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文献名1霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻
文献名2第4篇 奇窟怪巌よみ(新仮名遣い)きくつかいがん
文献名3第21章 本霊〔547〕よみ(新仮名遣い)ほんれい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-11-26 18:10:52
あらすじ巨大な火弾は、以前の女神の姿になった。女神は五人の宣伝使の御魂が開けたことを宣言し、フサの都に進むようにと命じた。そして、岩彦は心は固いがまだ開けていないので、よくなごめるように、と諭した。女神は、自分は木花姫の和魂であると名乗って消えた。五人は感謝に天津祝詞を唱えていると、気絶していた岩彦が起き出した。岩彦は今の爆発で、五人が死んでしまったと思い、遺体を探し始めた。しかし髪の毛一本見つからないので、てっきり大蛇が五人を飲んでしまったと早合点して、敵を取ろうといきんでいる。五人の宣伝使が岩彦に話しかけるが、岩彦は大蛇と会話していると思って、けんか腰で応対している。このとき、闇の中に六個の光の玉が現れた。そして五柱の女神と、一柱の鬼になった。各々名札がついており、女神には五人の宣伝使の名が、鬼には岩彦の名がついていた。自分自身の副守護神の姿を見て思い知らされ、ようやく鬼を追い払った岩彦は、五人と同じように正しい言葉を使うようになった。すると岩彦の本守護神が立派な神となって現れた。ここに六人の宣伝使と六柱の本守護神は、宣伝歌を歌った。やがて各自の本守護神は五色の玉となって宣伝使らの頭上に留まった。そして次第に宣伝使の体内にしみこんでしまった。一行は岩窟を出て、コシの峠を指して進んで行く。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月21日(旧02月23日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年10月30日 愛善世界社版244頁 八幡書店版第3輯 119頁 修補版 校定版245頁 普及版107頁 初版 ページ備考
OBC rm1321
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本文  巨大なる火弾爆発すると見る中に、忽然として以前の女神の姿が現はれた。五人は思はず平地に蹲んで最敬礼を表した。女神は声も淑かに、
『道の勲も鷹彦や、一度に開く白梅の、薫り床しき梅彦や、心の駒の勇み立ち、誠の道に矗々と、進む駒彦万代の、神の教の亀彦や、言霊清き音彦よ、汝等今より麻柱の、神の教を宣べ伝ふ、いつの御魂の宣伝使、あゝ勇ましし勇ましし、もはや汝が身魂の曇り、晴れ渡りたり真如の日月、心のに隈なく照り渡り、胸の仇浪静まりたれば、一日も早く片時も、疾く速やけく、フサの都に出立せよ、それにしても岩彦が、固き心は嘉すれど、三五教の宣伝使として、今少し足らはぬ処あれば、汝等五の御魂は岩彦が、心をなごめ、誠に強き益良雄として、立ち働かしめよ。斯く申す妾は天教山の木花姫が和魂なるぞ、夢々疑ふ事なかれ』
と宣し終ると共に、女神の姿は火煙と消えにけり。五人は感謝の涙に咽びつつ、嗚呼有難し忝なし、天津祝詞を奏上せむと一同宣る言霊も円満清朗、その声はさしもに広き遠き巌窟の内を隈なく響き渡りける。この言霊の声に岩公はムクムク起き上り、
『アヽ大変だ。エライ目に出会した。俺のやうな肝玉の太い宣伝使でも吃驚して一時性念を失つた位であるから、鷹公、亀公、駒公、音、梅の連中は定めて肝を潰したらう。アヽ胆を潰すは俺位の程度の者だ。それ以下の程度の五人の奴は、大方木葉微塵となつたかも知れやしない。彼奴等にしても可愛い女房や子が国許に待つて居るのだから、エヽ道連になつた好誼に骨なと拾つて女房や子供に届けてやらねばなるまい。これがせめてものこの岩サンの親切だ。アヽ五人のもの情ない事になつて呉れたなア。何だか真闇がりで目も碌々見えやしないわ。エヽ仕方がない、鷹公の骨だか音公の肉だか区別はつくまいが、何でも女房や子の気休めの為に、これが鷹公の骨だ、これや髪だと云つて慰めてやるより仕方がないワイ。暗いと云つても、これくらゐ暗い事は開闢以来だ』
と云ひながら四つ這になり、
岩彦『オイ鷹公の骨ヤーイ、音公の腕ヤーイ、俺は岩公ぢや、死んでも魂魄この世に留まつて居るだらう、骨の所在地ぐらゐは俺に知らせやい。アヽコツクリ、コツクリと何処かへ散つて了つたと見える。あまり無残だ、焼けても灰なと残るのだが、髪の毛一本落ちて居らぬとは此奴はあんまり残酷だ。大方巌窟の化物が来よつて、余り弱音を吹くものだから、蟒の奴弱味につけ込んで一呑みに呑みよつたに違ひないワ。待て待て、一行六人の三五教の宣伝使、五人まで大蛇に呑まれて俺一人が何うしてオメオメと生て還られようか。待て待てこれから胆玉の太いこの岩サンが、大蛇を見付けたが最後、足でもグツと出して、オイ蟒の奴、尻から俺を呑めと言挙げしてやらう。さうすれば大蛇の奴、あの岩公は手強奴だ、彼奴だけは迚も呑む事は出来ぬと因果腰を極めて居つたのに、先方の方から呑めと云ひよる、五人呑むも六人呑むも一しよだ。ヤア美味々々と蛇が蛙を呑んだやうに、呑みにかかるだらう。さうしたら此方の勝利だ。神妙に呑まれてやつて、這入がけに、頤の片一方に、この十握の劔をグツと引つかけて両手で力一ぱい柄を握り、大蛇の奴がグツと呑めばグツと切れる。グウグツと呑めばグウグツと切れる。自業自得、大蛇は竹を割つたやうに二つにポカンと割れたが最後、呑まれてからまだ間もない五人の宣伝使、虫の息でウヨウヨとやつて居るだらうから、其処へこの岩サンが恭しく神言を奏上し、声も涼しく言霊の水火をもつてウンとやつたが最後息吹き返し、アヽ誰かと思へば岩公サンか、イヤ岩サンか、誠にもつて有難い、貴方のお蔭でこの弱い吾々も命が助かりましたと半泣きに泣きよつて、手の舞ひ足の踏む処を知らずと云ふ歓喜の幕が下りるのだ。可愛い子には旅をさせと云ふ事がある。神様も随分皮肉だな、大蛇の喉坂峠を旅行して痛い味を知り、危険な関所を越えて初めて勇壮活溌なる大丈夫の宣伝使とならせる経綸だらう。あまり弱音を吹くものだから屹度神様の試錬に遇うたのだらう、愚図々々して居れば息が止まるか知れない。ヤアヤア巌窟に棲む大蛇の奴、五人喰ふも六人喰ふも同じ事だ。五人の奴は麦飯だ。この岩サンは名は固いが歯当りのよい味のよい鮨米のやうな肉着きだよ。サア早く尻の方から呑んだり呑んだり』
 暗がりより『アハヽヽヽ、ウフヽヽヽ』
岩彦『ヤイ大蛇の奴、嬉しいか、嬉しさうな笑ひ声をしよつて、サア早く呑まぬかい』
音彦『モシモシ岩サン、お気が付きましたか、それは誠に結構でございます』
岩彦『モシモシ岩サン、お気が付きましたか、結構だつて、ソンナ辞令は後にして遠慮は入らぬ。結構だらう。早く呑んだり呑んだり』
鷹彦『岩サン、結構は結構ですが、貴方はお考へ違ひでせう。吾々はお案じ下さいますな、助かつて居りますよ』
岩彦『何だ、尻も甲もあつたものかい、足から喰へ、食料に欠乏して餓死に迫つて居つた処、半ダースも人肉の温かいのが来たものだから、結構でございますの、吾々はお蔭で助かりましたのと、何を吐すのだい。愚図々々して居ると侶伴の奴の息が切れるワイ、遠慮は要らぬ早く呑まぬかい』
亀彦『モシモシ岩サン、私は亀でございます、何卒ご安心して下さいませ。種々のお心づくし、骨身にこたへて嬉しうございます』
岩彦『ヤア貴様は亀と云つたな、狼か、骨身にこたへるなンて何だい、グツと一口に呑まぬかい。バリバリと骨も身も一緒にパクつかれては此方もちつと都合が悪いワイ』
 この時闇がりに、六個の光玉いづくともなく現はれ来り、たちまち五柱の女神と、一柱の鬼のやうな顔した男とが現はれた。岩公は驚いてこの姿を見守りゐる。
 五人の女神には一々名札がついて居る。見れば鷹彦の本守護神、梅彦、音彦、亀彦、駒彦の本守護神の名札をぶら下げて居る。一方の鬼の名はと見れば、こは抑如何に、一層広く長き名札にグシヤグシヤと文字が現はれて居る。よくよく見れば、
『この鬼は岩彦の副守護神なり、本守護神は岩彦の驕慢不遜にして慢心強き為に、未だ顕現する事能はず。一時も早く改心の上、かかる醜き副守護神に退却を命ずべし。野立彦命の命に依り、木花姫これを記す』
と現はれて居る。
岩彦『ヤア大変だ。五人の宣伝使は何だ。俄に女見たやうな優しい事を云ひよると思つたら、何奴も此奴もアンナ綺麗な本守護神が現はれたからだな。しかしながら岩サンはどこまでも岩サンだ。アンナ女々しい本守護神よりも、仁王様の様な鬼面をした副守護神に守護して貰ふ方が悪魔征伐にはもつて来いだ。未だ未だ武装撤回は出来ない。ヤア副守護神、明日から九分九厘までお前が俺の肉体を守護するのだよ、一厘と云ふところになつてから本守護神の女神になればよいのだ。何だ五人の宣伝使奴、目的の半途にして最早一角の神業奉仕をしたやうに、泰然と澄まし切つて居よる。これからが肝腎要の正念場だぞ。エヽ仕方がない、副守護神確り頼む』
鬼『俺は、お前の買ひ被つて居るやうな鬼ぢやない。鬼みそだよ。一つの火の玉にも雷にも胆を潰す柔しい鬼だ。姿はかう強さうに怖さうに見えても、肝腎の魂は味噌のやうなものだよ。アンアンアン、オイオイオイ、ウンウンウン、エンエンエン、インインイン』
岩彦『何だ、不整頓な言霊の泣き声を出しよつて、俺はソンナ弱い守護神と違ふぞ。貴様大方偽神だらう』
鬼『それでも、お前の模型だから仕方がないわ。空威張りの上手な、胆玉の据わらぬ、見かけ倒しのガラクタ鬼だよ』
岩彦『さう云へば、何処かの端が些と似とるやうな、矢張さうかいなア。ヤア本当にこれから強くなる。貴様今日限り暇を遣はす程に、必ず必ず岩サンの肉体に踏み迷つて戻つて来るな。門火を焚いて送つてやるのが本当なれど、生憎焚物もなし、不本意だが今日限り帰つて仕舞へ』
鬼『ハイハイ、何しにマゴマゴとして居りませう。疾うの昔から帰り度くて帰り度くて仕方が無けれども、お前の執着心が私を今まで鉄の鎖で縛つて何うしても斯うしても解放してくれないのだ。左様ならこれでお暇を致しませう、アリヨウス』
岩彦『アーア、これでこの岩公も何だか其辺が明かるくなつたやうな心持が致しました。モシモシ五人の宣伝使様、ご苦労でございました。サアサアこれから貴方方のお伴して、タカオ山脈のコシの峠の麓を指して参りませう。イヤもう私の鬼を逐出す為にいかいご苦労をかけました』
一同『アハヽヽヽ岩サンお目出度う、あれをご覧なさいませ、鬼の帰りた後に、あのやうな立派な守護神が顕現されました』
岩彦『ヤア、本当にこれはこれは、マア何と云ふ立派な、お岩彦の御御守護神様だこと、マアマア、よくもよくも御御守護下さいました。お有難うございます』
守護神『岩サン分りましたか、ようマア鬼を去して下さいました。私も天の岩戸が開けたやうな心持が致します。サアサアこれから貴方と私と霊肉一致して膠の如く漆の如く密着不離の身魂となつて、岩戸開きの神業に参加さして頂きませう』
岩彦『これはこれは畏れ入つたるご挨拶、本守護神様のご迷惑になる事ばかり、我を張り詰て致して来ました。どうぞこれからは比翼連理偕老同穴の夫婦のやうになつて、二世も三世も、後の世かけてご提携を願ひます』
 ここに六人の本守護神と、六人の宣伝使は巌窟の広場を指し、手を拍ち宣伝歌を高唱し、春の野の花に蝶の狂ふが如く、大地を踏み轟かし、
『開いた開いた菜の花が開いた  蓮の花が開いた
 心の花も開いた  身魂のもつれも開いた
 開いた開いた  常夜の闇となり果てし
 天の岩戸もサラリと開いた』
 各自の本守護神はやがて、得も云はれぬ五色の玉となつて各自の頭上に留まつた。玉は頭脳に吸収さるる如く、追々その容積を減じ、遂には宣伝使の体内に残らず浸み込んで仕舞つた。
 これより一行はこの巌窟を立ち出て、原野を渡り、コシの峠を指して勇ましく進み行く。
(大正一一・三・二一 旧二・二三 加藤明子録)
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