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文献名1霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻
文献名2第3篇 光明の魁よみ(新仮名遣い)こうみょうのさきがけ
文献名3第13章 唖の対面〔813〕よみ(新仮名遣い)おしのたいめん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-11-28 17:58:19
あらすじ三人はセルに導かれて広い一間に通された。侍臣によれば、照彦王と照子姫は、今朝神勅により天啓山に登ったが、戻ってくるまで三人は無言無食無飲の行を行って待たなければならないという。侍臣たちは砂や石の食事を持ってきたり、三人を笑わそうと滑稽を見せたりしたが、三人は三日三晩、行を勤めた。すると大勢の従者を連れて照彦王が帰ってきた。照彦王らは無言のまま三人に一礼すると、別館に行って神前に祈願の祝詞を唱えた。照彦王と照子姫は、侍臣の八千代姫、照代姫に三宝を持たせて三人の前に現れた。見れば、三人に当てた封書であった。三人がそれぞれ封書を押し頂いて開けてみると、そこにはさまざまな神示が書かれてあった。三人は喜び、無言のまま感謝の意を表した。照彦王と照子姫は別館に姿を隠した。一行はさっそく神示にしたがって館を出て城外に走り出した。八千代姫と照代姫もそれに続いた。一行は常楠仙人が籠もるという向陽山を目指していた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月09日(旧06月17日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年8月10日 愛善世界社版155頁 八幡書店版第5輯 409頁 修補版 校定版159頁 普及版73頁 初版 ページ備考
OBC rm2813
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本文  千早振る神代の昔エルサレム  厳の都に仕へたる
 神の司の国彦が  霊の御裔と生れたる
 心も固き常楠の  流れを汲みし清、照の
 二人の御子は琉球の  双児の島を北南
 相受持ちて永久に  此浮島を守ります
 中にも別けて照彦は  遠き神代の其昔
 貴の都の天使長  広宗彦の其御裔
 照子の姫を娶りつつ  南に当る八重山島の
 神の司と国王を兼て  風さへ清き高原地
 サワラの土地に神都を開き  四方の国人愛撫して
 神の如くに敬はれ  世は太平に治まりて
 宛然神代の如くなり  サワラの城を繞らせる
 清泉漂ふ水垣に  真鯉緋鯉の数多く
 溌溂として金鱗を  旭に照らしキラキラと
 泳ぎ楽しむ光景は  昔聖地を繞りたる
 黄金の海の如くなり。  城頭高く金色の
 十曜の神紋輝きて  神威は四方に鳴り渡り
 小鳥の声も何となく  長閑な春を歌ひつつ
 実に神の御稜威も照彦や  照子の姫の功績を
 高く御空に現はしぬ。  無事太平の球の島
 民は互に睦び合ひ  争ひもなく病なく
 凶作もなく国人は  安喜和楽の夢に酔ひ
 歌舞音曲の艶声は  国内隈なく響きけり。
 斯かる所へ台湾の  玉藻の山の聖地より
 日楯、月鉾、ユリコ姫  始めて三人神司
 波押切つて球の島  エルの港に漕ぎ付けて
 樹木茂れる高原を  心の駒に鞭ちて
 悩みも知らぬ膝栗毛  漸う都に辿り着き
 長き橋梁打渡り  東の門より徐々と
 百日紅や日和花  咲き誇りたる道の上
 心欣々三人は  サワラの城の表門
 やうやう月鉾、ユリコ姫  日楯は門の傍に
 肱を枕に眠りゐる  サワラの城の門番に
 礼を尽して掛合へど  皆太平の夢に酔ひ
 昼の日中に真夜中の  夢か現か囈言を
 並べて起きぬもどかしさ  茲に三人は止むを得ず
 佇む折しも門の戸を  中より左右に開きつつ
 照彦王の側近く  仕へ奉りしセルの司
 数多の男女を引きつれて  いと慇懃に出で迎へ
 奥殿指して進み入る。  三人の司は何となく
 心いそいそし乍らも  セルの後に従いて行く。
 三人はセルの司の後に従ひ、奥殿深く進み入つた。美はしき琉球畳を布き詰めたる広き一間には、数多の男女威儀を正し、行儀よく端坐して、一行の入り来るを待ち迎へて居た。セルは三人に向ひ、
セル『どうか、これへ御坐り下さいませ』
と最上壇の間に、三人を導いた。三人は円座の上に端坐し、一同に向つて目礼を施した。
 数十人の男女は威儀を正し、行儀よく列を作りて端坐し乍ら、無言の儘、目礼を返した。少時あつて、隔ての襖を押あけ入り来る妙齢の美人、一人は照代姫、一人は八千代姫、三人の前に丁寧に両手をつき、言葉淑やかに八千代姫は、
『これはこれは日楯様、月鉾様、ユリコ姫様、遠路の所、はるばるとようこそ御越し下さいました。二三日以前より照彦王様の御差図に依り、あなた方御一行の御着城を、今か今かと、首を伸ばして御待受致して居りました。どうぞ長途の御疲れの直ります迄、御ゆるりと御休息下さいませ』
 三人一度に、
『ハイ有難う御座います。いろいろと御心配をかけまして、誠に済みませぬ』
照代姫『折角御越し下さいましたが、照彦王様は照子姫様と、今朝より俄に神勅を奉じて天啓山に御登りになりました。何れ御帰りは二三日の後で御座いませう。王様の御言葉に、三人の御方が御いでになつたらば、吾々が帰城する迄、御待ちを願つて置けとの御命令で御座いました。どうぞ王様の御帰城迄此処にてゆるゆる御待ちの程を願上げ奉ります。吾々一同は王様の無事お帰りになる迄は各謹慎を表し、無言無食無飲の行を致さねばなりませぬ。それ故あなた様に御挨拶が終れば、後は何事も無言で御座いますれば、どうぞ御気に支へない様にして下さいませ』
三人『ハイ承知仕りました。さうして王様は何日頃お帰りで御座いますか』
 八千代姫、照代姫は一旦挨拶を了りし事とて一言も答へず、サラサラと畳に足を辷らせ乍ら再び襖を押あけ、スツと閉ぢて一間に姿を隠した。並ゐる一同の男女は何れも無言の儘、行儀よく円座の上に端坐して、王の不在中絶対的謹慎を表して居る。
 三人も已むを得ず、無言の儘、膝もくづさず、昼夜の区別なく円座の上に安座し、膝も踵もむしれる如き痛さをジツと怺へ、汗をブルブルかき乍ら、一同の手前を憚り、顔をも得拭はず、
『ヤアえらい修業をさせられたものだ。こんな事なら、モウ二三日どつかで遊んで来たらよかつたに……』
と心の内に思ひ乍ら、苦しさを怺へて居る。
 以前の八千代姫、照代姫は三人の侍女に膳部を運ばせ、恭しく三人の前に無言の儘つき出した。見れば飯も平も汁も生酢も一切団子石や砂許りが盛つてある。三人の侍女はしづしづとして、無言の儘立去つた。照代姫、八千代姫は盛装をこらし、二人各銀扇を開いて無言の儘、壬生狂言の様に三人の馳走の心持か、品よく、手拍子足拍子を揃へ、一時許り汗をたらして踊つて見せた。其手つき足つき、尻の振りやう、腰の具合、実に滑稽を極め、吹き出す様に思はれたが、無言の行の此席には吹き出す事も出来ず、可笑しさを無理に怺へて居る苦しさ。厳しき暑さに喉は渇いて来る。腹は空いて来る。され共石を食らふ訳にもゆかず、恨めし相に膳部を眺めてゐるのみであつた。照代姫、八千代姫は一時許り踊つた末、次の間に姿を隠した。
 交る交る男女入り来りて、面白き物真似を演じ、一同の腮をとき、笑ひ倒さむと努むるものの如くであつた。されど何れも、そんな事が何が可笑しい……と云つた様な渋り切つた顔をして、可笑しさを隠して居る。
 斯くして漸く三日三夜を過ぎた。俄に騒々しき人の足音、何事ならむと三人は心を配る折、数多の従臣に守られて、帰り来りしは照彦王、照子姫の一行であつた。
 矢庭に奥殿に進み入り、これ亦無言の儘、三人に軽く目礼し、夫婦は目と目に物言はせ乍ら、別館に足早く姿を隠した。
 照彦王の御供に仕へし男女も同じく無言の儘、一同に軽く目礼し、其場に行儀よく列を正して端坐して居る。稍少時あつて別館より、照彦王、照子姫の奏上する天津祝詞の声響き来る。一同は此声に連て、待兼てゐた様な調子で、天津祝詞を奏上し天の数歌を唱へ上げた。されど日楯、月鉾、ユリコ姫は依然として無言の儘、合掌して暗祈黙祷を続くるのみであつた。
 暫くあつて照彦王、照子姫は、以前の美人八千代姫、照代姫に三宝を持たせ乍ら、三人の前に厳然として現はれ、軽く目礼して物をも言はず、照代姫、八千代姫に目配せすれば、二人は三宝を三人の前に差出した。見れば三通の封書である。一通は日楯に、又他の二通は月鉾、ユリコ姫の宛名が記してあつた。三人は無言の儘押戴き、直に封を押切つて開き見れば、種々の神示が示されてある。三人は喜びの色を現はし、無言の儘感謝の意を示した。照彦王、照子姫は悠々として又もや別館に姿を隠した。
 茲に日楯の一行は一同に目礼し乍ら急ぎ館を立出で、表門を潜り、城外に走り出た。後より八千代姫、照代姫は息もせきせき追つかけ来る。漸くサワラの都の南の門にて、二人は追ひ付き、爰に二男三女は常楠仙人の立籠る向陽山を指して進み行く事となつた。
(大正一一・八・九 旧六・一七 松村真澄録)
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