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文献名1霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
文献名2第2篇 意気揚々よみ(新仮名遣い)いきようよう
文献名3第11章 表教〔478〕よみ(新仮名遣い)おもてきょう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
扉を開けて館から出てきた孔雀姫は、満面に笑みをたたえて一同を招きいれた。男たちは孔雀姫の美しさに見とれているが、梅ケ香姫はなにやら合点した様子で、泰然とニコニコ笑っている。

館の中からは、女の涼しい声で、ウラル教の宣伝歌が聞こえてきた。勝公、八公、鴨公はウラル教の仲間と勘違いして、にわかに元気付いている。一行はどんどん屋敷の奥へと入っていった。

奥の間にいる孔雀姫に、勝公は、あなたはウラル教でしょう、と問いかけるが、孔雀姫は、自分はオモテ教だ、と答える。勝公はにわかに、それなら心機一転オモテ教に改心する、と宣言する。

時公は、なんとなく孔雀姫が梅ケ香姫に似ていることに気づいた。梅ケ香姫はなにやら孔雀姫と相通じているようなので、みな孔雀姫は三五教ではないかと気づき始めた。

梅ケ香姫はすっくと立って宣伝歌を歌い始めた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月01日(旧02月03日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年9月10日 愛善世界社版104頁 八幡書店版第2輯 550頁 修補版 校定版104頁 普及版44頁 初版 ページ備考
OBC rm1111
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本文  門の戸、細目に開いて一寸覗いた美人は、満面笑を湛へ白き優しき手を伸べて、一同に向ひ手招きをし乍ら早くも門内に姿を隠したりける。
時公『ヤア孔雀姫とか聞くからには、別嬪だらうとは思つて居たが、思つたよりも幾層倍の別嬪だ。一瞥克く天地を覆へすと言ふ絶世の美人だ。大抵の者はあの目で一寸視られたが最後、腰も何もフニヤフニヤになつて仕舞ふだらう。俺も如何やら腰の具合が変になつて来たぞ』
 梅ケ香姫は何か確信あるものの如く泰然としてニコニコと笑ふ。
勝公『ヤア梅ケ香姫の宣伝使も綺麗と思つたが、貴方のニコニコより弥勝るニコニコだ。一寸こちらを向いてニタニタと笑つた時は、こちらもシタシタと思つたよ。舌々八タ舌々八タだ』
鴨公『コレ時さま、お前も腰が変になつたか、俺も変だ』
時公『貴様の腰は抜けたのだ、生憎鯡も無し、困つた事だ』
八公『丸で人を猫みた様に云ひやがる、二進も三進も、斯う腰が抜けては動けたものぢやない』
時公『俺たちは悠然と孔雀姫に御対面遊ばして結構な御待遇に会うて来るから、まあ悠然腰でも下し、ドツコイ抜かして其処中の雪を孔雀姫の白き顔と思つて見てゐるが良いワイ。サアサ、梅ケ香姫さま、お這入りなさいませ、お見掛通りの茅屋で御座いまするが、これが妾の住家、お心おき無う、ゆるゆる御逗留なして下さいませ』
勝公『オイ時さま、何を言ふのだ、見つともない、腰をペコペコさして大きな口をオチヨボ口にしたつて振ひ付きはせぬぞ』
時公『マア八釜しう言ふない。孔雀姫さまの代りを勤めてるのだ』
 此時、館の中より、
 飲めよ騒げよ一寸先や暗よ  闇の後には月が出る
と言ふ女の清しい声が響いて来た。
勝公『ヤア、此奴は豪気だ、矢張りウラル教だ、斯うなつて来ると三五教も余り幅が利かぬ。オイオイ八公、鴨公、安心せい、此処はウラル教だぞ、貴様たちの幅が利く処だ。ハイ梅ケ香さま、お生憎様、三五教でなくて、怨めしいウラル教、ヘン、済みませぬな、貴方は門の外に立つて居なさい。サアサ、八、鴨、心配いらぬ、出て来い出て来い』
 八、鴨は此声に力を得て抜かした腰を立て直し、
八、鴨『何、ウラル教か、そいつは面白い』
と肩臂を怒らして門内に進み入る。
時公『アハヽヽヽヽ現金な奴だ。これだから貴様の改心も当にならぬと言ふのだ』
勝公『叶はん時の神頼みだ』
と言ひ乍ら勢よく表戸を開けて、
勝公『ヘイ、御免なせい、私は北野の村の勝公と言ふウラル教の目付役でげす。今三五教の宣伝使を生捕つて来ました、ちよつくら一寸、手剛い奴だから応援をお頼みします。折角の玉を取り外したら、おたまり零しがありませぬから』
梅ケ香姫『ホヽヽヽヽ勝さま、心配して下さるな。逃げも隠れも致しませぬ。妾の言霊で美事帰順させて見せませう』
勝公『ヘン、仰有るワイ』
と言ひ乍らドシドシと我家へ帰つた様な心持で奥に進み行く。
 一同は勝公の後に跟いて行く。余り広き家ではないが、小ザツパリとした座敷がある。其処に当の主人公たる孔雀姫は一絃琴を前に置いて坐つて居る。梅ケ香姫は一目見るなり、
梅ケ香姫『ヤア、貴方は、ま………』
と言ひかけて俄に口を袖に包んだ。
勝公『これこれ、梅ケ香さま、ウラル教の孔雀姫さまに「貴女はまア」だとは何と言ふ失礼な事を仰しやる。魔でも何でもない、結構な神さまだ』
時公『ヤア、一寸孔雀姫さまとやらにお尋ねしますが、路傍伝ふる所に依れば、貴女は此処を往来する人間を誰も彼も皆、喰つて仕舞うと言ふ事だが真実に喰ふのですか』
孔雀姫『ハイ妾は往来の人を老若男女の区別なく噛んで呑む様に言ふて上げて………』
八公『エ、何と、噛んで呑む、湯であげて丸で章魚を茹でる様にするのですな。熱い湯の中に入れて茹でられて、丸でコロモ揚げにしられて、噛んで呑む様にするのだなぞと、丸でウラル彦の守護神八岐の大蛇の御化身ですか』
孔雀姫『ホヽヽヽヽ』
勝公『貴女はウラル教でせう。私はウラル教の目付役、斯う云ふケチな野郎でげすが、お見知り置き下さつて何卒、可愛がつて使つてやつて下さいませ』
孔雀姫『妾はウラル教では御座いませぬ』
勝公『エ、何と、ウラル教でないと、そんなら何教で御座いますか』
孔雀姫『オモテ教です』
勝公『ハアハ、畳の様な名ですな、畳が破れて仕替へ度いと始終オモテゐる、私も魂が何だか変になつたから仕替へて貰ひ度いとオモテゐる、さうするとウラル教とは如何な関係があるのですか』
孔雀姫『ウラ、オモテです、畢竟反対の教です。ウラル教のお方が見えたら片つ端から噛んで哺めて……』
勝公『もしもし私もオモテ教になりまする、今までウラル教は、面白く無いと思つて居た処』
時公『ハヽヽヽヽ現金な奴だな』
勝公『心機一転だ、刹那心だ、こんな切ない思ひをした事はないわ。案に相違の裏、表、根つから葉つから訳が分らぬ様になつて仕舞つた』
時公『モシモシ梅ケ香さま、貴女は何処ともなしに此処の御主人に能く似てゐらつしやる様だ。貴女もクス野ケ原で一寸化け損なつた様だが、あの魔とは違ひますかな』
梅ケ香姫『マアマア宜しい』
時公『「マアマア宜しい」なんて魔は悪いにきまつたもんだ、アタ魔の悪い、斯んな処にマゴマゴとして居つたら如何な目に遭ふやら知れやしない』
梅ケ香姫『世界に鬼はありませぬ。先づ先づ気を落ちつけなさい』
時公『梅ケ香さまは何だか妙な目遣ひをして、此処の魔神さまと以心伝心とか言ふ様な事をやつて居ましたな』
梅ケ香姫『ホヽヽヽヽ』
勝公『こいつは変だ、オイ八公、鴨公、此奴は三五教のやつかも知れんぞ』
八、鴨『八も鴨も三五教と違ふワイ、オモテ教だ』
時公『貴様、俄に掌を覆してオモテ教だなんて寝返りを打つた処で大持てにもてる気づかひは無いぞ』
八公『神が表に現はれて善と悪とを立別ると言ふ事があるぢやないか、これはヒヨツトしたら三五教の一派かも知れぬぞ』
 梅ケ香姫はスツクと立つて宣伝歌を歌ひ始めた。
(大正一一・三・一 旧二・三 北村隆光録)
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