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文献名1霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
文献名2第4篇 満目荒寥よみ(新仮名遣い)まんもくこうりょう
文献名3第19章 汐干丸〔486〕よみ(新仮名遣い)しおひまる
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-08-11 19:49:30
あらすじ松代姫はすっくと立って宣伝歌を歌い、その中に自らの素性を歌いこんだ。大工たちは、その歌を聞いて、大気津姫が手配している姉妹の宣伝使であることを悟り、何とか捕まえて褒美にあずかろうとしきりに相談している。時公、鴨公、八公の三人の従者は、それを聞いて大工たちを責め立てた。時公は、コーカス山側の人々に対して、宣伝歌を歌い改心を促した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月03日(旧02月05日) 口述場所 筆録者藤津久子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年9月10日 愛善世界社版182頁 八幡書店版第2輯 579頁 修補版 校定版184頁 普及版80頁 初版 ページ備考
OBC rm1119
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本文  松代姫は矗然と立つて、
松代姫『心も広き琵琶の湖  恵も深き琵琶の湖
 浪に浮べる松の島  千歳の松の青々と
 繁り栄ゆる神心  一度に開く梅の島
 処狭き迄なよ竹の  風に揉まるる竹の島
 荒風強く渡るとも  仮令深雪にたわむとも
 千代に八千代にさき竹の  悩みも知らぬ勇ましさ
 妾は神世を松代姫  この世を乱す大気津の
 姫の奢侈りを戒めて  心の仇花咲き散らし
 天津御神の賜ひたる  我が言霊に逸早く
 開く梅ケ香姫の神  竹野の姫の窟戸に
 立て籠められて千万の  憂に逢瀬を助けむと
 進む時こそ来りけり  憂しや辛しの世の中に
 我身一人はうまうまと  鹿の妻恋ふ奥山に
 みづの御あらか立て構へ  虎狼に勝りたる
 醜の曲津の曲業を  祓ひ清めむ松代姫
 梅ケ香姫と諸共に  待ちに待ちたる時津風
 吹く春こそは楽しけれ  竹野の姫の消息を
 はしなく聞きし船の上  飢な、まかるな、なよ竹の
 女ながらも神国に  尽す誠の竹野姫
 救ひの神と現はれて  茲に三人の姉妹の
 語り合ふ夜も束の間の  堪へ忍びの荒魂
 勇みて待てよ妹よ  汝が身を思ふ松梅の
 魂は通へよ千引岩  窟の中の妹が辺に
 窟の中の妹が辺に』
と歌つて元の座に就きける。
牛公『オイ兄弟分(少し小声になつて)今ののたが聞えたか』
馬公『のたと云ふ事があるかい。何でも長たらしい、のたのたと訳の分らぬ事をのたつとつたではないか』
鹿公『オイ違ふよ。ありや歌と云ふものだ』
牛公『アヽさうか、何でも、うたがはしい事をウタウタと囀つて居つた。彼奴は歌よみの乞食かも知れぬぞ。「歌々と歌を囀る歌作りうたうた出来ぬ身こそうたてき」』
馬公『何を吐しやがるのだ。うたつ目にはうたうた囀りやがつて、そんな処かい。彼奴が例の代物だ、彼奴を、俺等が力を合してふん縛つて了へばもう占めたものだ。松だとか梅だとか白状し居つたではないか』
鹿公『しかし乍ら一寸見た処、なかなか豪胆な女らしい。二人や三人の梃に合ふ様な奴ぢやあるまい。それに貴様あんな大きな男がひつついて居るのだから、到底そんな野心を起しても駄目かも知れぬぞ』
虎公『しかりしかり、而うして聊か以て手強い奴だ。下手にマゴ付くと、スツトコドツコイのオタンチン、チンチクリンのチンチクリン』
馬公『そりや何吐す』
鹿公『まことにはや、しだいがらだ』
牛公『時に取つての儲け物だ。うまいうまい、しかと虎まへるのだな』
馬公『俺等の名を並べやがつて、うまい事吐きやがる』
牛公『もう斯うなつては、廐の隅にも置いとけぬワイ』
鹿公『しかりしかり しかも座敷の真中か、コーカス山の中のお宮の御住ひ』
虎公『とらマア結構な事だなア』
牛公『洒落やがるない。人の真似計りしやがつてモウそんな話は止めようかい』
馬公『ばかばかしいからな。うまい話と化物とは滅多に会はれるものぢやない』
鹿公『しかし乍らコーカス山には沢山な化物が集まつて居ると云ふ事だ。うまい話も沢山あるぢやないか』
虎公『虎でも、獅子でも、狼でも、熊でも、狐でも、狸でも、犬でも、猫でも、杓子でも、瓢箪でも、酒の粕でも、コーカスでも、狡猾な奴計りが集まつて利己主義をやつて居るのだと云ふ事よ。これから虎さんもちつと狡猾になつて猫でも被つて虎猫になつて見よう、ニヤーンと妙案だらう』
時公『オイオイ牛、馬、鹿、虎、俺が最前から狸の空寝入りをして貴様等の囁きを聞いて居れば、太い奴だ。牛公の儲け話、馬公の甘い算段、鹿公の狡猾目的、虎公の猫被り、トラ猫のコーカス野郎、大気津姫が呆れるワイ。サア、ま一度時さまの前で云つて見よ』
八公『こら四人の獣、四足、俺は八さまだぞ。知つてるか四ツの倍が八だ。ぐづぐづ吐すと八裂だぞ』
鴨公『ヤイ、貴様等、松がどうだの、梅がどうだのと何をかまふのだ。かもて呉れるな。此方は三五教の宣伝使だ。何もかも御承知だからかもさまと云ふのだ。貴様の悪い企はちやんと看破して居るのだ。どうだ何もかも白状するか』
牛公『もうもうもう何も彼も白状致します』
馬公『うまうま待つて下さい』
鹿公『鹿つめらしい顔してしかつて下さるな』
虎公『お前さま等にとらまへられぬ先に尾を捲きます』
鴨公『宜しい。これから何もかも気を付けるが宜からうぞ』
時公『アハヽヽヽヽ』
 時公はすつくと立つて、宣伝歌を歌ひ始めた。
『浪音高き琵琶の湖  鳴る言霊の此処彼処
 また来る春を松島や  浪風高き竹の島
 見ても強そな梅の島  浮ぶ景色も面白く
 一寸三島の沖越えて  真帆に風をば孕ませつ
 此処まで来たる時も時  ぎうと詰まつた船の客
 うしや苦しと泡を吹く  角の立つたる牛公や
 尻の始末に馬さまが  豆屁の様な法螺を吹き
 欲と酒とにからまれて  心は紅葉鹿の鳴く
 しかめ面した鹿さまや  荒肝とられた虎さまの
 コーカス山の物語  大気津姫が呆れたと
 屁を放る様な小理屈を  やつとかました八公の
 骨も身もないかけ合ひだ  墨を吹いたる蛸の様な
 禿ちやま頭の鴨公が  かもかかもかと威張り出す
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 コーカス山の曲神を  この時さまが現はれて
 時をうつさず言霊の  誠の道を説き分けて
 欲に迷うた曲神の  心のもつれ解いてやる
 牛の糞でも天下取る  うまい話にのせられた
 船の上にてうつかりと  ほざいた鼻鹿物語
 叱り散らすは易けれど  とらまへ処のない虎公
 直日に見直し聞直し  宣り直し行く船の上
 牛馬鹿虎のみならず  この船中の人々よ
 鑿や鉋や鋸の  働く如く今よりは
 心の曲をきり払ひ  垢を削れよ三五の
 神の教にまつらうて  栄耀栄華に暮し居る
 大気津姫の真似をすな  従順に心改めて
 早く乗り換へ神の船  この世を救ふ神の船
 目無堅間の救ひ船  浪風荒き世の中も
 溺れる案じあら波の  浪に漂ふ松代姫
 神の教の一時に  開く梅ケ香姫の神
 此二方の宣伝歌  確り聞いて改めよ
 この世ばかりか先の世の  力となるは神の教
 教の友船幾千代も  老ず死らず天津日の
 神の御国へ救ひ行く  神の救ひの御船に
 一日も早く乗り直せ  乗れよ乗れ乗れ神の船
 醜の言霊詔り直せ  神は汝と倶にあり
 嗚呼有難き神の恩  嗚呼有難き神の徳
 とつくり思案した上で  神に貰うた生粋の
 心の色を現はせよ  コーカス山は高く共
 神の恵みに比ぶれば  足元さへも寄り付けぬ
 琵琶の荒湖深くとも  深き恵みに比ぶれば
 たとへにならぬものぞかし  畏き神の御教に
 まつろひまつれ諸人よ  禍多き人の世は
 神を離れて易々と  くれ行く事は難かしい
 ほめよたたへよ神の徳  祈れよ祈れ神の前
 前や後や右左  神の御水火に包まれて
 生きて行くなる人の身は  神に離れな捨てられな
 アヽ惟神々々  御霊幸ひましまして
 世の諸人の身魂をば  研かせ給へ研きませ
 心の岩戸押しあけて  清き月日を照らせかし
 清き月日を照らせかし』
と歌ひ終つて元の座に就きけり。
(大正一一・三・三 旧二・五 藤津久子録)
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