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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第6篇 宇宙大道よみ(新仮名遣い)うちゅうたいどう
文献名3第35章 頭上の冷水〔185〕よみ(新仮名遣い)ずじょうのひやみず
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-01 22:18:16
あらすじ聖地エルサレムは桃上彦の放埓によって、再び混乱紛糾の有様となった。各地の八王は常世城に集まり、聖地回復の策を練っていた。そこへ常世姫からの使臣がやってきて、聖地の惨状をつぶさに伝えた。善神に立ち返っていた常世彦も、このとき一種の不安を感じて天を仰いで嘆いた。この虚を狙って八王八頭の大蛇の霊は八王大神にささやきかけた。曰く、なぜ聖地にはせ参じて自ら実権を握り、立て直そうとしないのか、と。また、大国治立命と名乗る声が、八王の協力を得て聖地に行くようにと八王大神を促した。八王大神は広間に戻ると、八王たちに聖地に乗り込む決心を伝えた。八王たちは正邪を審理するの分別なく、ただただ聖地の窮状を思うあまり、一も二も無く賛成してしまった。八王大神と八王たちは大挙して聖地におしよせた。桃上彦は驚いて神々に号令したが、八王大神の勢いにほとんどの神々は肝をつぶして八王大神側についてしまった。桃上彦は国祖のもとに参向してこの事態を訴えたが、国祖は事ここに至った原因は桃上彦の律法違反の放縦にあると厳しく責めた。そしてただちに職を退いて罪を天地に謝するようにと宣言した。常世姫は桃上彦のところにやってきて、聖地の窮状を救うために八王大神が来たことを告げ、天使長として国祖に取り次ぐようにと命じた。桃上彦はおそるおそる国祖のもとに参向したが、国祖に一喝されてすごすごと自分の館に退いた。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月25日(旧11月27日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月30日 愛善世界社版213頁 八幡書店版第1輯 447頁 修補版 校定版223頁 普及版95頁 初版 ページ備考
OBC rm0435
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本文  聖地ヱルサレムは桃上彦命の失政により、ふたたび混乱紛糾をかさね、日向に氷の解くるがごとく、日に月に衰滅に傾ききたり。国祖大神はあたかも手足をもぎとられし蟹のごとく、進退きはまり如何ともなしたまふ術なかりける。各山各地の八王はふたたび常世城に集まり、聖地の回復を首をあつめて凝議するの止むなきに至りける。
 このとき聖地より常世姫の使臣として広若、鬼若の二人は、天の鳥船に乗りて下り来りけるに、八王神常世彦は、ただちに使臣を一室にみちびき来意をたづねたり。二人は聖地の惨状目も当てられず、このままに放任せむか、聖地は滅亡するの外なきことを詳細に述べたてたり。
 天授の本心に立帰り、本守護神の活動全く、至善至美の善神と改まりゐたる常世彦も、このとき一種の不安を感じ、天を仰いで嗟嘆の声を漏らしける。この虚を狙ひゐたる八頭八尾の大蛇の霊は、頭上よりカラカラと打ち笑ひ、
『小心者よ卑怯者よ、汝のごとき弱虫にては常世城はおろか、聖地の救援を焦慮するも何の力量かあらむ。汝すみやかに本心に立帰り、荒魂の勇を振りおこし、奇魂の覚を開き、くだらぬことに煩慮するよりも男らしく何ゆゑに勇猛心を発揮せざるか、自信と断行力なき者は蛆虫も同様なり。すみやかに大勇猛心を振りおこし、快刀乱麻を断るの壮烈なる神業を敢行せよ。吾こそは日の稚宮に坐す日の大神の神使なり、夢々疑ふなかれ』
といふかと見れば、その声はバタリと止まりにける。八王神は青息吐息の体にて両手を組み、奥殿に安坐してその処置につき千思万慮を費しゐる折しも、ふたたび天空に声あり、
『吾は大国治立命なり。国治立命は今や窮地におちいり、非常なる苦境にあり。汝は神業に奉仕する神聖なる職を奉じながら、かかる危急存亡の場合何を苦しみて躊躇逡巡するや。有名無実とは汝がことなり。すみやかに奮ひ起て、世の中に恐るるものは神より外になし。一つも憂慮することなく各地の八王神と語らひ、すみやかに聖地ヱルサレムに馳せつけよ。神は汝に添ひて守らむ』
と声高らかに呼び終り、またもや鬼の声はバツタリと止まりぬ。
 常世彦は五里霧中に彷徨しながら、大慈大悲の国祖大神の窮状を耳にして之を坐視するに忍びず、断然意を決して神人の集へる大会議場に出席し、大国治立命および外一神の宣示を諸神人に告げ決心を促したりける。しかしてこの大国治立命と称するは全く偽神にして、大自在天を守護する六面八臂の鬼なりにける。
 数多の八王は常世彦の言を聞きて、聖地を思ふのあまり、前後の分別もなく、またその声の正神の言なるや、邪神の言なるやを考慮する暇もなく、異口同音に常世彦の言に賛成したり。ここにおいて常世彦は誠心誠意聖地を救ふべく、八王とともに天の磐樟船に乗りて天空を轟かしつつ聖地ヱルサレムに安着したりける。
 桃上彦命は八王の翼を連ねて下りきたれるその光景に胆をつぶし、
『常世彦またもや悪心を起し、この聖地を占領し、みづから代りて国祖の地位までも占領せむとする反逆の行為にきはまつたり。聖地の神人らはただちに武装を整へ、彼ら反逆者を殲滅せよ』
と声を涸らして号令したれど聖地の神人らはその勢力の優勢なるに胆を潰し或は腰を抜かし、猫に逐はれし鼠の如く各自身の安全を計りて逃げ出すもあり、隠るるもあり、一柱として桃上彦命の命令に服従するもの無かりけり。桃上彦命は周章狼狽して大宮殿に進みいり、国祖大神に謁し、
『常世彦反逆を企て、数多の八王その他の神人を率ゐて短兵急に攻め寄せたり、いかに取計らはむや』
と進言したるに、国祖大神は奮然として立ちあがり、
『事ここにいたりし原因は汝が律法を破壊し、放縦不軌の行動を執りし報いなれば、一時も早く天に向つて罪を謝し、ただちに職を退き至誠を表白せよ』
と厳重に言ひわたし、そのまま奥殿深く入らせたまひぬ。桃上彦命は何とせむ方なく、涙にくれ悄然として宮殿を立ち出で吾が居館に帰らむとする時、常世姫は春日姫、八島姫とともに礼装を凝らして入りきたり、
『八王大神聖地の混乱を坐視するに忍びず、あまたの神人とともに聖地を救はむがために参向したり。天使長はすみやかにこの次第を国祖大神に進言されたし』
と言葉も淑やかに述べ立つるにぞ、桃上彦命はふたたび宮殿に参向し襖の外より国祖大神にこの次第を進言せむとし悲痛なる声を絞りながら一言奏上せむとするや、大神は中よりただ一言、
『神の言葉に二言なし、速に天地にむかつて汝が罪を謝せ、再び吾が前に来る勿れ』
と厳格なる御言葉をもつて宣はせたまひければ、桃上彦命は是非なく宮殿を下り、面に憂鬱の色をうかべながら再び吾が居館に帰りける。
(大正一〇・一二・二五 旧一一・二七 加藤明子録)
(第三一章~三五章 昭和一〇・一・二二 於久留米市 布屋旅館 王仁校正)
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