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文献名1霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
文献名2第4篇 救世の神示よみ(新仮名遣い)きゅうせいのしんじ
文献名3第27章 唖の対面〔227〕よみ(新仮名遣い)おしのたいめん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-04-30 15:31:12
あらすじ一行は、ヒマラヤ山の山頂の白銀の宮にたどり着いた。そこでは高照姫神が一行を出迎えたが、その場には、いったん根底の国に退去したと思われていた、宣伝使たちの妻神たちが居並んでいた。しかし神人らは互いに神命をつつしみ、ただ目と目を見合わせて言問うことを控えていた。高照姫神は、野立姫命は今は蔭の守護となっており、面会することはできない、と伝えた。高照姫神をはじめ一同は、祝部神がいないことに気がついたが、その場はひとまず解散となった。少彦名神は、祝部神を探してにぎやかな建設現場の方へと歩いていった。すると、声勇ましく汗みどろになって立ち働いている祝部神を見つけた。祝部神は木花姫命からもらった被面布も失くすほど夢中で立ち働いていたが、少彦名神に気をつけられて、被面布を探し出し、白銀の宮に登っていった。白銀の宮の前では、妻神の祝姫が心配そうに待っていた。二神は顔を見合わせ、ただ無言のまましばし休憩した後、それぞれの持ち場に戻っていった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年01月10日(旧12月13日) 口述場所 筆録者井上留五郎 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年4月15日 愛善世界社版157頁 八幡書店版第1輯 573頁 修補版 校定版160頁 普及版70頁 初版 ページ備考
OBC rm0527
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本文  天道別命、月照彦神一行は、ヒマラヤ山の頂上に漸くにして到着し、表門より粛々として列をただし玄関先に進入した。この宮殿を白銀の宮といふ。
 高山彦、高山姫は慇懃に一行を出迎へ、ただちに奥殿に案内した。諸神人は襟を正しながら、純銀の玉を斎ける祭壇の前にすすんだ。この時、あまたの女性現はれて一行に一礼し、
『ただいま高照姫神出御あり』
と報告し、足早に奥深く姿をかくした。
 暫くありて高照姫神は頭に銀色の荘厳なる冠を戴き、あまたの神々の手をひきながら、悠々として現はれたまうた。天道別命一行の神々はハツと驚かざるを得なかつた。一たん豊国姫命とともに、根の国底の国に退去したりと思ひゐたる高照姫命をはじめ、天道姫、天真道姫、真澄姫、純世姫、言霊姫、竜世姫、祝姫、太田姫、磐戸姫その他の女性は、欣然としてこの場に現はれたからである。いづれも各自の妻神のみ、その面前に現はれたのである。されど神命をまもり、たがひに目と目を見合せながら、言問ふことを控へ、あたかも唖の対面そのままであつた。
 このとき月照彦神は高照姫神にむかひ、
『恐れながら野立姫命は何れにましますぞ、吾らは一度拝顔を得たし』
と奏上した。
 高照姫神は顔色やや憂ひを含みながら、
『野立姫命は今は蔭の守護なれば、表面貴神らと面会したまふこと能はず、天教山もその如く、貴神は野立彦命に対面を許され給はざりしならむ、木花姫かはつて神慮を伝へられしごとく、妾も大神にかはつて神示を伝へむ、妾はすなはち野立姫命の代理と心得られよ』
と宣示された。そして高照姫神はいぶかしげに、
『祝部神は何ゆゑ此処に来らざりしや』
と問ひたまうた。
 神人一行は初めて祝部神の列座の中にあらざりしに気がついた。その妻たりし祝姫の面貌には、えもいはれぬ暗き影がさしてゐた。
『先づゆるゆる休憩あれ』
と高照姫神は一言を残して、神人とともに奥殿に入らせたまうた。
 あまたの女神は列座の神人を名残惜しげに、振り返り振り返り見送りつつ奥殿に姿を隠した。祝姫の顔には涙さへ滴りてをるのが、ありありと目についた。
 少彦名神は祝部神の所在を求めむと一行に別れ、しばし休憩の間を利用して正門を出で、神人の声する方に向つて進み行つた。いたり見れば、あまたの神人は各自に大杭を建てて、山の八合目あたりに巨大なる頚槌を振りあげながら、声勇ましくうたひつつ汗みどろになつて働いてゐたのである。よくよく見れば涼しき声をはりあげて捻鉢巻の大活動をはじめてゐるのは、行方不明となつてゐた祝部神である。少彦名神は思はず、
『ヤア』
と叫んだ。
 祝部神は平然として、
『ヨー』
と答へたまま、また元のごとく声はりあげて、頚槌をもつて大杭の頭を乱打しつつ歌つてゐた。その歌にいふ、
『打てよ打て打てどんどん打てよ
  奈落の底まで打ち抜けよ
 地獄の釜の底までも
  打つて打つて打ち抜けよ
 よいとさつさ、よーいとさつさ』
と一生懸命に面白さうに側目もふらず、神人とともに活動しゐたり。
 少彦名神は祝部神の頚槌を取りあげ、その手を無理にひいて門内に入らむとするとき、祝部神は頭に手をあげ、
『ああしまつた』
と一言を発した。見れば頭に戴きし冠も、木花姫命より授かつたる被面布も残らず遺失してゐたからである。
 祝部神は少彦名神の手を振り切つたまま、一目散に元の場に走りゆき、遠近と冠および被面布の所在を探し求めた。幸にも冠は茨の針にかかり、風に揺られてブラブラとしてゐた。早速これを頭に戴き、遺失せし被面布の所在を探し求めた。
 数多の神人はてんでにその被面布を顔に当てて、無我夢中になつて、
『よーよー』
と呆れ声を張りあげながら、山下を遠くあたかも望遠鏡を視るごとき心地して、珍らしがつてゐた。
 祝部神は神人らにむかひ、
『その被面布は、吾に返させたまへ』
といふを、神人らは仏頂面をしながら忽ち大地に投げ捨てた。祝部神は、
『勿体なきことを為す馬鹿者かな』
と呟きながら、手ばやく拾ひあげて懐中に納めた。そして再び正門に向つて突進しきたりぬ。
 少彦名神は依前として門前に停立し、祝部神の帰るを待ちつつあつた。二神はやつと安心しながら門内に入らむとするとき、祝姫は涙の顔をおさへながら、あわただしく走りきたるに出会した。互に顔を見合し、無言のまま二神は休憩の間に進み入つた。祝姫はやや安堵の体にて、いそいそとしてまたもや奥殿に姿を隠した。
(大正一一・一・一〇 旧大正一〇・一二・一三 井上留五郎録)
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