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文献名1霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻
文献名2第3篇 光明の魁よみ(新仮名遣い)こうみょうのさきがけ
文献名3第15章 願望成就〔815〕よみ(新仮名遣い)がんもうじょうじゅ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-12-01 18:11:35
あらすじ日楯と月鉾は、マリヤス姫にならって、これまでの艱難辛苦から、今の神宝を授けられて戻ってきた喜びと、これからの戦いに臨む意気込みを歌った。月鉾はテーリン姫に向かって、泰安城の戦に出て見事凱旋してから夫婦の契りを結ぼうと歌いかけた。それに対してテーリン姫は、本当に自分を想う気持ちがあるのであれば、出陣前に今ここで、夫婦の誓いをして自分も戦に連れて行ってくれと歌って月鉾に迫った。マリヤス姫も月鉾を促した。そして、ここに月鉾とテーリン姫の結婚式が行われた。これより、マリヤス姫を主将とし、日楯・月鉾夫婦と八千代姫、照代姫らは準備を整えて出陣することとなった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月09日(旧06月17日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年8月10日 愛善世界社版179頁 八幡書店版第5輯 418頁 修補版 校定版184頁 普及版84頁 初版 ページ備考
OBC rm2815
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本文  日楯は祝意を表する為、マリヤス姫に傚つて自ら歌ひ且つ自ら舞ひ始めた。
『遠き神代の昔より  尊き神の選みてし
 高砂島の中心地  雲に聳えた新高の
 山の巽の神聖地  日月潭の湖を
 控へて清き玉藻山  遠津御祖の真道彦命は
 代毎々々に神定の  此処に鎮まりましまして
 尊き神の御教を  四方の民草残りなく
 教へ導き玉ひつつ  父の命の御代になり
 醜の教のバラモン教  此神島に渡り来て
 体主霊従の振舞を  世人の頭に浸み込ませ
 日に夜に曇る人心  山河どよみ草木枯れ
 四方の人々泣き叫び  争ひ絶ゆる隙もなく
 修羅の巷となり果てぬ  父の命は今の世の
 有様見るに忍びかね  心を尽し身を尽し
 誠の道を世の人に  朝な夕なにこまごまと
 諭し玉へど如何にせむ  時の力は容赦なく
 悪人栄え蔓りて  善はますます凋落し
 神の威徳も完全に  現はれ玉はず今は早
 御国の為に尽したる  其真心が仇となり
 カールス王に疑はれ  往来絶えたる岩窟上の
 暗き牢獄に呻吟し  果敢なき浮世を歎ちつつ
 暮し玉へる悲しさに  吾等兄弟両人は
 烏羽玉の世を  旭の豊栄昇るごと
 照し清めて国民を  塗炭の苦より救ひ出し
 父の命の寃罪を  すすぎまつりて孝養を
 尽さむものと国魂神  竜世の姫の神勅を
 いと厳かに被りて  アーリス山を打渡り
 須安の山の峰伝ひ  ふみも慣らはぬ長の旅
 千里の波を乗切りて  弟月鉾、ユリコ姫
 茲に三人は琉球の  南の島に安着し
 サワラの都に進み入り  三五教の神司
 国王を兼ねたる照彦王や  照子の姫に面会し
 神政成就の神策を  いと細やかに教へられ
 大谷川を打渡り  向陽山の岩窟に
 進み進みて常楠の  神の司の仙人に
 玉や鏡を授けられ  二男三女の五つ身魂
 心も勇み身も軽く  再び船を操りて
 此神島に到着し  やうやう此処に帰りけり
 あゝ惟神々々  御霊の幸を蒙りて
 吾等兄弟始めとし  ユリコの姫や八千代姫
 曇る此世も照代姫  奇き功績を現はして
 父の命の永久に  鎮まりゐませし霊場に
 帰り来れる嬉しさは  何に譬へむ物もなし
 あゝ尊しや神の恩  仰ぐも畏き神の徳
 いよいよ吾等は大神の  大御守りを力とし
 泰安城に立向ひ  玉と鏡を手に持ちて
 言霊戦を押開き  魔神を残らず言向けて
 カールス王やヤーチン姫の  珍の命を始めとし
 恋しき父の生命をば  救ひ奉らむ時は来ぬ
 思へば嬉し神の恩  仰げば高し神の徳
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と歌ひ終つて座に着いた。月鉾は又もや立上り自ら歌ひ自ら舞ひ始めた。
『時世時節といひ乍ら  父は牢獄に捕へられ
 三五教の聖地なる  玉藻の山に立向ひ
 千代の住家と定めたる  数多の神の取次も
 父の命の遭難に  心の生地を露はして
 神に反いて逃げ帰り  阿諛諂佞の限りを尽し
 カールス王に取入りて  自己の利益や栄達を
 謀る魔神と還りけり  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  二つなき身の生命をば
 神の為には捧げむと  口先計り華やかに
 囀りゐたる百鳥の  尻より糞を引つかけて
 素知らぬ顔の曲業に  無念の涙やるせなく
 朝な夕なに国魂神の  珍の御前にひれ伏して
 祈る折りしも竜世姫  いと厳かに現はれて
 吾等二人に打向ひ  汝はこれより琉球の
 南の島に打渡り  サワラの都の照彦王に
 一日も早く面会し  至治太平の神策を
 授かり帰れと詳細と  宣らせ玉ひし嬉しさに
 兄の日楯やユリコ姫  暗に紛れて聖地をば
 密に立出で蓑笠の  軽き扮装トボトボと
 山路を伝ひてアーリスの  峠にかかり路端の
 巌に腰を打掛けて  息を休むる折柄に
 思掛けなきテーリン姫が  蛇が蛙を狙ひし如く
 執念深くも後追ひて  大胆至極の一人旅
 ヤツサモツサと恨み言  百万ダラリと並べられ
 困り切つたる最中に  現はれ出でしマリヤス姫の
 珍の命の御計らひ  金剛杖を打ふりて
 吾身体を滅多打  木石ならぬ月鉾も
 腹は切りに立騒ぎ  悔し涙は雨の如
 降り来れ共如何にせむ  大事を抱へし今の身は
 堪忍するより道なしと  諦め居たる折柄に
 テーリン姫は忽ちに  マリヤス姫の御腕に
 力限りに噛りつき  争ふ隙を窺ひて
 吾等三人は逸早く  暗に紛れて身をかくし
 山の尾渉り谷を越え  いろいろ雑多の苦みを
 嘗めてやうやうキル港  船を求めて波の上
 琉球島に安着し  竜世の姫の命の如
 照彦夫婦や常楠の  尊き神にめぐり会ひ
 五つの宝を授かりて  漸く茲に帰り来ぬ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 今日の生日の喜びは  煎りたる豆に生花の
 咲き匂ひたる思ひなり  天津御神や国津神
 国魂神の御恵  未だ吾々兄弟を
 見放し玉はぬ嬉しさよ  さらば是れより五つ身魂
 水火を合せて泰安の  都に進み言霊の
 伊吹の征矢を放しつつ  群がる魔神を言向けて
 国治立大神の  仕組ませ玉ひし五六七の世
 堅磐常磐の松の世を  千代万代に動ぎなく
 建設せむは案の中  マリヤス姫の計らひに
 テーリン姫はアーリスの  山の尾の上の争ひを
 漸く茲に納得し  今迄時節を待居たる
 其心根の健気さよ  さはさり乍らテーリン姫
 妹背の契を今ここで  結び了へむは易けれど
 泰安城の一戦  無事に凱旋する迄は
 暫く待つて賜へかし  あゝ惟神々々
 竜世の姫の御前に  固く御誓ひ奉る
 必ず共にテーリン姫  心を悩ます事勿れ』
と歌ひ了つた。テーリン姫は直に立上り、銀扇を拡げて、自ら歌ひ自ら舞うた。
『男心と秋の空  猫の目玉と諸共に
 変り易いと聞くからは  如何なる固き御言葉も
 妾は心安からず  添はねばならぬ身魂なら
 今でも将来でも同じこと  美味い物なら先に食へ
 世の諺もあるものを  何れの人に気兼して
 左様の事を仰有るか  聞えませぬぞえ月鉾さま
 そんな気休め妾に云うて  結構な玉を手に入れた
 為にお前の心が変り  田舎じみたるテーリン姫を
 一生一代の女房に持つよりは  泰安城に到りなば
 桃や菫や桜花  選り取り見取りのよい女房
 勝手気儘に娶らむと  先を見越してのお前の言葉
 妾はどしても腑におちぬ  どうせ添うなら今の内
 大事を抱へたお前の身の上  無理に枕を交せとは
 妾も野暮な女でない限り  分らぬ事は云ひませぬ
 マリヤス姫の御前で  二世も三世も夫婦ぞと
 キツパリ言うて下さんせ  お前の兄の日楯さま
 ユリコの姫と手を曳いて  仲よう暮して厶るでないか
 お前は妾を邪魔者扱に  なさつて一人琉球の
 島へお出でたばつかりに  夫婦の中に只一つ
 白い玉よりありはせぬ  お前の兄の日楯さま
 夫婦揃うて神業に  お勤めなさつた其おかげ
 玉と鏡の夫婦事  これでも分るでありませう
 あの時お前が此妾を  御用に伴れて行つたなら
 妾も結構な神業に  加はり珍の御鏡を
 貰うて帰つたに違ひない  今度お前が泰安城へ
 言霊戦に行くならば  日楯夫婦と同じ様に
 妾と結婚相済まし  夫婦の水火を合せつつ
 神の御用に立たうでないか  これ程妾が言わけて
 言うても聞かぬお前なら  ヤツパリ今のお言葉は
 嘘と言はれても仕方があるまい  早く返答承はりませう
 あゝ惟神々々  国魂神の竜世姫様
 何卒々々今ここで  夫婦の契を結ばせ玉へ
 テーリン姫が真心を  捧げて祈り奉る
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と歌ひ了つた。月鉾は当惑顔を隠し、
『あゝテーリン姫様、あなたの御心はよく分りました。私もこれから千騎一騎の活動を致さねばなりませぬ。女房があつては、其為心を惹かれ、思ふ様の活動が出来ませぬから、どうぞ凱旋の後まで待つて下さい。キツト約束を履行致しませう。……マリヤス姫様、さう致しましたら、如何で厶いませうかな』
マリヤス姫『ヘイ……』
と言つた限り、黙然として俯むいてゐる。
テーリン姫『女房があつては気を惹かれて十分の働きが出来ぬとは、これは又妙な事を仰有いますな。女房があつて働きが出来ないのなら、世界の男は残らず未結婚で居る筈ぢやありませぬか。日楯さまでさへも、夫婦揃うて立派に御神業を御勤め遊ばしたぢやありませぬか。瓢箪鯰式に何とか彼んとか云つて、一時逃れに日を延ばし、妾を姥桜にして了ふ貴方の御考へでせう。何と仰有つても、妾は貴方の後を慕ひ戦場に向ひます。貴方と一緒に参り、チツとでも御邪魔になる様な事がありましたら、妾も女の端くれ、潔う喉を掻き切つて死んで見せませう』
月鉾『そんな事をさせともないから、凱旋の後まで待つて呉れと云ふのだ』
テーリン姫『それ程妾をヤクザの女とお見下げ遊ばして御座るのですか。妾だつてユリコ姫様のなさる事位は立派に勤めてお目にかけます。……コレコレ、マリヤス姫様、貴女は、アーリス山で妾に仰有つたぢや御座いませぬか。どうぞ早く結婚の取持をして下さいませ。此期に及んで躊躇なさるのはヤツパリ末になつて月鉾さまと情意投合なさるお考へでせう』
と妙な所へ鉾を向けて駄々を捏ね出した。マリヤス姫は是非なく思ひ切つた様に、
マリヤス姫『月鉾さま、是非此場で結婚の式を挙げて下さい。万一お聞き下さらねば、妾はテーリン姫様の疑惑を解く為、ここで自刃して相果てまする』
と早くも懐剣をスラリと引抜き決心の心を現はし、唇をビリビリ震はせ、顔色青ざめて、唯事ならぬ気配を示してゐる。
月鉾『ハイ、貴女の御意に従ひます。……テーリン姫様、そんなら今日から天下晴れての夫婦仲、どうぞ末長う御世話を頼みます』
 テーリン姫飛び立つ許りに打喜び、
『マリヤス姫様、有難う、……月鉾さま、お前は立派な男、流石は真道彦様の御胤、私の観察は違はなかつた』
と狂気の如く喜び、直に神前に駆上つて、感謝の祝詞を奏上するのであつた。
 マリヤス姫の媒酌にて芽出度く、月鉾、テーリン姫の結婚は行はれた。これより、マリヤス姫を首領とし、日、月夫婦を始め、八千代姫、照代姫の二男五女は、愈準備を整へ、泰安城へカールス王、ヤーチン姫、真道彦命其他を救ふべく出陣する事となつた。
(大正一一・八・九 旧六・一七 松村真澄録)
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