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文献名1霊界物語 第48巻 舎身活躍 亥の巻
文献名2第4篇 福音輝陣よみ(新仮名遣い)ふくいんきじん
文献名3第18章 冥歌〔1272〕よみ(新仮名遣い)めいか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-06-01 12:42:35
あらすじ浮木の森の陣営では、幽冥旅行無事終了の祝宴が開かれ、バラモン軍と三五教の和睦の宴も兼ねられた。三五教の大神を祭り、感謝祈願の祝詞を奏上した上で、広い居間に一同は円陣を作り、山海の珍味を集めて歌い舞った。治国別はと竜公は、天界を讃える歌を歌った。ランチと片彦は、幽冥界のありさまを歌い、自らの罪を懺悔し三五教の宣伝使たちに救われた感謝を歌って戒めを示した。松彦とお寅はこれまでの経緯を歌い、浮木の森の陣営で人事不省となっていたランチ一同を介抱したときの様子を歌った。お民は万公に歌を強いられ、おどけて自分が幽霊となって蠑螈別を怨む歌を歌い、また万公に取り憑くようにおどかして万公の肝を冷やし、一同の笑いを取った。夜も更けたので、ランチは宴をお開きとし、一同は上機嫌で今に帰り寝に就いた。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年01月14日(旧11月28日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年10月25日 愛善世界社版252頁 八幡書店版第8輯 682頁 修補版 校定版263頁 普及版128頁 初版 ページ備考
OBC rm4818
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本文  浮木の森の陣営には主客打ち解けて、幽冥旅行無事終了の祝宴が開かれた。而して又敵味方和睦の宴を兼ねられたのは云ふまでもない。ランチ、片彦両将軍を初め、治国別は正座に直り、アーク、タール、エキス、蠑螈別、お民、お寅、竜公、万公、松彦、アク、タク、テク、ガリヤ、ケースの面々、可なり広き居間に円陣を作り、山海の珍味を集めて、土手を切らして歌ひ舞うた。勿論それ以前に、三五教の大神を祭り、感謝祈願の祝詞を奏上し了つた事は断つておく。
 治国別は声調ゆるやかに歌ふ。
『高天原は何処なる  清き尊き神の国
 栄えの花の永久に  咲きみち匂ふ神の国』
竜公『高天原は何処なる  八重棚雲をかき分けて
 清き尊き神人の  常磐堅磐にのぼりゆき
 無限の歓喜に打たれつつ  喜びゑらぎ遊ぶ国』
治国『高天原の神国は  愛の善徳充ち充ちて
 住む天人は悉く  神の恵に包まれつ
 日々の業務を謹みて  神の御国の御為に
 心を一つに固めつつ  円満具足の団体を
 ますます清く麗しく  開き進むる天人の
 喜び勇み住まふ国』
竜公『高天原の霊国は  月の御神の永久に
 鎮まりいます瑞の国  山川清く野は茂り
 春と夏とのうららかな  景色に充てる珍の国
 百の木の実はよく実り  名さへ分らぬ百鳥は
 常世の春を祝ひつつ  喜びゑらぎ遊ぶ国
 顔面清く照りわたる  姿優しくニコニコと
 憂ひを知らぬ神の国  人と生れし吾々は
 此世に生きて大神の  道の御為世の為に
 心を研き身を尽し  霊肉分離の其後は
 天の八衢関所をば  越えずに直に天国へ
 上る御霊に進むべく  今より心を研くべし
 神は吾等と倶にあり  人は神の子神の宮
 いかでか神に帰らざらむ  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましませよ』
ランチ『根底の国は醜の国  八十の曲津や醜魂の
 ウヨウヨ群がり住まふ国  塵や芥に汚されて
 鼻つくばかり臭い国  常世の暗の前後ろ
 足元さへも見えぬ国  暗き隧道下りゆき
 頭を岩に打ちつけて  血潮は流れ滝の如
 苦み痛む醜の国  危き橋の細長く
 深谷川に架けられて  身を切る計りの寒風が
 いや永久に吹きまくる  冷たき寒き醜の国
 ガリガリ亡者の此処彼処  秋の夕の虫の如
 悲しみ歎き聞え来る  胸の塞がる暗の国
 あゝ惟神々々  吾等は神の御光に
 照らされここに救はれて  再び此世の人となり
 月日の光を委曲に  拝する身とはなりにけり
 思へば思へば天地の  神の恵は何時の世か
 かよわき人の身を以て  酬いまつらむ時やある
 心を尽し身を尽し  如何なる悩みに遇ふとても
 神の尊き御恵に  比べまつれば吾々が
 尽す誠は九牛の  一毛だにも及ぶまじ
 許させ給へ惟神  神の御前にわびまつる』
片彦『中有界の八衢に  知らず知らずに迷ひ込み
 此世に生れて今日までも  体主霊従の悪業を
 尽せし事を一々に  伊吹戸主の門番に
 スツパぬかれた其時は  身も世もあらぬ思ひして
 穴があるなら逸早く  消えたきやうな心持
 何とも云へぬ苦しさに  根底の国に墜されて
 汚穢の臭気に充されし  暗き岩穴腰屈め
 足を傷つけ頭打ち  漸く橋の袂まで
 来りて見れば沢山の  冥官達が立並び
 コハイ顔して睨みつけ  叱り飛ばした恐ろしさ
 それさへあるに四方より  骨と皮とに窶れたる
 ガリガリ亡者が蜂の巣を  つついた如く現はれて
 吾等の体に喰ひつき  手足にまとひし厭らしさ
 吹来る風は腥く  自然に鼻のゆがむよな
 臭気は四辺を吹きまくる  如何なる深き罪あるも
 かやうな所におとすとは  大国彦の神様も
 聞えませぬと心中に  恨みし事も幾度か
 呼べど叫べど祈れども  何の証も荒涙
 苦み悶ゆる折もあれ  幽かに聞ゆる宣伝歌
 聞くより我利々々亡者たち  煙の如く消え失せぬ
 鬼のやうなる面さげた  冥官共もチクチクと
 姿を隠し漸くに  四辺は少しく明くなり
 あゝ嬉しやと思ふ折  許しの雲に打乗りて
 悠々下る女神あり  女神は二人の侍女を連れ
 吾等が前に現はれて  いとも優しき御声に
 汝はランチ将軍か  お前は片彦将軍か
 高天原の最奥の  日の若宮に現れませる
 皇大神の御言もて  汝が苦念を助けむと
 下り来れる紫の  姫の命のエンゼルと
 宣らせ給ひし嬉しさよ  地獄に仏といふ事は
 かかる事をや云ふならむ  甦りたる心地して
 ハツと頭をさぐる折  紫姫は淑に
 神の御言を宣り給ひ  金勝要大神の
 御心伺ひ奉らむと  侍女を伴ひ雲に乗り
 北方の空をいういうと  渡りて姿を隠しまし
 間もなく来る宣伝使  治国別や竜公や
 松彦司其他の  真人たちに救はれて
 再び此世の明りをば  拝みし時の嬉しさよ
 此大恩に酬うべく  吾は之より真心を
 神の御為道の為  世人の為に捧げつつ
 常世の暗の現界を  一日も早く大神の
 珍の光に照らすべく  治国別に従ひて
 月の御国はまだ愚か  百八十国の果までも
 お道の為に雨露を  冒して仕へ奉るべし
 あゝ惟神々々  神の御前に真心を
 捧げて祈り奉る』
松彦『バラモン軍の秘書官と  仕へまつりて河鹿山
 数多の軍勢と諸共に  進む折しも三五の
 神徳無限の宣伝使  治国別の一行に
 珍の言霊打出され  総隊崩れ逃出す
 其みじめさに憤慨し  吾は竜公と諸共に
 懐谷に身を隠し  善後の策を講じつつ
 逃げ遅れたる馬ともに  トボトボ坂を降りつつ
 祠の森に来てみれば  三五教の宣伝使
 二人の家来が頑張つて  見張りしてゐる恐ろしさ
 漸く此場のゴミにごし  不思議の縁で兄弟の
 目出度く対面相済ませ  治国別に従ひて
 野中の森に来て見れば  忽ちドロンと消え給ふ
 後に残りし吾々は  数人連れにて小北山
 ユラリの彦の神殿に  進みて蠑螈別さまや
 お寅婆さまに出会し  妻と娘に巡り会ひ
 漸くここに来て見れば  前後左右に人の声
 小山の如く集まりて  ウヨウヨウヨと騒ぎゐる
 われを忘れて陣中に  一行と共に走り入り
 河辺に立ちて眺むれば  ここに四人の川はまり
 コリヤ大変と進みより  数多の軍兵にかつがせて
 物見櫓の下の間に  四人を運び惟神
 神の授けし言霊を  声淑かに宣りつれば
 神の恵は目のあたり  四人一度に甦り
 目を開きたる嬉しさよ  今まで捜し索めたる
 治国別の師の君も  竜公も此処に現はれて
 互に手に手を握り合ひ  無事を祝せし嬉しさは
 天の岩戸の開きたる  百神たちのゑらぎ声
 それにも勝る思ひなり  あゝ惟神々々
 神の光の現はれて  バラモン教の宣伝使
 軍の思ひも今は早  矛逆しまに立直し
 剣を扇子に持ちかへて  神の御前を伏拝む
 目出度き仕儀となりにけり  これぞ全く素盞嗚の
 神の尊の御威徳が  表はれ給ひし証なり
 謹み敬ひ皇神の  御稜威を感謝し奉る
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ』
お寅『小北の山に現はれし  其名も高きウラナイの
 教主の君の蠑螈別  其お身分に似もやらず
 信者の娘を唆し  臍繰金をまき上げて
 おまけにお寅の頭まで  叩いて逃げる強の者
 憎き奴と思ひつめ  一度は腹が立つたれど
 金剛杖に叩かれた  其為私は神徳を
 腕もたわわに頂いて  スツカリ迷ひの夢も醒め
 三五教の御教を  此上なく信じ奉り
 松彦司に従ひて  浮木の森に来てみれば
 右往左往と人の影  只事ならじと近寄りて
 よくよく見ればお民さま  大地に蛙を投げたよに
 早縡切れてゐなさつた  コリヤ大変と万公や
 アク、テク、タクの一同は  人工呼吸を施して
 天津祝詞を奏上し  祈り奉ればアラ不思議
 神徳忽ち現はれて  息ふき返した嬉しさよ
 之も全く神様の  吾等を導き給ふべく
 計り給ひし御業ぞと  尊み敬ひ今ここに
 無事の対面遂げながら  以前の恨を打忘れ
 一切万事神様に  御任せ申した気楽さよ
 いざ之よりは吾々も  心の腹帯締め直し
 魔神の猛ぶ荒野原  よぎりて神の御為に
 力限りに仕ふべし  あゝ惟神々々
 天地を造り給ひたる  皇大神よ大神よ
 お寅が微衷を愍みて  此大業を詳細に
 遂げさせ給へと願ぎまつる』
万公『ヤア皆さま、幽冥組も元気恢復し、言霊車の運転も随分盛なものでした。之から一つお民如来さまに、何か面白い歌を歌つて頂きませうか、ナアお民さま、あなたも随分○○の道にかけては、剛の者だからなア』
『ホヽヽヽヽ、私は余り慢心して高い所まで上り、神罰を被つて、階段から顛落し、サツパリ幽冥旅行を致しました。其時後頭部をシタタカ打つたと見え、何だか頭が変になつて、到底歌なんか出ませぬ、何卒御免下さいませ』
『コレコレお民さま、吾々はお前さまの命の救ひ主だ。チツとは恩にきせるぢやないけれど、歌位歌つてくれたつて、余り罰が当りもせまいぞや。蠑螈別さまの前だつて、さうテラすものぢやないワ。歌つたり歌つたり』
『エヽさういはれちや仕方がありませぬ、何れ死ぞこなひですから、生命のあるやうな歌は歌へませぬ、何でも宜しいか』
『何でも宜しい、お前さまの声さへ聞けばそれで満足だ。チツとは幽霊気分が交つても差支ありませぬ。現界の歌は随分聞いてるが、幽界の歌はまだ聞いた事がないから、チト位、いやらしてもいいから、幽界で覚えて来た事を歌つて下さいな』
『ハイ、お恥かしう厶いますが、それなら歌はして貰ひませう』
と云ひながら、両手をニユツと突き出し、掌をベロリとさげ、舌を出したり入れたりしながら、一口言つては踊る其可笑しさ、一同は思はず吹出し、俄に興を添へた。
『あゝ恨めしや恨めしや  私は蠑螈別さまの
 悪性男に騙されて  浮木の森まではるばると
 心ならずもついて来たワイな  ヒユーヒユードロドロ ヒユー、ドロドロ
 恨めしや…………  恨めしわいな足の裏に
 おまんまがひつついてウラ飯い  こんな所につくよりも
 なぜに表の鼻の先  天晴ついては下されぬ
 そしたら私と蠑螈別さまは  誰憚らずママになる
 と思うてゐたのは今までだ  冥土の旅をやつてから
 白鬼さまに頼まれて  審判の役となつたわいな
 ホツホツホツ ホヽヽヽ  あた厭らしい声がする
 此奴ア不思議とよく見れば  蠑螈別の副守さま
 化物みたよな女をば  沢山背に負ひながら
 エチエチエチと走りゆく  後姿を眺むれば
 青赤白や萠黄なす  さも厭らしい鬼の顔
 アーアこんな男とは  私は夢にも知らなんだ
 お寅婆さまはさぞやさぞ  これ程沢山曲鬼の
 憑いた男をさらはれて  ホンに仕合せなお方だと
 天の八衢の関所から  打驚いてみてゐましたよ
 ヒユーヒユー ドロドロ ヒユー、ドロドロ  ホヽヽホツホ、ホーホーホー
 ハテ恨めしやアな、恨めしや  私はこれから蠑螈別の
 後には従いて行きませぬ  石塔の横から細い手を
 ニユツと前の方へ突き出して  万公さまの首筋を
 冷たい手々にてグツと掴み  キヤツといはさにやおきませぬ
 ホヽヽヽホツホ恨めしや  ヒヽヽヽヒツヒ気味がよいや
 こんな女子に睨まれたが最後の錠  観念なされや万公さま
 メツタに助かりつこはない程に  イヒヽヽヒツヒ、イヒヽヽヽ』
『コリヤお民……ドン、やめてくれ、何を云ふのだ、アタ厭らしい』
『それだつて、冥土土産に唄へと云つたぢやありませぬか、私が修業して来たのは、こんなものですよ、ホツホヽヽヽ』
『エヽ気味の悪い、首筋がゾクゾクし出した。コレお寅さま、一杯ついでくれ、そしてお民さまを暫く、あつちの方へ送つて行つて下さい……本当に飲んだ酒がしゆんで了つたやうだ』

松彦『万公さまお民幽霊におどされて
  ブルブル震ひ汗をかくなり』

万公『われとてもお民位は恐れねど
  あの言霊が気にくはぬなり』

お民『万公さま恐ろしいないとは云はれまい
  其顔色はホヽヽヽヽヽヽ』

万公『またしても厭らし声を出しよるな
  早く此場を立つてゆけかし』

お民『立ちたくは山々なれど肝腎の
  蠑螈別がおもひ切られず』

万公『何吐す貴様は口と心とが
  裏表故うらめしといふ……のだらう』

お民『本当に恨めし人は蠑螈別
  表にめすは万公さまなり』

万公『気にくはぬお民の奴よ一時も
  頼みぢや程に退いてくれかし』

お民『幽霊に一旦なつた私ぢやもの
  お前の首を抜かにや離れぬ』

お寅『万公さま、コレお民さま、お互に
  心得なされ、ここは陣中』

蠑螈『お民といひお寅といつて騒ぐとも
  高姫司にまさる者なし』

お寅『さうだらう高姫さまは若い故
  お民さままで厭になるのだ。

 なアお民、お前の年はまだ二十
  五十婆さまを若う見るとは。

 それ故に夢の蠑螈別さまと
  人が言ふのも無理であるまい』

ランチ『ヤア皆さま、面白く祝はして頂きました。最早夜も更けましたなれば、御寝み下さいませ。又明日ゆつくりと尊き御話を伺はして頂きませう』
 此挨拶に一同は上機嫌で各居間に帰り、寝に就いた。
(大正一二・一・一四 旧一一・一一・二八 松村真澄録)
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