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文献名1霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
文献名2第3篇 葦原新国よみ(新仮名遣い)あしはらしんこく
文献名3第20章 静波の音〔1976〕よみ(新仮名遣い)せはのおと
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ朝香比女の神、葦原比女の神一行は、常磐の海辺の森に一夜を明かすのに、おのおの心が時めいて眠れず、広大な森をあちこち逍遥しながら、歌などを詠みふけって明け方を待った。空の月は晧々とさえわたり、木立のまばらな清庭に白金の光を投げている。春の夜の風はおもむろに梢を吹き、平和の光景は天地にみなぎっていた。時々、海吹く風にあおられて、磯辺に寄せる潮騒の音が静かに聞こえるのみであった。葦原比女の神は、この光景に新しい国の門出の平和を見取り、述懐と希望の歌を歌った。朝香比女の神は、葦原比女との明日の別れに思いを馳せ、また西方の国土を巡る顕津男の神を思い、葦原の国の将来の希望を歌った。それぞれの従者神たちも、おのおの述懐の歌を歌つつ、常磐の森の一夜は明け放れ、東の空を明かしつつ新しい太陽は静かに昇ったのであった。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年12月23日(旧11月7日) 口述場所大阪分院蒼雲閣 筆録者林弥生 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年5月5日 愛善世界社版 八幡書店版第14輯 126頁 修補版 校定版368頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7820
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本文  朝香比女の神一行をはじめ、見送りまつりし葦原比女の神の主従は、漸くにして其日の黄昏るる頃、常磐の海辺に近き松と楠との天を封じてそそりたつ常磐の森に着かせ給ひ、一夜を此処に明かさせ給ひつつ、いづれの神々も心の時めきに眠り給はず、広大なる森を彼方此方と逍遥しつつ、御歌など詠みふけりて、明方を待たせ給ひける。
 御空の月は皎々として冴え渡り、彼方此方の樹立まばらなる清庭に、白金の光を投げさせ給ひ、春の夜の風はおもむろに梢を吹き、実に平和の光景は天地に漲り渡れり。時々に海吹く風に煽られて、磯辺によする潮騒の音静かに聞ゆるのみなりき。
 葦原比女の神は、常磐の森に冴え渡る月影を打ち仰ぎながら、心静かに御歌詠ませ給ふ。

『新しき国土の徴と大空に
  白金の月冴え渡るかも

 御光の神をはろばろ送り来て
  常磐の森の月に親しむ

 仰ぎ見れば楠の梢はそよ風に
  御空の月の面を撫でつつ

 春の夜の長閑けき空の月見れば
  わが魂線もうるほひにけり

 潮騒の音聞ゆれど春の夜の
  海吹く風は静かなるかも

 天津空封じて茂る楠の
  森の樹蔭に月を見るかな

 こんもりと永久に茂れる楠の
  森に夜鷹の啼く音冴えつつ

 梟は楠の梢に翼休め
  月の清さに啼き渡るなり

 常磐樹のかげまばらなる砂の上に
  かがよふ月の光は白しも

 海原を遠行く公を送り来つ
  常磐の森に黄昏れにけり

 天津日の昇らす暁待ち待ちて
  浜辺に吾は公を送らむ

 御空ゆくさやけき月の光の如
  晴れ渡るらむ葦原の国土は

 久方の高地秀山ゆ天降りましし
  光の神の別れ惜しまる

 二十年の醜の艱みを払ひましし
  公は暁かけて立たすも』

 朝香比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『天津神国津神等に送られて
  月照る森に着きにけらしな

 春の日の短き夜半を此森に
  月に照らされ休らふ清しさ

 葦原比女神の守らす食国を
  明日は立たなむ神のまにまに

 わが行かば又もや醜の曲津見は
  窺ひ来らむ心し給はれ

 曲津見の猛びいよいよ強ければ
  燧石の真火に払はせ給へよ

 こんもりと茂れる楠の梢深く
  潜みて鳴ける百鳥清しも

 白々と庭の真砂も光るなり
  この新国土も月の守りに

 明日されば万里の海原の浪分けて
  ひたに進まむ西方の国土へ

 西方の国土をめぐらす顕津男の
  神の御前に侍らふ嬉しさ

 鋭敏鳴出の神の守りに数々の
  功を建てて国土生みしはや

 葦原の国土の果てなるこの浜辺を
  明日は離れむ磐楠舟にて

 葦原の国土に仕ふる天津神も
  国津神々もまめやかにませよ』

 野槌比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『大空の月の光のさやかなれば
  茂らふ楠の樹蔭は暗しも

 御光の神を送りて吾は今
  常磐の森の月を仰ぐも

 果しなき御空を渡る月舟の
  清きは公の心なるかも

 海原を隈なく照らして冴え渡る
  月にもまして光らす神はも

 朝香比女神のまします夜の森は
  真昼の如く輝きて居り

 千早振る神世もきかぬ目出度さに
  あひにけらしな国津神吾は

 春の夜の風軟かき森蔭に
  暁を待つ心は淋しも

 明日されば帰らす公と思ふが故に
  この淋しさをわが抱くなり

 黄昏の森にも百鳥千鳥なきて
  明日の御行を惜しむがに聞ゆ』

 初頭比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『葦原の国土の広野をわたり終へて
  海原進む時は近めり

 大空に輝く月の光見つつ
  思ふは瑞の御霊なりけり

 潮騒の音も静かにひびきけり
  海吹く風も穏かにして

 この森はわが目路遠くひらかれて
  海吹く風を永久に防ぐも

 御空ゆく月も暫しはこの森に
  蹄を止めて休らひ給はむ

 はろばろと光の神に従ひて
  日々面白き神業見しかな

 新しき国土の生れし喜びを
  千代に伝へて寿ぎまつらむ』

 高比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『霧籠むる万里の海原渡らむと
  光の神は此処に着かせり

 潮騒の音も静かに響くなり
  空澄み渡る月の下びに

 夜もすがら月を讃めつつ磯に寄す
  波の音聞きつ暁待たむ

 百鳥の鳴きたつ声は夜半ながら
  森の梢の彼方此方に聞ゆる

 天も地も蘇りたる心地して
  常磐の森の月に親しむ』

 起立比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『御樋代の神の光に天地の
  雲霧晴れてかがよふ月光

 万里の海の霧も晴れなむ御光の
  神の出でます潮の八百路は

 この森の月に一夜を明しつつ
  笑み栄え行かむ万里の海路を

 暖かく夜半吹く風にわが袖は
  蝶々の如翻るなり

 白梅の花のかたへに夜の森の
  水火清まりて匂ひ満ちたり

 葦原の国土は目出度しところどころに
  白梅の花の匂ひ出づれば』

 照比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『乱れ果てしグロスの国の雲霧を
  晴らして光の神はたたすか

 御光の神の御後に従ひて
  常磐の森に進み来つるも

 明日よりは御光の神のましまさずと
  思へば淋し天津神吾は

 八潮路の潮の八百路を乗り越えて
  光の神は明日たたすかも

 とどめまつる術さへもなき悲しさに
  真心の限り送り来つるも

 明日の日の悲しき別れ忍びつつ
  月見る吾眼も曇らひにける

 御空渡る月のさやけさ仰ぎつつ
  曇るわが目の涙熱きも』

 立世比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『神々の清き真言に照らされて
  思ひもかけず日を重ねける

 葦原の神国を明日は立ち出でて
  万里の海原霧分け進まむ

 新しき国土生みの旅を重ねます
  朝香の比女の神の功よ

 言霊の光り充ちぬるわが公の
  御供に仕へて潮路をゆかむ

 月読は常磐の森の空高く
  澄みきらひつつ吾等を照らせり

 百鳥も歓ぎ勇むか照る月の
  したびにうたひて眠らずゐるも』

 清比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『天津神の列に選まれ間もあらず
  光の公を送り来つるも

 力なき吾なりながら御樋代の
  神を送りて仕ふる畏さ

 天地を永久に包みし雲霧も
  隈なく晴れて国土の秀見ゆるも

 豊なる国土の秀見えて月も日も
  光の限りを光らせ給へり』

 天晴比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『天晴れし今日のよき日に御光の
  神に従ひ此処に来つるも

 こんもりと常磐の松や楠の
  茂れる森のかげに休らふ

 小夜更けて御空の月は傾きつ
  声騒がしき浜千鳥かな

 浜千鳥よび交はす声のたしたしに
  聞えて小夜は更け渡りぬる

 明日されば公に仕へて霧こむる
  海路をゆかむ吾ぞ楽しき』

 晴比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『公が行く明日の海原晴れよかし
  風も穏に御舟を守れ

 御舟は万里の海原すくすくと
  艱みもあらに進みますらむ

 有明の月は白けて東の
  御空に茜の雲は湧き立ちぬ

 鵲の声はさやかに朝明の
  御空の幸を寿ぎて鳴くも』

 漸くにして常磐の森の一夜はからりと明け放れ、東の御空を明かしつつ新しき太陽は晃々と下界を照し、静かに静かに昇らせ給ひける。
(昭和八・一二・二三 旧一一・七 於大阪分院蒼雲閣 林弥生謹録)
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