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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第1篇 八洲の川浪よみ(新仮名遣い)やすのかわなみ
文献名3第7章 涼風凄風〔157〕よみ(新仮名遣い)りょうふうせいふう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-04-29 20:48:12
あらすじ第一回の常世会議は混乱のうちに幕を閉じた。そこで八王大神は第二回目の会議には常世姫、春日姫、八島姫を壇上に乗せて、女性たちの美しさで会議をまとめようとした。常世姫が挨拶を述べた後、春日姫は自分がモスコーを逐電して以来、常世の国でいかに八王大神と常世姫に手厚い保護を受けたかを、とうとうと述べ立てた。これに対し、モスコーの八王にして春日姫の父である道貫彦が壇上に上った。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月17日(旧11月19日) 口述場所 筆録者 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月30日 愛善世界社版42頁 八幡書店版第1輯 387頁 修補版 校定版45頁 普及版20頁 初版 ページ備考
OBC rm0407
本文のヒット件数全 6 件/八島姫=6
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本文  第一回の常世城の大会議は前述のごとく、大混乱のあひだに日没とともに幕は閉ぢられ、翌れば八百八十八柱の神司鶏鳴を合図にさきを争ふて大広間に参集したり。合図の磬盤の響きとともに神司らは各自設けの席に着きにける。
 八王大神の妻常世姫は春日姫、八島姫とともに中央の高座に登壇したり。春日姫の艶麗なる容姿は、満座の神司らをして驚歎の眼を見はらしめたり。あたかも五百羅漢を陳列せしごとき不恰好の顔のみなる神司らの間には、一層衆目を惹きたるも自然の道理なりける。つぎに八島姫の容貌、また春日姫に劣らぬ美はしさ、衆の視線は期せずして二人の姿に集注せり。常世姫は色あくまで白く、光沢鮮麗にして白雪の旭日に照らされたるごとき容姿にして、この三人の女性は月雪花を一度に眺めしごとき、何ともいへぬ立派なる神品を遺憾なく壇上に発揮したりけり。昨日の殺風景なる議場に引きかへ、今日は打つて変りし女性の出場で、春の長閑な空気漂ひ居たりける。すべて相談事は女性の姿現はれざれば、何事もゴツゴツとしてうまくゆかぬものなり。第一回の会議の紛糾混乱に手を焼きたる常世彦は、方針を一変し、平和の女性として月雪花に擬ふ嬋娟窈窕たる三女性をこの議場に出席せしめ、集議の大目的を達成せむとしたるなり。
 一旦モスコーに破れ、八頭夕日別とともに万寿山に避難し居たる八王道貫彦は、春日姫の、いまや常世姫の侍女としてこの壇上に現はれたるを見て、不審に堪へず、首をやや左方に傾け、彼はわが最愛の娘春日姫には非ずやと、わき眼もふらず見守りゐたりけるが、道貫彦心のうちに思ふやう、花の唇月の眉、加ふるに左頬のゑくぼといひ、背恰好といひ、寸分違はぬその容姿、もしや我娘の春日姫にあらざるかと、溜息をつき思案に暮れゐたりける。
 また南高山の八王大島別は、八島姫の姿を遠く自席よりながめ、日常心を砕きて恋慕ふ吾が娘八島姫の容貌に酷似せるは如何なる理由ぞ、世には似たるものもあるものかな。吾が居城にある八島姫と見比べて瓜を二つに割りたるごとし。アヽなつかしさの限りなりと飛び立つごとき思ひにて、つくづくと八島姫の面色を穴のあくほど見つめてゐたり。
 このとき常世姫は満座の神人らを見渡し、慇懃に遠来の労苦を謝し、顔色をやはらげ、温順を装ひて挨拶を述べけり。
『神界永遠の平和のため、諸神司の和衷協同して本会議の目的を完全に達成せしめられむ事を希望の至りに堪へず』
と滔々として布留那の雄弁をふるひ諸神司をして酔はしめたりぬ。今日は旭光ことのほか鮮麗なりしが、正午に至りてますます光輝を増し、大広間は何ンとも云ひ様なき明るき気分と輝きがただよひ、神司らの顔色も何となく勇ましげに見えにける。
 ここに春日姫は満座にむかひ、叮嚀に一礼していふ、
『妾はモスコーの城主八王道貫彦の娘にして、春日姫と申すものなり。妾は邪神のために魅せられ、不覚の過ちより生命すでに危きところ、慈愛に富める常世姫のために一命を救はれしのみならず、肉身の父母にもおよばぬ無限の愛をほどこされ、いまは常世彦御夫婦の侍女として、日夜誠心誠意のあらむ限りをつくし奉仕せり。妾も最初は御夫婦の心事と行動をうたがひ、平素審神の道を怠らざりしが、案に相違の八王大神の仁慈博愛に富める大御心は天のごとく高く、海洋のごとく深く、広きを心底より透察して、はじめの妾が疑ひたてまつりたる邪心を愧ぢ、天にも地にも身の置きどころなきまでに懺悔の念に打たれたり。諺にも疑心暗鬼を生ずとかや、神司らはよろしく反省して、清く、赤く、直く、正しき至誠の心をもつて、その大御心とその行為を拝察されなば、平素の疑団はまつたく氷解せむ。現今のごとき草の片葉にいたるまで言問ひあげつらふ世界は、到底以前のごとき神政経綸の神策にては修斎の道思ひもよらず、天下の神人をして至安至楽の世に安住せしめむとの八王大神の大慈大悲の神心よりいでたる大会議なれば、諸神司は時代の趨勢を慮りて小異を捨て大同に合し、大慈大悲の神心を発揮し、区々たる一切の感情を捨て世界統一の大業を翼賛するため、その第一着手として諸山各地に割拠守護する八王の聖座を自発的に撤廃し、天下共同のもとに八王大神の幕下となり、一切の聖職を挙げて八王大神の管理に委任し、その指揮を仰ぐにいたらば、政令一途に出て、現今のごとき天下の紛乱を根本より払拭し、国祖国治立命の大神業に至誠忠実に奉仕することを得む。諸神司の御決心や如何』
と、あたかも梅花の露にほころぶごとき優美なる口より、流暢なる懸河の能弁をふるひ、莞爾として、降壇せむとするや、神人らの拍手の声は雨霰のごとく四辺より響ききたりぬ。常世姫はなにゆゑか春日姫の降壇せむとするを引留め依然として壇上に立たしめたり。このとき議席の左側八王の座席より突と身を起したる神司ありき。これ春日姫の父にして、モスコーの城主八王の道貫彦なりける。八王は常世姫にむかひて登壇を許可せられむ事をと、心ありげに請求しければ、常世姫はニヤリと笑ひて、快く登壇の請求を快諾したりける。
(大正一〇・一二・一七 旧一一・一九 出口瑞月)
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