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文献名1霊界物語 第39巻 舎身活躍 寅の巻
文献名2第3篇 宿世の山道よみ(新仮名遣い)すぐせのやまみち
文献名3第12章 種明志〔1077〕よみ(新仮名遣い)たねあかし
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-11-20 09:25:38
あらすじ国公、タール、ハムの三人は、照国別が逗留しているはずの岩窟にたどり着いた。しかしそこには照国別一行はおらず、イールとヨセフの二人が奥で震えていた。ハムが二人にいきさつを尋ねると、二人がここに逃げ込んで隠れていると、昨晩きつい声の宣伝歌が聞こえてきた。自分たちを助けてくれた照国別一行だとわかったが、岩の戸を突っ張って閉じてしまった。それで、照国別一行はあきらめて先に行ってしまったようだ、という。国公は、バラモン教徒たちが谷道で襲って逆襲されたという三五教の二人の女巡礼について話を聞きだし、それが黄金姫と清照姫であることを確信した。そして、その場でバラモン教徒四人の身の上を物語るようにと問うた。ハムは身の上を宣伝歌に乗せて歌いだした。ハムはガランダ国の王であったが、釘彦・片彦二人がガランダ国に入ってバラモン教を広め、徒党を組んで襲ってきた。その勢いに家族も家来も散り散りになり、自分は捉えられて追放された。あちこちをさまよううちに、鬼熊別に見出されて部下となり、鬼熊別の生き別れの妻子を探す役目を負って活動していたのだ、と歌った。国公は、言外に黄金姫と清照姫が、ハムが探していた鬼熊別の妻子だと含ませつつ、彼女たちをもはや追ってはならないと釘をさした。ハムはその意を汲んで話を合わせている。イールは元はウラル教徒であったが、捉えられてバラモン教に改心したと明かした。ヨセフは太玉命の家来の依彦だと言い出したが、イールから、なぜ照国別の宣伝歌を恐がっていたのかと詰め寄られると、冗談にごまかした。タールは、アーメニヤのウラル教徒で香具耶彦の息子だったが、北光神の言霊戦でウラル教徒がアーメニヤを追われたとき、親子兄弟は散り散りばらばらになってしまったと明かした。国公は、タールの本名が春公であることを聞くと、これからは兄弟のように仲良くしようと言い、全員そろって三五教のために尽くそうと呼び掛けた。一同は賛同し、国公について照国別宣伝使の後を追って山道を下って行った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年10月28日(旧09月9日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年5月5日 愛善世界社版163頁 八幡書店版第7輯 338頁 修補版 校定版171頁 普及版69頁 初版 ページ備考
OBC rm3912
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本文  国公、ハム、タールの三人は夜明けと共に朝の空気を吸ひ乍ら、不思議な事より情意投合して兄弟の如くになり、道々無駄話をし乍ら、河鹿峠を下り行く。照国別の待つてゐるといふ岩窟に到り見れば、照国別一行の姿は見えず、只二人の男が岩窟の小隅に小さくなつて震うて居た。ハムは無雑作に余り広からぬ岩窟に飛込み、よくよく調べ見ればイール、ヨセフの両人であつた。
ハム『オイ、イール、ヨセフの亡者ぢやないか。何時の間にこんな所へふん迷うて来たのだ』
イール『ヤア、ハムさまか、ようマア無事で助かつてくれたなア。俺達二人も何が何だか、サツパリ合点がゆかぬのだ。実際現界か幽界か、如何考へてもハツキリせぬ。お前は何と思ふか』
ハム『確りせぬかい。ここは河鹿山麓の南口の岩窟の中だよ』
ヨセフ『さうするとヤツパリ生復つたのだなア。夜前ここ迄逃げて来て、スツ込んで居ると、頭のわれるやうなキツい声で宣伝歌を歌つて、此岩窟の中へ這入らうとする三人の宣伝使があつた。こんな奴に這入られたら大変だと、二人が中から岩の戸に突張りをかい、力限りに押して居つたら、とうとう根負をして通り過ぎて了つた。それから今まで二人が岩戸を力限り押してゐたのだが、どうやら宣伝使が遠く行つたやうな塩梅だから、余り息がこむるので、新しい空気を注入してゐた所だよ』
ハム『オイお前の救主が此処に二人も来てゐる、早く御礼を申さぬか、タールさまに国公さまだ』
ヨセフ『何、俺を助けてくれた救主は三五教の宣伝使一行四人だよ。タールの奴、男甲斐もない、母娘の巡礼に俺達がさいなまれてゐるのを見捨て、逃げ出すといふ卑怯千万な不親切漢だから、そんな事を言つても駄目だ。ヘン、大きに憚りさま、なあイール、貴様も知つてゐるだらう、三五教の照国別とか云ふ宣伝使に違ない。お前も其の記憶は確にあるだらう』
イール『確にさうだ。ここを通つた宣伝使もヤツパリ照国別さまに違ないが、余り神力が強いので、却て俺の方がこはくなり、近よりさへせねばよいと思うて此処迄助けて貰うた宣伝使にスツパ抜きをくはして、潜んで居つたのだ。オイ、ハム、お前如何して助かつたのだい』
ハム『俺は元から死んでは居なかつたのだ。きさま等二人が真砂の中に半身を埋めて目をまはしてゐたのを俺はよく側に見てゐた。併し如何したものか足腰が立たないので、三人一緒に頭を並べて、時を待つてゐた所、レーブ、タールの両人がうしやがつて、俺の悪口を散々吐いた上、此ハムさまを谷川へ水葬しようなどと善からぬ事を吐きやがるものだから、おのれツと云ひさま、立上ると、ここに居るタールを初めレーブの奴、雲を霞と逃げ失せ、谷路にふん伸びてゐやがつた。天罰は恐ろしいものだ。踏殺してやらうと、思うたら又もや俺の腰が変になり、谷路に一蓮托生的にふん伸びてゐた所へ、照国別の宣伝使が通りかかり、此国公さまに介抱を命じて、此岩窟迄行くと云つて、スタスタと下られたが、貴様が中から邪魔をするものだから、とうとう行かれて了つたのだよ。其中の一人は此国公さまだ。早く御礼を申さぬか』
 イール、ヨセフの両人は嬉しさうな怖さうな態度で、無暗に腰を屈め、頭を五六遍ペコペコ上げ下げし乍ら、
『モウ何にも申しませぬ、有難う厶います、どうぞ堪忍して下され』
国公『お前は妙な事を言ふ奴だ、命を助けてやつた宣伝使の玉子が如何してお前を苦めるものか、マア安心したがよからう』
イール『そんなら三五教の巡礼に御無礼した事を許してくれますか』
国公『三五教の巡礼とはどんな風をして居つたか、一寸耳よりだ。詳しく聞かしてくれ』
イール『婆アさまと娘と二人の巡礼だ。中々強い奴で、とうとうハムの大将迄谷底へとつて放られた位だから、手にも足にも合ふものぢやない』
 国公はワザと口を尖らし、
『それは怪しからぬ、おれの母と女房とが一足先に、巡礼姿になつて此々を通つた筈だ。そんなら吾母と女房に対し、無礼を加へた奴だなア、さう聞く上は、モウ了見はならぬぞよ』
イール『モシ国さま、私ばかりぢや厶いませぬ。現に此処に居るハムの命令で、抵抗しました。ヨセフもタールもまだ外にレーブといふ奴、私は例外として都合〆て五人、反対的行動を執つたのだから、どうぞハムから戒めてやつて下さい、私は何も彼も白状した褒美に命丈は助けて下さい。其代り国様が鼻をかめと仰有つたら、鼻でも拭いて上げます。尻をふけと仰有つたら尻でも拭きます。アーンアーンアーン』
ハム『アハヽヽヽ悪の張本人は此ハムさまだ。コレ国さま、私から先へ成敗して下さい、部下の罪悪を一身に引受けるのは衆に将たるものの正に行ふべき道だ。サア早くお望み次第……』
とニユツと首をつき出し、早く首をとれと云はぬばかりにして居る。
国公『ヨシヨシ首を取れなら、取つてもやらう。併し乍ら今はの際に貴様等の素性を一々白状せよ。其上にて事と品によつたら許してやらぬ事もない』
 ハムは悪びれたる色もなく、さも落着き払つた態度で物語る。
『天津御空を照りわたる  光も強き月の国
 生れはデカタン高原の  南の端に青山を
 四方にめぐらすガランダの  テームス王の子と生れ
 親の名をつぎ民草を  安く治むる折もあれ
 バラモン教の神司  大黒主の手下なる
 釘彦片彦両人が  何時の間にやら国内に
 ひそみて国人悉く  バラモン教に帰順させ
 徒党を組んで王城へ  夜陰に乗じて迫りくる
 其勢のすさまじさ  妻子を初め家来共
 雲を霞と逃げ散りて  影も形も泣き寝入り
 取残されたハム一人  刃向ふ術もなきままに
 命惜しさに降服し  大黒主の御前に
 引出されて已むを得ず  先祖代々伝はりし
 王の位を打棄てて  フサの国へと追ひ出され
 彼方此方をトボトボと  さまよひ巡り妻や子の
 所在を尋ぬる折もあれ  バラモン教の副棟梁
 鬼熊別の神司  タルの都の手前にて
 思はず知らず巡り会ひ  厳しく素性を尋ねられ
 大黒主の手下等に  さいなまれたる物語
 申上ぐれば鬼熊別の  神の司は涙ぐみ
 妻子を尋ねてさまよふか  お前は不憫な奴だのう
 われも妻子の行方をば  尋ねて暮す身の上ぞ
 お前の心は察し入る  大黒主の大将が
 如何に言ふとも鬼熊別が  甘く取りなし助けむと
 云はれし時の嬉しさよ  喜び勇み此ハムは
 鬼熊別に従ひて  ハルナの都に立向ひ
 抜擢されて部下となり  蜈蚣の姫や小糸姫
 続いてハムが妻子をば  尋ねむものと遠近を
 朝な夕なにさまよひて  ここまで来りし折もあれ
 蜈蚣の姫によく似たる  母娘の巡礼にめぐり会ひ
 実を聞かむと声高に  母娘の巡礼に立向ひ
 つめかけ見れば吾胸に  グツとこたへた蜈蚣姫
 小糸の姫に違ない  秘密の洩れむ恐ろしさ
 四人の奴等を追ひ散らし  後に残りしハム一人
 鬼熊別の命令を  母娘の方に伝へむと
 思うた事も水の泡  取つて放られた谷の底
 折角会うた母と娘に  別れし事の残念さ
 推量あれよ国さまよ  私は悪い者でない
 素性をあかせば此通り  何卒お許し願ひます
 神が表に現はれて  心の善悪立別ける
 此世を造りし大神の  御霊幸はふ国さまは
 ハムの誠の心根を  詳しく悟り玉ふらむ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と悠々と歌を以て答へた。
国公『さうするとハムさま、お前は鬼熊別さまの命令で、蜈蚣姫、小糸姫様の所在を尋ねがてら、妻子の行方を探つてゐるのだな。ソリヤ感心だ。併し蜈蚣姫、小糸姫は決して三五教の信者でも宣伝使でもない、併し母娘共に健全にゐらせられること丈は大丈夫だ。そして先にお前達を投げた母娘の巡礼は、あれは黄金姫、清照姫といふ立派な宣伝使で、決してお前の言ふやうな方ではないぞ』
と意味ありげに三人の前でワザとに言葉を濁してゐる。ハムは早くも国公の腹中を悟り、ワザと空呆けて、
『アヽさうでしたか、さう承はれば人相書に合はない所が沢山あります。……オイ、タール外二人、お前は如何思ふか』
タール『俺は余りの恐ろしさで、婆アさまと娘位の事は承知してゐるが、人相を検めるなんてそんな余裕があるものかい』
ハム『イール、ヨセフの両人、貴様は如何思ふか』
ヨセフ『俺は言ふとすまぬが、鬼熊別さまの女房子に、あんな立派な方があらう筈がないと思うてゐるのだ。あのお方の身魂は、すでにすでに都率天の月照彦の神さまのお側で御用をして厶る結構な神様の肉の宮だから………』
イール『俺もさう思ふ。何程蜈蚣姫様、小糸姫様が豪傑だと云つても、あんな力が出る筈がない。又そんな力のある方なら、母娘の武勇は天下に鳴轟いてゐる筈だからなア』
国公『そらさうだらう、あの母娘を蜈蚣姫小糸姫などと思ふのが、大変な的外れだ。それさへ分れば、最早あの母娘を追跡するのも無駄骨折だ。それよりもハムさまの様に一つ素性を明かしたら如何だい』
イール『そんなら何も彼も棚卸しをしてお目にかけませう。私はデカタン高原のサワラといふ小さい国の首陀の家に生れた者ですが、大黒主の部下なるテーグスといふ宣伝使がやつて来て、片つ端から国人をバラモン教に引入れるので、ムカついてたまらず、ウラル教の教理を真向にふりかざし防ぎ戦うたけれど、遂に衆寡敵せず、サワラの牢獄に投込まれ、百日百夜の責苦に会ひ、とうとう初心を翻してバラモン教に心の空から帰順して助けて貰つたのだ』
ハム『オイオイ、心の空からぢやなからう、底からぢやないか』
イール『ソラ底が底ぢや』
ハム『大方貴様は嘘使つてゐやがるのだろ』
イール『ソラそこに底もあり蓋もある、何と云つても長い者には巻かれ、強い者には従はねばならぬ現状だから、俺の肉体はバラモン教だ』
ハム『肉体はバラモン教で、精神はウラル教だな。何と都合の好い宣伝使だなア』
イール『ハムさま、お前だつてチヨボチヨボぢやないか』
ハム『人間の分際として人の心の奥底が如何して忖度出来るものか、如何なる法の力も武力も、圧制も思想上の強圧は到底出来ない。目に見えぬ世界の事だから、まして今の盲共の窺知すべき限りにあらずだ。そんな野暮な事を言ふものではないよ』
ヨセフ『つまり時の天下に従へといふ筆法だな』
イール『コリヤ、ヨセフ、貴様は信仰の土台はどこにあるか』
ヨセフ『俺の本当の信仰は三五教だ。三五教は世界第一の優秀教だからなア』
イール『アハヽヽヽ現金な奴だなア、三五教の国公さまの前だと思つて、甘く胡麻をすりやがつたな。此胡麻摺坊主奴』
とピシヤリと横面を平手でなぐつた。
ヨセフ『コリヤ、三五教の信者に対して何と云ふ無礼な事を致すのだ。俺はモウ斯うなつては包むに由なし、本当の事を教へてやらう。実の所は顕恩郷にまします太玉命の御家来に、其人ありと聞えたる三五教の宣伝使依彦さまとは俺の事だぞ。バラモン教の内情を探るべく鬼熊別の部下となり、貴様等と一緒に交はつて猫を被つてゐたのだ。本当に盲ばかりの寄合だと思つて、密にホクソ笑をして居たのだ。ウフヽヽヽ』
イール『コラ、ヨセフ、そんな嘘を云つても、辻つまが合はないぞ。三五教の宣伝使が三五教の黄金姫に取つて放られるといふ、そんな矛盾がどこにあるか』
ヨセフ『そこは貴様等を詐る為に、八百長で一寸放られて見たのだ』
イール『何と高価な八百長だのう。一つ違へば命がなくなる様な八百長は昔から聞いた事がない』
ヨセフ『さうだから三五教の宣伝使照国別さまがやつて来て命を助けてくれたぢやないか。要するに惟神的の八百長だといふ事が今分つたのだ。アハヽヽヽ』
イール『負惜みの強い事を吐すない。そんなら何故照国別さま一行を恐れてブルブル震ひ乍ら暗に紛れて逃げたり、岩戸を力一杯あけさせじと骨を折つたのだ』
ヨセフ『マアあつて過ぎた事を、さう細かく詮議するものぢやない。掃溜をほぜくるとしまひにや蚯蚓が出るぞ。アヽ今日はマアよい天気だな、一寸宣伝使様、外へ出て御覧、連山黄金色に彩られ、まるで錦絵を見るやうですワ』
イール『コリヤ、ヨセフ、そんな所へ脱線しやがつて、急場をつくらはうと思うても駄目だぞ、ナア国公さま、本当に油断のならぬ代物ばかりですな』
国公『どれもこれも打揃うて油断のならぬ人物ばかりだ。併し今の世の中は世界中皆此通りだ。お前達は現世界の縮図だから何れも立派な悪神の代表者だよ。アハヽヽヽ』
ハム『オイ、タールの奴、貴様も素性をここで明かさぬか、何だか物臭い代物だぞ』
タール『俺はお前達の様な人種とは元来からして、種が違ふのだ。勿体なくも盤古神王様を尊敬遊ばすウラル彦ウラル姫様の御娘子、高宮姫様といふ別嬪さまの情夫だ』
ヨセフ『ヘン、甘い事を吐すない。ウラル教だと云へば、俺達が勝手を知らぬかと思つて、貴様のやうなしやつ面に、仮令悪神の娘でも、あの有名だつた美人の高宮姫が惚れる道理があるかい。第一年が違ふぢやないか、高宮姫の十七八の花盛りには貴様はまだ此世へ生れて来て居らぬ筈だ』
タール『それは俺の親爺のことだ。俺の父は随分色男だつたよ。アーメニヤの都から、ウラル姫命の最愛の娘、高宮姫と手に手を取つて逐電し、或事情の為に身をかくし、それから再びアーメニヤへ帰つて立派な女房を持つた其女房の名は香具耶姫と云つて、つまり俺の母親だ。父の名は香具耶彦といふ男だよ。コーカス山から北光神がやつて来て、言霊戦を開いたので、父子兄弟チリチリバラバラに逃げ失せ、今では親も分らな、兄弟も知れないのだ。これが俺の詐らざる素性だよ』
 国公はタールの言葉を聞いて、双手を組み思案にくれてゐたが、ツツと立つてタールの首筋を打眺め、思はず知らずアツと叫んだ。タールは此叫び声に不審を起し、
『モシ国公さま、何ぞ私に憑依して居りますかな』
国公『お前は若い時に春公とは言はなんだか』
タール『ハイ、私の名は春公です。そして私の兄はお前さまと同じ名のついた国公といひました。モウ生きて居るか死んで居るか、今にテンと分りませぬ。何分エライ騒ぎで、親子が四方に逃げ散つて了つたものだから……』
国公『兎も角これからお前と兄弟の様になつて仲よくしよう。オイ皆の連中、これから貴様達は一切の障壁を去つて、俺と一緒に三五教の為に活動しようぢやないか。キツと俺が照国別様にお目にかかつて、よき様に取持つてやるから』
一同『ハイ有難う、そんなら国公さま、宜しく頼みます』
国公『サア早く行かう、照国別様が途中で待ちあぐんで厶るだらう』
と言ひ乍ら、岩窟を後に四人を伴ひ、宣伝歌を歌ひ乍ら、崎嶇たる山路を足早に下り行く。
(大正一一・一〇・二八 旧九・九 松村真澄録)
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