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文献名1霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
文献名2第1篇 動天驚地よみ(新仮名遣い)どうてんきょうち
文献名3第8章 顕恩郷〔208〕よみ(新仮名遣い)けんおんきょう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ岩から落ちた常治彦は、額の角が根元から抜けてしまった。常治彦は血まみれになりながら、宴席に向かって石を投げつけようとしたが、体がその場に硬直してしまった。そして、そこに現れた鬼武彦によって、エデンの大河に投げ込まれてしまった。酒宴に顕恩郷の人々は酔いつぶれて、蟹の姿になってしまった。また、巨大な大亀が現れて酒を飲んで酔い、立ち上がって踊り出した。南天王の鷹住別は、この光景を見ておかしさに笑ったとたんに腰が抜けてしまった。鬼武彦は驚いて神言を奏上すると、人々は蟹から元の姿に戻り、亀はばったりと伏して四つんばいになった。鬼武彦は亀の背にまたがって棒岩に向かい、岩に登ると石像と化してしまった。顕恩郷の神々は、喜んで像を祀り祈願した。大亀は、また姿を消してしまった。顕恩郷ではそれ以来、この石像を神と崇拝し、南天王夫妻も日を定めて参拝し、神勅を乞うて政を決するようになった。顕恩郷は天地の大変動による洪水まで、安全な場所であった。鬼武彦の本体は、顕恩郷を去って常治彦を追っていた。常治彦はエデンの大河から這い上がり、命からがらエルサレムに帰郷した。しかし、聖地にはすでに常治彦が塩治姫とともに政務を補佐していたのであった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年01月05日(旧12月08日) 口述場所 筆録者近藤貞二 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年4月15日 愛善世界社版52頁 八幡書店版第1輯 536頁 修補版 校定版54頁 普及版25頁 初版 ページ備考
OBC rm0508
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本文  棒岩の上に安置されたる輿は、轟然たる響きとともに深き谷間に落ちて、メチヤメチヤに破れてしまつた。
 幸か不幸か、日ごろ気にかかりし常治彦の角は根本よりゴクリと抜けてしまつた。その後より血は滾々として流れ、目も鼻も口はおろか全身血に染つて、今までの青鬼は角のなき赤鬼と一変した。赤鬼は執念ぶかく鷹住別、春日姫の酒宴の席に韋駄天走りに走りよりて、あらゆる石を手にし、死物狂ひになつて神人を目がけて投げつけた。如何はしけむ、常治彦の身体は石を握り振り上げたまま石地蔵のごとく強直し、ビクとも出来ぬ様になつてしまつた。鷹住別の南天王は春日姫と共にこの光景を見て、面白可笑しく酒を飲み舌鼓を打つてをつた。蟹面をなせる万の神人らはその姿を見て、神の威徳により石と化せしものと思ひ、やたらに広短き顔を並べて拝跪した。その可笑しさに二人は堪りかねて噴きだした。このとき頭部に二股の角二本生えたる神、天上より雲に乗りてその前に降りきたり、万の神人らはまたもやこの瑞祥に歓喜した。いま降つた神は大江山の鬼武彦の化身であつた。
 鬼武彦は南天王夫妻にむかひ一礼し、つぎに石地蔵のごとく真赤になりし常治彦の身体を鷲づかみとなし、中天に向つて抛り上げられた。赤き肉体は空中を幾百回となく縦にブリブリと廻りながら、エデンの大河にザンブと落ち込んだ。忽ちさしもの大河も血の河と変じてしまつた。
 やうやく気がついた常治彦は南岸に這ひ上り、真裸体のまま頭をかかへて、何処ともなく一目散に山々の谷間を目がけて走り入つた。
 一方顕恩郷の神人らは、新に降りし神の、先の神に対して非常に力強きを或は喜び或は恐れつつ、合掌して何事か唱へつつ、つひに一斉に立つて手を打ちウローウローと叫んで踊り廻る。鬼武彦は南天王、春日姫とともに悠々として宮殿に立帰つた。しばらくあつて宮殿の外部に非常な騒がしき声が聞えてきた。以前より何処ともなく姿を隠しゐたる奇態な大亀が忽然として現はれた。神人らは太平の世の瑞祥としておのおの果実の酒を持ちきたり、その大亀に呑ませた。大亀は喜んで何斗とも限りなく呑み干し、つひには立上つて踊りだした、その様子の面白さ、神人らは思はず笑ひ転げた鬨の声であつた。
 南天王は何事ならむと宮殿を立出で前庭を眺むればこの光景である。何れの神人らも残らず酒に酔倒れ、地上を這ひ廻つてゐるうちに、大亀のみ立つて踊つてゐた。その面白さに南天王も思はず笑ひ転げた途端に腰を抜いた。神人らは何れも横這ひになつて、巨大なる蟹の姿に変つてゐた。
 鬼武彦は奥殿より走りきたり、この様子を見て大に驚き、天に向つて神言を奏上した。たちまち南天王の体は元のごとく起立することを得た。蟹の様になつてしまつた神人らは、またもやムクムクと立上り、矮小なる体となつて四方八方より広短い顔をもたげ、亀さん亀さん、ウローウローと亀を中央に据ゑて踊り狂うた。亀は酒に酔ふたもののごとく、またもやバツタリ地に伏して四這ひとなつた。
 二股の角を現はした鬼武彦はヒラリとその背に跨つた。そして東北の山の谷間目蒐けて進みゆき、先に常治彦の輿の据ゑられし棒岩の上に、あたかも猿の木に登るがごとき勢にて登りつめ、その上に安坐し、鏡のごとき目を光らせながら石像と化してしまつた。神人らは喜んでその下に集まり拝跪し祈願を籠めた。この大亀はまたもや谷間に姿を隠して了つた。それより顕恩郷はこの石像を神と崇拝し、南天王夫妻は日を定めて参拝し、神勅を蒙りて総ての事を決する事となつた。これより顕恩郷は天地の大変動勃発して大洪水となるまで、実に安全地帯であつた。そして石像に化した鬼武彦の本体は、この郷を去つて聖地ヱルサレムに帰らむとする常治彦の後を追うた。
 常治彦は漸くにして命からがら聖地ヱルサレムに月を重ねて帰省した。しかるに聖地には常治彦儼然として、宮殿に盤古大神の娘塩治姫と共に父の神務を輔佐しつつあつた。角を折られし常治彦は聖地において如何なる運命に遭遇するであらうか。
(大正一一・一・五 旧大正一〇・一二・八 近藤貞二録)
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