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文献名1出口王仁三郎著作集 第1巻 神と人間
文献名2大本略義よみ(新仮名遣い)
文献名3理想の標準よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ天之神界(天の神界) データ凡例 データ最終更新日2022-04-15 02:41:19
ページ230 目次メモ
OBC B195301c45
本文のヒット件数全 1 件/国常立尊=1
本文の文字数3538
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本文 理想の標準

 天津神、換言すれば天体を機関として活動さるる「幽之顕」神の働きは、細別すれば千万無数に上るが、宇宙造化の根源に於て確立されたる陰陽の二系の法則は、爰にも厳守される。天地が初めて剖判した時には、宇宙間は、只一個の天に対して只一個の大地を包含するのみである。そして天は陽にして首位を占め、地は陰にして従位を占める。更に此大地は、無数の天体に分裂するが、要するに、これも火系(陽)に属するか、水系(陰)に属するか、決して此二つを出ない。宇宙内部に羅列する無数の天体中で、最も顕著に火系を代表するものは太陽であり、水系を代表するものは太陰である。「大本霊学」は、この天、火、水、地の四大を基礎とし、霊魂の研究も常に出発点を爰に求める。
 霊魂の働きは、之を四分類し得る。即ち奇魂、荒魂、和魂、幸魂の四魂である。宇内の経綸は、体から云えば天、火、水、地の四大配置に係るが、用から云えば、奇魂、荒魂、和魂、幸魂の活用に外ならぬ。霊の霊というべきは奇魂の働きで、天に配し、霊の体というべきは荒魂の働きで、火に配し、体の霊と云うべきは和魂の働きで、水に配し、体の体というべきは幸魂の働きで、地に配する。四大と四魂とは、結局、宇宙内部の経綸を、物質と精神との二方面から観察したものに外ならない。
 天を代表するものは奇魂であるが、これは和魂が其活動の中枢を代表するということで、無論その中には、他の三魂も具備されて居る。割合から云えば、和魂四分五厘、奇魂二分五厘、荒魂、幸魂各々一分五厘位の見当である。他の火、水、地等に於ても同様である。即ち天の中に四魂を配し、火にも水にも地にも、各々四魂を配すれば、十六種の配合を得。更に其十六種の各魂に、復た四魂を配すれば、六十四種となり、更に之を繰り返せば二百六十種となり、更に幾度も之を重ぬれば、六万五千五百三十六種ともなる。霊魂の活用は、斯くの如く複雑で且つ微妙であるから、推理分析等にたよって見ても、容易に其根底まで究め得ない。例えば天体から放射する光線や温熱にも、必らず神意の発動があるに相違ないが、現在の科学の程度では、殆んど之を捕うるに由なしである。古来行われた星卜術などは、幾分此間の機微を覗ったものに相違ないが、茫洋不正確の憾があったので、うちしか社会から葬り去られて了った。我が大本霊学には、之を研究すべき二大分科がある。一は言霊学で一は『神諭』である。前者は霊魂の種類、性質を声音から推究するもの、後者は霊魂の働きを、玉の緒即ち魂線と観て詮鑿するもので、共に神聖無比の根本であるのだが、長年月に亘りて二者共に埋没して居た。幸いなる哉、今や是等の二大分科は、神啓により大本教主の手で漸次、復活大成の緒に就きつつある。一(ママ)言霊学は、志ある者の是非とも研鑚を必要とする学科であるが、これも学問と称するのは勿体ない性質のもので、誠心誠意の人、霊智霊覚の優れたる人にして、初めて其堂奥に達し得るものである。
 抑も「声」というは、「心の柄」の義で、心の発作の表現したものである。心と声との関係の、至妙で密接不離の関係を有する事は、吾々が日常経験することでよく判る。喜怒哀楽の変化も、甲と乙との心の相違も、常に声音に現われる。無機物でも、松籟と竹籟とは違い、金声と銀声とは違い、三絃と太鼓とは又違う。声音即ち精神、言霊即ち神霊と見て、決して差支がない所以である。されば天之神界の神々の御出生ということは、つまりは宇宙の言霊の大成ということになる。『古事記』三巻、其解釈法は高低深浅種々に分れて、十有二種にも達するが、最も高遠なる解釈法は、一部の言霊学書としての解釈である。伊邪那岐、伊邪那美二神が島を生み、山川草木風雨等の神々を生むということも、そはただ表面の辞義であって、内実は五大母音の発生から、五十正音の発達を説き、更に語典、語則の網要を説明して居るので、言わば一部の言霊学教科書なのである。
 言霊学より岐美二神の働きを解すれば、伊邪那美の命は鳴り鳴りて鳴り合わざる声、即ち「ア」声である。又伊邪那岐の命は鳴り鳴りて鳴り余れる声、即「ウ」声である。岐美二神は、各々「ア」「ウ」の二声を分け持ちて、一切の声を生み出し玉うので、苟くも音韻学上の知識ある人は、一切の声音が此の二声を基本とすることは熟知する所である。二大基礎音が一たび増加して五大母音となり、二たび増加して五十正音となり、三たび増加して七十五音声となり、四たび増加して無量無辺の音声となり、同時に森羅万象一切は成立する。神即ち声音、声音即ち万有、到底是等を別々に引離して考えることは出来ぬ。声音の円満清朗なるは、取りも直さず霊魂の優秀高潔ということで、一方が存在すれば必ず他方が伴うことは、形の影と離るることが出来ぬと同様である。世界の国民中、五十正音の発音者は日本人、蒙古人、殊に中央部の日本人に限る。之に反して、不純音、混合音たる鼻音、濁音、抑音、促音等の発音者は、支那但し(ママ)は欧米人である。
 無量無辺の声音の変化は、窮極する所を知らないが、之を還源すれば、只一音の「ス」に帰一する。天之御中主神が万有を捲き収めて帰一せる絶対一元の静的状態が、即ち「ス」である。宇宙根源の「ス」は、現に差別界に生息する人間では経験する事は出来ぬが、小規模の「ス」は間断なく経験し得る。万籟声を潜め、天地間、寂たる境地は、即ち「ス」である。安眠静臥、若くは黙座鎮魂の状態も、同じく「ス」である。「ス」は即ち絶対であり、中和であり、統一であり、又潜勢力である。有にあらず、又無にもあらず、有無を超越したる一切の極元である。統べる、皇、住む、澄む、済む等の「ス」は、悉く同一根源から出発した言霊の活用である。
 既に宇宙の間に八百万の神々が顕現された以上は、是非とも宇宙の大元霊天之御中主神の極仁、極徳、極智、極真、極威、極神霊を代表して、之を統一主宰する一神がなければならぬ。換言すれば、「ス」の言霊の表現神がなければならぬ。神典『古事記』には明瞭にこの間の神秘を漏して居る。三貴神の御出生の物語が、即ちそれである。伊邪那岐命の左の御目から御出生になられたのが、天照大御神である。左は即ち「火垂」で、霊系を代表される。右の御目から御出生になられたのが月読命である。右は即ち「水極」で、体系を代表される。御鼻を洗われる時に御出生になられたのが、建速須佐之男命である。鼻は即ち顔の正中に位し、気息の根を司り、左右の鼻孔は、霊体二系の何れをも具えて居る。即ち統治の位地にある。尚お『古事記』は、例の神話的筆法で、三神の御分担御職責を一層確定的に描いて居る。天照大御神の知しめさるる所は高天原であるが、大本言霊学で解釈すれば、高天原は全大宇宙である。天之神界の統治権の所在はこれで明白である。月読命の知しめさるる所は、夜の食国であるが、夜は即ち昼の従である。何所までも天照大御神を扶けて宇宙の経綸に当らねばならぬ御天職である。次に須佐之男命の知しめさるる所は海原である。海原とは大地である。即ち須佐之男命は宇宙の中心に位し、陽と陰との天上の二神の御加護によりて、統治の大責任を果されねばならぬ御職責であるのだが、屡々述ぶるが如く、従来は宇宙内部の未完成時代であるので、天之神界も尚真の理想世界たる能わず、地の神界の惑乱混濁は、更に一層劇甚を極め、妖気邪気濛々、闇黒時代を形成して居る。これが全部一掃せられて完全円満なる理想時代となるのは、近く開かるべき、第二の天之岩戸開きの暁である。
 之を以て見ても、岩戸開と云う事が、いかに広大無辺な徹底的の大維新であるかが判るであろう。顕幽両界に跨り、天上地上一切に亘りての大維新である。人間の努力のみで到底出来る仕事ではない。神人一致の大活動、大努力に待たねばならぬ。従来、人間も理想世界を将来せん為めには、随分出来る限りの努力をした。宗教的又は倫理的教育の伸長、医術の改良、技術の向上、法律規約若くは各種の条約の設定、博愛慈善事業の推奨等、数え来れば無数に上る。殊に現在、巴里に於ては、所謂世界の名士が人為的に世界を改造せんとして、半歳以上も苦心焦慮して居るが、其結果は何うかといえば、要するに失敗の歴史に一新例を加えたに過ぎぬ。宇宙の内部は、神も人も天も地も、首尾連関、同一原則で支配されて居る一大機関である事を忘れ、人間界で単独に処分解決せんとするのだから駄目だ。一般世人が、一時も早く三千年来の迷夢を醒し、明治二十五年以来、全大宇宙革正の衝に当られて居る国祖国常立尊の前に頭を下げ、神政維新の大神業の完成に従事さるる事を切望する次第である。
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