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文献名1霊界物語 第20巻 如意宝珠 未の巻
文献名2第3篇 三国ケ嶽よみ(新仮名遣い)みくにがだけ
文献名3第12章 如意宝珠〔674〕よみ(新仮名遣い)にょいほっしゅ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-04-18 03:39:38
あらすじ聖地では、高姫、黒姫、若彦、紫姫ら幹部が集まって、夜もすがら秘密の話にふけっている。高姫は、元々青雲山から持ってこられて埴安彦が桶伏山に隠していた、黄金の玉がバラモン教に奪われたことを明かした。高姫、黒姫、若彦は、その責任の所在を巡って言い争いになる。その声を聞きつけて、言依別命が部屋に入ってきた。悠然としている言依別命に対して、高姫は、黄金の玉紛失の事態の責任を問う。しかし言依別命は、すべて神様の仕組がしてあるから大丈夫だと請合う。そこへ、夜警の鬼丸から、お玉の方と黄金の玉が戻ったと注進があった。言依別命は祝意を表して立ち、宣伝歌を歌った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年05月14日(旧04月18日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年3月15日 愛善世界社版266頁 八幡書店版第4輯 247頁 修補版 校定版276頁 普及版121頁 初版 ページ備考
OBC rm2012
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本文  心の色も照山の  麓に建てる高殿は
 錦の宮の社務所と  世に鳴り渡る秋の風
 紅葉の錦散り敷きて  寒さ身に沁む時もあれ
 頭に霜を戴きし  三五教の宣伝使
 黒姫、高姫、青彦や  紫姫は終夜
 眠りもやらずヒソヒソと  秘密の話に耽り居る。
高姫『皆さま、高い声では云はれませぬが、玉照彦様、玉照姫様御両人も大切だが、それよりも、もつともつと肝腎要の根本の生粋の神政成就のお宝が紛失したのを皆さま知つて居ますか』
 青彦は『エヽツ』と頓狂な声を出し、驚いて仰向きに倒れようとしてやつと身を支へた。
高姫『コレコレ、青彦さま……お前の名は若彦ぢやが……つい口癖になつて云うたのだから怺へて下されや。若葉の色は青いから若彦でも青彦でもよう通ひますからな……然し、ちつと気を沈めて聞いて下さい。外の人に斯んな話が聞えたら高天原は大騒動ぢや、何とか工夫せねばなるまい。こんな事はまだ誰にも言うては無いのぢやが本当に心配の事が出来て居るのだよ』
黒姫『心配な事とは何事が起りました、妾の力に及ぶことなら生命を捨ててでも御用を聞かして貰ひませう』
高姫『実はお玉の方がバラモン教の悪神に攫はれて仕舞ひ、今に行方が分らぬので言依別命様にも申上げ、心配をして居るのぢや』
 是を聞いて黒姫、紫姫、若彦は真蒼白な顔をし『ヘエ』と言つたきり呆れて、互に目と目を見合すのみで途方に暮れて居る。
高姫『お前さま、お玉の方が攫はれたと言つてそれだけ吃驚する様な事では仕方がないぢやないか、ちつと胴を据ゑなさい。「身魂が研けて居らぬと真逆の時にびく付くぞよ。身魂さへ研いて置けば如何な心配が起つても胴が据つて楽に凌げるぞよ」とお筆先に有りませうがな、まだまだ吃驚の親玉がモ一つありますぞや』
紫姫『高姫さま、吃驚の親玉とは如何な事です、何卒聞かして下さい。妾も力一杯出来る事なら勤めさして頂きますから』
高姫『親玉と言つたら玉を盗られたのぢやがなア』
紫姫『あのお玉の方をですか』
高姫『お玉もお玉ぢやが、そんな玉とは玉で玉が違ふのぢや。天地がデングリ覆る様な大騒動ぢや。皆さまに言うて上げ度いけれど、あまり胴が据つて居らぬので如何する事も出来やしない。アヽア、神様の、もつと確りしたお道具に成る人が欲しいものだなア』
黒姫『玉とは何で御座います』
高姫『金の玉ぢや、それを盗られたのぢや』
黒姫『それは言依別様ですか、高山彦さまですか、そんな処を……また誰が如何して……穢しい……取つたのでせう』
高姫『エー、合点の悪い人ぢや、睾丸と違ひますよ。桶伏山に埴安彦神様が匿して置かれた、青雲山から持つて来られた神政成就の元津御霊の黄金の玉、如意宝珠の宝物を……皆が気をつけぬものだから、到頭盗られて仕舞うた。こりや屹度バラモン教が攫へて去んだのに違ひない、大変だらうがな』
黒姫『大変です、如何したら宜しからう、言依別命様に伺ひませうか』
若彦『困つた事になりましたなア、そつと伺つて来ませうか』
高姫『そんな事は此間から幾度も幾度も、妾がそつと言依別の教主に相談に行つて居るのぢやけれども、何んとか、かんとか言つて、「マア黙つて居つて下さい、何とか神様がして下さるでせう」なんて、キヨロリ、カンと大山が崩れて来ても動かぬと言ふやうな態度をして御座るものだから、妾は、もう気が揉めて揉めて、立つても居ても居られぬから、今日はお前さま達に寄つて貰つて、何とかせねばならぬと思ひ、相談をするのぢや』
黒姫『これは又、どえらい失敗をしたものですな、夜警にも廻る者が無かつたのかいな』
高姫『その夜警ぢやて、三五教の信者らしう見せて這入つて来よつて、其奴が手引して黄金の玉を盗み、何処かへ逃げて行きよつたのぢや。それだから神様が各自に気をつけて置けと仰有るのぢや。若い者の眠たい盛りに夜警をさして、寝つきの悪い年寄が、無理に寝ようとして無精をかわくものだから、神様が改心の為めに罰をあてなさつたのぢや。之から年寄は夜寝ぬ事にして下さい。その代り昼は何程なりと寝て、夜は気を付けて貰はねば、之から先に如何な事が起るか分つたものぢやない。若い者を昼遊ばし夜夜警をさすと、屹度碌な事は出来はしない。夜分は宵から寝させ、昼働けば宜いのぢやに、第一幹部のやり方が御神慮に叶はぬものだから、斯んな心配事が起るのぢや。黒姫さま、ちつと気をつけなされや』
黒姫『ハイハイ、気をつけます。何と言つても身魂の因縁性来だから仕方がありませぬワ。悪の御用をさされる身魂と善の御用をさされる身魂と、神様が立別けて見せて下さるのぢやから、最前も高姫さまが「神さまの罰が当つた」と仰有つたが、そりやチツトお考へ違ひぢやありませぬか。神様自らがお仕組遊ばす肝腎の宝を敵に盗られて迄、妾達に罰を当てるなんて…可怪しいぢやありませぬか。妾等が盗られたのぢやない、畢竟神様が神業の宝を盗られなさつたのぢや、謂はば神様に罰が当つたのぢや。さうぢやから素盞嗚尊様は善い所もあるけど、変性女子だから間に大縮尻をなさるのぢや。緯は梭が落ちたり糸が切れると言ふのは、ここの事でせう。経は一条を立て通してさへ居れば斯んな事は無いのだけれどなア。アーア然し時世時節には神様も叶はぬのだから、妾等は一旦改心した以上は、時の天下に従ふより外に道は有りませぬ、大将がしつかりしてくれぬと下の者迄が難儀をする。一匹の馬が狂へば千匹の馬が狂ふとやら言うて、良い大将の神様が欲しいものだ。如何しても変性女子の身魂が我を張つた時は斯んな懲戒が出て来るのぢや。神さんだつて矢張失敗はあるのだからなア』
若彦『これ、黒姫さま、そりやちつと量見が違ひはせぬか、言へばお前さま達の取締が悪いから斯んな事になつたのぢや。自分の責任を棚へ上げて二つ目には瑞の御霊さんへ責任を持つて行くのぢやな、何程千座の置戸を負うて下さる神さまぢやと言うても……そいつア余りぢや、お前さまの論法は脱線だらけぢやないか』
黒姫『ちつとは脱線もしようかい、天変地異の大騒動が起つとるのだから……一つや二つ汽車電車の脱線はありさうなものぢや』
高姫『何時まで斯んな事を言うて居つた所で、黄金の玉は帰つて来る気遣ひも無し、お玉の方が戻つて御座る筈もない。ここは一つ我々が千騎一騎の活動をして、生命を的に黄金の玉を取返し、お玉の方を探して帰つて来ねば、第一我々初め貴女等の責任が済みますまい』
 此時ガラガラと表の戸を開けて這入つて来た二人の男、若彦は目早く見て、
若彦『ヤア、お前はテルヂーにコロンボぢやないか、しつかり夜警をして居るかな』
テルヂー『夜警も神妙にやつて居ますが、黄金の玉を、前に来て居つた徳の野郎奴、バラモン教の蜈蚣姫の間者と共謀になりやがつて、ソツと玉を盗んで行きやがつてからと言ふものは、何の為めに夜警をするのやら有名無実、馬鹿らしうて夜警もやけ気味になつて来ます哩』
高姫『なに、あの徳奴が此間から姿を見せぬと思へば、彼奴が手引をして居つたのか。何と悪い奴ぢやな、それで人に心を許すでないぞよと神様が仰有るのだ、皆さまよう聞いて下さいや、うまい事言うて来ても神に伺はねば相手になつては往かぬとのお筆先を余り軽く見て居つたから、斯んな事になつて仕舞ふのぢや』
黒姫『モシ高姫様、貴方は何時も徳さんは偉い、誠の人ぢや、あんな人ばつかり信者になつて居つたら、三五教は一遍に世界の掌を翻す事が出来ると云うて褒めそやし、お前も徳さまを見習うて手本にしなさいと仰有いましたな。貴方の仰有る事を聞いて手本にでもして居つたものなら、今頃は如何な騒動がオツ始まつて居るやら分りやしませぬぞえ。鼈に尻の穴を吸はれた様な惨目な目に成つて仕舞ふのだ』
高姫『黒姫さま、お前は何を言ふのぢやぞえ、誰がそんな事を言うたのぢや。一寸一遍手洗でも使うて来なさい』
 言依別命は何となく心いそいそして寝られぬままに、月の光を浴び、杖をついてブラブラと此高殿の前にやつて来た。屋内の争ひ声に耳をとめ、自ら雨戸を引き開けて進み入り、
言依別『ヤア皆さま、遅う迄エライ勉強ですな、何ぞ結構なお話でもありますかな』
高姫『貴方は高天原の大将ぢやありませぬか、能うそんな気楽な事を言うて居られますな、肝腎要の根本のお宝を紛失し、お玉の方の肉の宮は行方不明となつて、妾達が夜も碌によう寝ず、此通り目を赤うして心配をして居ますのに、貴方は何ともありませぬか。貴方が余り平気な顔して御座るものですから、幹部の連中さまが誰も彼も、いや惟神とか、御都合だとか言つて、尽すべき事も尽さず、懐中に手を束ね、握り麻羅でポカンとみて居るのぢや、ちつと確りして下さい』
言依別『ハヽヽヽヽ、エライ御心配を掛けて済みませぬな、神様は抜目が有りませぬから、さう心配はなさいますな』
高姫『抜目の無い神様なら、なんで其んな大切な玉を盗られなさつたのぢや。神さまだつて此方から気をつけて上げなければ如何なるものか、こんな不調法ばかりなさる、筆先にも「何卒誠の者は神に気をつけて下されよ」と現はれて居るぢやないか、能うマア、ほんにほんにそんな陽気浮気で如何して此高天原の城が保てますか、大勢の者の統一が出来ますかい』
言依別『黄金の玉も、お玉の方も、何れ明日の朝か昼頃には此処へ帰つて見えますよ。神さまがちやんと仕組んで居られるから……貴方等が何程鯱になつても駄目ですよ』
 此時門の戸を慌しく叩き、
『モシモシ、言依別神様はお見えになつて居りませぬか』
黒姫『誰だいなア、無作法な……戸を割れる程ポンポン叩いて……ヤアお前は谷丸ぢやな、身体維れ谷丸処ぢや、早う彼方へ行つて夜警をして来なさい』
鬼丸『エー、滅相な夜警どころですかい、大変な事が起りました。何卒早う言依別神様に帰つて貰ひ度いのです。実の処は此間盗まれた黄金の玉とお玉の方が今表門まで無事に帰られました』
言依別『宗彦も一緒に帰つたかな』
鬼丸『ハイ、宗彦さまも、その外三人のお伴もついてお帰りになりました』
 言依別命は莞爾し乍ら鬼丸を伴ひ表門へ進み行く。
高姫『サア黒姫さま、青さま、若さま、紫さま、如何しよう如何しよう、大変ぢや大変ぢや』
 若彦、紫姫、黒姫、高姫は嬉しさの余り室内を狼狽へ廻つて居る。お玉の方に抱かれて黄金の玉の御神体は一とまづ錦の宮の殿内深く納まり給うた。あゝ惟神霊幸倍坐世。
 言依別命は祝意を表し立つて宣伝歌を歌ひ始めたり。
『朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  誠の力は世を救ふ
 三五教の神宝  黄金の玉の如意宝珠
 バラモン教の曲神に  そつと盗まれ言依の
 別の命は驚いて  錦の宮に馳せ参じ
 玉照彦や玉照の  姫の命に伺へば
 宝珠の玉は三国岳  バラモン教の副棟梁
 心の鬼ケ城山に  砦構へし鬼熊別の
 醜の魔神の宿の妻  蜈蚣の姫の鬼婆さま
 岩窟の中に立て籠り  貴の宝を奪ひ取り
 お玉の方と諸共に  占奪せりと聞きしより
 我は神勅畏みて  人に知らさず三五の
 道の司の新参者  天の真浦が弟なる
 心の清き宗彦に  旨を含めて霧の海
 渡りて三国の山奥に  遣はしければ宗彦は
 使命を果し漸うに  お玉の方と諸共に
 いそいそ此処に帰りけり  玉照彦や玉照姫の
 神の命の神司  お玉の方の三つ霊
 黄金の玉の五つ霊  三つと五つとの睦み合ひ
 此処に愈三五の  神の教は輝り渡る
 三五の月照彦の神  思ひも此処に足真彦
 教は四方に弘子彦の  神の命と現はれて
 悪しき病も少名彦  愈神の御光も
 高照姫や純世姫  真澄の姫の鑑なす
 尊き教も竜世姫  御代も豊に国治立の
 神の命や豊国姫の  瑞の御魂のお喜悦
 埴安彦や埴安姫の  清き御魂も勇み立ち
 天津神等八百万  国津神等八百万
 是の聖地に神集ひ  今日の生日の喜悦を
 祝ぎ給ふ嬉しさよ  あゝ惟神々々
 御霊幸倍坐しまして  世は久方の空高く
 天津日嗣の永久に  動かぬ御代と守りませ
 円山姫の守られし  黄金の玉は恙なく
 再び此処に復りまし  五六七神政の神業の
 光と現はれ給ふらむ  勇めよ勇め諸人よ
 人が勇めば神勇む  吾は言依別命
 コーカス山や斎苑館  珍の都のヱルサレム
 エデンの園に現れませる  御神も共に喜びて
 堅磐常磐に何時までも  栄えませよと祈りつつ
 日の出神や日の出別  木の花姫の御活動
 天地の神も三五の  教の司も信徒も
 歓ぎ喜び舞ひ遊ぶ  鶴の齢の末長く
 亀万歳の永久に  守らせ給ふ此教
 あゝ惟神々々  御霊幸倍坐しませよ』
(大正一一・五・一四 旧四・一八 北村隆光録)
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