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文献名1霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻
文献名2第4篇 奇窟怪巌よみ(新仮名遣い)きくつかいがん
文献名3第17章 臥竜姫〔543〕よみ(新仮名遣い)がりょうひめ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-04-14 14:11:47
あらすじ三人(音彦、亀彦、駒彦)は引き続き岩窟の中を進んで行くと、どこからともなく琵琶の音が聞こえてきた。三人は、琵琶を弾いているのは先ほど光の中から現れた美人ではないかと無駄話をしながら、三叉路までやってきた。すると曲がり角から一人の男が勢い余ってやってきて、音彦とぶつかった。男は弥次彦と名乗り、醜の岩窟の主人だとうそぶく。後から連れの与太彦も現れた。音彦は例によって喧嘩口調で対している。弥次彦と与太彦は、三人が宣伝使と見ると喧嘩をやめて、美人のところへ案内しましょう、と言う。琵琶を弾いている美人は、臥竜姫と言って、エルサレムの高貴な神の娘であるという。弥次彦と与太彦は、三人を臥竜姫の館の前まで案内した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月20日(旧02月22日) 口述場所 筆録者藤津久子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年10月30日 愛善世界社版195頁 八幡書店版第3輯 102頁 修補版 校定版196頁 普及版84頁 初版 ページ備考
OBC rm1317
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本文
 三人は又もや進み行く。何所ともなく微妙な琵琶の音が聞えて来た。
音彦『ヤア妖怪窟の探険丈けあつて種々雑多の余興を見聞させられるワイ。之が吾々の役徳と云ふ物だ。何とも知れぬ微妙な音楽ぢやないか。要するに、察するに、つらつら鑑るに………』
駒彦『何だ、同じ様な論法を陳列しよつて、此処は博覧会とは違ふぞ』
音彦『枕言葉なしに開陳する事は、少しく勿体ない気分が漂ふのだ。こいつは的切白煙の中から、玉となつて現はれたやや神経質な、ナイスが弾ずるのに相違は無いわ。小督の局の所在は何処ぢやと、行衛を尋ねた罪な男ぢやないが、峰の嵐か松風か、恋しき人の琴の音か、駒と亀とが腰を下して聞くからに、爪音しるき想夫憐と云ふ調子だ。此音サンの眉目清秀なる好男子を、チラと一瞥して、ニタリと微笑を浮べ、新月の眉の下から緑滴る涼しき眼を、ジヤイロコンパスの様に急速力を以て廻転し電波を発射し、この音サンをチャームした天女に間違ないぞ、この琵琶の音は、音が違うのだ、音と云ふ字は音サンの音だ、一言も聞きおとさぬ様に聴聞したがよからうぞ』
駒彦『何を吐しよるのだ、己惚の強いにも程がある。長茄子にハンモツクを着せた様な面をしよつて、美人も糞もあつたものかい、宣伝使は宣伝使の務めさへすれば宜いのだ』
亀彦『アハヽヽヽヽ、自称好男子、色々の下馬評を否熱望的気焔を上げて見た処で磯の鮑の片思ひだ、長持の蓋だ、こちらはあいても、向ふはあかぬとけつかるワイ』
音彦『貴様は黙つて伏艇して居れば宜いのだよ。ウカウカと水面に浮上すると、浮流水雷に掛つて爆発するぞ』
亀彦『ハヽア、たうとう桜島ぢやないが、疳癪玉を破裂させよつた。憤怨万丈近付く可からずと云ふ音公サンの物凄い権幕、女の話をしても直に真赤になつて、鼻息荒く、御機嫌斜なりだから困つたものだ。アハヽヽ』
 琵琶の音は益々冴えて来る。三人は無駄口を言ひ乍ら、三叉路に停立して、息を休め旁興味がつて聞いて居る。突然曲り角よりやつて来て、ドンと行き当つた荒男、勢余つてどつと尻餅をつき、
『ヤア何処の何奴か知らね共、此醜の窟に無断に侵入して来よつて、道路神の様に立つて居て俺を刎飛ばしよつた。オイ、奴盲目奴が、尠と注意を払はぬかい』
音彦『ヤア何処の奴か知らないが、吾輩の胸板に衝突しよつて無礼千万な、何故早速に謝罪を致さぬか』
『何だい、人を突き飛ばして置き乍ら謝罪も糞もあつたものかい。俺を何誰と心得て居るか、醜の窟の御守護神、弥次彦サンとは俺の事だ。オイ与太彦、貴様何をして居る、此奴を一つ打撲つて呉れ。如何に世が変るとはいへ、被害者が加害者に御詑をすると云ふ現行法律が何処にあるものか』
音彦『アハヽヽヽ、此奴なかなか威張りよる。一寸容易には、我の強い奴だから、三五教の宣伝使に対しても閉口頓死をやり腐らぬワイ』
弥次彦『エヽ縁起の悪い、閉口頓死と云ふ事があるものか、トンチキ野郎奴』
与太彦『何だか善悪の標準がトント分らぬ様になつて来たワイ、突き飛し得の、突き飛され損ぢや。ヤア弥次、これが時代思潮だ。神も時節には叶はぬから、マア泣き寝入りにする方が無難で宜からう、時勢に逆行すると第一〇〇主義だと云はれるからな』
弥次彦『宣伝使といふ立派な保護色に包まれた御方を相手にしたつて仕方がない。それよりも、なんとか云つて暴利る事を考へ様ぢやないか。突き飛されても自分で転たと思へば総ての問題は自然消滅だ。モシモシ宣伝使さま、いま迄の事は互に川へ流しませう。然し面白い事が有りますぜ』
音彦『ヤア早速の解決、流石は醜の窟の守護神丈あつて良く捌けたものだ。ドンナ事があるのだ、云つて貰へまいか』
弥次彦『それは大変にぼろい事ですよ、木に餅が実ると云はうか、瓜の蔓に小判がガチヤガチヤ、処狭き迄実つて居るのを、ずらりと占領した様なぼろい事です。結構な宝を、地に委して、放して居るのも余り気が利かない。吾々も尠と其分配を受けたいものだが其宝を拾ふ人間が無いので待つて居るのだ。お前さまの様な立派な英雄豪傑なら屹度ばつがあふだらう。何分吾々は天来の醜男だから、こちらから何程速射砲的電波を直射しても、先方の受電機が悪いのか、こちらの機械が不完全なのか、一向要領を得ない。お前サンならば第一押し尻も強いし、一寸人間らしい面付きもしてゐるから、天下一品の臥竜姫も、猫に鰹節を見せた様に、咽を鳴して飛び付く事は、請合ではない事はないワイ』
音彦『その臥竜姫と云ふのは一体何者だ』
弥次彦『その正体が分る位なら吾々も今迄苦労はしないのだ。然し何でも、エルサレムとかの立派な神様の娘御だと云ふ事だ』
音彦『さうして其姫の所在は何処だ』
弥次彦『それを云つては吾々の暴利る種が無くなる、先づ第一要領を得さして貰はうかい。要領を得ない内は、私だつて要領を得させる訳にはいかないのだ』
亀彦『オイオイ男、貴様の面は何だ。目迄細くしよつて、コンナ奴に関係つて居る時機ぢやあるまい、ナア駒公』
駒彦『オーさうぢやさうぢや、音公では到底不合格だ。宜い加減に前進する事にしよう。兎も角、あの琵琶の音を合図に行けば好いのだ。吾々が行つたら屹度、臥竜姫は秋波を送るよ。何となしに吾輩の魂に電流が通じて来た様だ』
弥次彦『モシモシ、お前サンの様な、不完全な御粗末な、糸瓜の様な長たらしいお顔では、鰻でも愛想を尽かして、ヌラヌラと滑つて逃げるのは当然ですよ。アハヽヽヽ』
駒彦『構ふない先陣の功名は俺が一番槍だ』
と云ひ乍ら、大手を振つて元気好く、音を的に、四股踏み乍ら進み行く。
弥次彦『ヤア御一統サン、此処が即ち、所謂、取りも直さず、臥竜姫の隠家で御座います。それはそれは奇妙奇天烈、不思議千万な妖怪窟ですから、其お積りで不覚を取らぬ様になさるが宜からう』
音彦『ヨー、この窟に似合はぬ立派な構へだ。エルサレムの何誰様の娘か知らぬが一つ探険して見ようかい』
(大正一一・三・二〇 旧二・二二 藤津久子録)
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