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文献名1霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
文献名2第9篇 隠神の活動よみ(新仮名遣い)いんしんのかつどう
文献名3第33章 巴形の斑紋〔133〕よみ(新仮名遣い)ともえがたのはんもん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月06日(旧11月08日) 口述場所 筆録者栗原七蔵 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月3日 愛善世界社版197頁 八幡書店版第1輯 330頁 修補版 校定版201頁 普及版88頁 初版 ページ備考
OBC rm0333
本文のヒット件数全 2 件/高山彦=2
本文の文字数1707
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本文  大道別は、常世の国の邪神の変化たる春日姫を亡ぼし、偉勲を建てたる際、邪神の血液の一滴口中に飛び入り、ために全身の血液けがれて聾唖となり痴呆となり、かつ発狂者となりてモスコーを立出で、地上の各山各川を漂浪し、長年月を経て、南高山の深き谷間に迷ひ入りける。
 この時いづこともなく、巨大なる呻き声の起りしよと思ふ瞬間、幾万ともかぎりなき猛虎現はれきたり、大道別に前後左右より噛みつききたる。聾者となりし大道別もこの呻り声は、透きとほるごとく耳に入りければ、心得たりと大道別は噛みつきたる猛虎の首筋を引つかみ谷間の岩角に打ちつけ、これを亡ぼすこと数ふるにいとまなきほどなりき。猛虎の群はますます怒り猛り狂ひ、命かぎりに飛びついてくるを、大道別は縦横無尽に戦ひけるが、つひに心身ともに大いに疲労を感じ、千仭の谷間へ真逆様に転倒し、頭部に大負傷をなし、多量に出血して、谷間に失心のまま横たはりける。
 数万の猛虎はそれと同時に掻き消すごとく姿を隠し、あとには南高山の松風と、谷川の激流の音ばかりなりける。
 南高山の山つづきなる此方の高山の奥に、荒河の宮といふ社殿建ちをり、その神名は荒河明神ととなへ、年々地方の神人をして犠牲を供せしむるを、慣例となしをりける。毎年冬のはじめに、南高山一帯の神人は犠牲をささげて盛大なる祭典を執行することとなれり。万一、一回にてもこの祭典を怠りしときは、南高山一帯は暴風吹きおこり猛雨降りそそぎ、たちまち大洪水をおこして、神人樹草その他の生物を苦しむる暴悪無比の神なりける。
 南高山の守神大島別は、一切の危難を免れしめむがために、毎年犠牲の祭祀を怠らず執行されゐたりける。大島別の子に八島彦、八島姫といふ二人の子女ありき。八島姫の額に、たちまち巴形の黒き斑点が現はれたるが、上下貴賤の区別なく、この斑点の現はれたる者は、その年の祭典の犠牲者たるべき運命の定まりしものとせられゐたり。
 大島別、大島姫をはじめ数多の神司は、八島姫の額の斑点を見て、悲歎やるかたなく、部下の神司をあつめ種々協議の結果、その身代りを立てむと、地方一般に神司を派して、他に巴形の斑紋ある女はなきやと、昼夜間断なく山野河川を捜索しつつありき。
 時しも、南高山の谷川を渡るとき、平素清けき川水は、血液の色を帯びゐるを認めたる玉純彦、高山彦は、流れの変りたるを訝かり、あまたの神司とともに渓流をつたひ、岩の根、木の根踏みさくみ上りゆく。谷川の底にあたりて、何とも知れぬ呻き声聞えきたるにぞ、諸神司は、巌壁をつたひ、辛うじて谷底に下りみれば、仁王のごとき容貌骨格のたくましき一人の男子が岩角に頭をうち出血して、ほとんど虫の息となり呻きゐたりける。
 玉純彦は直ちに谷水を掬ひ来りて口に飲ませ、かつ伊吹きの狭霧を吹きかけなど種々介抱に手をつくしたる結果さいはひに蘇生し、目をギロギロとみはり、ものをもいはず茫然として神司らの顔を眺めゐたり。
 高山彦は、この男の額に巴形の斑紋歴然として現はれをることを目撃し、欣喜雀躍しながら、玉純彦の耳に口をよせ、何事をか私語きける。あまたの従者の顔にも何となく晴やかなる気分のただよひ見えゐたるなり。
 大道別は神司らに誘はれ、南高山の城塞に連れゆかれ、その夜は鄭重なる饗応を受け、かつ再生の恩を謝したりしが、この時すでに大道別の精神状態は、出血のため改まり、耳は漸次聞えだし、口はものをいふことを得、視力はますます正確になりゐたりける。
 大道別は、モスコーを出しより、無我無中に幾千里を跋渉しつつありしが、今この南高山において病気恢復したれば、今の吾が身は、その身のいづれの地にあるやも分らざりしなり。
 大道別は玉純彦にむかひ、
『ここの地名は何といふや、吾は永らく病気のため夢中の旅行をなし、突然精神状態の正気にかへりたる際なれば、はじめて生れ出たるごとく、何事も分明せず』
と云ふにぞ、玉純彦は、
『ここは南高山の城塞なり』
と答へけるにぞ、大道別はその長途の旅行に、みづから驚きゐたりける。
(大正一〇・一二・六 旧一一・八 栗原七蔵録)
(第三二章~第三三章 昭和一〇・一・一七 於延岡市 王仁校正)
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