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文献名1霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻
文献名2第6篇 神霊の祭祀よみ(新仮名遣い)しんれいのさいし
文献名3第42章 甲冑の起源〔92〕よみ(新仮名遣い)かっちゅうのきげん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2019-11-14 17:54:50
あらすじ南方の敵軍の将・武熊別は、部下の魔軍を数千万の黒熊と変化させ、夜陰に乗じていっせいに攻撃を仕掛けた。不意を付かれた南軍と西軍は混乱し、魔軍は勢いで一気に十六社の宮まで登ってきた。すると社殿の扉が自然に開き、中から数千万羽の金鵄が現れて、黒熊の魔軍に向かって火焔を吐いて翔け回った。黒熊は毛を焼かれて羆となり、北方の雪山めがけて逃走した。毛を焼かれたものは雪に穴を掘ってもぐり、回復を待ったが、全身白毛を生じて白熊となった。攻撃が失敗したため、今度は武熊別は国照姫の魔軍を数千万の亀に変化させた。亀は口から火を吐きながら、神軍に襲いかかった。神卒たちは刀で首を切り落とそうとしたが、甲羅に阻まれ、また甲の中から吐き出される火焔に悩まされた。大八洲彦命は宮比彦に神策を授け、神殿に奉納された神酒を数百の甕に移した。すると黒雲が起こって雨が降り注ぎ、数百の甕に満ち溢れると、雨水はすべて芳醇な神酒と化した。亀たちは首を伸ばして神酒を飲み干したが、酔っ払って踊り狂うと酒の毒が回って、苦悶し始めた。神卒たちはここを狙って亀の首を切り落としていった。そして甲羅をはいで、各自身にまとった。これが甲冑の起源である。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年11月08日(旧10月09日) 口述場所 筆録者谷口正治 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年1月27日 愛善世界社版212頁 八幡書店版第1輯 234頁 修補版 校定版216頁 普及版100頁 初版 ページ備考
OBC rm0242
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本文  南方の敵将武熊別は、美山彦および国照姫の二回の計略もぜんぜん失敗にをはり、尋常一様の画策にては容易に目的を達しがたきを知り、部下の魔軍をことごとく数千万の黒熊と化せしめた。
 さうして東軍の吾妻別、南軍の大足彦、西軍の磐樟彦の陣営にむかひ、夜陰に乗じて、一せいに咆哮怒号の声とともに襲撃した。三軍の神将卒は不意の襲撃に驚き右往左往に散乱した。武熊別は勢を得て、まつしぐらにシオン山の山頂目がけて馳せのぼり、大八洲彦命の陣営を襲ひ、かつ十六社の宮を破壊せむとした。大八洲彦命以下の神将は不意の襲来に驚き、みづから奥殿に入り、宮比彦とともに天津神にむかつて救援を請ひたまうた。
 このとき十六社の宮は既に武熊別の部下なる数多の黒熊に破壊されむとする間際であつた。たちまち社殿の扉は自然に開かれ、中より数千万羽の金鵄あらはれ、黒熊の群にむかひ、口より火焔を吐き、縦横無尽に翔めぐつた。
 数千万の黒熊はたちまちその毛を焼かれ、一時に羆となつて熱さに悶え苦しみつつ、北方の雪山目がけて遁走し、積雪の中に残らずもぐり入り、やうやく焼死をまぬがれた。
 焼死をまぬがれた熊の群は、火傷のために表皮は全部剥落して真裸となつた。熊の群は雪山に雪を分け土を掘り、穴を造つてその中に潜み、傷の癒ゆるを待つた。さしも激しき火傷は漸次恢復して、全身ことごとく白毛を生じ白熊と変化した。
 山麓にありし東西南の諸神将はやうやく散軍を集め、陣営もとに復し、勇気はますます隆盛であつた。武熊別はあまたの味方を失ひ、ふたたび国照姫の魔軍をかつて再挙を企てた。今度は魔軍を数千万の亀と化し、山上目がけて密かに這ひ登らしめた。山上は亀をもつて埋もれた。亀は一斉に口より火焔を吐き、四十八棟の社殿および幄舎を一時に焼尽し、神軍を全部焼滅ぼさむとする勢であつた。神軍はこれを見て、一々亀の首を斬らむとした。数万の亀は一時に首を甲の中に潜め、打てども斬れども何の痛痒も感ぜず、ただカツカツ音の聞ゆるばかりである。
 亀はだんだん折重なつて山を築き、諸神将を取囲み、一歩も動かざらしめむとした。さうして口々に烈しき火焔を甲のなかより紅蓮のごとくに吐きだし、神軍を悩ますのであつた。
 ここに大八洲彦命は宮比彦に神策を授け、十二社の神殿に到らしめた。さうして神殿に奉献されたる神酒を一滴づつ数百の甕にうつした。たちまち天に黒雲おこり、大雨降りそそぎて、瞬くうちに数百の甕は満ちあふれた。その雨水は全部芳醇なる神酒と化した。このとき何処ともなく数十羽の怪しき鳥族現はれて、甕に浸り、羽撃きしていづくともなく消え去つた。
 芳しき酒の匂ひは山上に溢るるばかりであつた。この匂ひを嗅いだ数万の亀の群はにはかに首を出し、先を争ふて酒甕の前へ駆けりつき、背のびをなし、首を長く突出して残らず甕の酒を飲み干し、敵地にあるを忘れて、一せいに酔狂ひ踊りまはつた。
 このとき山上の神将神卒は、彼らを討つは今この時なり。醒めては容易に討つこと難しと、おのおの刀を引抜き首を一せいに斬らむと計つた。大八洲彦命はこれを遮り、諸神司をして亀群の酔狂状態を観覧せよと命じた。
 神将神卒は命にしたがひ、袖手傍観することとなつた。亀はますます面白き手つきをなして踊り狂ひ、たがひに争ひを始めた。その光景は何ともいひえない面白き場面であつた。
 山上の神将神卒は思はず手を拍ち、つひには亀の踊の面白さに引きつけられて、自分もそろそろ歌を唄ひ、亀の群に交つて敵味方ともに踊り狂うた。そろそろ亀は毒が廻つた。黒血を吐く、仰向けに倒れる、そろそろ苦悶しはじめた。たちまち味方の神将神卒は帯刀を抜き、亀の首をずたずたに斬り放ち、残らずこれを亡ぼし、甲を剥いで各自の武具となし、これを身に鎧うた。これが戦争に甲冑を着するにいたつた嚆矢である。
(大正一〇・一一・八 旧一〇・九 谷口正治録)
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