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文献名1霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
文献名2第4篇 巴留の国よみ(新仮名遣い)はるのくに
文献名3第27章 沙漠〔377〕よみ(新仮名遣い)さばく
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-06-07 14:58:21
あらすじ空には一点の雲もない青空の下、四人の宣伝使(淤縢山津見、蚊々虎、駒山彦、高彦)は数十頭の駱駝に荷物を積んで、闇山津見夫婦に別れを告げ、大沙漠を横断して巴留の都に進もうとしていた。そのとき五月姫は見送りの歌を歌ったが、そこには、神の教えを伝えるために一緒に宣伝の旅に出たいという思いが込められていた。闇山津見は娘の心を察して、五月姫に駱駝を引き出して与え、宣伝使たちとともに宣伝の旅に行くことを許した。蚊々虎が出任せの宣伝歌を歌うと、沙漠に吹いていた風はぴたりと止んだ。一行は雑談にふけり、あるいは宣伝歌を歌いながら沙漠を横断し、巴留の都に到着した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月09日(旧01月13日) 口述場所 筆録者森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年6月15日 愛善世界社版184頁 八幡書店版第2輯 216頁 修補版 校定版186頁 普及版82頁 初版 ページ備考
OBC rm0827
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本文  蒼空一天の雲翳も無く、天津日は中天に輝き玉ふ真昼時。
 茲に四人の宣伝使は、数十頭の駱駝に数多の食物を積み、駱駝の背にヒラリと跨つて闇山津見夫婦に名残を惜しみ、大沙漠を横断して、巴留の都に進まむとする時、五月姫は名残惜しげに門口に送り出で、
『堅磐常磐に変り無き  世や久方の大空の
 天の河原に棹さして  エデンの河に天降りまし
 恵も深き顕恩の  郷に鎮まる南天王
 日の出神と現はれて  四方の国々隈もなく
 神の御教を輝かし  千尋の海の底の宮
 竜の都に出でまして  憂瀬に悩む神人を
 救ひ玉ひし生神の  教の御子の宣伝使
 淤縢山津見司様  その外三人の宣伝使
 名残は惜しき夏の空  五月の暗に掻き曇る
 心悲しき五月姫  血を吐く思ひの杜鵑
 思ひは同じ世を救ふ  神の身魂を禀け継ぎし
 妾は女の身なれども  神の御言を宣べ伝ふ
 清き司と成らざらめ  常世の闇を晴らさむと
 思ふ心の仇曇り  晴らさせ給へ淤縢山津見
 教の司の宣伝使  汝は都へ妾は後に
 残りて何を楽まむ  明日をも知れぬ人の身の
 空しき月日を送るべき  荒野の露と消ゆるとも
 沙漠の塵に埋むとも  世人を思ふ村肝の
 心は曇る五月闇  疾く晴らさせよ宣伝使』
と声しとやかに歌ひて、名残を惜む。闇山津見はこの歌を聞いて五月姫の心中を察し、新に駱駝を曳出し来り、五月姫に与へ、淤縢山津見一行と共に、宣伝使として天下を教化することを許したり。五月姫は天へも昇る心地し、茲に男女五人の宣伝使は轡を並べて、さしもに広き巴留の大沙漠を横断することと成りにけり。
 茲に五人の宣伝使は、闇山津見をはじめ数多の国人に『ウロー ウロー』の声に送られ、意気揚々として、闇山津見の館を後に、宣伝歌を歌ひ乍ら進み行く。いよいよ大沙漠に差懸りたれば、前方よりは烈しき風吹き荒み砂煙を立て、面を向くべきやうも無かりけり。
 蚊々虎は大音声を張り上げて、
『風よ吹け吹け旋風吹けよ  砂よ飛て飛て天まで飛てよ
 雨も降れ降れイクラデモ降れよ  たとへ沙漠は海と成り
 天は下りて地と成り  地は上りて天と成る
 如何なる大難来るとも  神に貰うた蚊々虎の
 この言霊に吹き散らし  薙いで払うて巴留の国
 靡き伏せなむ神の徳  蚊々虎さまの神力に
 何れの神も諸人も  虎狼や獅子熊も
 青菜に塩のその如く  縮んで萎れてペコペコと
 謝り入るは目の当り  風も吹け吹け何ぼなと吹けよ
 砂も飛て飛て何ぼなと飛てよ  ソンナ事には応へぬ神だ
 応へぬ筈だよ誠の神の  教を伝へる宣伝使
 淤縢山津見の司様  勇む心も駒山彦
 天狗の鼻の高彦や  天女に擬ふ五月姫
 ちつとも恐れぬ金剛力の  蚊々虎さまがござるぞよ
 進めや進めいざ進め』
と口から出任せに、大法螺を吹きながら駱駝の背に跨り、勢よく風を冒して進んで行く。漸くにして風はピタリと止んだ。夏の太陽は又もや煌々と輝き始めたり。
駒山彦『オイオイ蚊々虎の宣伝使、豪勢なものだな。お前のその大法螺には、風の神だつて何だつて萎縮して了ふわ。よくも吹いたものだなー』
蚊々虎『向ふが吹きよるから吹いたのだ。滅多矢鱈に吹いて、俺らを砂煙に巻よつたから、俺も亦一つ風の神に向つて、大法螺を吹いて吹いて、風の神もお前達も一緒に煙に巻いたのだよ』
高彦『ハヽヽヽ相変らず、空威張の上手な男だネー』
『矢釜敷う言ふない、先を見て貰はうかい。先になつて驚くな、何んな働きをなさるか知つて居るかい』
『オホン刹那心だ。先の事を云つたつて判るものか。今の内に精出して法螺でも吹いて置くが宜からう。万緑叢中紅一点の五月姫の女宣伝使が居ると思つて、俄に元気づきよつて、声自慢で法螺歌を歌つたつて、風の神なら往生するならむも、五月姫さまはソンナ事では一寸お出でぬぞ』
『馬鹿言ふな。オイオイ、際限も無いこの沙漠だ。一体何日程走つたら、巴留の都へ行くか知つて居るかい』
『ソンナ事は知らぬワイ。お前は神懸さまぢやないか、宇宙一切の事が判明るなら、その位な事が鏡に懸けた如く知れさうなものでないか』
 一行は互に駱駝に跨り、或は宣伝歌を歌ひ、雑談に耽りながら、漸くにして巴留の都に着きにける。
(大正一一・二・九 旧一・一三 森良仁録)
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