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文献名1霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
文献名2第8篇 一身四面よみ(新仮名遣い)いっしんしめん
文献名3第42章 分水嶺〔342〕よみ(新仮名遣い)ぶんすいれい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-06 19:36:15
あらすじ高照彦の苦労談を聞いて、面那芸は、白雪郷に残してきた女房が恋しい、といったことに悩んでいた自分を恥じ、宣伝使としての役目に決意を新たに表した。日の出神は面那芸の覚悟に満足の意を表し、今というこの瞬間は善悪の分水嶺であると諭した。一同が勢いよく駆け出すと、おりしも轟然とした大音響が聞こえた。日の出神は、エトナ山の火山が爆発したのだ、と言った。タコマ山の祭典以来、突然爆発したのは、天の警告であろう、と気をつけた。高照彦が心構えを尋ねると、日の出神は神言を奏上さえすればいい、と答えた。四人の宣伝使は道々いろいろの話を進ませながら、大野原に出た。すると南方に、白日別司の館が見えた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月02日(旧01月06日) 口述場所 筆録者桜井重雄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年5月31日 愛善世界社版254頁 八幡書店版第2輯 125頁 修補版 校定版263頁 普及版108頁 初版 ページ備考
OBC rm0742
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本文  高照彦の憂に沈む懐旧談に、耳を澄まして聞き入りゐたる三人の宣伝使は、有為転変の空行く雲を打眺め、感慨無量の態なりしが、面那芸司は日の出神に向ひ、
『ただいま高照彦様のお話を聞きまして、実に感心いたしました。これを思へば、我々はわづかな狭い白雪郷に酋長となつて、夢の如くにこの世を暮して来たが、高照彦様の御苦労のことを思へば、殆ど九牛の一毛にも如かない苦労だ。幸にも日の出神の宣伝使に三五教の結構な教を説き諭され、翻然として悔い改め、ここまで来るは来たものの、未だ未だ我々は苦労が足りない。実際の事を白状いたしますが、明けても暮ても、白雪郷に残しておいた我が妻の面那美姫は何うして居るであらうか、訳の分らぬ虎や熊のやうな里人を、女の弱い細腕で酋長として何うして治めて行くであらうか。思へば思へば不愍なものだ。夫婦となるも深い因縁だのに、神の為とは言ひ乍ら、海山越えて二人は悲しき生木の別れ、四鳥の悲しみ釣魚の歎きとは我々の境遇であらうと、明け暮愛着の涙を人知れずしぼつたのを思へば、実に情ない。何たる卑怯であらう。あゝ何たる未練な我であらう。生者必滅会者定離だ。愛別離苦の念に駆られるやうな事では、到底この世を救ふ清き宣伝使となることは出来ない。あゝ悪かつた。あゝあゝ神様、どうぞ私の弱き心に、貴神の強き力を与へて下さいませ』
と天に向つて合掌し、涙を流しける。
 日の出神はうち頷き、
『あゝそれで宜しい。その心掛でなくては、とても宣伝使にはなれない。私も実の事を言へば、貴方の精神上の覚悟の点に於て、最う少し何処やら物足らぬ心持がしてゐた。中途に神徳を外して了やせぬか、腰を折りやせぬかと、やや不安の念に駆られてゐたのだ。あゝ私もそれを聞いて本当に安心した。有為転変の世の中は、何事も惟神に任すより仕方がない。今といふこの瞬間は、善悪正邪の分水嶺だ。過去を悔まず未来を恐れず、神命のまにまに皆さま心を合せて進みませう』
と言ひ切つて、先に立ち、又もや涼しき声を張りあげて、
『心つくしの益良雄が  神の命を蒙りて
 波に漂ふアフリカの  筑紫の国へと進みゆく
 心は矢竹にはやれども  弱り果てたる膝栗毛
 足は草鞋に破られて  血潮を染めなす紅葉の
 赤き心をたよりとし  豊葦原の瑞穂国
 踏み行く旅の面白さ  そも此の島は身一つに
 面四つありと聞くからは  残るはもはや一つ面
 思ひは同じ宣伝使  宣る言霊も清くして
 大海原を包みたる  深霧伊吹きに払ひつつ
 国の主宰の白日別  鎮まりゐます都まで
 進めや進めいざ進め  進めや進めいざ進め』
と勢よく駆け出しにける。
 折しも、轟然たる大音響聞ゆると見る間に、東北の天に当つて黒煙濛々と立ち昇り、大岩石は火弾となりて地上に落下し来りぬ。一行はこの爆音に思はず歩みを止め、しばし途上に佇立して、その惨澹たる光景を遥にうち仰ぎける。
面那芸『モシモシ、あれは何処の山が破裂したのでせうか。吾々の前途を祝するのでせうか、あるひは悪神が呪つてるのではありますまいか』
祝姫『いいえ、吾々は神様の御用のために斯うして天下を遍歴する者、天地の大神様は我々の一行の門出を祝するために、煙火を上げて下さつたのでせう。最前も日の出神様が有為転変の世の中ぢやとおつしやつたでせう』
面那芸『さうでせうかな。それにしても余り大きな音でした。私は耻しい事だが、胆玉が転覆しかけましたよ』
日出神『アハヽヽヽヽ、も一寸面那芸さま、度胸をしつかりせないとこンな事ではない、今かうして吾々の通つてゐる大地が爆発するかも知れない。その時には貴方は何うする心算だ』
面那芸『さあ刹那心ですな。善悪正邪の分水嶺、一寸先のことは分りませぬわ』
日出神『さうでせう、さうでせう。しかしこの世の中はすべて神様の意の儘だ。今破裂したのは、あれはヱトナの火山だ。タコマ山の祭典の時に、爆発して以来、今日まで鎮まつてゐたのだが、又もや突然爆発したのは吾々に対する天の警告だらう。竜宮城の言霊別の神はヱトナ火山の爆発した一刹那、悪神に毒を盛られて大変に苦しまれたといふことだ。吾々も注意せないと、筑紫の都へ行つて、何ンな悪神の計略の罠に陥れられるやも知れないから、気を付けなくてはならぬ』
高照彦『さういふ時には吾々はどうしたらよろしいか』
日出神『別に何うするも斯うするもありませぬ。ただ天地を自由にし、風雨雷霆を叱咤するといふ神言を、無駄口を言ふ暇があつたら、奏上さへすれば凡ての災は払はれて了ふのです』
祝姫『今ここで一同揃うて神言を奏上しては如何でせう。大変に足も疲れましたなり、休息がてら神言を奏上しませうか』
日出神『休息がてらとは、それは何の事です。序に神言を上げるといふやうな事は出来ない。休息は休息、神言奏上は奏上だ』
祝姫『いや、これは有り難う、ついうつかりと取違ひをいたしました』
高照彦『それだから、女の宣伝使は頼りないと言ふのだ』
日出神『人の事はかまはひでも宜しい。宣伝使の身になつたホヤホヤで、人の事を言ふどころですか。貴方こそ私は頼りないと思つてゐる』
 四人の宣伝使は道々いろいろの話を進ませながら、漸くにして大野原に出で、見れば南方に当つて、巍然たる白日別司の鎮まる館現はれたりける。
(大正一一・二・二 旧一・六 桜井重雄録)
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