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文献名1霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻
文献名2第5篇 神の慈愛よみ(新仮名遣い)かみのじあい
文献名3第34章 義神の参加〔84〕よみ(新仮名遣い)ぎしんのさんか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ竜宮城の神々は大半が言霊別命・神国別命に信服していたが、次第に常世姫の魔の手が広がっていた。そこで二神は、天下の義神を募って竜宮城に参集させようと東西に旅立った。ペテロの都に声望の高い道貴彦という義勇の神があり、言霊別命は自ら訪ねて神界の経綸を説明した。道貴彦は竜宮城に出仕する決心を固めたので、言霊別命は村幸彦を迎えに遣わした。道貴彦が出発しようとするとき、道貴彦の弟の高国別は大酒を飲んで現れ、出立を妨害しようとした。曰く、祖先の館を捨てて怪しい竜宮に仕えるとは何事だ、という理屈である。しかし村幸彦に諭された高国別は時勢をようやく悟り、自分が祖先の地を守り、兄を送り出すことに同意した。道貴彦は花森彦とともに、竜宮城の大門の部将として、入り来る神々の善悪正邪を審判するという重要任務が与えられた。常世姫は部下の魔我彦・魔我姫に城内の様子を探らせておいて、自分はひとまず常世城へと帰って行った。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年11月04日(旧10月05日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年1月27日 愛善世界社版169頁 八幡書店版第1輯 219頁 修補版 校定版173頁 普及版80頁 初版 ページ備考
OBC rm0234
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本文  ここに常世姫は竜宮城に入りて種々の策をめぐらし、巧言令辞をもつて諸神司を薬寵中のものにせむとした。されど城内の諸神の大半は依然として言霊別命、神国別命に心服してゐたのである。されど執拗なる常世姫の魔の手は、油のにじむがごとく暗々裡に拡がつてゆく形勢となつた。
 ここに言霊別命は神国別命と謀り、花森彦をして神務を総轄せしめ、二神司は各自に天下の義神を募るべく東西に袂を分つた。
 茲にペテロの都に声望高き道貴彦といふ義勇の神司があつた。言霊別命は村幸彦を遣はして味方に参加せしめむとし、大神の御経綸を詳細に説明せしめた。道貴彦は謹んでその神慮を奉じ、ペテロの館を捨て妻葭子姫とともに、村幸彦を介してつひに竜宮城に出仕することとなつた。
 これより先き言霊別命はペテロの道貴彦の館にいたり、神界の経綸を逐一説明した。道貴彦はすでに決心を定め、今や竜宮城にむかつて出発せむとするとき、その弟なる高国別きたりて出発を妨害せむとした。高国別は大酒を煽りきたりて道貴彦の愚蒙を罵り、かつ葭子姫をとらへて、
『汝は何ゆゑに夫の館を捨て怪しき竜宮の神人に誑惑され、つひには噬臍の悔を残さむことを知りながらこれを諫止せざるや』
と声も荒く睨めつけた。葭子姫は言葉をつくして、
『神界の一大事は刻々に迫りつつあり、わたくしはこの大事を看過するに忍びず、むしろ妾より進んで夫に勧め、もつて神業に参加せむとしたるなり。貴下も一身の利欲を捨て一切の宝を擲ち、吾らとともに神界のために尽されよ』
と事をわけ理をつくして説き諭した。高国別はますます怒り、
『女神と小神とは養ひがたしとは汝がことなり。女性の世迷言、耳をかすに足らず』
といふより早く盃を取つて葭子姫めがけて打ちつけた。その時、仲国別走りきたりて高国別をとつて押へた。この神司は勇力無比の巨神司であつた。
 高国別はこの巨神司に取押へられ、無念の歯を喰ひしばりながらも、口をきはめて言霊別命、道貴彦らを悪罵し、かつ、
『吾はたとひ汝に生命を奪はるるとも、吾精魂は再生して汝らの計画を破壊すべし』
と声を励まして叫んだ。このとき村幸彦は顔色を和らげ、言葉も穏かに仲国別にむかひ、
『まづ高国別を許し、吾言を心静めて聞かれよ』
といつた。
 仲国別はその言葉を機に、高国別を捻伏せたる手を放ち、しづかに座についた。高国別は直ちに起きあがり、仲国別にむかつて、血相をかへて死物狂ひの体で飛びついた。村幸彦は襟髪とつて引きもどし、静かに端座せしめ、怒りに狂ふ高国別をなだめて大義名分を説き、かつ、
『貴下の、祖先の館を大切に保護せむとせらるるその誠意は大いに愛するにあまりあり、されど神界は危急存亡の場合に瀕せり。一身をすて総ての執着を葬つて義に殉ずるは、大丈夫の本懐たらずや。吾も今まで住の江の館に、心安く親子楽しき日を送りたるものなるが、今回の神界の大望にたいし、すべてを捨てて神業に参加せしものなり。貴下もいま一つ心を取り直し、想ひをかへ、冷静に天下の大勢を顧みられなば、道貴彦の今回の決心は氷解せむ』
と諄々として説き諭したのである。ここに高国別ははじめて悟り、
『貴下の言葉実にもつともなり。吾はしばしこの館にありて固く守るべし。なにとぞ道貴彦以下の神将、くれぐれも頼みたてまつる』
と顔色をやはらげ心底より感謝した。一場の波瀾は平和に納まり、ここに盛大なる祝宴を開き、道貴彦は言霊別命の諸神司に従ひて、竜宮城にむかつて参向した。
 言霊別命は有力なる神将をえて大いに喜び、ここに道貴彦、花森彦をして、新に竜宮城の大門の部将として、入り来るあまたの神々の正邪善悪を審判せしむる重要な職務を命じた。一方、常世姫は魔我彦、魔我姫をして城内の様子を隈なく探らしめ、かつ言霊別命以下の神司の動静を監視せしめおき、みづからは一先づ常世城に帰つた。
(大正一〇・一一・四 旧一〇・五 加藤明子録)
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