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文献名1霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
文献名2第1篇 千軍万馬よみ(新仮名遣い)せんぐんばんば
文献名3第1章 常世城門〔431〕よみ(新仮名遣い)とこよじょうもん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-07-16 13:56:40
あらすじロッキー山のふもとの常世城では、大自在天・大国彦が自ら常世神王と称していた。大国彦はまた、自ら日の出神に化け、妻を伊邪那美命と偽って、世を欺いていた。鷹取別を宰相とし、広国別を常世神王の影武者として、体主霊従の政策を行わせていた。鷹取別の部下・照山彦、竹山彦(=実は鬼武彦の化身)は、間の国で捕らえた松・竹・梅の宣伝使を護送して常世城にやって来た。そして門番に開門を要求し、自らの手柄を常世神王に奏上せんとした。門番の蟹彦は、常世神王の指図がなければ門は開けられぬ、しばらく待て、と照山彦・竹山彦一行をさえぎった。竹山彦は通せと蟹彦をしかりつけるが、蟹彦は常世城門番の職掌を楯に、通さない。蟹彦は松代姫の駕籠を除いて、姫の美貌にしりもちをつき、すっかり肝を奪われてしまった。そして同僚の赤熊に、ちょっとのぞいて見よ、と誘いかける。剛直無比の赤熊は、蟹彦の体を見てしかりつけた。蟹彦は、この天女の美しさが分からぬ奴は枯木か岩石だ、と逆に赤熊をなじる。二人がやりあっているところへ、門内から常世神王の入城許可が下りたと報せの声がした。照山彦、竹山彦は松・竹・梅の宣伝使を護送して場内に入っていく。
主な人物 舞台常世城 口述日1922(大正11)年02月19日(旧01月23日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年8月20日 愛善世界社版13頁 八幡書店版第2輯 395頁 修補版 校定版17頁 普及版6頁 初版 ページ備考
OBC rm1001
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本文  東と西の荒海の  浪に漂ふ常世国
 ロッキー山の山颪  吹く木枯に烏羽玉の
 暗にも擬ふ曲神が  暗き心を押し隠し
 白地に葵の紋所  染めたる旗を翻へし
 大国彦の命をば  この世を欺く神柱
 太しく立てむと種々に  心を砕き身を藻掻き
 黄泉国の戦ひに  勝鬨あげて一つ島
 浪高砂の島の面  心筑紫の神国や
 豊葦原の瑞穂国  醜の剣を抜き持ちて
 常世の国の神力を  輝かさむと大国の
 夫の命を日の出神に擬へて  大国姫は伊弉冊の
 神の命と現はれて  心も驕る鷹取別を
 暫し止めて常世神王が宰相となし  体主霊従の政策を
 広国別に事依さし  天下を偽る常世神王とこそ称へけり。
 ロッキーの峰分け昇る天津日に、丸い頭も照山彦や、竹山彦は勇ましく、松、竹、梅の宣伝使、輿に舁がせ数多の供人引き連れて、勝誇りたる手柄顔、肩を怒らし帰り来る。
 常世城の表門に現はれ出でたる二人の上使は、声を張り上げ、
『ヤアヤア門番。照山彦、竹山彦が帰城。一時も早くこの大門を開けよ』
 折から荒ぶ木枯の風。門番の蟹彦、赤熊の両人は、
『ハイ』
と答へて表門をサラリと開けば、長途の旅に疲れ果てたる照山彦、竹山彦も功名心に煽られて、馬上裕に門番を睥睨し、
『ヤア蟹彦、赤熊の両人、一時も早く常世神王に、吾等が手柄を奏聞せよ』
と云ひ捨て中門に進み入る。蟹彦はその名の如く横歩きをしながら大股に中門さして走り来り、
『これはこれは照山彦、竹山彦の御両所様、暫くお待ち下さいませ。常世神王に奏上した上、お指図に任せ下さいますやう』
竹山彦『エイ、何を愚図々々、横さの道を歩むに妙を得たる蟹彦の門番、何彼につけて邪魔をひろぐか、平家蟹のやうな六かしさうなその面は、泣いて居るのか怒つて居るのか恥かしいのか恐いのか、但は酒に酔つたのか、顔の色まで赤熊の、赤門守る腰抜け門番、絶世の美人、松、竹、梅の天女の降臨、常世神王に伺ふも何もあつたものか、早くこの門を開けよ』
と馬上ながら叱りつけたり。赤熊はきつとなり、
『ヤア竹山彦様、それはあまり傍若無人と申すもの。吾等は卑しき門番と雖も、城内の規則を厳守致す大切の役目、たとへ天女の降臨にもせよ、城主常世神王の許しもなく、漫りにこの中門を開くこと罷りならぬ』
と渋々顔。蟹彦はその間に松代姫の輿を一寸覗いて、大地にどつかと尻餅をつき、
『ヤアヤアヤア、ヒヽヽヽ光るぞ光るぞ、光の強い、ダイヤモンドか、天に輝く日輪か、牡丹の花か、菫か、菖蒲か、黒白も分かぬ常世の国に、こんな女神があらうとは、思ひがけない蟹彦の、泡吹き廻つてヘタばつた。ヤイヤイ、赤熊の大将、黒熊のやうな黒い顔を、真赤に致して怒るより、一寸この輿覗いて見よ。白いと言はうか、清しと言はうか、春の弥生の梅か桜か、桃の花か、鼻筋通つて口許締り、紅の唇、月の眉毛、清しい眼玉は三五の月か、髪は烏の濡羽色、いろいろ女もある世の中に、情婦を持つなら、まア、まア、まア……』
 剛直律儀の赤熊は、蟹彦のこの体を見て苦笑ひ、
『常世城の鉄門を守る役目仰せつけられながら、汝の醜態は何の態、確り致せよ』
『オイオイ赤熊、さう赤くなつて怒るものぢやない。この蟹面の六かしき蟹彦の顔の紐でもサラリと解いた天女の姿、堅いばかりが能ではないぞ。貴様は常から枯木の如く、岩石の如く、味もなければ色もない、冷酷無残の人足だ。一寸お顔を拝んで見よ、貴様の心の枯木にも春の花が開くであらう。それにつけても、貴様の鼻は、一入黒い鼻高野郎、それに不思議や、今日この頃は鼻柱がまつ赤いけ、鼻息荒い表現であらうか、朝瓜、鴨瓜、南瓜のやうな妙な面して、茄子のやうにお色の黒い色男、高い鼻をば眺めて見れば、瓜や茄子の顔に似合はず、鼻赤いな』
 赤熊は声を荒らげ、
『千騎一騎のこの場合、何を吐す』
と睨め付け居る。忽ち門内より声あつて、
『照山彦殿、竹山彦殿、常世神王の御機嫌最も麗しく、首を伸ばして待たせたまふ。早くお入りあれ』
 言下に中門サラリと開けたれば照山彦は、
『ヤアヤア皆の者共、遠路の処御苦労なりしよ。各部屋に立ち帰り緩りと休息せよ、ヤア竹山彦殿、続かせられい』
と先に立ち、輿を舁がせ、奥殿深く進み入る。
(大正一一・二・一九 旧一・二三 加藤明子録)
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