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文献名1霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
文献名2第7篇 宣伝又宣伝よみ(新仮名遣い)せんでんまたせんでん
文献名3第45章 魂脱問答〔245〕よみ(新仮名遣い)たまぬけもんどう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-04-05 14:43:47
あらすじ万寿山の八王であった磐楠彦は、磐戸別の神と名を改めて、宣伝の旅に各地を回っていた。常世の国を横断し、竜宮城へと渡るために、常世の国の西岸の紅の港にやってきた。そこには船人たちが雑談にふけっており、噂話に花を咲かせていた。海の向こうの戦争の話から、万寿山の宣伝使の宣伝の話をしていた。そして竜宮島=冠島に秘めおかれた潮満潮干の玉をウラル彦の手下が取ろうと攻め寄せ、大海原彦神が迎え撃ったが、玉には神力がなく、奪われてしまった、という。また、沓島の玉にも力がなく、これも敵に奪われてしまった、という話をしていた。しかし実は玉の力は厳の御魂がシナイ山に隠してしまっていた。ウラル彦の手下はシナイ山も攻めたが、守護神の貴治別が岩石を降らして撃退した、という。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年01月14日(旧12月17日) 口述場所 筆録者藤原勇造 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年4月15日 愛善世界社版275頁 八幡書店版第1輯 613頁 修補版 校定版280頁 普及版116頁 初版 ページ備考
OBC rm0545
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本文  誠の齢を保つ神国は、世も久方の天津空、寿ぎ合ふ真鶴の、東や西と飛び交ひて、世の瑞祥を謡ひつつ、緑の亀はうれしげに、天に向つて舞ひ上る、目出度き齢の万寿山、主の神と現はれし、この美はしき神国を、堅磐常磐に守るてふ、名さへ目出度き磐樟彦は八洲国、神の救ひの太祝詞、遠き近きの隔てなく、唐土山を踏越えて、雲に浮べるロッキーの、山の嵐に吹かれつつ、さも勇ましき宣伝歌、心も軽き簑笠や、草鞋脚絆に身を固め、何処を当と長の旅、愈々来る常世城、今は間近くなりにけり、磐樟彦の宣伝使、磐戸別の神司と、名も新玉の今朝の春、雪掻きわけて行詰り、塞がる道を開かむと、日も紅の被面布を、押別け来る紅葉の、赤き心ぞ尊けれ。盤古大神八王の、曲の暴威を振ひたる、堅磐常磐の常世城、名のみ残りて今はただ、常世の城は大国彦の、曲の醜夫のものとなり、時めき渡る自在天、常世神王と改めて、輝き渡るその稜威、隈なく光り照妙の、城に輝く金色の、十字の紋章をうち眺め、溜息吐息を吐きながら、風雨に窶れし宣伝使、今はなんにも磐樟の、神の果なる磐戸別、心の岩戸は開けども、未だ開けぬ常世国、常世の闇を開かむと、脚に鞭つ膝栗毛、さしもに広き大陸を、やうやく茲に横断し、浜辺に立ちて天の下、荒ぶる浪の立騒ぎ、ウラスの鳥や浜千鳥、騒げる百の神人を、神の救ひの方舟に、乗せて竜宮に渡らむと、草の枕も数かさね、今や港に着き給ふ。
 磐戸別の神は常世の国の西岸なる紅の港に漸く着いた。ここには四五の船人が舟を繋いで、色々の雑談に耽つてゐた。
甲『オイ、このごろの天気はちつと変ぢやないかい、毎日毎夜引き続けに大雨が降つて、河は氾濫し、家は流れ、おまけに何とも知れぬ、ドンドンと地響きが間断なくしてをる。初めの間は、吾々は浪の音だと思つてゐたが、どうやら浪でもないらしい。地震の報らせかと思つて心配してゐたら、今日で三十日も降り続いて、いつかう地震らしいものもない。この間も宣伝使とやらがやつて来よつて、地震雷火の雨が降つて、終末には泥海になると云つて居つたが、或ひはソンナ事になるかも知れないよ』
と心配さうに首を傾けた。
乙『何、火の雨が降る、ソンナ馬鹿なことがあるかい。雨ちう奴は皆水が天へ昇つて、それが天で冷えて、また元の水になつて天降つて来るのだ、水の雨は昔からちよいちよい降るが、火の雨の降つた例はないぢやないか』
『それでもこの前に、エトナの火山が爆発した時は、火の雨が降つたぢやないか』
『馬鹿云へ、あれは火の岩が降つたのだい。万寿山とやらの宣伝使が、天から降つた様に偉さうに宣伝して居つたが、是もやつぱり天から降つた岩戸開けとか、岩戸閉めとか云ふぢやないか』
『火の雨が降らぬとも限らぬよ。この間も闇がり紛れに柱に行当つた途端に、火の雨が降つたよ、確に見たもの、降らぬとは言へぬ』
『そりや貴様、柱にぶつつかつて、眼玉から火を出しやがつたのだ。降つたのぢやない、打つたのだらう。地震雷と云ふ事あ、吾々神人は神様の裔だから、吾々自身そのものが神だ。それで自身神也といふのだ、さうして自身神也といふ貴様が、眼から火の雨を降らしたのだ。まあ世の中に、不思議と化物と誠のものはないといつてもゑい位だ』
丙『ソンナ話はどうでもよいが、この間海の向ふに大変な戦争があつたぢやないか』
丁『ウン、ソンナことを聞いたね。其時の音だらうよ、毎日々々ドンドン云ふのは』
『戦ひが終んでから、まだドンドン音が聞えるが、そりや何かの原因があるのだらう。竜宮島とやらには、天の真澄の珠とか潮満潮干の珠とかいふ宝が昔から隠してあるとかで、ウラル山のウラル彦の手下の奴らがその珠を奪らうとして、沢山の舟を拵へよつて、闇がり紛れに攻め付けよつたさうだ。さうすると沓島の大海原彦神とやらが、海原とか向腹とかを立ててその真澄の珠で敵を悩まさうとした。しかしその珠は何にもならず、たうとう敵に取られてしまつたさうだよ。そして冠島一名竜宮島には潮満潮干の珠が隠してあつたさうだ。それもまたウラル彦の手下の奴らが攻めかけて奪らうとした。ここの守護神さまは、敵の襲来を悩ます積りで、また潮満とか潮干とかいふ珠を出して防がうとした。これも亦薩張役に立たず、とうたう冠島も沓島も、敵に奪られて仕舞つたと云ふぢやないか。珠々というても、なにもならぬものだね』
『そりや定まつた話だよ、よう考へて見よ。真澄の珠と云ふぢやないか。マスミつたら、魔の住んで居る珠だ。それを沢山の魔神が寄つて来て奪らうとするのだもの、合うたり叶うたり、三ツ口に真子、四ツ口に拍子木、開いた口に牡丹餅、男と女と会うたやうなものだ。ナンボ海原とか向腹立とかを立てた海原彦神でも、内外から敵をうけて、内外から攻められて、お溜り零しがあつたものぢやない。また潮満とか潮干とかの珠も、役に立たなかつたと聞いたが、よう考えて見よ、塩は元来鹹いものだ、そして蜜は甘いものだ。鹹いものと甘いものと一緒にしたつて調和が取れないのは当然だ。また潮干の珠とか云ふ奴は、塩に蛭といふ事だ。ソンナ敵同士のものを寄せて潮満の珠とか、潮干の珠だとか一体わけがわからぬぢやないかい。負けるのは当然だよ。その珠の性根とやらを、どつと昔のその昔に厳の御霊とかいふどえらい神があつて、それをシナイ山とかいふ山の頂上に隠しておいた。それを竹熊とかいふ悪い奴がをつてふんだくらうとして、偉い目にあうたといふこと。しかしながら、聖地の神共は勿体ぶつて、一輪の秘密とか一輪の経綸とかいつて威張つてをつたが、とうとうその一輪の秘密がばれて、ウラル彦が嗅ぎつけ、第一番に竜宮島の珠をふんだくつて、直にその山の御性念を引張り出さうと一生懸命に攻めかかつた。その時シナイ山とやらを守つてゐた貴治別とかいふ司が、敵軍の頂辺から、その御性念の神徳を現はして岩石を降らした。ウラル彦の幕下はとうとうこれに屁古垂れよつて、何にもしないで、逃げ帰つたと言ふことだ。それで攻撃を一寸もシナイ山といふのだ』
甲『馬鹿にすな、人に落話を聞かせよつて、もうもう行かうかい。コンナ奴に相手になつてゐると、日が暮れてしまふワイ。それそれ、またど偉い声が聞えてきた。脚下の明るいうちに何処なと逃げようぢやないか』
乙『逃げようたつて、吾々の乗つてゐる大地が動いてをるのだもの、何処へ逃げたつて同じことぢやないか』
 雨は益々激しく、地鳴りは刻々に強烈になつて来た。一同は真青な顔して、四方八方に眼を配り、忽ち不安の雲に包まるる折しも、林の茂みを別けて、簑笠脚絆の軽装をした宣伝使が涼しき声を張り上げて、
『朝日は照るとも曇るとも 千尋の海は干くとも
 世界は泥に浸るとも 誠の力は世を救ふ』
といふ宣伝歌が聞え始めたり。一同は耳を澄ましてその宣伝歌を聞き入りにける。
(大正一一・一・一四 旧大正一〇・一二・一七 藤原勇造録)
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