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文献名1霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
文献名2第1篇 千軍万馬よみ(新仮名遣い)せんぐんばんば
文献名3第14章 松風の音〔444〕よみ(新仮名遣い)まつかぜのおと
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-07-15 22:20:16
あらすじ宣伝歌の主は、珍山彦と松・竹・梅の宣伝使であった。淤縢山津見は、固虎の報告を伝え、一刻も早く松・竹・梅の宣伝使を黄泉比良坂の戦いに役立てなければ、と焦りを伝えた。珍山彦は泰然として、松・竹・梅の三宣伝使は、去年のうちにもう黄泉島に渡っている、と言った。淤縢山津見が現にここに三人とも居るではないか、と問うと、珍山彦は、この三人は化けているのだ、と答えた。三人は消えうせてしまった。大軍勢が続々とロッキー山から出撃していく。淤縢山津見は、これだけ大部隊が出陣したら、後の陣営は空虚でしょうか、と問うと、珍山彦は、後にはまだ、醜女探女の魔神らが場内に充満しており、彼らは最後に黄泉比良坂に攻めかけるのだ、と注意を促した。そして、珍山彦の姿も煙と消えてしまった。この不思議に淤縢山津見と固虎はあっけに取られるが、気を取り直して、ロッキー山の城内に潜入しようとする。そこへ、突然照彦の姿が現れた。問いかける淤縢山津見に、照彦は、淤縢山津見と固虎がロッキー山にとどめおかれたのも、神界の深い経綸によるのだ、と告げて姿を消してしまう。
主な人物 舞台ロッキー山の山麓 口述日1922(大正11)年02月22日(旧01月26日) 口述場所 筆録者桜井重雄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年8月20日 愛善世界社版114頁 八幡書店版第2輯 432頁 修補版 校定版119頁 普及版53頁 初版 ページ備考
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本文  風のまにまに近より来る宣伝歌の声に、前方を眺むれば、山上にて袂を別ちたる珍山彦、松、竹、梅の三人、悠々として此方に進み来る。
淤縢山津見『ホー、妙な所で邂逅しました。大変でございますよ』
珍山彦『大変とは何ですか』
『今少し前に、法螺の声、鼓の音が聞えたでせう』
『アヽ、あれですか、あれは敵が黄泉比良坂に進軍するのですよ。面白い事が始まつて来た。吾々共が斯うして宣伝に歩いたのも、黄泉比良坂の戦ひに出陣せむが為の用意であつた。ヤア、面白うなつて来たワイ』
『珍山さま、面白いどころぢやありませぬワ。一時も早く、松、竹、梅は桃の実の御用に立たねばならぬ。敵に黄泉比良坂を占領せられぬ先きにと今まで思つてゐたが、余り俄の敵軍の出陣で時期を逸して了つた。あゝ如何したら宜しからう』
『何うも斯うもあるものか。松、竹、梅の三人の宣伝使は去年の中に黄泉島に渡つて居られますよ』
『そんな馬鹿な事がありますか。ここに現に三人、松、竹、梅の宣伝使がゐられるではないか』
『この山を御覧なさい。松は世界に一本より生えないといふ規定はない筈だ。竹も梅もその通りだ。この三人は実は化物だよ』
 言葉の終ると共に、三人の娘の姿は烟となりて消え失せにける。
『イヨー、珍山さま、あなたは余程変つてゐますね』
『変つてゐるでせうが、今気がつきましたか。随分ウスノロな眼力ですな』
『あなたのお口の悪いこと、それでも宣り直し宣り直しと仰有るのだから、妙なものだ。まるで狐に魅まれた様だワイ』
 この時、又もや人馬の物音凄じく聞え来る。見れば鼻のめしやげた鷹取別、照山彦の両人は、戎衣の袖に日光をキラキラ浴びながら駿馬に跨り、采配揮つて進め進めと下知してゐる。
 今度は余程の大舞台で、部将には、大雷、黒雷、火雷、拆雷が各自部隊を引率し、白地に葵の紋所の旗を春風に靡かせながら、旗鼓堂々として進み行く勇ましき光景なり。
淤縢山津見『あれだけの軍勢を繰り出して了つたら、後の陣営は空虚でせうか』
珍山彦『形に於ては空虚だ。そのかはりに幾百千万とも限りなき醜女探女の魔神が城の内外に充満してゐる。最後になつて彼の魔軍は比良坂に攻め寄せるのだ』
といふより早く、珍山彦の姿は又もや煙となつて消え失せにける。
淤縢山津見『アヽ何だ、怪体な事だワイ。オイオイ固虎さま、お前も煙となつて消えるのではないかな』
固虎『余り偉い神さまばかりで、恥かしくて私は消えたいやうに思つてゐるが、どうしても消えられないのですよ』
『あゝ仕方がない。これからロッキー山の城内に化け込んで様子を探らうか。今から黄泉比良坂へ行くのも後の祭りだ。オー固虎殿、そなたは今まで常世城の家来であつたのを幸ひに、私を連れて城内に導いてくれまいか』
『それはお安いことながら、淤縢山津見の名を知らぬものは滅多にない。また大国姫命は元の貴方の素性もお顔も知つてゐる。軽々しく進み入るは剣呑ですよ』
『さうかな。併し、あまりグヅグヅいたして居つて、黄泉比良坂の神業に遅れて了つた。それだから大神様の本陣と連絡を取つておかねばならぬのだ。自由行動を執つたばかりで、吾計画は六日の菖蒲、十日の菊となつて了つたのか。エヽ残念な、口惜しい。どうしてこの失敗を挽回しようか』
と悔し涙に咽びながら、両手を拍つて神言を奏上し、力なげに宣伝歌をうたひ始むる時しも、忽然として現はれ出でたる宣伝使あり。淤縢山津見は、
『オー、貴方は照彦、戸山津見様、エヽお互に残念な事をいたしましたなア。千載一遇の比良坂の戦に参加し遅れたのは口惜しい。最早ロッキー山の魔神らは退去、黄泉島へ出陣して了つた。どうしたら宜からうか』
照彦『イヤ、別に心配はいりませぬ。神界の御経綸によつて、貴方を此処に止め置く必要があるのですよ。幸ひ、固虎さまを案内者として、ロッキー山深く進み入り、伊弉冊の贋神の様子を探る必要がある。遅れたのは所謂水も洩らさぬ神の仕組だ。戦に出陣するのみが神業ではない。サア、これから御両人はロッキー城にお進み下さい。吾々は常世城に忍び入り、一切の計画を調査いたしまする。左様なら』
と言ふかと見れば姿は消えて白煙、松吹く風の音のみぞ聞ゆる。
 あゝ、この三人は如何なる神業に参加するであらうか。
(大正一一・二・二二 旧一・二六 桜井重雄録)
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