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文献名1霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻
文献名2第4篇 常世の国よみ(新仮名遣い)とこよのくに
文献名3第23章 竜世姫の奇智〔73〕よみ(新仮名遣い)たつよひめのきち
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-01 15:27:00
あらすじ小島別・竹島彦らが言霊別命の輿をかついで不満そうに行く姿を、竜世姫は道中からかって進んだ。言霊別命自身も、輿の中から小島別・竹島彦をからかう歌を歌った。小島別・竹島彦は怒って言霊別命の輿を谷底に投げ捨てたが、言霊別命は領巾の神力によって怪我ひとつなかった。道中、言霊別命と竜世姫は激烈な喧嘩を続けたが、これは両神合意のもとによる、偽喧嘩であった。常世姫の宮殿に着いた言霊別命は水を求めた。常世姫の部下が水を捧げたが、竜世姫は言霊別命のような者に水を捧げる必要はない、とののしって、水を奪って打ちかけた。水がかかった神の衣は火煙を発して発火した。これは、竜世姫が言霊別命の毒殺を、喧嘩にみせかけて防いだのであった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年11月01日(旧10月02日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年1月27日 愛善世界社版114頁 八幡書店版第1輯 199頁 修補版 校定版116頁 普及版55頁 初版 ページ備考
OBC rm0223
本文のヒット件数全 14 件/言霊別=14
本文の文字数1451
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本文  小島別、竹島彦は、言霊別命の輿をかつぎながら、猿が渋柿を喰つたやうに、子供が苦い陀羅助を呑んだやうな面構へして嫌々ながらかついでゆく。心中の不平不満は察するにあまりがあつた。やうやく嶮しい坂に差しかかつた。ふたりは汗水垂らして登りゆく。松代姫は竹島彦の後棒を押しながら助けてゆく。竜世姫は滑稽諧謔の神司である。後からこの状態を見、手を打ちつつ笑ひ、いろいろの面白き手まね、足踏みしながら、
言霊別の神さんは こしの常世へ使ひして
 道に倒れて腰を折り 輿に乗せられ腰痛む
 こしの国でも腰抜かし 腰抜け神と笑はれる
 他の事なら何ともない こしやかまやせぬ、かまやせぬ』
と声を放つてからかふ。
 小島別以下の一行は、登り坂にあたつて苦しみつつある際、この歌を聞きて吹きだし、笑ひこけ、足まで捲るくなつて一歩も進めず、ここらに立往生をなし、つひには腰をまげ腹を抱へて笑ふのであつた。輿の中よりは、言霊別命の声としてさも愉快げに、
『こいでこいでと松代は来いで 末法の世がきて駕籠をかく
 小島、竹島お気の毒 さぞやお腰が痛からう
 お腹が竜世が倒れうが 他のことなら何ともない
 こしや構やせぬ、かまやせぬ』
と歌つた。小島別、竹島彦はその歌を聞くなり大いに怒つて輿をそのまま谷底へ投げ棄てた。
 輿は転々として谷底に落ち木葉微塵に砕けてしまつた。小島別らは手をうつて快哉を叫び舞ひをどつてゐた。
 言霊別命は懐中に持てる、種々物の領巾の神力により、少しの負傷だもなく、悠然として谷を登り、小島別一行の立てる前に現はれた。竜世姫は口をきはめて言霊別命を熱罵した。ここに二神のあひだに大争論がはじまり、つひには掴みあひとなつた。この争論は全く両神の八百長である。真意を知らざる小島別、竹島彦らは、竜世姫に怪我させじと仲に分けいり、言霊別命を双方より乱打した。それより竜世姫、言霊別命は後になり先になり悪口の限りをつくし、犬猿もただならざる様子を示した。一行はおひおひ常世の都に近づいた。常世姫はあまたの神司をして言霊別命の一行を迎へしめた。そして二台の輿がきた。一台には言霊別命これに乗り、一台には竜世姫がこれに乗つた。小島別、竹島彦は迎への神司に命じ、言霊別命の輿を前後左右に揺りまはし、あるひは高く頭上に上げ、ときどきは低く地上に落とし苦しめた。命はほとんど眩暈するばかりであつた。常世姫の宮殿に着いたときは、言霊別命は劇烈なる動揺のため疲労し、咽喉をかわかせ、急ぎ水を求めた。常世姫の侍者は黄金の器に水を盛り、渇ける命に捧呈した。このとき竜世姫は輿より降り、この様をみて、
『かかる尊き玉水を腰抜神に呑ますの必要なし。われは大いに渇きたり。この水はわが呑むべき水なり。腰抜神は泥水にて充分なり』
といひながらその水を横合よりやにはに奪ひ、松代姫の神を目がけて打かけた。松代姫の袖よりは火煙を発し、熱さに悶えつつ濠に飛込み火を消し、辛うじて這ひ上つてきた。諸神司は驚いて松代姫の方に走り新しき衣を着替へさせこれを労はり慰めた。言霊別命は竜世姫の剛情我慢を詰つた。竜世姫はしきりに「腰ぬけ、腰ぬけ」と嘲笑した。言霊別命は憤懣の色をあらはし、剣の柄に手をかけ切つて捨てむと竜世姫に迫つた。小島別、竹島彦は二神人の仲に割つていり、百方弁をつくして仲裁の労をとり、この紛争は無事に治まつたのである。この争ひは竜世姫が言霊別命の毒殺されむとするを救ふための深慮に出でたる一場の狂言であつた。
(大正一〇・一一・一 旧一〇・二 加藤明子録)
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