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文献名1宣伝使の心得
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3時代を順応指導せよよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ138 目次メモ
OBC B195600c28
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本文の文字数1861
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本文 昭和六年十一月二十五日
 いずれの宗教に於ても布教師とか宣教師とか或は教師とか云うて居りますが、大本が初めて宣伝使とこれを唱えたのであります。霊界に於てはすべてエンゼルととなえられまた宣伝使といわれて居る。それを地上に写して宣伝使と名をつけたのであります。
 宗教家は時代を指導して行かねばならない。時代を指導する底の権威がなければ神の道を説くことは出来ない。よく今まで政治家が順応ということを言って居たが、順応とは世の中に順じ応ずるというのであるからこれはやはり後端を行くのであります。大本は順応指導するのであります。世の中の形勢を考えて、それに対して指導して行くのであります。
 この大本ということは一切の大本ということであって「世の大本」と筆先に出て居ります。「世」ということは世の中の一切のあらゆることをつづめて居る言葉であります。故に政治にしても、教育にしても、宗教にしても、芸術にしても、その他天文、地文一切のこと、その他現代の学者が何程気張って鯱鉾立ちになってもわからんことを大本は簡単な言葉で知らして居ります。それで宣伝使は政治家の考えも無ければならず、また宗教家の考えも必要である。教育家の考えも必要である。芸術家の考えも必要であります。
 大本は神様の命令により、時代に順応して指導する使命を受けて居るのであります。それで時によれば、神教を伝達すること、宗教を宣布することが主になったり、その他いろいろと変って来るということはよく考えて貰わねばならぬ。故に宣伝使たる人は信者の手引きをする人達でありますが、やはり政治方面の方へも注意を払って貰いたい。また芸術の方面、教育の方面、一切の方面へ注意を払って、何でも一切、浅くとも広くこれを知って居らねばだんだんむつかしくなって勤まらぬようになって来ます。今までの初まりの大本の時代であれば、ただ神様をお祭りし教理のみを説いて居れば良かったけれども、今日はそういうわけにはゆかない。我々のやって居ることは世間から見たら一寸もつかまえどころがない、つまり碁盤の上で捨石を打って居るようなものである。この石はどうなってどうきくかということは誰にもわからない。人にわかったらこちらが負けるのでありますから。とも角大本の教を十分に研究して貰って、その中には表面上書いてなくても、政治のこともある、教育のこともある、或は芸術のこともある。神様の方面のみならず、すべて一切が神の仕事でありまして、完全なミロクの世を実現させるには一切の物が必要である。また今日の進歩した科学も必要である。これは神様が世界を一つにするために、通信なり新聞なり交通機関なりも出来たのであって三千年苦労なされたが、時節が到来して今日の物質文明の世が出来たのであります。
 教祖が明治二十五年に「三千世界一度に開く梅の花、艮の金神の世になりたぞよ。須弥仙山に腰を掛け鬼門の金神守るぞよ」こう言われた言葉は、今日の物質文明の大本の精神文明との準備がととのうたということになって居るのであります。「三千世界一度に開く」というのは縦ばかりではない。縦から横から全部一切、地にある物、天にある物一切を指してそれが一度に開くというのである。今までに蘊蓄してあったすべての経綸がまず形の上から現われて来るのであります。大本がこれだけ神様のお道を伝えるのに便宜を得たのも物質文明のお蔭である。これがなければ台湾や北道、外諸国などへは一代かかっても行けるか行けないかわからぬ。けれどもこうして、千里もへだたった人と一堂に会することが出来るのは物質文明の賜である、昔のようであったならば、何程神様が三千世界を統一すると言われても百年河清を待つよりむつかしい。今日のアメリカの出来事を今日聞けるようになったのも高皇産霊系統の神の活動であります。また神皇産霊系統の活動は、これは女性的の活動でありますから、はっきり表には現われて居りませんが、やはり並行して現われて居る。思想の洪水氾濫するのも神の道が発展した証拠であります。一方には思想の洪水があって国を危うする者がないと、真剣に国を護る者が出ない。皆神の方から見ればすべてが経綸ならざるはないのであって、一瀉千里の勢いで進展して居るのであります。それで宣伝使の方は大本にとっては一番大事な人でありますから、よく此の考えを持って貰って、必要の時に停車場へ行って、汽車に乗り遅れてはいかぬと云うような考えで、時間に遅れないようにめいめいに注意を払っていただきたいのであります。
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