあと振返りつつ、こなたを見詰めてゐた。そこへ一人のみすぼらしい男が、一行の中から抜擢されて走つて行つた。そして宣伝使の前に手を突き、
『貴神の御歌を、吾々は承はりまして、何とも知れぬ心に力が着いた様に思ひます。どうぞ御面倒でもありませうが、吾々一同を救ふ為に、詳しい御話を聞かして戴けませぬか』
と真心を面に現はして頼み込んだ。宣伝使は、
『吾は天下の混乱窮乏を救はむために、黄金山麓に現はれ玉ふ埴安彦命の教を奉じて、天下に宣伝するものであります。吾々の宣伝を御聞き下さるならば、喜んでこれに応じます』
といつた。そのうちに、一同は宣伝使の傍に集まり来り、一々鄭重に会釈をした。宣伝使もまた慇懃に礼を返し、傍の美はしき平たき岩の上に座を占め、一同はその周囲に坐して、問答を始めける。
甲『只今の御歌の中に、「神が表に現はれて、善と悪とを立て別ける」といふ御言葉がありましたが、実際にこの世に、吾々を守つて下さる尊い神が在るのでせうか。善悪を公明正大に審判いて下さる誠の神が現はれますのでせうか。吾々はこの事のみが日夜気にかかつてなりませぬ』
 宣伝使は答へていふ。
『この世界は誠の神様が、御造り遊ばしたのである。さうして人間は、御用を努める様に、神が御造りになつたのである。神は人間を生宮として是に降り、立派な世を開かうと日夜焦慮して居られます。あなた方一同の肉体もまた、尊き神様の霊魂と肉とを分け与へられて造られた人間である。さうして神様の生宮となつて、働くべき結構な万物の霊長である。然るに人間の本分を忘れて、ただただ飲食や、色の道ばかりに耽溺するのは、神様に対して、最も深き罪悪である。世の中には善の神もあれば、悪の神もある。さうして善の神一人に対し、悪の神は九百九十九人の割合に、今の世はなつてしまつてゐる。そこで神様は、この世界を清め、神の生宮たる人間の身魂を清めて、立派な神国を建むと思召し、宣伝使を四方に派遣され居るなり』
と、大略を物語りける。
甲『吾々はどうしても、合点の行かぬことが沢山あります。それで貴神に御尋ねをしたいと思つて、呼び止めました。一体今日の人間は、広い山や野を独占し、さうして吾々の働く処もなく、また働かしてもくれない。何ほど働くに追ひ付く貧乏なしと云つても、働く種がなければ、吾々は乞食でもするより、仕方がないではありませぬか。勿論吾々は、遊んで楽に飲んだり食つたり、贅沢をしようとは思ひませぬ。唯働いて、親子夫婦が、その日をどうなりと、暮すことが出来ればそれで満足するのであります。然るに吾々は、この広い天が下に、脚踏み立てる場所も持つて居りませぬ。皆強い者、大きな者に、独占されて、働くに処なく、親子兄弟は、ちりぢりばらばらになり、天が下を苦しみながら、漂浪ひつつわづかにその日を暮してをります。こんな世の中を立替へて御日様の御照しの様に、万遍なく、吾々にも天地の恵が身に潤ふ事ができるならば、こんな有難いことはなからうと思ひます。さうしてその結構な神様は何時御現はれになりませうか』
と首を傾け、宣伝使の顔を覗き込む。宣伝使は両眼に涙を湛へながら、
『空翔つ鳥も、野辺に咲く花も、みな神様の厚き恵をうけて、完全に生活を続けてをります。况んや万物の霊長たり、神の生宮たる人間に於ておや。神様の御守りがどうして無いといふ事がありませうか。ただ何事も神様の御心に任せ、今日只今を、有難い有難いで暮して行けば、神様は花咲く春に会はして下さいます。世の中は暗夜ばかりではない、暗夜があつても何時かは夜が明ける。冷たい雪の降る冬があれば、また長閑な花咲き鳥唄ふ春が出て来る様に、きつと苦みの後には楽しみがあります。あなた方も働く場所がないからといつて、そこら中を漂浪ひなさるのも、無理はありませぬが、この世界は皆神様のものである。人間のものは、足の裏に附いて居る土埃一つだもありませぬ。今の人間は広大な山野を独占して、自分のもののやうに思つてゐるが、命数尽きて、幽界に至るときは、いかなる巨万の財宝も、妻子も、眷属も一切を捨てて、ただ独トボトボと行かねばならぬのである。唯自分の連れとなるものは深い罪の重荷ばかりである。あなた方も、神を信じ、誠一つの心を持つて、この広い天地の間に活動なさい。きつと神様が幸を与へて下さいます。この地の上の形ある宝は、亡ぶる宝であります。水に流れ火に焼かれ、虫に蝕はれ、錆朽ちる、果敢ない宝である。それよりも人間は、永遠無窮に朽ちず、壊れず、焼けず、亡びぬ誠といふ一つの宝を神の御国に積む事を努めねばなりませぬ』
と諄々として五大教の教理を説き勧めたるに、一同は呼吸を凝らして、熱心に宣伝使の教示を聞き入りぬ。この時またもや、声張り揚げて、
『この世を創造りし神直日  御魂も広き大直日
 ただ何事も人は皆  直日に見直せ聞直せ
 身の過は宣り直せ』
と謡ひつつ、此方に向つて進み来る宣伝使ありけり。
(大正一一・一・二二 旧大正一〇・一二・二五 藤原勇造録)
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