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文献名1霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
文献名2第1篇 長駆進撃
文献名3第7章 露の宿〔474〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ一行は新玉原を湖に向かって進んでいった。日も暮れてきたので、森の中で一夜の宿を取ることになった。
一行は神言を奏上し、宣伝歌を歌って眠りについた。そこへ付近の村人がやってきて、宣伝使たちの様子を伺っている。三五教の宣伝使を見つけたら捕えようと、待ち構えていたのであった。
男たちがどうやって捕えようか相談をしているときに、梅ケ香姫は目を覚まし、幽霊の振りをして男たちを追い払った。梅ケ香姫を一同を起こした。
すると向こうのほうから数十の松明がやってくるのが見える。群集は遠巻きに恐々と宣伝使たちの方にやってきた。群衆の中から、酒に酔った風の男が一人、宣伝使の前に現れた。
この男、鴨公は最初は威勢のいいことを言っていたが、やがて恐れをなして腰が抜けてへたってしまった。群集の中からさらに、鉄棒を携えた男が現れ、高彦、東彦に打ってかかった。
高彦、東彦は鉄棒をよけながら霊をかけると、鉄棒は葱のようにやわらかくなってしまった。逃げようとする男・勝公に対して、東彦の宣伝使は霊縛をかけた。村人たちは驚いて、てんでに逃げてしまった。
宣伝使たちはゆうゆうと西へ進んでいった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月28日(旧02月02日) 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所
OBC rm1107
本文の文字数5509
本文のヒット件数全 1 件/深雪姫=1
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本文  東彦神、高彦神の宣伝使は、梅ケ香姫、月、雪、花の宣伝使と共に一行六人新玉原の枯野を分けつつ宣伝歌を口々に歌つて、明志の湖の方面指して進み行く。
 日は漸く西に舂いて夕暮告ぐる鐘の音は仄かに響いて来た。
東彦『ヤア久し振りで鐘の音を聞きました。最早人里間近くなつたと見えます。併し乍ら日も漸く暮かかりましたから、幸ひ彼方に見える森蔭で一夜を明しませうか』
一同『さう致しませう』
と森を目当に疲れた脚を速めて進み行く。千年の老樹、梢の先まで苔蒸して昼尚暗き、こんもりとした森蔭である。
東彦『ヤア月影も、星影も見えぬ天然の家の中、今宵は久し振りで悠乎と休みませう』
と云ひ乍ら、例の如く神言を奏上し、宣伝歌を謡ひ始めた。
『神が表に現はれて  善と悪とを立別ける
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 唯何事も人の世は  直日に見直せ聞直せ
 身の過は詔り直せ  日の出神や木の花の
 神の依さしの宣伝使  クス野ケ原を行き過ぎて
 漸う此処にきたの森  神の稜威も高彦や
 梅ケ香匂ふ神の道  空に輝く秋月の
 心も清く照り渡る  五六七の御代を深雪姫
 神の教を開かむと  天教山の橘の
 姫の命や東彦  世は常闇となるとても
 神の守りは明けく  空照り渡る東彦
 東の空を彩どりて  豊栄昇る朝日子の
 神の教をまつぶさに  明志の湖の底深く
 コーカス山の峰高く  しこのかうべを照しつつ
 功は高きアーメニヤ  荒振る醜のウラル彦
 ウラルの姫の荒魂  三五教の言霊に
 言向け和す和魂  神の教も幸魂
 悟の道の奇魂  曲を直日の神魂
 直日に見直し聞直し  醜の叫びを宣り直し
 空に輝く月照の  彦の命の治す世に
 大足彦や真澄姫  恵は四方に弘子の
 神の力の現はれて  この世に曲は少名彦
 かたき教も竜世姫  空照り渡る言霊の
 姫の命の御恵に  百の民草純世姫
 豊国姫の幸ひて  一度に開く木の花の
 姫の命の奇魂  日の出神と現はれて
 浦安国と治め行く  ウラルの山の曲神の
 八十の曲津も悉く  神の息吹きに吹祓ひ
 祓ひ清むる神の道  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  たとへ大地は沈むとも
 ウラルの彦の曲業を  矯直さずに置くべきや
 詔り直させで置くべきや  奥のわからぬ神の道
 底ひも知れぬ神の恩  底ひも知れぬ神の恩
 天地に響く琵琶の湖  琵琶の言霊勇ましく
 進む吾こそ尊けれ  神の柱ぞ尊けれ』
と異口同音に歌ひ終つて、蓑を敷き二男四女の宣伝使は、やすやすと眠に就きぬ。
 森蔭より現はれた四五人の男、差足抜足宣伝使の前に近寄り来り、寝息を考へ、
甲『オイ、何奴も此奴も、よく草臥果てて潰れたやうになつてゐやがるワイ。どうぢや今の間にソツと頸首に綱をかけて引張つて酋長さんの所へ連れて行つたら何うだ』
乙『待て待て、若し慌てウラル教の宣伝使だつたら、ドテライ御目玉を喰はにやならぬ、それより気を落つけて調べた上の事にしようかい』
甲『それでも最前宣伝歌が聞えて居つたが、何うやら節廻しが三五教らしかつたぞ。月が照るとか、曇るとか云つてゐたぢやないか』
丙『定つたことだ。今夜の月を見い。照つたり曇つたりしてゐるぢやないか。三五教の宣伝使でなくても、俺等も月を見たら、照るとか、曇る位は知つとるワイ、貴様そんなことで三五教の宣伝使なぞと思つて下手をやつたら詰らぬぞ』
丁『マア、八釜敷う言ふことはない。先方は六人だ。此方は五人、一人宛掴み合ひしてもモー一人残つて居る。ようマア考へて見よ。衆寡敵せずと云ふことがある』
甲『何を吐すんだい。此方は荒男五人、先方は男が二人に女が四人だ。俺一人でも女だけは………』
丁『貴様の力はそんなものだ。併し乍ら貴様の家のお福のやうな女だと思つたら、的が外れるぞ。男の一人や二人は抓んで放すやうな力がなくて、どうして天下を廻ることが出来やうぞ。たとへ一人対一人で組み合うて見た所で、先方には一人空手があるのだ。其奴が一人残りやがつて組み合うとる俺等の頭をコンコンとやりやがつたら、それこそ犬に噛まれた様なものだ。それだから多勢に無勢、衆寡敵せずと云ふのだ』
甲『アヽ衆か』
丁『莫迦にすない。愚図々々云うて居ると、目をさましやがつたら大変だ。今の間に杢兵衛も八公も吉公も源公も、村中の脛腰の立つ奴は、皆寄つて来て遠捲に取捲いて無理往生に往生さしてやらう』
一同『さうだ、それもよからう。オイ八公、貴様一人ここに見張りをするのだ。俺等四人は手分をして皆の奴を非常召集だ』
丁『オイ待て待て、俺も一緒に連れて行かぬかい。五人でさへも危いのに、一人居つて、万一中途に目でもさましやがつたら、何うするか』
甲『何うするも、斯うするも、そんな事は知らぬワイ。八公が八裂きに会ふ迄のことだ』
 斯く囁く声に、梅ケ香姫はフツト目をさまし、むくむくと起上がり、
梅ケ香姫『アヽ、何れの方か知りませぬが、水がありましたら一杯与えて頂戴な』
甲『ナニツ、水くれつて。みずしらずの俺に向つて水一杯頂戴なぞと、幽霊か、餓鬼のやうに此奴は一寸可笑しいぞ。ヤイコラ、幽々霊々奴が』
梅ケ香姫『イーエ、湯でなくても、水で結構でございます。れいは後で』
乙『オイオイ、矢張り幽と霊とぢや、水くれと吐かす筈ぢや。逃げろ逃げろ。キヤアー』
 バラバラと足音をさせ乍ら、転けつ輾びつ逃げて行く。
梅ケ香姫『モシモシ、皆さま、折角御寝みになつてる所を御目をさまして済みませぬが、妙なものが参りまして、何だか吾々の首に縄をかけて引張るとか、下るとか云うてゐました。チツト気をつけねばなりませぬ』
東彦『ナニツ、首に縄をかける。莫迦にして居る。我々を徳利と間違へやがるな』
高彦『アハヽヽヽ、とつくりと見ないから間違ふのだ。そんなことは何うでもよい。大分に疲れた。吾々も今晩は、とつくりと寝ようかい』
梅ケ香姫『それでも怪しいことを云つてゐました。何でも酋長にいふとか、れいを貰はうとか云うてゐましたぜ』
東彦『そら大変だ。彼奴はウラル彦の目付かも知れぬ。油断は大敵だ。サア、月、雪、花の三人さまも起なさい起なさい。是から戦闘準備だ』
 一同は眠りをさまし、身仕度を為し、幽かに宣伝歌を歌つてゐる。前方を見れば、ワイワイと人声が聞えて来た。数十の松明は朧夜を照して皎々と輝き乍ら此方に向つて走つて来る。
東彦『ヤア、捕手だ。皆さま、一人々々は面倒だ。出て来る奴を残らず言向け和さう。宣伝使は一人旅と定つてゐるのに、妙な拍子に六人連れになつて、神様に御叱りを受けねばよいがと心配して居た所だ。これ丈沢山やつて来れば、六人前の仕事には沢山だ。代る代る言向け和すことにしませうかねー。併し乍ら何を持つて居るか分らぬから、気をつけねばなりませぬ。女の方の宣伝使さまは、吾々の後の方に屈んで宣伝歌を歌ひなさい。二人は力一杯大声で呶鳴つてやりませう』
 群衆はチクチクと怖さうに松明を振り翳して、森を目蒐けて進んで来た。群衆の中より一人の男、片肌を脱ぎ、稍酒気を帯び乍ら彼方へヒヨロヒヨロ、此方へヒヨロヒヨロ、千鳥足危く杖をつき乍ら、つかつかと宣伝使の前に現はれた。
男『ヤイ貴様は何処の奴だい。セヽヽ宣伝使だろ。ここはウラル彦の神様の御領分だぞ。三五教の宣伝使とか云ひやがつて、生命知らず奴が』
東彦『ヤア貴方は此里の御方と見えますが、我々は御推量の通り三五教の宣伝使です』
男『コラ、俺は斯う見えても年寄りぢやないぞ。貴様のやうな強さうな面をしよつても、いつかないつかな驚くやうな爺さまドツコイ兄さまだないわ。サア、れいか、幽か、正体か白状せい』
東彦『吾々は現界、神界、幽界の霊に対して』
男『ナニツ、幽界の、霊のつて矢張り怪体な奴だ。オイオイ皆の奴、幽界だ霊界だ。何を怖さうにしてやがるのだい。早う松明を持つて来んかい。化物は火をつき出したら消えると云ふことだ』
 群衆の中より二三人の男、松明を持つた儘、バタバタと男の前に現はれ来り、
『オイ、鴨、何を愚図々々云つてゐやがるのだ。幽霊でも何でもないわ。擬ふ方なき三五教の宣伝使だ。貴様日頃の業託に似ず、其の腰付は何だ。逃げ腰になりやがつて尻を一町程も、後方へ突出しやがつて、其のざまつたら、ないぢやないか。ヤアヤア三五教の宣伝使、何人居るか知らねども、どうせ六人な奴ぢやあるまい。尋常に手を廻せ』
 四人の宣伝使一度に、
『ホヽヽ、可笑しいわ』
鴨公『ヤアツ、ソヽヽそれ見い。ホヽヽほうぢや。オイオイ貴様等ばかり逃げて年寄を一人ほつとくのか』
三人の男『エイ八釜敷いワイ。貴様の事どころか、捨てとけ、放とけだ』
鴨公『ヤイ、待たぬか待たぬか』
 六人の宣伝使は悠々として鴨公の前に現はれた。
鴨公『コヽヽこら幽霊のバヽ化物奴が、俺をかもうと思つても、さうは行かぬぞ。俺の名は鴨さまだ。かもうてくれるな。ソヽヽそれより噛みたければ、彼方に甘い奴が、何程でも居るワイ』
高彦『ヤア鴨さまとやら、御心配下さるな。我々は化物でも、何でもない。三五教の宣伝使だ。皆の方を此処へ呼んで来て下さい。我々たちが結構な話を聴かして上げよう、盲は目が開き、聾は耳が聞え、腰の抜けた者は腰が立ち、躄は歩く、それはそれは結構な教だ』
鴨公『ヤイヤイ皆の奴、此奴はヤヽヽ矢張り化物だ。盲が目が開くといひ、躄が立つと云ひくさる。躄が立つても俺の腰は立たぬ。ヤイヤイ噛まれぬうちに助けぬかい助けぬかい』
宣伝使一同『アハヽヽヽ、オホヽヽヽ』
 又もや群衆の中より頑丈な一人の男、鉄棒を携へ現はれ来たり、
男『何だ、宣伝使とやら、アヽヽホヽヽと笑ひやがつて貴様こそ余程好い阿呆だ。飛んで火に入る夏の虫、これ程ウラル彦の目付が沢山居る所へ、ウカウカと出て来やがつて、何を偉さうに云ふのだ。これでも喰へ』
と云ふより早く、高彦の肩先目がけてウンと打つた。高彦はひらりと体を躱した。又もや鉄棒を前後左右に水車の如く振り廻してやつて来る。
 東彦、高彦は右に左に鉄棒を避け乍ら、ウンと一声霊をかけた。忽ち鉄棒は葱の如くになつた。其の男は無我夢中になつて、和かになつた鉄棒を振り廻してゐる。高彦は地上に安坐した。男は一生懸命頭上より打ち下す。
男『ヤア、俺はこの界隈に名の響いた勝さまだ。何時でも負たことの無い、勝つ計りだから勝さまと云はれてゐるのだ。それに此奴はこの鉄棒をこれだけ喰はしても素知らぬ顔をしてゐやがる。矢張りバの字にケの字だ。何ぢや鉄棒が葱のやうになりやがつた』
と云ひながら一目散に駆け出さうとする。東彦はウンと霊縛を施した。勝公は足を踏張つた限り化石のやうになつて了つた。
東彦『オイ勝さまとやら、マア一時ほど懲して縛つて置かう、御苦労だが此処にさうして居つて下さい。我々はこんな八釜敷い所に安眠は出来ないから、宿換をする。お前が来ると面倒だから硬めて置く。マア御ゆるりと、左様なら』
と云ひ乍ら、一行六人は宣伝歌を歌ひつつ又もや西へ西へと進み行く。数多の村人は勝公の霊縛されしに驚いて、各自に逃げ失せ固く戸を鎖し家々の火を消し小さくなつて慄ひゐたり。
『北の森にと馳けついて  一行ここに眠る時
 ひそびそ聞ゆる人声に  梅ケ香姫は目をさまし
 水をくれよとおとなへば  怖けきつたる里人は
 幽ぢや霊ぢやと口々に  走つて何処へか身を匿す
 暫くありて人の声  眼をあげて眺むれば
 提燈松明ここ彼処  腰の曲つた老爺さま
 酒の機嫌で我前に  現はれ来り泡を吹く
 又もや一人の荒男  負けぬ嫌ひの勝さまが
 鉄棒打振り迫り来る  鎮魂の神術を
 行ひ見れば鉄棒は  葱の如くに柔かく
 打てど打てども応へぬに  肝を潰して吾々を
 魔性の者と見誤り  恐れて逃げむとする時に
 一寸霊をばかけてやる  忽ち化石のやうになり
 脚をまたげたその儘に  立つて二つの目の玉を
 きよろきよろ見廻す面白さ  あゝ勝さまよ勝さまよ
 月日の如き明かな  神の教に目をさませ
 固き心を打解けて  心を和げ気を和め
 世人に清く交はれよ  汝の心柔がば
 体も共に元の如  自由自在にかへるらむ
 あゝ勝さまよ勝さまよ  三五教の神の道
 夢にも忘れ給ふまじ  吾は是より海山を
 越えて闇夜を明志湖  明し暗しを立別ける
 此世を造りし神直日  心も広き大直日』
と歌ひ乍ら、悠々として此場を立ち去りにける。
(大正一一・二・二八 旧二・二 外山豊二録)
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