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文献名1霊界物語 第73巻 天祥地瑞 子の巻
文献名2第1篇 紫微天界よみ(新仮名遣い)しびてんかい
文献名3第7章 太祓〔1838〕よみ(新仮名遣い)おおはらい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-02-07 12:50:29
あらすじ
この章では、天之高火男、天之高地火の二神が、紫微圏界の霊的国土経営のため、紫微圏界の中央に位置する、紫天界を修理固成するさまの大略を述べる。

ウの言霊の力によって、天之道立の神は、四柱の神に昼と夜の違いを作らせ、守らせた。すなわち、日照男の神が日中を、戸隠の神が夕、玉守の神が朝、夜守の神が夜、である。

紫微圏界では、夜でも明るいのだが、意思想念の上で、昼夜朝夕の違いを感じ取るのである。

天之道立の神が諸神を従えて数千万億里の霊界を造り固めたが、その結果として、燃える火から黒煙が立ち昇るように、濁った気が凝り固まって、美醜善悪の区別が次第にできてきた。

それというのも、宇宙一切のものは、霊にも体にも表裏があるのであって、善悪美醜が交わり合って後にこそ、確固不動の霊物を創造することができるのである。

天之道立の神はさまざまな神事を行って紫天界を固めて行ったが、次第に妖邪の気があちらこちらに発生してきた。

そこで、天之道立の神は、紫微宮に朝夕詣で、神前に神嘉言を奏上した。

太祝詞を唱えるごとに、紫微宮の紫金の扉が清清しくキーキー、ギーギーと開け放たれ、キの言霊、ギの言霊によって四方の曲津を斬り清めた。

しかし、一日でも神嘉言を怠ると妖邪の気が湧き出でて世を曇らせたのであった。

ここに天之道立の神は朝夕わかちなく神を祭り、言霊をのり上げることとなった。これが、太祓ひの道の開き初めである。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年10月09日(旧08月20日) 口述場所天恩郷 高天閣 筆録者加藤明子、森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1933(昭和8)年11月22日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 42頁 修補版 校定版43頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7307
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本文  天之高火男の神、天之高地火の神の二神は、紫微圏界の国土を経営せむとして、(国土と雖も霊的国土にして、現在の地球の如きものに非ずと知るべし。以下総て之に準ず)先づ味鋤の神をして紫天界に遣はし給ひぬ。紫天界は紫微宮界の中央に位し、至厳、至美、至粋、至純の透明国なり。先づ紫天界成り終へて、次に蒼天界形成され、次に紅天界、次に白天界、次に黄天界、次々にかたちづくられたり。本章に於ては先づ、紫微圏界に於ける其の第一位たる紫天界の修理固成につき其の大略を説き明すなり。
 ウの言霊の御稜威によりて天之道立の神は、其の神力を発揮し給ひ、日照男の神、夜守の神、玉守の神、戸隠の神の四柱をして昼と夜とを分ち守らせ給ひぬ。玉守の神は朝を守り、日照男の神は日中を守り、戸隠の神は夕を守り、夜守の神は夜を守り給ひて、天界の経綸を行ひ給ふ。併しながら紫微圏界にては、夜半と雖も我が地球の真昼よりも明るく、唯意志想念の上に於て夜の至るを感ずる程度のものなり。朝は朝の想念起り、昼は昼、夕は夕の意志想念に感ずる程度なり。我が地球の如く明暗さだかならざるも、霊的天界なるが故なり。
 天之道立の神は諸神を従へて、紫微圏界に於ける数千億万里の霊界を非常の速力をもつて経繞り、神業に活躍し給へり。至美、至明、至尊、至厳の霊国も、燃ゆる火の焔の末より出づる黒煙の如く、鈍濁の気凝り固まりて、美醜善悪の次第に区別を生じ、最初の神の意志の如く永久に至善、至美、至尊、至厳なる事、全体に於て能はざるに至れるも、霊的自然の結果にして、如何に造化の神徳と雖も、此の醜悪を絶滅する余地なかりしなり。
 総て宇宙一切のものには霊的にも、体的にも表裏あり、善悪美醜混じ交はりて、而して後に確乎不動の霊物は創造さるるものなり。神は至善至美至愛にましませども、年処を経るに従つて醜悪分子の湧出するは、恰も清水の長く一所に留まれば、次第に混濁して腐敗し、昆虫を発生するが如し。
 天之道立の神は、主の神の至善、至美、至愛の霊性を摂受し給ひて、紫天界を円満清朗に且つ幸福に諸神を安住せしめむと、昼夜守りの四神をして神事を取り行ひ給へど、惟神自然の真理は如何ともするに由なく、さしもの紫天界にも、彼方、此方の隅々に妖邪の気発生し、やうやく紫天界は擾乱の国土と化せむとせり。茲に天之道立の神は、此の形勢を深く憂慮し給ひて、天極紫微宮に朝夕を詣で、天の数歌を奏上し、かつ三十一文字をもつて、妖邪の気を剿滅せむと図り給ふぞ畏けれ。
 天之道立の神は黄金の肌麗しく、裸体にて神前に神嘉言を奏上し給ふ。(紫微圏界は最奥天界にして、此所に住する神々は総て裸体にましませり。然りと雖も身心共に清浄無垢にましませば、現在地球人の如く醜態を感ずることなく、裸体そのものが、却つて美しく、かつ荘厳に輝き給ふなり。依つて最奥天界、第一天界の神人はいづれも裸体に在す事は、今日迄の霊界物語に於て説明したる如し)
『掛巻も綾に畏きむらむらさきの、極微点輝き、美しき宮居にます主の大神の大御前に斎司、天之道立の神、謹み敬ひ畏み畏み願ぎまつる。抑この紫微圏界は、主の大神とます天之峯火夫の神、宇迦須美の神、天津日鉾の神三柱の広き深き雄々しき御稜威により、一二三の力もて𪫧怜に委曲に造り固め給ひけるを、日を重ね、月を閲し、年を経るままに御世はややややに濁り曇らひ、いとも美しく、厳かなるべき紫天界の至るところに心汚き神々の現れ来りて、主の大神の大御心に背きまつり、神国を乱しまつる事のいとも畏く、いみじくあれば、夜の守り、日の守りと四柱の神を四方にくまりて教へ諭し守りまつれど、あまりに広き国にしあれば、如何で全きを望み得む。さはあれ吾等は神の大宮に仕へまつる身にしあれば、天津誠の大道を𪫧怜に委曲に説き明し、もろもろの荒ぶる神達を言向け合はし、大御神の御稜威をかかぶりて紫天界は神の造らしし昔にかへり、曇りなく濁りなく、曲の気だに止めじと、祈る誠を聞し召し、吾に力を与へ給へ。惟神神の大前に一二三四五六七八九十百千万布留辺由良、布留辺由良由良と幣打ち振り、比礼打ち靡け、大御神楽を奏でつつ、左手に御鈴を打ちふり、右手に幣ふりかざし、七十五声の言霊を𪫧怜に委曲に宣りまつる。此有様を平けく安らけく聞し召し相諾ひ給へと、畏み畏みも願ぎまつる』
 斯く太祝詞を宣り給へば、紫微宮の紫金の扉はキーキー、ギーギーと御音清しく左右にあけ放たれ、茲にキの言霊は鳴り出で、次にギの言霊鳴り出でましぬ。是より四方の曲津を斬り払ひ、清め澄まし、天清く、神清く、道亦清く、百神の濁れる心は清まりて紫微天界は次第々々に妖邪の気消え失せにける。さりながら大前に神嘉言一日だも怠る時は再び妖邪の気湧き出でて世を曇らせ、諸神は荒び乱るるに至るこそ是非なけれ。
 茲に天之道立の神は、朝夕のわかちなく、神を祭り、言霊を宣り、妖邪の気を払はむとして払ひ、言葉の功のいやちこなることを悟り、初めて太祓ひの道を開き給ひしこそ畏けれ。再拝。
(昭和八・一〇・九 旧八・二〇 於天恩郷高天閣 加藤明子・森良仁謹録)
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