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文献名1霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻
文献名2第3篇 天涯万里よみ(新仮名遣い)てんがいばんり
文献名3第12章 鹿島立〔405〕よみ(新仮名遣い)かしまだち
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-06-23 22:15:36
あらすじ
数日滞在の後、淤縢山津見は、正鹿山津見に珍の国の後事を託して、珍山彦・駒山彦を従えて再び宣伝の旅に出ようとしていた。

松代姫は淤縢山津見に、自分たち三姉妹も宣伝使としてお供に連れて行ってもらえるように頼み込んだ。父・正鹿山津見も娘たちの決心に感じ、珍山彦に娘を託した。

珍山彦は、照山峠を越えてハラの港、智利、秘露、カル、目の国を越えて、遠く常世の国へと進んで行くのだ、と宣伝の道筋を一同に示した。また正鹿山津見は照彦を宣伝使一行の供として行くことを許した。
主な人物 舞台ウヅの館 口述日1922(大正11)年02月13日(旧01月17日) 口述場所 筆録者有田九皐 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年7月5日 愛善世界社版99頁 八幡書店版第2輯 310頁 修補版 校定版105頁 普及版39頁 初版 ページ備考
OBC rm0912
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本文  茲に淤縢山津見神は、正鹿山津見神に細々と後事を托し、
『黄泉比良坂の戦ひまで、珍の国を五月姫と共に守らせ給へ』
と言ひ残し、珍山彦、駒山彦を伴ひ、数日滞在の後別れを告げて出でむとする時、松代姫は淤縢山津見神の袖を控へて、
『先づ暫く御待ち下されませ。妾三人の姉妹は、神様の広き厚き御恵みに浴し、恋しき父にも出会ひ、今また慈愛深き母を授かり、最早心残りも御座いませねば、何とぞ妾を御供に御使ひ下さいますまいか。女ながらも黄泉比良坂の戦ひに働かして頂きたう存じます。どうぞ広き大御心に見直し聞き直して是非御供に……』
と真心を面に現はして頼み入るにぞ、淤縢山津見は、
『それは感心なことです。併しながら吾々の自由にならぬ。正鹿山津見神様に御許しを得られた上、御同道致しませう』
 竹野姫、梅ケ香姫の二人は、声を揃へて両手をつきながら、
『何うぞ妾も御供が致したう御座いますワ』
珍山彦『ヤア、今までは男四人と女一人、それでさへも随分道中は賑はうたものだ。何と云つても駒山さまのやうなデレのスーが混つて居るのだからなア。然るに今度は御三人の御姫さまがお越し遊ばすとなれば、道中は随分賑はふ事であらう。女が三人寄れば姦しいと云ふことがある。イヤもう、さうなれば鹿島立でなくて、かしましい立ちだ。併しながら其の志は感心々々、どれどれこれから此の珍山彦が御父上に伺うて来て上げませう』
と正鹿山津見神の居間に引返し、三人の娘の願ひを打破つて細々と陳べ立つるにぞ、正鹿山津見神は娘の勇気に感じ、
『アヽ折角可愛い娘に会うたと思へば、もう別れねばならぬか。イヤこれも神国のため、御道のためだ。会者定離は浮世の常、どうぞ珍山彦さま、娘たちを宜しく御願ひ致します』
と声を曇らせながら答ふるを、珍山彦は、
『結構だ。その覚悟がなくては神様の宮仕へは到底勤まらない』
と三人の娘の前に現はれて、
『三人の御姉妹、喜びなさいませ。実に御父さまの心は立派なものだ。此の親にして此の児あり、此の児にして此の親あり、此の夫にして此の妻あり、此の妻にして此の夫あり、此の君にして此の臣あり、此の臣にして此の君ありだ』
 駒山彦は、
『オイ、グヅ山、なにをグヅグヅ言つて居るのだ。同じ事ばかり繰り返して、又そろそろ地金が出て来たな』
松代姫『然らば妾姉妹三人、御供に仕へませう。何分宜しく御願ひ致します。御一同様』
と頭を下げて叮嚀に挨拶なすにぞ、二人の妹も手をついて、
『何分宜しく』
と笑を浮べて頼み入る。
珍山彦『サテ、これからは長の道中だ。照山峠を越えて、ハラの港に出で、智利、秘露と長途をとぼとぼ歩んでカルの国へ渡り、目の国、常世の国と進んで行くのだから、七六ケしい挨拶は肩が凝つて困る。これからの道中は、師弟だとか、老幼男女の障壁をすつかり取つて、互に云ひたいことも言ひ合つて行くのだから、其心算で心安くして下さい』
『ハイハイ、有難う御座います』
と三人は嬉し涙にくれてゐる。
 正鹿山津見、五月姫は門口に送り来り、一行の安全を祝し、立ち別れむとするところへ照彦は馳せ来り、
『モシモシ、私はヱルサレムから三人様の御後を慕つて参つたもので御座います。今此処で御別れ申しては、何となく心許ない感じが致します。どうぞ特別の御詮議を以て、宣伝使の御供は叶はずとも、御姫様の御供をさして頂きたう御座います』
と怨めしさうに涙含むにぞ、正鹿山津見は、
『ヤア、照彦か。儂も三人の娘を宣伝使の一行に御預けしたものの、孱弱き娘のしかも三人、嘸々御迷惑なさることであらう。照彦、其方は娘たちの後に踵いて、いろいろと世話をしてやつて下さい』
『ヤア御許し下さいますか、有難う御座います』
と照彦は栄えの面色勇ましく、一行の後に踵いて、珍の都を一同の宣伝使と共に立ち去りにけり。
(大正一一・二・一三 旧一・一七 有田九皐録)
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