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文献名1霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
文献名2第7篇 日出神よみ(新仮名遣い)ひのでのかみ
文献名3第39章 駱駝隊〔339〕よみ(新仮名遣い)らくだたい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-10 17:53:23
あらすじ熊公は大砂漠を越えるために、数十頭の駱駝を連れてきた。一向は駱駝に乗って豊の国の都に着いた。都では、熊公の帰還を群集が声をそろえて祝した。実は熊公は、八十熊別という豊の国の大酋長であった。八十熊別は神通力で日の出神が筑紫洲にやってきて、豊の国に来ることを前知し、砂漠の難を救うべく駱駝を引き連れて、そま人の格好をして霧島山麓まで出迎えていたのであった。都の群集は酋長・八十熊別が連れてきた客人たちを見て、いろいろ話しに花を咲かせている。宣伝使たちが招き入れられた八十熊別の館には、天を衝いて五色の雲が立ち昇った。群集はあっと驚いてその場に合掌するのみであった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月02日(旧01月06日) 口述場所 筆録者高木鉄男 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年5月31日 愛善世界社版237頁 八幡書店版第2輯 119頁 修補版 校定版244頁 普及版101頁 初版 ページ備考
OBC rm0739
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本文  霧島山の坂道を、西南に向つて下り来たりし四人の宣伝使は、大の男の熊公を先頭に足に任せて下り行く。
熊公『モシモシ、この方へモー少し行けば大沙漠です。この沙漠をば越えぬ事には、豊の国の都には行けませぬ。幸ひ向ふの森林に沢山の駱駝が居ります。彼奴の背中に跨つて沙漠を横断いたしませうか』
日出神『それは面白からう、便利だ。駱駝を七八頭引張つて来て呉れないか』
『畏まりました』
と熊公は駱駝の群に向つて駈け出しぬ。四人の宣伝使は路傍の草の上に腰うち掛け、息を休め居る。暫くありて駱駝を使ひ馴れたる熊公は、数十頭の駱駝を引張り来たり。
日出神『ヤア、沢山のものだなあ』
熊公『何れなつと、御気に入つた奴に御召し下さい。外の奴は控へとして連れて行きます。沙漠の中は水が有りませぬから、水が無くなつたら、此奴の背中の団瘤を破つて水を出して飲みつつ行くのです』
面那芸『調法なものだなあ』
と感心する。日の出神は翻然と駱駝に跨り、続いて三人の宣伝使も熊公も同じく、駱駝の上の人となりぬ。
日出神『これは焦暑い、焦付くやうな沙漠を歩くより苦労はない。本当にラクダ』
と無駄口を喋りながら駱駝を並べて、春風涼しき不毛の沙漠を進みゆく。
 折から旋風吹起り、砂塵を捲き上げ、四辺暗澹として咫尺を弁ぜざるに立到り、加ふるに折悪しく向ふ風なれば、時々一行は駱駝の頭を廻らして、風を背中に受け息を休めける。暫くありて猛烈なる旋風は、ピタリと止り、酷熱の春の太陽はガンガンと輝き始めたり。熊公は先頭に立ち、歌ひ始めたり。
『日が出た日が出た沙漠の空に  日が出た日が出た駱駝に乗つて
 これが日の出の宣伝使  頭は暑い顔も暑い
 厚い情に絆されて  水も漏らさぬ熱い中
 暑い肥の国立ち出でて  豊日の別の宣伝使
 豊の都へ進み行く  照れよ照れ照れ日の出神よ
 吹けよ吹け吹け科戸の風よ  起てよ起てたて砂煙
 駱駝の足の続かむ限り  駱駝はえらかろ己はらくだ
 雨も降れ降れドツサリ降れよ  降つて湧いたる宣伝使
 天の星から天降り  豊の御国の砂の原
 進み行く身の雄々しさよ  豊の都はもう少し
 少しと云つてもまだ百里  百里千里も何ンのその
 進めよ進め駱駝隊  進めよ進め駱駝隊』
と四辺憚らず、出任せの歌を歌ひつつ進みゆく。数多の駱駝の背に載せたる果物に、饑を凌ぎながら、日を重ねて漸く豊の都に着きにける。
 大の男の熊公は、都間近くなりしより元気を増し、駱駝の尻を無性矢鱈に打ちながら、一目散に都を指して獅子奮迅の勢にて駆込みぬ。次いで四人の宣伝使は、吾れ劣らじと駱駝の尻に鞭打ちて、雲を霞と駆けり行く。豊の都の入口には、数多の群衆声を揃へてウローウローと、熊公の帰還を祝しける。
 この熊公は、豊の国の大酋長なり。本名を八十熊別といふ。八十熊別は神通力を持ちゐたり。日の出神の宣伝使が、このアフリカの筑紫島に渡り、熊襲の国に上陸し肥の国を越え豊の国に下り来ることを前知し、この沙漠の難を救ふべく数多の駱駝を引連れ、霧島山の山麓迄この一行を迎へむために来たりしものなり。しかして態と熊公と只人の名を名告り居たるなり。八十熊別は豊の都に着くや否や、国人は踊り狂うて無事の帰還を祝しける。国人の歓呼の声に包まれて、八十熊別は四人の宣伝使と共に吾館に轡を連ねて、悠々と奥深く姿を隠しける。
 あとに残りし群集は、口々に言葉の花を咲かしゐたりけり。
甲『オイ大酋長の八十熊別さまは、何う考へてあンな蓑虫見た様な、乞食の様な、色の白い奴や、赤い奴や、黒い奴をあの広い沙漠を越えて引張つて来たのであらうか。チツト物好きにも程があるぢやないか。あンな奴を連れて来ようものなら、豊の国はさつぱり蹂躪られてしまひ、ドドのドン詰りは、自分も敲き出されてしまふかも知れやあしないぜ』
乙『八十熊別さま丈なら宜いが、俺たちも何処へ敲きやられるか知れやあしない。困つた事になつたものだのー』
丙『貴様たちに何が判るかい。アレ丈力の強い賢い立派な八十熊別さまに抜目があるものかい、燕雀何ンぞ大鵬の志を知らむやだ。燕や雀がチユーチユーと云つたつてあくものかい』
乙『燕雀とは何ンぢや、俺らが燕雀なら、貴様たちは糞蟲だよ』
丙『何が糞蟲だい、糞が呆れらあ。燕雀の糞から湧きよつた、貴様が糞蟲だよ』
丁『貴様らは何ンにも知りはしない、この方の申す事を謹ンで承はらう。この間も艮の天に当つて、五色の雲が立ち昇つたのを、貴様らも見たじやらう』
丙『オー見た見た、あれは一体なンだらうナア』
丁『黙つて俺の云ふ事を聞け。天に風雲の変あり人に病の苦しみありだ。何ンでも世の中が変つて来るのよ。夫れで賢い八十熊別様は御覧遊ばして、何ンでも立派な神様が艮の方に現はれてござると仰有つて、駱駝を引連れて御出遊ばしたのぢや。夫れ今大酋長様に踵いて来たあの神さまは、五色の雲の変化遊ばしたのに違ひないのだ。愚図々々吐かすと天罰が当るぞ』
甲『道理で、乞食の雲助が天から降つて来よつたのか、てんで別が分らぬわい。やそ天やけとか雲天焼とか、何ンとか云ふ神が交つとると云ふ事じや』
丁『分らぬ奴ぢや、貴様らに話は出来ぬ。掴まへ処の無い事ばかり吐かしよつて』
甲『掴まへても居らぬのに話すもはなさぬも有るものかい、馬鹿ツ!』
 没分漢が寄つて集つて、勝手な下馬評を試みてゐる。八十熊別の館には、又もや天を衝いて五色の雲立ち昇つた。群集はアツと叫ンでその場に倒れ合掌するのみ。
(大正一一・二・二 旧一・六 高木鉄男録)
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