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文献名1霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
文献名2第1篇 長駆進撃よみ(新仮名遣い)ちょうくしんげき
文献名3第2章 一目お化〔469〕よみ(新仮名遣い)ひとつめおばけ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-10-07 18:47:42
あらすじ東彦(本当は高彦)は時公とともにアーメニヤに通じる野を進んで行く。時公ははかない命の人間だから、ちょっと休憩しましょう、と宣伝使に話しかけるが、東彦は人間は千万年も生き通しだから心配するな、と取り合わない。時公は、人間は死なないなどというのは化け物だ、と本気で東彦を疑い出す。その様を見て東彦は面白がりつつ、これが神の教えだと時公をたしなめた。そうしているうちに、芳香が四辺に満ち、美しい音楽がどこからともなく響いてきた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月28日(旧02月02日) 口述場所 筆録者藤津久子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年9月10日 愛善世界社版18頁 八幡書店版第2輯 520頁 修補版 校定版18頁 普及版7頁 初版 ページ備考
OBC rm1102
本文のヒット件数全 13 件/時公=13
本文の文字数2361
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本文  東彦の神の宣伝使は時公を伴ひ、果てしもなきクス野ケ原を進みつつ宣伝歌を歌ひ行く。
『三五教の宣伝使  天津御神の神言に
 八十の曲津の許々多久の  醜女探女を言向けて
 百八十神や八十人を  神の誠の大道に
 救はんものと海山を  越えてやうやうクスの原
 北光彦の神ならで  一目の曲におどかされ
 円かな夢を破られて  起き出で四方を眺むれば
 虎狼の叫び声  枯野を渡る風の音
 寒さに顫ふ其時に  思ひもよらぬ時さんの
 時に取つての御愛嬌  大きな法螺を吹く風に
 又もや眠りを醒ましつつ  茲に二人は転び寝の
 水も漏らさぬ三五の  神の教の友となり
 寂しき野辺を賑しく  進み行くこそ楽しけれ
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 風も荒野の狼や  獅子や大蛇の千万の
 曲の一度に迫るとも  などか怖れむ敷島の
 神の教の宣伝使  神の御水火に吹き払ひ
 我が言霊に追ひ散らし  誠明志の湖を
 渡りて又もや荒野原  虎伏す野辺の膝栗毛
 心の駒に鞭うちて  鏡の如き琵琶の海
 神の救ひの船に乗り  心は堅き磐樟の
 船を力にアーメニヤ  曲の都に立ち向ふ
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 直日の御霊伊都能売の  日の出神や木の花の
 神の教を杖として  道奥までも恙なく
 進み行くこそ楽しけれ』
時公『宣伝使様の御蔭で、人の通つた事のない様なこの曠原を、知らず識らずの間に進んで来ました。然し大分に膝栗毛が草臥れた様ですから一杯水でも飲ましてやりませうか』
東彦『マア、行かうぢやないか。一足々々アーメニヤに近寄るのだからな。日天様でも一分間も御休みにならぬのだから、休むのは勿体ない』
時公『一息々々アーメニヤに近づくのは結構だが、この間も石凝姥の宣伝使の言葉に、吾々は斯うして天下の為めに活動して居るのは、一息々々墓場に近づいて行くのだと云はれました。そんなことを聞くと人間も頼りなくて足が倦くて行く気になりませぬわ。長い月日に短い命だ。一寸一服しませうかい』
東彦『人間は一息々々墓場へ近づいて、それから墓場の向ふの国へ行くのだ。吾々の目的は墓場を越えるのだよ』
時公『墓へ近づくなぞと、ハカない浮世か、ハカある浮世か、根つから葉つからはかばかしうないわ。馬鹿々々しい様な気がします』
東彦『人生の目的はそこにあるのだ。人は生き変り死に変り、若返り若返り幽界現界に出入して、永遠無窮の命をつないで行くものだ。千年も万年も不老不死だよ。お前たちもこの世へ生れて、時さまと云うて威張り散らして居るのは僅かに四十年許りだが、お前の御本体は何万年前から生れて居るのだ』
時公『一寸待つて下さい』
と云ひながら道ばたの草の上にドツカと腰を下し、眉毛に唾をつけ、
時公『オイオイ化さま、御交際に一服せぬか。化物やアクマは吐す事が通録せぬと云ふ事だが、矢張り貴様は尻尾を出しやがつた』
東彦『お前また遽に汚なげにものを云ひ出したな』
時公『定つた事だ。化物のアクマ彦に叮嚀なことを云つて関係つて居ようものなら、どんな目に会はしやがるか分るものぢやない。そろそろ日が暮れかかつたものだから本性を現はしやがつた』
東彦『アハヽヽヽヽ』
 時公は、
『分らぬ奴だな』
と首を傾けてゐる。
『人間は一度死んだら二度と死なん代りに、一度生れたら二度と生れるものか。生きたり死んだりする奴は狐か狸だ。狐の七化け狸の八化け、化の皮を現はし呉れむ』
と東彦の尻を半信半疑で一寸突いて見ながら、
『やつてやろか、然し本物だつたら俺に罰が当るから困るし、なんともかとも正体の分らぬ奴ぢや。俺は日の暮になると朝の元気に引換へて歩き草臥れて足が棒になつて、如何に我慢な時公さまでも一服したい様になつて来るのに、日の暮になるほど元気付きやがるのが一つの不思議だ。化物といふ奴は夜さりになつたらはしやぐ奴だ』
と鉄棒を地に突立てながら、東彦の顔をイヤらしきほど睨みつける。
『ハヽア十分に目を光らして私の顔を調べて置くが宜い。夜分になつてから誤解されては困るからな』
 時公は少し頭を傾け、
『人間が三分に化物が七分か、人三化七、夜分になると、人一化九になるのだらう。死んでは生れ、生れては死ぬなんて手品師か役者のやうな事を云ひやがつて、真面目に白状せんと時さまの腕には骨があるぞ。斯う之を見い』
と左の手をニユーと延ばし、節くれ立つたり気張つたりといふ力瘤だらけの腕を捲り、右の手にて左の腕をたたいて見せる。
東彦『アハヽヽヽ、面白いおもしろい。こんな寂しい処で結構な俳優を見せて貰つて、旅の疲れも忘れて了つた。斯う云へば又日の暮にはしやぐ化物といふか知らんが、本当に生き返つた様な気がして元気ますます旺盛だ』
時公『賢い様でも流石は曲津神だ。到頭白状しやがつた。貴様は鬼の亡者だらう。死んで居やがる証拠には、今生き返つた様な気がすると吐したではないか。サアどうぢや。もう斯うなる上は貴様の方から白状したのだから逃げ道はあるまい。執念深くこの世へ迷うて来よつて……一つ目の化物奴が』
東彦『アハヽヽヽヽ』
時公『亡者と思へば何だか其処らが、もじやもじやして気分が悪くなつて来た』
東彦『お前の目の帳をサラリと上げて、耳の蓋を取つて私の言ふ事を良く聞くのだ、見違ひ聞違ひをするな。直日に見直し聞直しといふ事がある。さうしたら、今までお前のほざいた悪言暴語も発根と善言美詞に宣り直す様になる』
時公『ヘン、馬鹿にするない。一つ目の化物ぢやあるまいし、二ツ目の兄さまだぞ。化物のやうに眼に帳を下したり、耳に蓋をして堪るか。三五教の宣伝歌をみん事聞きはつりやがつて、見直せ聞き直せなぞと莫迦にするない』
 この時得も云はれぬ芳香四辺に満ち、錚々たる音楽が何処ともなく聞え来たる。
(大正一一・二・二八 旧二・二 藤津久子録)
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