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文献名1霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
文献名2第1篇 天岩戸開(一)よみ(新仮名遣い)あまのいわとびらき(一)
文献名3第3章 蚊取別〔499〕よみ(新仮名遣い)かとりわけ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-11-11 23:10:52
あらすじイホの都の町外れの国魂神の祠の前で、初公を始め群衆は、直会の席で酔いに任せて酋長と春公に棍棒で襲い掛かった。そのとき、闇を透かして宣伝歌が聞こえてきた。三五教の宣伝歌を歌いながら現れた宣伝使は、群集の中をゆうゆうとやってきた。茹蛸のような赤い顔をかがり火に照らされて、おかしな腰つきで人々の前に現れると、宣伝歌を繰り返すのだった。初公は大いに怒り、宣伝使につきかかった。宣伝使は体をかわして、初公に酒を飲むな、と諭すと、宣伝歌を歌い始めた。宣伝歌は酒を戒め、自分の過去の罪悪を懺悔して、村人たちに悔い改めを促すものであった。初公は、教えは気に食わないが声は気に入った、と酒を蚊取別に勧める。しかし蚊取別はお神酒以外は飲めない、と言って断る。初公はまた大いに怒るが、蚊取別は贅沢を戒める。騒ぎのうちに、群集は酋長と春公が逃げてしまったことに気づいた。そして、酋長の家に押しかけようとする。蚊取別は、止めても聴かないので、霊縛をかけて群集をその場に金縛りにしてしまった。このとき、祠の後ろで事態を見守っていた三兄弟は宣伝歌を歌いながら蚊取別の前に現れた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月06日(旧02月08日) 口述場所 筆録者岩田久太郎 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年9月30日 愛善世界社版21頁 八幡書店版第2輯 633頁 修補版 校定版21頁 普及版8頁 初版 ページ備考
OBC rm1203
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本文  イホの都の町外れ、国魂の祠の森に集まりたる群集は、直会の神酒に酔ひ、終に酋長および春公に向つて、棍棒を振つて四方より飛びかからむとする其時しも、闇を透かして宣伝歌聞え来たる。
『神が表に現はれて  善と悪とを立別ける
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 唯何事も人の世は  直日に見直せ聞き直せ
 身の過は宣り直せ』
と声も朗かに唄ひながら、群集の中に悠々として進み来る一人の宣伝使、篝火に照されて、茹章魚の様な赭い顔に禿頭、腰つき可笑しく其前に現はれ、又もや以前の宣伝歌を繰返すのであつた。初公は大に怒り、
初公『コラ、何処の奴か知らぬが、善も悪も有つたものかい。章魚の様な面付しやがつて何だツ。折角の我々の面白い酒宴に茶々入れるのか。サア、マ一遍吐いて見ろ、量見ならぬぞ』
と右の肩を無理に聳やかし、凹目をギロツカセ、ヒヨロリ、ヒヨロリと宣伝使の前に現れ、ウンと許りに突き当つた。宣伝使は体を躱し、
宣伝使『ヤア、お前さんは此町のお方と見えるが、お酒は余り上らぬが良からう』
初公『ナヽ何だツ。お酒を上ろと上るまいと、放つときやがれ。何も貴様の酒を飲むだのでもなし、俺の酒を俺が勝手に飲むだのだ。此辛い時節に、自分の酒迄かれこれ云はれてたまるかい。貴様は何処の馬鹿者だ。オイオイ皆の奴、此奴は三五教だぞ。酋長も春公も同腹だ。二人叩くも三人叩くも同じ事だ。此奴が親分らしい。是から先へ、畳ンだ、畳ンだ』
宣伝使『朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  誠の力は世を救ふ
 救ひの神の御教に  心を覚せ目を醒せ
 黒雲四方に塞がりて  黒白も分ぬ闇の夜に
 人の心を照さむと  神の御言を畏みて
 朝な夕なに山河を  渡りて此処にイホの森
 人声高しと来て見れば  初めて会つた初彦が
 酒の機嫌で熱を吹く  吹くは吹くは法螺の貝
 二百十日ぢやなけれども  吹いたる後は良くないぞ
 早く静まれ風の神  弱い奴ぢやと附け込みて
 肩臂怒らす可笑しさよ  酒を飲むのはよけれども
 酒に飲まれた初公の  その足附は何事ぞ
 恰も家鴨の火事見舞  腰はフナフナ目クルクル
 今に心を直さねば  天地は暗く揺り動き
 五穀実らず果物も  残らず虫に落されて
 眩暈が来るは目の当り  頭を土に足上に
 のたくり苦む憐れさを  誠の神は見捨て兼ね
 コーカス山に現れて  此世を照す朝日子の
 日の出神の御教を  天地四方に宣べ玉ふ
 アヽ人々よ人々よ  一日も早く速けく
 酒に腐りし腸を  天の真奈井の玉水に
 洗つて神の御為に  誠を尽せ皆尽せ
 三五教は世を救ふ  救ひの船は今此処に
 我も昔は自在天  大国彦に使はれて
 あらぬ罪をば作りたる  曲津の神の住の家
 腸を腐らす酒好み  瓢を腰にブラ下げて
 ウラルの教を開きつつ  生血を絞りし蚊取別
 わけて尊き朝日子の  日の出神に救はれて
 心も魂も澄み渡り  筑紫の島の守り神
 純世の姫の神使  悪を退け善に附き
 身の罪科を天地に  謝罪り悔いて元津祖
 神の賜ひし真心に  一日も早く帰れかし
 畏き神の御教は  水を洩らさぬ三五
 あな有難や尊しと  共に手を拍ち皇神を
 称へまつれよ百人よ』
初公『何だ、ベラベラと気楽さうに、訳も分らぬ事を吐きやがつて、それほど酒が喰ひたいのか、喰ひたければ此処に燗冷しがある。是でも一杯喰つて、もう一切り歌つて呉れ。貴様の姿は気に入らぬが、声と歌が気に入つた。サア、この燗冷しでもグツと飲むで、もう一切り歌つたり歌つたり』
蚊取別『イヤ、私は三五教の宣伝使、神様の神酒は戴きますが、皆様の飲みふるした余り酒は、平に御免を蒙ります』
初公『ナヽ何を吐しやがるのだ。ド乞食奴が、贅沢を云ふな。貴様の様な贅沢な奴が、此世の中にうろつくものだから、春公の奴、沢山に米や酒を倉にウンと持つて居やがつて、まだ御前らは贅沢なとか、世の中が其処まで行詰まつて居らぬから、倉を開くは早いとか吐きやがるのだ。悪い智慧をつけよつて、量見ならぬぞ』
蚊取別『それは大変な間違です。我々は贅沢を戒めに歩いて居るもの、聞き違つて貰つては困りますよ』
 群集の中より又もや一人の泥酔者が、行歩蹣跚として此場に現れ来り、
男『コラコラ、初公、コンナ奴に相手になつて居るものだから、肝腎の酋長や春公の奴、知らぬ間に逃げて仕舞ひよつたぢやないか』
初公『ヨウさうだ。風を喰つて逃げ失せたか。イヤ、ナニ、彼奴の家へこれから押しかけて行かう。小さくなつて、倉の中へ逃込むで、鼠の様に俵に喰ひ附いて居やがるだらう。サアサア是から春公征伐だ。酋長も巻添だ』
 蚊取別声を張り上げて、
『ヤア、皆の方々しばらく御待ちなされ。我々が申上げたい事がある。キツト悪い事は云はぬ。御聞きになつたが皆様の為だらう』
初公『エー、何を愚図々々云やがるのだ。此棒で貴様の頭を蚊取別と胴突いてやらうか、貴様は燗冷しは嫌ひだと吐きやがつた。何ぼ燗取酒でも、こンな処で立派な燗酒が飲めると思ふか。冷酒でも結構だのに、何を不足さうに愚図々々云ふのだい。オイオイ皆の連中、行け行け、春公の家へ』
 蚊取別は声も涼しく天の数歌を歌ひ、最後にウンと群集に向つて霊を送つた。初公、斧公の二人は化石の様になつて、其場でピタリと倒れた。群集は口を開けたまま、手を振り上げたまま、足を踏んばつたまま、立かけたまま、千種万態、化石の様になつて、目ばかりギロギロと動かし居る。此時祠の後より、
『神が表に現はれて  善と悪とを立て別る
 家を破るも酒のため  喧嘩をするも酒のため
 泣くも怒るも酒の為  酒程悪い奴は無い
 蚊取の別の宣伝使  今や此場に現れて
 酒に狂へる里人を  各々に霊縛り
 アヽ勇ましや勇ましや  神の力はまのあたり
 四辺輝く篝火に  照して見れば三五
 神の教を伝へ行く  雄々しき姿の一人旅
 心も堅き磐樟彦の  神の命の三柱御子の
 高光彦や玉光彦  国光彦の宣伝使
 君の勲を覗し見て  心の底より愛でまつる
 アヽ惟神々々  御霊幸ひましませよ』
と歌ひ乍ら三人の宣伝使は蚊取別の前へ粛々として現れ来たる。
(大正一一・三・六 旧二・八 岩田久太郎録)
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