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文献名1霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻
文献名2第3篇 神仙霊境よみ(新仮名遣い)しんせんれいきょう
文献名3第9章 女神託宣〔791〕よみ(新仮名遣い)めがみのたくせん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-10-29 18:28:33
あらすじ国依別は、もし数万の土人の襲来であれば衆寡敵せず、三五教は権謀術数は禁じられているが、ここは言依別命が熟睡しているのを幸い、茶目式で土人たちを驚かせて荒肝を取ってやろうと一人ごちた。見れば、人々は白髪の老人を先頭に洞に近づいて来る。国依別は突然、虎狼が吠え猛るような唸り声を発した。声は洞穴に反響して、いっそう大きくなった。外の男たちが二三人、小声で相談するのが聞こえた。人々は、ハーリス山の竜神征服のために出かけていたが、国依別の吠え声を聞いて、その間に虎狼か、あるいは竜神の片割れが洞穴に入り込んだと思い込んでいるようであった。そして、数歌を歌って征服しようか、と相談している。国依別はこれを聞くと、先にこちらから数歌を怒鳴って聞かせた。人々は驚いて、魔神に自分たちの位置を悟られないようにといっせいに松明の火を消してしまった。あたりは真っ暗になった。大勢の中から一人の男が大幣を打ち振りながらやってきて、洞穴の中の国依別に、正体を現すようにと問いかけた。国依別はその声に聞き覚えがあるように思ったが、ここぞとばかり南洋語でまくしたてた。琉球の人々の中から現れたのは、若彦であった。国依別はハーリス山の竜神の振りをして若彦に語りかけて託宣を告げた。若彦は、一緒にいた常楠に、人々に竜神の託宣を告げるように言ったが、常楠は、声色が国依別の仕業ではないかと疑っていた。国依別はなおも洞穴の中から話していたが、地声が現れてしまった。国依別はまた作り声に戻したが、問答するうちについに正体を現してしまった。言依別命は目を覚まし、常楠と若彦が来ているだろうと声をかけた。一同は座して改めて会した。若彦は久しぶりの教主との対面となり、常楠は初対面となった。常楠の語るに、先日から若彦の供としてこの島に渡り、ハーリス山の竜神と言霊戦を開始しているとのことであった。そのおかげで暴風が収まり、島人たちが二人を尊敬するようになった、また竜神は九分九厘恭順しており、あと一息執着心を絶てば宝玉を明け渡すところまで来ている、と報告した。言依別命は、国依別の茶目式をたしなめた。夜が明けると、言依別命は四五十人の島人たちを引き連れて、ハーリス山に登って行った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年07月25日(旧06月02日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年6月20日 愛善世界社版153頁 八幡書店版第5輯 298頁 修補版 校定版159頁 普及版68頁 初版 ページ備考
OBC rm2709
本文のヒット件数全 8 件/言依別命=8
本文の文字数5807
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本文  国依別は空洞の入口に立ち、刻々に近より来る人影、篝火の光を眺めて独語、
国依別『あの仰々しい松明の光り、数多の人の足音、唯事ではあるまい。万一猛悪なる土人の襲来せし者とすれば、到底我々一人や二人、如何に言霊の神力を応用すればとて、容易に降服致すまい。権謀術数は神の許し玉はざる所なれ共、爰は一つ言依別様の御睡眠を幸ひ茶目式を発揮して、裏手を用ひ、寄せ来る数万の連中をアツと驚かせ、荒肝を取りて置かねばなるまい。オヽさうぢや さうぢや』
と諾き乍ら入口の暗がりに、ボンヤリと浮いた様に立つて居る。最早間近くなつて来た。暗がりにも確に男女の区別位はつく様になつた。先頭に立つた人の姿を見れば、確に白髪の老人らしい。国依別は突然洞穴内より虎狼の吼えたける如き唸り声を立て、力限り、
『ウーツ』
と唸つてみた。其声は洞穴内に反響して一層巨声になつた。外の男二三人小声で、
男『ヤアこりや大変だぞ。我々がハーリス山へ竜神征服の為に行つて居つた不在中に、何だか怪しい虎狼か或は竜神の片割れか、先廻りして我々の天然ホテルを占領しやがつたと見える。コリヤうつかり這入らうものなら大変だぞ。オイどうだ。数歌を唱へて征服して見ようぢやないか』
 国依別はさとくも其囁の一端を耳に挟み、
国依別『ヤア面白い、虎狼か竜神の片割れだらうと云つて居るな。ヨシ此方にも覚悟がある』
と独語し乍ら、満身の息をこめて、反対にこちらから「一二三四五六七八九十百千万」と含んだ様な声でワザと呶鳴つて見せた。此声と共に今迄木の間に瞬いてゐた松明は言ひ合はした様にパツタリと消えて、洞穴の内外は真の暗となつて了つた。寄せ手は驚いて、魔神に自分等の所在を探られない為と火を消したのであつた。外からは流暢な声で天の数歌が聞えて来た。一同はそれに合して、森林の木谺に響く声、天にも届く許り思はれた。大勢の中より一人の男稍近くに進み来り、大麻を左右左に打振り乍ら、
男『ヤア我々の不在中を狙つて住み込む奴は大蛇か、曲鬼か、或は猛獣か、言語の通ずるものならば、速かに返答致せ。それとも畜生ならば、一刻も早く此処を退散致せ。若し神様ならば御名を名乗らせ玉へ』
 国依別は何だか其言葉に馴染のある様な気分がした。併し乍ら此琉球の離れ島に我々の知人が来て居るべき筈もない。あの声は確に男子であつた。さうして何となく言霊が冴えて居た。こりや決して案ずるには及ぶまい。機先を制するは今の此時だ……と心に思ひ乍ら、暗がりを幸ひ、
国依別『アール、シヤイト、チーチヤーバンド、ジヤンジヤヘール、サーチライト、パツクス、エール、シーエー、ピツク、ホース』
と云つた。
外の男『ヤア此奴ア南洋の土人が漂着して来よつたのだなア。天の数歌まがひの事を言つて居やがつたぞ。大方ジヤンナの郷の三五教の信者が、此島に漂着して此洞穴を見付け出し、這入つて居やがるのだらう。困つた奴が来たものだ。土人の言葉はこちらでは分らないし、如何云つてやらうかなア』
国依別『此方はハーリス山に、遠き神代の昔より住居致す大竜神であるぞよ。此度神勅に依つて高天原より言依別命、其玉を受取りにお越し遊ばされたるを以て、今迄大切に保存して居た琉、球の二つの玉も、已むを得ず御渡し致さねばならぬ事になつて来た。神勅はもだし難し、執着心を去つてスツパリと渡し切る考へだ。此二つの玉の琉球を去るや否や、如何なる事が出来致すも分りはせぬぞ。其方は我を是より誠の神と尊敬致し、此洞穴の中を我居宅に献り、山海の珍味を以て供養せば、地異天変の災害を免れしめ、汝等一同をして安く楽しく長寿を与へ、天国の喜びを永久に保たしめむ。返答如何に』
と声まで十七八位の女になつた気で、若々しげに述べ立てた。外の男の一人、稍前に進み寄り、
外の男『早速のあなたの御承諾、若彦身にとりて、有難き仕合せに存じます。先日より一日も欠かさず、ハーリス山に駆上り、言霊を手向け候処、竜の腮の琉と球、容易に御渡し下さる形跡も見えず、実の所は、心中稍不安の念に駆られて居りました。其お言葉を聞くからは、これなる土人に命じ、あらゆる珍しき果物を持たせお供へ致します。どうか今迄の様に時々暴風雨を起し、人民を苦むるなどの暴行は是れ限り御止め下さいまする様に、三五教の宣伝使若彦、慎んで御願ひ致します』
 国依別、中より、
国依別『言ふにや及ぶ。我こそは国依……オツト違うた、国よりも我身が大事と、今迄は執着心にかられ、琉、球の二つの玉を私有物として楽しんでゐた。さうして此玉を以て、風雨雷霆を駆使し、種々雑多の乱暴を致したが、今日限り根本より悔い改めて若彦の言葉に従ふ程に、必ず必ず心配致すな。サア早く芳醇なる酒を献じ、林檎、バナナ、竜眼肉を我前に献上致せ。随分空腹に悩んで居るぞよ。言依別神様やがて日を移さず此処に御越しあらん。大勢ここに集まるも無益なれば、大半は浜辺に到つて言依別様御到着の御出迎への準備をいたすがよからうぞ。其時には三五教の大宣伝使国依別お供に仕へ居る筈なれば、待遇に区別をつけず、極鄭重にもてなしを致せよ。ハーリス山の竜神、汝等一統に気をつけるぞよ。若彦、及び其前に立つ白髪の老人にも申しわたす仔細あらば此処に居よ。其他の住民共は浜辺へさして一刻も早く御迎へに参り、万事落度なく心を配り気を配れよ。ウーン』
と唸り止んだ。
若彦『委細承知仕りました。……モシ常楠様、あなた何卒、大勢の連中に此由を御伝へ下さいまして、言依別様の御到着の待受準備にかかるべく御命令下さいませ』
常楠『ハイ承知致しました。併し乍ら嘘ではありますまいかな。どうも我々の考へでは言依別命様は、此洞穴内に安々と御休みなされてるような心持が致します。そして此竜神の化身女神様は、私の心のひがみか存じませぬが、国依別様のように思はれてなりませぬ。悪戯好の国依別の宣伝使の事とて、ワザとに女神の声色を使つて居られるのでは御座いますまいか。数多の土人を引つれ浜辺へ参り、言依別命様今か今かと待呆けに遭はせ、あとでアフンとさして大笑ひをしようと云ふ企みだなからうかと思はれます。そんな手に乗るものなら折角我々を神と信じてる土人の信用はサツパリ地におち、却て我等の身辺に危険の及ぶやも計り知れませぬ。コリヤうかうかと聞く訳には行けますまいぞ』
 国依別洞穴内より、一層やさしき女の作り声で甲高に、
国依別『来るか来るかと浜へ出て見れば  浜の松風音ばかり
 待ちに待つたる国さまは  遠の昔に此島に
 上つて御座るを知らないか  ホンニ盲は仕様がない
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と追々鍍金がはげて、知らぬ間に自分の地声になつて居たのに気がついた。
『ヤア是りや失策つた』
と思ひ乍ら、又声を改めて、
国依別『我こそは琉と球との玉を守護致す国依別の姫神であるぞよ。国依別とはタマで代物が違ふぞよ。国依別が例へば黄金なれば、此方は銅位なものであるぞよ。今迄の国依別は、実に困つた奴であつたなれども、身魂の因縁現はれて此頃は、立派な立派な言依別命の片腕にお成り遊ばして御座るぞよ。其方は紀州の辺鄙に永らく蟄居致して居つた故、知らぬは無理なき事であるぞよ。今に国依別命参りなば鄭重にいたし、琉、球二つの玉を汝等手に入れなば、一は言依別命に献じ、一は国依別命に献ぜよ。これ国依姫命の御心であるぞよ。ゆめゆめ疑ふこと勿れ』
若彦『ハイ承知致しました。誰の御手に渡しまするも天下を救ふ宝玉ならば、結構で御座います。三五教の物とならば之に越したる喜びは御座いませぬ』
 常楠小声で、
常楠『モシ若彦さま、どう思うても私は腑に落ちませぬ。……コレコレ女神と称する国依別さま、良い加減に茶目式を発揮しておいたらどうだい。そんな事ア若彦さまなれば、一時誤魔化しが利くだらうが、何もかも世の中の辛酸を嘗めつくした此常楠の前には通用致しませぬぞよ』
国依別『真偽の判断は其方に任す。我に従ひ遠慮は要らぬ。汝等両人奥の間に進み来れ』
と先に立つて暗がりを進んで行く。
国依別『待てよ、前へ無茶苦茶に進むと云うと、壁際に頭を打ち、言依別様のお眠みの上を踏みなどしたら大変だ。コリヤ一つ松明をつけさしてやらうかな』
と小声で囁き乍ら、
国依別『ヤア若彦、松明をつけよ。暗くて少しも見えぬでないか』
若彦『私はここへ参つてから余程慣れましたから、松明がなくても大抵分つて居ます。あなたは神様なれば夜目が見えさうなものですなア……神は無遠近、無大小、無明暗、無広狭、一も見ざるなしと云ふではありませぬか』
 国依別ヒヤリとし乍ら、尚も荘重な口調にて、
国依別『若彦、馬鹿を申せ。暗がりの目の見える者は畜生であるぞよ。人間は暗がりに目の見えぬのは神の分霊たる証拠であるぞよ。すべて高等動物になる程、夜分に目が見えないものだ。それだから最高級にある神は目が見えぬが道理だらうがな。それだから人民が神に灯明を献ずると云ふ事を知らないか』
 常楠吹き出して、
『オホヽヽヽ』
国依別『アイヤ常楠とやら、神の言葉が何故それ程可笑しいか』
常楠『あなたは余程鈍な神様と見えますな。道路神とかいつて、盲神様があると云ふ事だ。大方お前さまは道路神か道楽神だらう。宗彦、お勝の昔を思ひ出しになつたら、さぞ今日は感慨無量で御座いませうナ』
国依別『何でも宜しい。炬火をつけて下さらぬか。実は御察しの通り国依別ですよ。アハヽヽヽ』
常楠『オホヽヽヽ』
若彦『なんだ、又いかれたか。エー仕方がない。よく化ける男だな。そんなら炬火をつけて上げませうかい』
と懐より燧石をとり出し「カチカチ」とやつて居る。言依別は二三人の人声何かザワザワ聞えるのに目をさまし、耳をすまして聞いて居れば、国依別とか常楠とか若彦とかの声がきこえて来た。
『ハテなア』
と無言のまま考へ込んで居る。どうしたものか火は打つても打つても火口につかぬ。
若彦『アヽ今日は盲の神さまの守護と見えて、暗がりの御守護らしい。何程打つても火は出ませぬワ。……ナア常楠さま如何しませう』
常楠『エー仕方がない。そんなら暗がりで休みませうかい。……時に国依別さま、言依別の教主様はここに居られるのだらうな。ウカウカ歩くとお眠みになつて居る所を踏みでもしたら大変だから、在否を言つて下さいな』
国依別『お前さまの最前仰せられた通り、盲神の国依別、まして此暗夜、言依別様の在否が見えて堪りますか。アハヽヽヽ』
 言依別命は声を掛け、
言依別『イヤ国依別、何とかして火をつけて呉れないか。常楠、若彦の両人が見えて居るであらう』
国依別『ハイ、確にお見えになりませぬ。あなたでさへも見えぬ位ですから……』
言依別『暗がりで見えるか見えぬかと云つたのだない。来て居られるか居られぬかと言ふのだ』
国依別『来て居られますが、サツパリ見えて居られませぬ。アハヽヽヽ』
 かくする所へ入口よりチヤール、ベースと云ふ二人の男、松明をかがやかし乍ら這入つて来た。
 チヤール、ベース両人腰を届めて、
両人『嘸御不自由で御座いましたでせう。ついうつかり致してをりました。松明をここに灯しておきますから……私は入口に立番を致しますから、御用があらば直に手を御拍ち下さいませ』
国依別『ハーリス山の竜神、国依姫命、チヤール、ベースの両人、よくも気を利かしよつた。神満足に思ふぞよ』
両人『ハー、有難う存じます』
と恐る恐る、坑外に出て行く。坑内は二つの松明にて昼の如く明くなつた。所々に節穴の窓が開いて居た。煙は其穴より逸出すると見えて、少しも、けむたさを感じなかつた。
 言依別命は起き上り、行儀よく菅莚の上に端坐し、常楠、若彦の顔を見て、『ヤア』と言つた。
若彦『これはこれは教主様、よくも御入来下さいました』
と早くも嬉し涙にくれて居る。
言依別『若彦殿、御苦労で御座つた。此老人は噂の高い秋彦、駒彦の縁類なる常楠翁かなア』
若彦『ハイ左様で御座います』
常楠『教主様、一度御伺ひを致したく存じて居りましたが、遠方の事と云ひ、老人の事とて山道を歩むのが辛労になり、つい御無沙汰致して居りました。伜共が篤き御世話に預りまして、有難う御礼申し上げます。今度は私も千騎一騎の最後の活動と思ひ、神恩の万分一に報ぜむと、若彦様のお伴をなし、先日より此島へ参り、ハーリス山の竜神に向つて、言霊戦を開始して居ります。其御蔭で毎日毎晩吹き荒ぶ暴風も凪ぎわたり、それが為土人は我々二人を大変に神の如く尊敬いたして居ります。どこへ行つても日輪さまの御光は照らせ給ふ如く、大神様の御神徳の満遍なく行きわたつて居らせられるには感謝の至りにたへませぬ。何分耄碌爺の私、どうぞ御見捨なく御用命あらん事を懇願仕ります』
と言ひ終つて、嬉し涙を袖に拭ふ。
言依別『神様の御示し通り、これで愈四魂揃ひました。玉照彦様、玉照姫様の御神力は今更乍ら恐れ入る外はありませぬ。いよいよ願望成就して、琉、球の宝玉手に入るは目のあたりでせう』
常楠『最早九分九厘まで、竜神は帰順して居ります。モウ一つ執着心さへ取れれば渡して呉れるでせう。我々は若彦さまと共に能ふ限りの最善のベストを尽して来ましたがモウ此上は教主様の御力を借りるより仕方がありませぬ』
若彦『如何に神様の御仕組だと云つても、かような所で教主様にお目にかかるとは、今の今迄、神ならぬ身の存じて居りませなんだ。アヽ人間は脆いもので御座いますワイ。現に目の前に居る国依別さまにさへ瞞された位で御座いますから』
国依別『クツクツクツ、ウツプーツ』
と吹き出して居る。
言依別『国依別さま、此島へ来た以上は余程謹厳の態度を持つて居て貰はぬと、中々強敵ですから、茶目式所ぢやありませぬぞ』
国依別『左様で御座います。斯様な所で茶目坊をやつても、サツパリ茶目ですから、只今限り左様なことは茶目に致しますから、どうぞ御心配下さいますな』
言依別『仕方のない面白い男だなア』
 若彦、肩をゆすり乍ら、可笑しさをこらへて、
『キユーキユー』
と言つて居る。常楠は何が可笑しい、若い奴と云ふ者は、箸のこけたのでも可笑しがるものだ……と云ふ様な態度で真面目くさつて控へて居た。漸くにして夜は明け放れた。言依別命は三人の外にチヤール、ベース外四五人の土人を引率し、ハーリス山の谷道を若彦の案内にて進む事となつた。
(大正一一・七・二五 旧六・二 松村真澄録)
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