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文献名1霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
文献名2第1篇 長駆進撃よみ(新仮名遣い)ちょうくしんげき
文献名3第5章 大風呂敷〔472〕よみ(新仮名遣い)おおぶろしき
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-10-13 18:06:17
あらすじ
時公は用事を思い出して、鉄彦に、鉄姫の言付けを伝えて村に帰るようにと促した。しかし鉄彦は、宣伝使となった以上は目的を果たすまでは何があろうと家へは帰れないから、そう鉄姫に伝えてくれ、と答えた。

時公は、それでは伝言のついでに大蛇を退治してから帰ろう、と大風呂敷を広げる。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月28日(旧02月02日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年9月10日 愛善世界社版45頁 八幡書店版第2輯 529頁 修補版 校定版45頁 普及版18頁 初版 ページ備考
OBC rm1105
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本文 東雲の空別け昇る東彦  青雲別けて中天に
 光も清く高彦の  神の命の宣伝使
 二八の春の梅ケ香や  鉄谷村の鉄彦が
 鉄門を守る時公と  声も涼しき宣伝歌
 謡ひ謡ひて進み行く  荒野ケ原に吹く風は
 八岐大蛇か曲神か  醜女探女の吹く息か
 息も吐かずにすたすたと  勢ひ猛く進み行く
 あゝ面白し面白し  大蛇探女や醜神の
 仮令幾万来るとも  天と地とを造りたる
 御祖の神のたまひてし  我言霊の神力に
 敵するものはあらざらめ  敵は千里の外でない
 心の中に知らぬ間に  潜むやつこそ我敵ぞ
 心の鬼や曲神を  伊吹祓ひて清めたる
 神の御子たる我身には  月日の光遍くて
 玉は真澄の鏡なす  鏡に勝る日本魂
 珍の剣を抜き持ちて  我行く道に障りたる
 曲の大蛇を寸断し  勝鬨あぐる束の間の
 はやくも来るクスの原  新玉原となりにける。
高彦『サア皆さん、此処で一寸息を休めて、いよいよ戦闘準備にかかりませう。まづ先陣は強力無双の英雄豪傑、時公さまに願ふ事にしよう。我々と梅ケ香姫は本陣、東彦さまと鉄彦さまは左右の両翼となり、三角形に敵の本営に向つて進撃するのですな』
時公『モシモシ、力の強い者が先へ行つて、万々一大蛇の奴にがぶつとゆかれては終ひだ。後の控がありませぬ。総て戦ひは後の控が肝腎です』
高彦『強さうに云つても弱い男だ。随分空威張の上手な法螺吹きだな。マア兎も角、神言を奏上して、それからゆつくり作戦計画を定め、陣容を整へて旗鼓堂々と敵の牙城に進む事にしませうか』
時公『ヤア、一寸皆さん待つて下さい。私は旦那様に申上げねばならぬ、肝腎の御用を忘れて居ました。エヽ鉄彦様、貴方直ぐ帰つて下さい』
鉄彦『なンだ』
時公『何ンでもよろしいが、帰つてさへ下されば分るのです』
鉄彦『コレ、分ると云つたつて肝腎の此場合、何でもない事に駒の首を立て直すと云ふ事が出来るものか、ハツキリと云はぬかい』
時公『エヽ、実は申上げ悪い事で御座いますが、貴方が東彦の宣伝使と三人連で館をお立ち遊ばした二日目の夜半頃、風がザアザア、雨がシヤアシヤア、雨垂の雫がポトンポトンと、それはそれは淋しい真闇の、化物でも出さうな晩でした。其時に奥様が、オヽ臭いとも何とも云はずに、便所にお出になりましたところが、便所の横からニユーと出た糸柳の雨に濡れた冷たい枝が、風と一緒に奥様の顔をザラリと撫でた其途端に奥様はあらう事かあるまい事か、アツと云つたきり荒肝をおつ潰して、其の場にバタリ、スワ一大事と門番の時公までが、雨蛙の様に、胸をトキトキさせながら近寄りて見れば、こは抑如何に、呼べど叫べど何の音沙汰も梨の礫の浅間しいお姿、手も足も冷たくなつて居らつしやる。アヽどうしたらよからう、奥様もう一度ものを言うて下さい。旦那様は宣伝使に呆けてお出ましになつた留守に、貴方がこんな事におなりなされては、この時公はどうして旦那様に顔が合されませう、と涙に掻き暮れました』
鉄彦『ヤア、鉄姫は死ンだのか』
時公『ハイ、サツパリこときれて仕舞つて、何とも彼とも仰有りませぬ。もうかうなる上は旦那様の御行方を探し、立派なお葬をして上げたならば、せめても せめても せめても』
鉄彦『何だ、ハツキリ言はぬか。奥は真実に死んだのか』
時公『ハイ、御帰幽になりました。そこで奥様が「オイ時公、愚図々々して居る時でない。早く旦那様を呼んで来て呉れ」と仰有いました。そこでこの時公は「奥様承知致しました」シテコイナと、七分三分に尻引つからげ、襷十文字に綾どりて、後鉢巻リンと締め、大身の槍を提げ「ヤアヤア者共遠からん者は音にも聞け、近くば寄つて目にも見よ、鉄谷村に於て英雄豪傑と聞えたる我名を聞きて驚くな。知る者は知る、知らぬ者は一寸も知らぬ、女の中の男一匹、時公さまとは我事なるぞ」』
鉄彦『オイオイ時公、貴様何云ふんだ、真面目に言はぬか』
時公『ハイ、あまり嬉しくて一寸逆上ました。奥さまが一旦息が切れて冷たくなつて仕舞つた。何うしよう斯うしようと上を下へと大騒動をやつてる最中、持つべきものは子なりけりですな。彼の優しい清姫さまが、三五教の宣伝歌を謡つて神琴とやらを弾ぜられたが最後、琴の弦のやうにたちまち奥様がピンピンと跳ねかへつて息を吹き返し、殊の外の御機嫌で「オイ時公、一時も早く御主人さまを呼んで来て呉れ、女計りでは心細い、人間は老少不定だ。亦もやこんな事があつては取返しがならぬ。貴様は一時も早く後追ひかけて、事の次第を細やかに悉く申上げて、二人の宣伝使に、よく理由を言つて帰つて来い」と、殊更の御頼み、断る訳にもゆかず、一目散に追つかけて来たので御座います。若しやの事でクス野ケ原の大蛇にでも、旦那様が呑まれて仕舞ふやうな事があつたら、この時公は、どうして奥さまに断りが云はれませうか』
鉄彦『我々は神様のために決心して、アーメニヤの悪魔を天下のために言向け和すのだから、それが済む迄は、小さい一家の事にかかはつて居られない。特に尊い三五教の宣伝使のお供だ。貴様怖ければ帰つてもよいから、俺は仮令大蛇に呑まれたつて神界の御用が済む迄は、決して、決して帰らないから奥にさう言つて言伝をして呉れ』
時公『ヤア旦那様、貴方もよくことことと仰有います。別に大した事も無いのですから、いつその事大蛇を退治してから帰らして貰ひませう』
梅ケ香姫『ホヽヽヽヽヽ、又しても又しても、時さんの大風呂敷、面白いわ』
時公『アヽさうだ。この大風呂敷で大蛇の奴をぐるりと包んで棒の先にポイと引つかけて、鉄谷村に連れて帰つて、サア、これが時さまのお土産だ、皆寄つて集つて、擲らうと叩かうと、煮いて喰はうと、だいぢやないと嚇かしてやらうかな』
鉄彦『もう好い加減に洒落は止めて呉れ、千騎一騎の場合だ』
時公『千騎も詮索もいつたものか。一気呵成に突撃を試むるのですなア。サア東彦さま、高彦さま、お梅さま、私が先陣を勤めませう。千騎一騎、千仭の功を一簣に欠くやうな下手な事は致しませぬ。宣伝万歌の三五教の宣伝歌で、縦横無尽に言向け和すは案の内、案じるより産むが易い。サア行きませう』
 一同は
『面白いなア』
と座を立つて、時公の千切れ千切れの出任せの宣伝歌に笑ひつ倒けつ、新玉原の奥へ奥へと進み入る。
(大正一一・二・二八 旧二・二 加藤明子録)
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