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文献名1霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
文献名2第3篇 秘露より巴留へよみ(新仮名遣い)ひるよりはるへ
文献名3第13章 修羅場〔363〕よみ(新仮名遣い)しゅらじょう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-06-04 17:50:02
あらすじ清彦の日の出神は秘露の都で宣伝に努め、都の中央の高地に広大な館を造り、国魂である竜世姫命の御魂を鎮祭した。その名声は四方にとどろき、国人は徳を慕い教えを聞くために集まってきた。ある日、清彦が大広前で三五教の教理を説き始めると、末席から眼光鋭い黒い顔の男、弓のように腰が曲がり、酔っ払ってねじ鉢巻をしながら、腕をまくって高座に現れた。清彦に向かって、蚊々虎と名乗るこの男は悪態をつくと、人々に向かって清彦の昔の悪事を暴きたて始めた。清彦の説教を聴きに来ていた人々は、蚊々虎の暴露話に去就に迷い、あちらこちらで論争が始まり、喧嘩が始まり、収拾のつかない状態になってしまった。するとそこへ、涼しい宣伝歌の声が聞こえてきた。場内の騒ぎは、この声にぴたりと止んでしまった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月07日(旧01月11日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年6月15日 愛善世界社版84頁 八幡書店版第2輯 181頁 修補版 校定版86頁 普及版36頁 初版 ページ備考
OBC rm0813
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本文  心も清き清彦は  朝日夕日のきらきらと
 智利の都を後にして  夜はあるとも秘露の国
 秘露の都へ進み行く。
 清彦の仮の日の出神は、昼夜間断なく三五教の宣伝に務め、都の中央なる高地を選んで宏大なる館を造り、国魂の神なる竜世姫命の御魂を鎮祭し、その名声は四方に喧伝され、あまたの国人は蟻の甘きに集ふが如く、四方八方より其徳を慕うて高遠なる教理を聴問に来るもの、夜に日を継ぐ有様なりける。
 仮日の出神は大広前に現はれ、数多の国人に向つて三五教の教理を説き始めたるに、末席より眼光烱々として人を射る黒い顔、しかも弓の様に腰の曲つた男、酒に酔つ払つて捻鉢巻をしながら、渋紙の如き腕を捲りて高座に現はれ、清彦に向ひ大口を開けて、
『ウワハヽヽヽー、貴様よく化よつたなあ、コラ俺の面を知つて居るか』
と黒い顔を清彦の前にぬつと突き出し、妙な腰付して右の手を無性矢鱈に振りながら、
『皆の者、眉毛に唾をつけよ。此奴は日の出神と偉さうに申して居るが、今この蚊々虎が面の皮を引剥いて目から日の出神にしてやらうぞ。ウワハヽヽヽー』
と腹を抱へ腰を叩き頤をしやくりて嘲弄し始めたり。清彦は一切構はず三五教の教を諄々として説き進めゐたり。蚊々虎は蛮声を張り上げて、
『万場の人々よ、この男は旧は地の高天原に鬼雲彦と共に謀反を企み、常世国の鬼城山に姿を隠し、美山彦、国照姫の悪神の帷幕に参じ、常世の国の会議に於て泥田の泥狐に欺され、泣きの涙で又もや鬼城山に逃げ帰り、悪逆無道の限りを尽し、さしもの悪に強き美山彦さへ愛想尽かして放り出したる、鬼とも蛇とも譬へ方無き人非人、数多の神人に蚰蜒の如く嫌はれて、遂には流れ流れて秘露の都へ渡り来たれる、善の仮面を被る外面如菩薩、内心如夜叉、悪鬼羅刹の変化清熊の変名清彦と云ふ奴、此奴が智利の国へ渡つた時、二人の伴を連れて居た。其奴も同じ穴の狐、猿世彦に駒山彦、その猿世彦は今はアリナの滝に庵を結び、三五教の俄宣伝使と化け変り、あまたの国人を誑かす悪魔の変化。駒山彦は秘露の都に現はれて、これまた知らぬが仏の国人を、縦横無尽に誑かす悪魔の再来、その親玉の清熊の成れの果。贋日の出神となつて秘露の国をば闇にする、悪い企の現はれ口、この蚊々虎が見つけた上は、もはや叶はぬ運の尽き。さあさあ清熊白状いたせ、返答は如何ぢや、此場に臨んで何も云はれまい。道理ぢや、尤もぢや。俺が代つて貴様の企を素破抜かうか。智利の都の町端れ、闇の夜に汝ら三人の囁く言葉、すつかり聞いたこの蚊々虎、二人の奴を闇の谷間に放つときぼりを喰はしよつて、一人逃げだし路傍の芝生に腰を下し、有りし昔の懺悔話を、後から追ひつく二人の奴に嗅つけられて甲を脱ぎ、茲に三人腹を合して此高砂島を攪乱せむとする悪の張本人、日の出神とは真赤な偽り、鬼城山の棒振彦の参謀清熊どうぢや、往生したか、早く尻尾を出しよらぬか、ヤアヤア皆の人々一時も早くこの場を去られよ、今に本当の日の出神が竜宮の底から出て来たら、アフンと呆れて馬鹿を見るぞよ。この蚊々虎さまは勿体なくも大国彦の一の家来の醜国別の家来の、そのまた家来のその家来、沢山の家来を連れて居るのは俺ではなうて大国彦様、何処から何処まで、山の谷々、の底まで、谷蟆のやうに嗅ぎつけ探し廻る自在天の家来の、蚊々虎さまとは俺のことだ、ヤイ清熊まだ強太い白状せぬか、ヤイ皆の奴まだ目が醒ぬか。此処は名に負ふ秘露の国、秘露の都の中央で、夢見る馬鹿があるものか、早う目を醒ませ、手水を使へ、腰抜野郎の屁古垂れ野郎奴』
と口汚く高座より呶鳴りつけたるより、数多の人々は喧々囂々その去就に迷ひ、彼方の隅にも、此方の隅にも激しき争論始まりきたり。場内はあたかも鼎の湧くが如く、雷鳴の轟くが如く、遂には鉄拳の雨処々に降り濺ぎ、泣く、笑ふ、怒る、罵る、叫喚く、忽ち阿鼻叫喚の修羅場と化し去りぬ。清彦は壇上に蚊々虎と共に仁王立となりて此光景を看守り居たり。
『神が表に現はれて  善と悪とを立別ける
 この世を造りし神直日  心も広き大直日
 ただ何事も人の世は  直日に見直せ聞き直せ
 身の過は宣り直せ』
といふ涼しき宣伝歌が、場内の喧騒の声を圧して、手に取るが如く響きわたり、それと同時に、さしも激烈なりし修羅の光景はぴたりとやみにける。嗚呼この宣伝歌は何人の声なりしか。
(大正一一・二・七 旧一・一一 加藤明子録)
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