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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第6篇 宇宙大道よみ(新仮名遣い)うちゅうたいどう
文献名3第37章 時節到来〔187〕よみ(新仮名遣い)じせつとうらい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ統率者を失ったエルサレムに神々が集まり、次の天使長を八王大神・常世彦と定めた。国祖もこの決定を是とした。常世彦は地上神界を統率する役職に就き、常世彦命と名を賜った。これまでさまざまな策謀や戦争によって天使長の座を狙ってそのたびに失敗を重ねてきた八王大神・常世彦であったが、いまや至誠によって自然と大神の信任を受け、諸神に推されてこの地位にまで上ることができたのである。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月26日(旧11月28日) 口述場所 筆録者桜井重雄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月30日 愛善世界社版224頁 八幡書店版第1輯 452頁 修補版 校定版234頁 普及版101頁 初版 ページ備考
OBC rm0437
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本文  地上神界の経綸の中心点なる聖地ヱルサレムは、前述のとほり、統率者を失ひ、ほとんど滅亡の域に瀕したるを、数多の神人らはあたかも日の大神の天の岩屋戸にかくれ給ひしごとく、悲しみ叫べるその中にも、ひとり常世姫は、心中深く期するところあるもののごとく面におつき合ひ的に憂ひを表しゐるものの、その奥底に何となく得意の色潜みゐたりける。
 聖地の大広間には、八王八頭をはじめ、大八洲彦命、高照姫命、その他八百万の神人は、おのおの威儀を正して座を列ね、天使長の後任者をすみやかに定めむことを協議し、まづ第一に、国祖大神の神慮をうかがひ、式を挙ぐることに決定せり。ついては国祖大神の御前に出でてこれを奉伺する神人を決定せざるべからずとし、衆議はまづ多数をもつて大八洲彦命を選定したり。
 このとき大八洲彦命は立つて、満座の諸神人にむかひ、
『吾はさきに天則違反の罪により、万寿山に蟄居を命ぜられたる者なれば、今この聖地に参集するも、何となく恐懼の念にかられつつあり。いかに諸神人の選定によればとて、未だ罪を赦されざる身として、至厳至貴にまします国祖大神の前に列するは、実に厚顔無恥の所為なれば、この役目のみは固く辞したし。何れの神人か改めて選定されむことを』
と、謙譲の真心を面にあらはして述べたて座に復したまへり。満場の神人も命の心情を察し、強ひてこれを止むるものなかりける。
 ふたたび選定されたるは高照姫命なり。しかるに命もまた大八洲彦命とおなじく、
『妾は天則違反の罪によりエデンの野に蟄居を命ぜられたる、いはば蔭身者なり。たとへ罪なき妾としても多士済々たるこの集ひにおいて、妾のごとき女性の出しやばり、神聖なる用務を奉伺すべきに非ず。希はくは他より選定されむことを切望します』
と言ひて座に復したまへり。
 ここに神人らはその言を拒むに由なく、全会一致をもつて常世彦を選定したり。常世彦は今はまつたく至善至美の大精神に立ちかへり、心中一点の欲望もなく、ただただ至誠神明に奉仕し、国祖の御神業の一端を輔佐し奉らむと決心しゐたる際なりければ、今の大切なる神務に選定されて大いに恥ぢ、たちまち立ちて満場の諸神人にむかひ、
『我は大八洲彦命、高照姫命のごとく、一度も天使長の職に就きたることなし、ただ徒に野心に駆られて、大神の神業に妨害を加へ、つひには聖地の諸神人を苦しめ、延いては国祖大神の御神慮を悩ませ奉りたる罪重き者にして、今この聖地に参向し、諸神人に面を向くるも心憂しと日夜懺悔に堪へず。しかるに吾がごとき者をして、国祖の聖慮を奉伺するの役目に選定さるるは、実に迷惑千万にして、国祖大神に対し恐懼の至りにたへず。すみやかにこの決定を撤回されむことを希望す』
と言ひて座に復したり。
 このとき大鷹別は場の一隅よりすつくと立ち上り、諸神人に向つていふ。
『平時はとも角、今日のごとき危急存亡の場合にあたり、徒に謙譲の辞をくり返し、善悪を争ふべき時に非ず。機に臨み変に応ずるは、神人たるものの最も努むべきことと信ず。すべての感情を去り、既往をとがめず、現在および将来のため奮つて常世彦の御奮励を希望す』
との提案に、諸神人は異口同音に常世彦を選定したり。常世彦も今日の場合、拒絶するは却て大神の神慮を煩はし、諸神人の厚意を無視するものなりと、ここに断然意を決し、神慮奉伺の承諾をなしたり。
 満座の諸神人は恰も暗夜に月の出たるがごとく喜び勇み手を拍つて祝し、ウローウローと叫ぶその声、天地も破るるばかり勇ましかりける。
 ここに常世彦は、諸神人の代表として国祖のまします奥殿に進み入り、後任の天使長について恭しく神慮を奉伺したるに、国祖は、ただ一言、
『常世彦をもつて天使長に任ず』
と仰せられたり。常世彦は恐懼措くところを知らず、頭をもたげて、
『国祖に対し奉り、今日まで極悪無道の邪神に頤使され、深き罪を犯したる吾々は厚きこの恩命を拝受するは分に過ぎたり。希はくは大八洲彦命をもつて天使長に任じたまはば、有難き次第に候』
と至誠を面に表はし進言したりけれど、国祖大神は、
『神の言葉に二言なし』
とふたたび仰せられ、玉の襖を閉ぢて奥殿に入らせ給ひける。
 ここにいよいよ常世彦は天使長となり、地上神界の総統者として八王八頭の上位に就くこととなり、常世彦命の名を給はりにけり。
『時節を待てよ、時節には神も叶はぬぞよ。時節さへ来れば、煎り豆にも花が咲くぞよ』
と神諭に示されたるも、全くかかる事を云ふなるべし。
 常世彦命は今まで聖地の天使長たらむとして苦心に苦心をかさね、神人らの悪罵嘲笑の的となり、幾回となく終局にいたりてその目的を破壊せしめられたりしが、今や一切の欲望を捨て誠心誠意に立ちかへり、何事も惟神に任してゆきたる徳によりて、自然に秋の野の桐の一葉の風なきに落つるがごとく、大神の親任を受け、諸神人の信望を負ひて顕要の地位に上りける。
 これを思へば、誠と改心の力は実に偉大なりと謂ふべし。
 時満ちて捨てた望みの花が咲き
(大正一〇・一二・二六 旧一一・二八 桜井重雄録)
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