八は、自分が逃げる途中で腰を抜かしたおかげで、日の出神を村につれてくることができたのだ、と屁理屈を言っている。
村人たちがおかしな会話をしているところへ、酋長の妻の面那美司が戻ってきた。そして、面那芸司は三五教の宣伝使となって旅に出ることになったこと、白雪郷は面那美司がひとり酋長となって治めることになったことを伝えた。
面那美司が、今日は門出のめでたい日だから、特別に酒を飲んでもいいというと、村人たちは先を争って、大中教の使徒たちが残した徳利に群がった。
面那美司はこの光景にあきれつつ、宣伝歌を歌いながら山道へと引き返していった。老若男女は面那美司について山中に入っていった。すると、祝姫はすでに救出されて、日の出神と酋長とともに端座していた。
祝姫が大中教の宣伝使らに取り囲まれて、改宗を脅迫され、今にも打ち殺されようとしたとき、日の出神が現れて、大音声に宣伝歌を歌ったので、大中教の者らは縮み上がってこそこそと四方八方に姿を潜めてしまったのであった。
日の出神、面那芸司、祝姫は山を下り、白雪郷に一泊すると、宣伝の旅に出発して行った。