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文献名1王仁文庫
文献名2第3篇 瑞能神歌よみ(新仮名遣い)
文献名3いろは歌(其の一)よみ(新仮名遣い)
著者
概要
備考
タグそしもり(ソシモリ) データ凡例2017/9/15校正。 データ最終更新日2024-03-04 17:06:17
ページ9 目次メモ
OBC B115003c04
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本文の文字数10494
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本文 い鹿の郡綾部の本宮の、拾里四方は宮の内、下津岩根の珍の国、高天原と称えつつ、天に坐す神八百万、地に坐す神八百万、集りまして幽世と、現つの世をば知ろしめす、其神業を神議り、議り玉ひて常夜往、烏羽玉の世を照さむと、伊都の御魂と現れまして、天津日嗣の動ぎなく、目出度御代を松の世の、常磐堅磐の礎を、搗固めます霊の地を、知らずに暮す世の人の、心の空の仇曇り、晴るる由なき憐れさよ。
ろんどんのカラの都に預けたる、金山姫の御宝は、何時還り坐す術を無み、御姿さえも瑞穂国、豊葦原の中国の、力を削る曲津霊は、英米西大国西の、底の藻屑と鳴る神に、臍を奪られし姿なり。
はに安の彦の神言の現はれて、雲井に懸る群雲を、伊吹き放ちて春日なる、天津日蔭の隈も無く、輝き渡る日の本の、国の稜威は弥高く、鳴戸のの弥深き、神の恵の鳴り鳴りて、鳴りも合はさる仇波を、大原に加々呑て、世の大本の一筋の、誠の神の統べ玉ふ、国常立の神の代を、来さん為に三千歳の、道有る御代を松の大本神の出口の畏こけれ。
にし東南と北の荒に、艦充ち続け寄せ来る、醜の荒びの猛く共、御空に震ふ鳥船の、羽音は如何に高くとも、空より降らす迦具槌の、三ツの都を夜芸男、如何なる神の猛びにも、少しも怖ぢぬ日の本の国に幸ふ言霊の、ウとアの水火にカラ鳥の、胆を抜かれて落ち此方に、神の稜威の著じるく、頭を地に逆様に、神の御国に何時までも、仇波立たぬ松の代と、駿河の国の不二の山、気高き姿を其儘に、世界の上に聳ゆなり。
ほ日の命の現はれて、の内外の嫌ひなく、降らす血雨の河と成り、屍は積みて山を為す、カラクレナイの敷島の、赤き心は日本魂、火にさへ焼けぬ国魂の、光り輝く時となり、体主霊従の身魂を焼き尽し、水火の国の中津国、下津岩根に現はれし、厳の御魂の勲功の、天照る御代の楽もしさ。
へだて無き、神の恵みは弥高き、高天原に現れまして、乱れ果てたる現し世の、諸々の人草救はむと、誠の道をたてよこの、二柱神の勲功は、天之岩戸を開くなる、奇磐間戸の手力男、日本の人も外国人も、神の教に手撫槌や、足撫の道に迷ひたる、身魂を善きに導びきて、ミロクの神の守ります、常磐の松の神の世に、覆して統ぶる世の本の、国常立の神ぞ尊とき。
とつ国の醜の仇浪いや猛く、秋津島根に打寄せて、国の半分を洗ひ去り、浪花の土を汚しつつ、五十鈴川に襲ひ来て、清き宮川泥と為し、御国の魂を盗まむと、深き奸計は三重県、尾張半田に押寄せて、手配り為せる其刹那に、伊勢の神風吹起り、怒れる浪の物凄く、心の黒き黒船の、浮瀬に沈む神罰の、忽ち来ると白人の、国の末こそ憐れなりけれ。
ち早振神代ながらの神国の、千代も八千代も動ぎなき、天津日嗣の大君は、豊葦原の中津国、瑞穂の国の主師親と、現はれまして天の下、四方の国々隈もなく、言向平し御恵の、露の御玉に潤ひし、日本御国の民草は、我大君の知食す、大御神業にあななひて、内外の国を助く可き、神の依しの天職を、身も棚知らに弥広に、尽せ日本の神の子等。
りう球につづく台湾澎湖島、御国に遠きこの島に、心を配れ日本人、外国魂のここかしこ、国売る曲の多くして、主人の留守の間鍋たき、柱を崩すカミ斗り、ヤンキーモンキー騒ぐとも、降る雨リカを妨ぐ由なし。
ぬさ採りて和知の川辺に祈りつつ、この世の泥を滌がむと、明治の二十五年より、直なる針に餌も附けず、川王の鯉のツレ無くも、鮒や諸魚の屑のみぞ、神の恵の糸長く、釣下ろしたる一筋の、誠の瑞の魂が、かかり玉ひし益良夫の、釣り合ふ御魂男子女子、太公望の大望も、西伯文王に見出され、国を治めし古事の、今目の前り北の空、光り輝き渡るなる、神の大橋いや太く、掛けし祈りの尊とけれ。
るい卵の危ふき国と成り成りて、成り合はざりし異国の、国王は位を降されて、夏なほ寒き西伯利亜の、荒野の果に退らはれし、スラブ王家の憐れさは、聞くも涙の種なれど、我神国に刃向ひし、支那もスラブも天命の、免れぬ道と覚悟せよ。続いて三つ四つカラの国、神の御国に仇を為す、報いは今に火の車、乗りて奈落ヘ落ぶれの、悪魔の頭ぞ憐れなる。
をに大蛇狼よりも恐ろしき、異国魂の奸計は、口に蜜をば含み宛、尻に剣持つ蜂の如、大砲小砲の兵器を、残らず反古の紙と為し、尻の穴まで見済して、時待つ時の火車を、御国の空に轟かし、掠め取らんと曲津神、企みは実にも良けれども、日本の国は昔より、神の御幸ちの強き国、人は三分に減るとても、神の身魂は永遠に、続く常磐の神国ぞ、異国魂の世の末と、成り定まりし幽世の、神の経綸も白人の、世の終りこそ憐れなりけれ。
わた津見の神の宮居に鎮まりし、玉依姫の現はれて、綾の高天に上り坐し、御供の神も数多く、集い来まして斯度の、神世の経綸助けむと、金竜界の島々に、今は潜みて時津風、松の神代と成る迄は、水分の神志那津彦、巌の神や地震の、荒々しくも荒れの神、一度に開く竜神の、伊都の雄猛び弥猛く、天地四方の国々も、山河野の生物も、震ひ慄き地に附きて、眼も鼻も耳口も、何と詮方泣声も、轟き渡る皇神の、言葉の霊の限り無く、鳴り渡る時選まれし、日本心の身魂のみ、次の神代の御柱と、栄誉と共に残るなり。
かくり世も現つの世をも押並べて、天津御祖の大神の、依さし玉ひし其儘の、清き神代の御政に、曳き還さむと梓弓、巌も徹ほす敏心の、日本心の弥固き、矢竹心の畏くも、世をうしとらの皇神が、下津岩根に現はれて、乱れたる世を正さむと、月日さまねく一筋に、誠の道を証しつつ、勤しみ玉ふ惟神、神の出口の勇ましき。
よに出でし守護神等の鼻高く、雲井の空に蔓こりて、天津日蔭の御光りを、包みかくして葦原の、中津御国を曇らせつ、下国民の苦しみを、余所に眺めて吾れの身の、しがく斗りに日も足らず、月日を送る曲津日は、落ちて散り行く秋の野の、木の葉の果ぞ憐れにも、踏み付けおきし民草の、足に踏れて泥まぶれ、泥の世を固めたる、国の御祖の大神の、御袖に縋り歎くとも、神の審判の明けく、罪の隠るるスキも泣き、人の果こそ憐れなれ。
たよりなき、世の人々に便るより、神の御教にたよりなば、斯世の中に恐るべき、物は一つも荒魂、神の力に勇ましく、楽しく渡る和田の原、隔て遠き外国の、果しも知らに行くとても、天津日蔭の照る限り、安く守らせ玉ひつつ、恩頼の幸ひて、国の誉れと諸共に、遺る勲功千代八千代、万代迄も日本の、御魂を照らせ日本益良雄。
れん合の国の軍は強くとも、心は割れて四ツ五ツ、いつか勝負の果も無く、力は既にイングリス、艮に以太利て雨リカの、フランス跡に地固めの、望みもつきてカイゼルの、甲斐なき終り世の終り、金も兵糧も尽き果てて、互に臍を噛みながら、猶ほ懲りづまに向きを替ヘ、良き支那物を奪はんと、命限りに寄せ来る、其時こそは面白き、茲に仁義の神の国、豊葦原の足に掛け、蹴え放ららかし息の根を、絶ちて悪魔を絶滅し、世界一つに統べ守り、祭政一致の神政を、天地と共に楽しまむ。
そしもりの山に天降りし素盞嗚男の、神の命は恐こくも、綾の高天に昇りまし、国に仇為す鬼大蛇、天津醜女や曲津霊を、十握の劍抜き持ちて、切り立薙ぎ立て遠近の、山の尾毎に斬り靡け、河の瀬毎に追い払ひ、はらひ清めて四方の国、草の片葉に至る迄、救ひ助けて艮の、皇大神と諸共に、二度目の天の岩戸をば、開けて目出度午の春、天の斑駒逆剥ぎの、世の醜魂を遺ちも無く、退ひに退ひて草薙の、心の劒皇神に、供え奉りて瑞穂国、瑞の御魂の美はしき、勲功辰巳や午の年、未申なる皇神の、称へを酉の秋の空、錦織りなす紅葉の、赤き心の現はれて、鬼さえ戌の天の下、治まる御代は斯神の、亥にしへよりの勲功ぞと、青人草の仰ぐ世を、松と梅との花の大本。
つきも日も隠れて見えぬ叢雲の、中にも神の恵あり、人を奪り喰ふ鬼大蛇、地震雷鳴火の雨も、少しも怖ぢぬ正人は、男女の別ち無く、神の守りし人ぞかし。マサカの時の杖と為り、力と為るは信仰の、徳より外に何も無し。神の御子なる人の身は、神を誠の親と為し、心の限り身の限り、仕へ奉りて天地の、諸の猛びも心安く、凌ぎ凌ぎて松の代の、人の鏡と鳴神の、轟ろき渡る高き名を、千代に伝へて神国の、国の真柱搗き固め、勲功を立よ万代に。
ねの国に落行く霊魂を救はむと、厳の御魂の大御神、瑞の御魂と諸共に、綾の高天に現はれて、竜宮館の渡し場に、救世の船を浮べつつ、待たせ給へど烏羽玉の、暗に迷ヘる人草は、取り付島も荒塩の、塩の八百路の八塩路の、浪に漂よひ迷ひつつ、沖の彼方ヘ走せ行くを、救ひの船に掉さして、呼ベど叫ベど不知火の、浪のまにまに隠れつつ、の藻屑と鳴戸灘、危ふき渦に近寄りて、行衛も波の底の国、流れ行くこそ悲しけれ。
なに波津に咲くや兄の花冬籠り、今を春辺と咲匂ふ、我大神の言霊の、鳴り渡ります竜の春、御稜威もたかき大和路の、畝火の山に参上り、四方の国々見はるかし、蜻蛉の臀呫せるかもと、詔らせ給ひし神倭、磐余の君の斎きたる、最も畏こき橿原の、珍の御宮殿伏し拝み、皇御国の幸ひを、赤心籠めて祈りけり。
らうそくの我身焦して暗の夜を、照すは神の御心ぞ。神に仕へしともがらは、世の為人の為ならば、家をも身をも省みず、人の譏りも斑駒の、耳に東風吹く心地して、世人の為に尽さむと、朝な夕なに命毛の、筆採り坐して千早振、神の御教を説き給ふ、教御祖の勲功は、高天原と現はれて、四方の民草靡けつつ、神の出口の道開き、広き斯世の宝ぞと、天に坐す神地の神、歓こび勇み賞で玉ふ、錦の機の目出度けれ。
むかしより花に名高き吉野山、八幡の山の奥深く、ミロクの世まで隠されし、音姫どのの御宝の、在所尋ねて千代八千代、動かぬ御代の大本の、千歳の松の神の子が、鶴殿君に従ひて、未だ散り終へぬ八重桜、日本心の大丈夫が、高天原を立出て、折も吉野の上市に、一夜を明かし妹背山、吉野の川に隔つれど、誠心の隔てなき、浅野、豊本、牧、村野、梅田、秋岡、出口王仁、星田、多慶子や金谷の、清き身魂は吉野川、流れに添ひて上り行、十里の道も山吹の、一重の花に引かされて、神の教へのかしこくも、早柏原に着にけり。雲井の空の神人と、ひなに育ちし賤の男が、深山の奥に手を曳きて、峻しき山を辿りつつ、御国の為に赤心を、尽すも神の引き合せ、黄金の山の奥深き、神の経綸は白雲の、花の吉野の水清く、治まる御代の礎を、踏み固めたる千代の鶴、八千代の亀の末長く、開け行く世を楽しみに、松まの長き真鶴の首。
うしとらの神の御言を畏こみて、下津岩根の本宮の、神に仕ふる教子が、教御祖に従ひて、巳年五月の八ツの日に、息長姫の祭りたる、木村の里の庵我の宮、車軸を流す雨空を、厭ひ給はず出坐しの、御供の人は四百人、風も福知の町過ぎて、車の音も静々と、神の御前に着き給ひ、唱ふる祝詞の声清く、御国の為に皇神の、東の国ヘ神幸を、祈り給ひし赤心を、神も諾ひ玉ひけむ、三日を経たる夕空に、神の証しは丹頂の、鶴飛び来り高杉の、上に宿りて只三声、鳴き渡りつつ産土の、一宮神社の神の森、さして飛び行く吉瑞は、千代の栄えの松の代を、祝ぎ給ひたる惟神、神の稜威のいや高き、事の証明を水茎の、文字に写して皇神に、日々に仕ふる神職、田中の大人の送られし、御文は神の御宝と、世の大本に留めけり。
ゐすくわし神の光に照されて、曇り果たる村肝の、心の空も晴れ渡り、月日輝き幽世も、現つの世をも明らけく、覚り開きし神心、瑞の御魂と現はれて、御国を守る神と成り、斯世の母と成々て、恵を四方にたらちねの、心も熱田の神の宮、つるぎの稜威いやちこに、日本建と生れましぬ、是須佐之男の身魂なり。
のあの言霊なと反り、なおの言霊のと反る。のあとなおとの方舟の、真中に住みきるすの御霊、すめら御国のすがた也。のの言霊を調ぶれば、地に泥水充ち溢れ、渦巻廻る御霊なり。あの言霊を調ぶれば、天津御空に昇り行き、成り合まさぬ御霊なり。のあの御霊は泥水の、世界を浸し山を越え、賤しき身魂の雲の辺に、上りて天を汚すなり。さは去り乍ら世の人よ、昔の事と思ふなよ。のあの御霊の災は、今眼の当り現れにけり。なの言霊を調ぶれば、火水の結びの御魂にて、天津御空に二柱、鎮まり坐す姿也。おの言霊を調ぶれば、汚れし地を清めつつ、六合を治むる御霊なり。地より生れし埴安の、神の御霊もお声なり。五大州の中心に、皇御国の天皇の、四方の国々統べ給ふ。此の言霊を省みて、皇御国の天職を、覚りてなおの方舟の、さとしの舟に乗り移り、瑞の御魂に神習ひ、泥に漂ふ世の人を、なお霊に見なおし詔りなおす。神の大道に導きて、世人救ひてヒマラヤの、山より高く名を上げて、二度目の神代の種と成り、万代までも世の人の、救ひの神と鳴り渡る、言霊の道尊とけれ。
[#図 ノアとナオの方舟]
おちこちの寺の金仏、金道具、釣鐘までも鋳潰して、御国を守る陸の、軍の備へに充つる世は、今眼のあたり迫り来て、多具理に成ります金山の、彦の命の御代と化り、下国民の持物も、金気の物は金火鉢、西洋釘の折れまでも、御国を守る物の具と、造り代えても足らぬまで、迫り来るこそ歎てけれ。
くに挙り上は五十路の老人より、下は三五の若者が、男、女の別ち無く、坊主も耶蘇も囚人も、戦争の庭に立つ時の、巡りくるまの遠からず、遠津御神の造らしし、御国を守る兵ものと、日本心を振起し、伊都の雄猛び踏み健び、厳のころびを起しつつ、往かば水潜しかばね山往かば、草生す屍大君の、御為に死なむ徒らに、閑には死なじ一足も、顧みせじと弥進み、いや迫りつつ山の尾に、追伏せ散らし川の瀬に、追払ひつつ仇軍、服従え和して浦安の、御国を守れ秋津人、現津御神と大八洲、国知食す天皇の、高き恵みに酬へかし、日本島根の神の御子。
やすみしし吾大君の高光る、天津日嗣の日の御子の、聖の御代の明らけく、大く正しぎ大御代は、都もひなも押並べて、恵みの露の隈も無く、草の片葉に至るまで、高き稜威を仰ぐ世の、六年の秋の末つ頃、四尾の山の佐保姫も、錦の機を織りなして、四方の景色の麗かに、牡鹿妻呼ぶ時もあれ、御国の光り照妙の、綾の錦の山里に、御国の母とあを雲の、雲路遙に掻別けて、民の蚕飼の事業を、嘉し給ひて天降り坐す、大御恵を嬉しみて、遠き国より近きより、老も若きも押並ベて、御影を拝む国民の、道も狭きまで群集り、伊迎い奉る真心は、嬉し涙に紅の、赤きもみぢの柏手の、高き稜威を仰ぐなり。千早振神代も聞かず丹波路に、斯るためしもあら尊と、君の恵のあなかしこ、賢こき御代に生ひ出し、此上なき幸に大本の、神に仕ふる王仁が、御空を仰ぎ地に伏し、身の賤けきも打忘れ、心の限り身の限り、今日の行啓を祝ぎ奉る。
まが津霊の猛き荒びに奥山の、紅葉の色も光り浅せ、鳴く鹿の声悲しくて、錦織り成す佐保姫の、頭も真白に成相の、山に連なる大江山、鬼の鼻より吹降ろす、冷たき風に遠近の、木々の稍も皆散りて、行衛も知らず真木の葉の、東の空に舞ひ狂ひ、狂ひ還りて四ツ尾の、山に黒雲天を蔽ひ、世の大本を見下せど、古き神代の昔より、隠れ坐したる艮の、神の稜威に退はれて、あと白雲となりにけり。
けがれたる斯世の中を如何にせむ、誠の神の御教へを、家をも身をも打忘れ、朝な夕なに一筋に、心を尽し身を尽し、筑紫の果も東路も、至らぬ隈も無き迄に、教へ諭せど食う物と、衣るより外に心無き、心卑しきけだものの、角振つ立て反対に、力限りに攻め来り、救ひの綱も切れ切れに、何と詮方なく斗りなり。
ふる里に老ひたる母を振り残し、御国に尽す益良夫の、心の空は五月暗、暗き斯世を照さむと、千々に思ひを砕きつつ、二十年余りて惟神、神の御教を伝へつつ、治まる御代を待乳山、山郭公血も涸れて、呼ぶ声さへも暗の夜の、人の心の鞍馬山、深山に猛き狼の、古巣を潜り蛇むかで、蜂の室屋に幾度か、投げ入れられて猶も又、針の蓆に居りつつ、袖は涙の三瀬川、渡りあぐみし丸木橋、生命を掛けて渡会の、宮に坐ます皇神の、稜威に開けし大本は、斯世の中の大橋と、遠き近きの別ち無く、問ひ来る迄に進みしは、清き和泉の住の江の、神に仕へし生神の、小松林の勲功なり。
こきうすき色は変れど紅葉の、聞えも高き高尾山、峰の木の間に照妙の、綾と錦を織り成して、世人の為に歌はれし、其装ひも夢の間に、寒き木枯し吹き荒び、元の姿もあらし山、嵐の跡の淋しさは、この世の遷り変り行く、神の誠の黙示なり。省み覚れ浮世人、世の行末も眼のあたり、花咲く春の来る迄、神の恵みに冬小森、心を尽し身を尽し、常磐の春の長閑なる、御代松ごころ持てよ世の人。
えらまれし人のみ住める神の世は、戦ひも無く暗も無く、苦しみ迷ふ人も無く、饑え凍えたる人も無き、天明けく地豊に、見る人毎に神心、曲津の潜む蔭も無し。齢も長く病無く、眼涼しく顔清く、現世幽界隔て無く、澄み渡りたる世の中に、残る身魂の楽しけれ。
てる妙の綾部の里の鬼村は、人が倒けよが斃れうが、我れさえ良けりや宵の口、酒呑童子のさかさまに、神の教も聞かばこそ、弱いと見れば人呑みに、因縁付けて酒買はし、貧しき家をば呑み潰す、鬼と大蛇の極悪の、本宮村ぞ憐れなる。
あらたうと神の御教の深くして、計り知られぬ味ひは、この世開けし初めより、今に至りて変り無く、千々に心を砕きつつ、青人草を愛くしみ、陰に陽に守らいて、罪に穢れし空蝉の、からの身魂を救ひ上げ、神代乍らの霊主肉従の、神の御国を立よこの、二柱神が現はれて、二度目の天の岩戸をば、開く日本の梅の花、四方に薫りて鶯の、谷の戸開けて初春の、鳴く音に優るあはれさを、只白雪の世の人の、解けぬ霊魂を眼のあたり、眺めて忍び玉の井の、底ひも知らぬ皇神の、深き御心汲み取りて、清まり澄むを松の代の、楽しき時ぞ待ち玉ふ、いづの御魂の畏こけれ。
さか孔子も悟り得ざりし真理を、覚す高天の大本に、参来集ひて類無き、神の御教を聞人の、身の幸こそは芽出度けれ。曲津の猛き世の中に、心平らに安らかに、勇みて暮す信徒の、心の奥は真寸鏡、光り輝き天地に、貫き徹す赤心の、苔の花の開く世は、千年の松の末長く、朽ぬ宝は万代に、生き死生れ死に生れ、限り無き身も魂線も、栄え栄えて皇神の、恩頼を蒙りて、誠の栄えと歓は、月日と共に続くなり。
きみの為御国の為に身を忘れ、家をも捨て尽す身は、俸給も位階も何も無く、世人の足に踏れつつ、臣たる道に勤みて、心の限り身の限り、筑紫の端も東路も、南も北も厭ひ無く、神の教を敷島の、底津岩根に搗固め、上津岩根に突凝し、千代万世の礎を、科戸の風の福知山、一宮神社の氏の子の、桐村氏の珍の娘と、生れ給ひし我開祖、綾部神宮の坪の内、神の出口の家に嫁り、世の艮に隠身し、国常立の大神に、久しき間撓み無く、仕へ給ひし勲功の、花咲き実る御代と成り、世人の為に竭さるる、教御祖ぞ畏こけれ。
ゆみ張の月の光はやましろの、鞍馬の山に輝やけど、教御祖の御心は、乱れたる世を治めんと、千々の思に村肝の、心の空も懸曇り、木の間の星の遠近と、深山の奥に杖を曳き、岩窟の中に差籠り、斯世を乱す鼻高を、言向和し治めんと、柴の褥に雲の笠、石の枕も厭ひ無く、四人の伴を引連て、善言美詞の神嘉言、心を籠て宣給ふ、其勲功に八衢の、醜の曲霊も服従ひて、十五の月の有明に、鞍馬の山を立出て、綾の高天へ復命、申し奉りし大僧正、数多の下神引き連て、本宮山に鎮りつ、神の御国に尽さむと、誓ひを立し高神の、言葉を栞に帰り坐し、百と十日の其間、一間を閉ぢて入り給ひ、世の神々に神言を、宣らせ給ひし畏こさよ。
めしま男島の荒原を、神の御言を畏こみて、明治は三十三年の、六月八日の未明、上田潮出口寿美、四方平蔵木下の、慶太郎四人を引連て、雨風強く浪猛き、底さへ知れぬ原を、小さき舟に身を任せ、勇み進んで出給ふ、教御祖の雄々しさに、波路半ばを渡る頃、の御神も驚きて、御空を晴し風を和ぎ、波を静めて心安く、送り給ひし尊とさよ。神代の遠き昔より、竜宮島と聞えたる、大原の無人島、波打寄る磯の辺に、小舟を繋ぎ静々と、上り給へば百鳥の、声を限りに鳴叶び、迎え奉りし時も在れ、若狭のの波の上に、漂ひ上る天津日の、御蔭も最と麗かに、日の出の神の御姿を、天地四方に光しつつ、神の出口の出修を、諾ひ給ふ心地して、神の御告の業も了へ、翌る十日の夕暮に、月を頭に星を踏み、世継王の山の麓なる、大本指して帰り坐す、出口御祖の勇ましさ。
みづ清き金竜の島々は、日出る国の雛形と、祝ひ定めて築きたり。日出る国の日の本は、全く世界の雛形ぞ。神倭磐余の君が大和なる、火々真の岡に登り坐。蜻蛉の臀甞せる国と、詔せ給ふも理や。我九州は亜弗利加に、北道は北米に、台湾島は南米に、四国の島は濠州に、我本州は広くして、欧亜大陸其儘の、地形を止むるも千早振、神代の古き昔より、深き神誓の在すなり。豊葦原の中津国、秋津根別の神国は、世界を統ぶる天職を、神代乍らに具へたる、珍の御国ぞ美し国、国の真秀良場畳並る、青垣山に囲まれし、綾の錦の本宮に、斯世を統ぶる皇神の、御稜威も高く四方の国、輝き渡る兄の花の、咲耶この時言霊の、照るや斯時畏こくも、皇大神の御教を、顕はし奉れ大本の、下津岩根に集まれる、心優しき神の御子。
しき島の大和島根の礎と、神の選みし益良夫の、清き身魂と駿河なる、不二の御山に宮柱、太知立て鎮りし、木花咲哉姫神の、御言の随に丹波路に、天駆り来し芙蓉坊、瑞の御魂の神代を、明治は三十一年の、雪まだ残る如月の、十日の夜半に奥深き、高熊山に連れ行て、神の御詔を宣べ伝へ、神の柱と経緯の、錦の機を織らさむと、心づくしの兄の神の、教の甲斐や有明の、月を合図に穴太なる、宮の傍の宮垣内、賤が伏屋に帰り行く、神の経綸の奇びなれ。
ゑらまれし神の柱の甲斐も無し、早二十年を過ぬれと、神の依しの神業の、万の中の一つさへ、為し遂げ得ざる苦しさに、千々に砕くる村肝の、心の空は五月暗、袖に涙の晴間なく、御国に尽す赤心を、雲井に告よ時鳥、玉の御声を待乳山、姿隠して泣き渡るなり。
ひさ方の天津御空に照る月は、昔も今も変らねど、変り果たる現世の、人の心を悲しみて、夜は寝もやらず只一人、加茂の川辺に彷徨つ、月に誓ひを掛巻も、恐き神の御国をば、元の神代に還さんと、乙女心の一筋に、思ひ浮ベて行水の、流れに沈む月影は、波に砕けて果敢なくも、年も十五の朝野子が、御国を思ふ赤心の、行る瀬無きこそ憐れなり。
もとと末内外の法を過たず、御国の為に身を忘れ、家を忘れて惟神、神の大道を辿りつつ、審神者の道に勤しみて、諸々の身魂を夫れ夫れに、立別け調べ神国の、柱を造る益良雄の、道の審神者は経と緯、相並ばして葦原の、醜の仇草薙払ひ、祓ひ清めて国造り、吾大君に奉る、厳の御魂の神勅を、謹み恐み弥遠に、弥広らかに伝へ行く、心は清き和知川の、瑞の御魂と現はれて、世人を救ふ神柱の、誉れは世々に流る也。
せまり来る国の乱れを治めむと、御国を思ふ大丈夫が、活動く時機を松の世の、国の鎮めと木花の、咲耶の姫の活動は、千代に八千代に動きなき、深き経綸を駿河湾、富士より高き久方の、天津御祖の日の御子の、御稜威を四方に輝かし、神の御徳を刈碁母の、乱れ果たる武蔵野に、布て迷へる百姓を、彼方の岸に渡さむと、一つ心に大元の、教に尽す赤心は、天の児屋根や太玉の、神の御魂の御幸なり。長田に植えし種物は、大宜都姫の御幸はひ、世人の生命弥長に、守らせ給ふ豊受の、深き恵は伊勢の、山田の宮の奥深き、神の経綸の一柱、五伴緒の厳御魂、瑞能御魂の清くして、雲井に上る十四夜の、月も隈無く照り渡り、曙の烏の勇ましく、天津御空に日の神の、輝き渡り日の御子の、鎮り坐す高御座、千代に八千代に限り無く、射照徹らす天の下、四方の国々平らけく、治る御代の豊栄の、瑞穂の国ぞ尊とけれ。
すみきりし国常立の大神の、神勅畏こみ謹しみて、明治の廿五年より、一つ心に仕へたる、教御祖の神教に、服ろひ尽す真人が、幽より顕に懸巻も、恐こき神の造らしし、御国の汚清めむと、二十年余りて言霊の、学びに心砕きつつ、息艮放両火脹与血濁緯濁縦、輪搦与玉濁水火続根凝濁水渦巻、浮水火清水起降文向差別吹凝胞衣発、空水割別和回月始搦回日諸瀬洲、京の都の九重の、花咲く春を松の代に、四十余八文字の生御魂、揃へて四方の国々を、ミロクの御代に進めむと、尽す日本の雄心は、一つに成て金竜の、生島々の神社、中にも別けて大八洲、天の岩戸の頂きに、真木の柱の弥高く、梅の薫り芳ばしく、小松林の弥繁く、秋の紅葉の錦織り、澄渡りたる十四夜の、月に心を照しつつ、神霊鎮座の大祭典、秋の田の面に稔りたる、千五百の秋の八束穂や、山河野種々の、御饌献り一向に、今日の生日を祝ひつつ、八雲の琴の音も清く、天に座神国つ神、千五百万の神等も、集まり坐して賑敷、御祭り終へし勲功は、世の大本に信従し、清き身魂の撓み無く、道に尽せし報ひぞと、代々に伝へて芳ばしく、咲哉木の花春の空、時代の栄へも弥広く、誉も竜の宮の棟、十曜の紋のキラキラと、月日に照りて照妙の、綾部に錦飾る世を、松間の長き鶴の首、亀の齢の万世の、固めの基と素盞嗚の、須賀の新宮八雲立、出雲八重垣妻ごみに、八重垣造る八重垣を、瑞穂の国の中国の、天皇の大稜威、四方に轟く八雲琴、其音も清く澄渡り、天地四方に響きけり。
京浪花東京駿河大和路に、神の柱を配置て、二度目の天の岩屋戸を、開く常磐の松の代の、国常立之皇神は、古き神代の初発より、隠身坐して幽世と、現つの国の身魂をば、最と詳細に取調ベ、天津御祖の大神に、奏し給ひて畏こくも、ミロクの神代に造らむと、思は胸に三千年の、溢れて茲に神柱、出口開祖の身体に、鎮り坐て万世の、国の固めの神勅を、或は口に或は手に、写して世人導きつ、曲の集へる大江山、鬼も大蛇も言向けて、三段に分てる身魂をば、目鼻を附けて安らけき、常磐の御代を待乳山、鳴く郭公血も涸て、叫び給ふぞ尊とけれ。
(大正六年十一月三日)
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