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文献名1霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻
文献名2第3篇 神鬼一転よみ(新仮名遣い)しんきいってん
文献名3第12章 悔悟の幕〔834〕よみ(新仮名遣い)かいごのまく
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-12-29 17:24:23
あらすじ常彦、春彦、竜、玉の四人は高姫に追いつけず、アリナ山の山頂で夜を過ごした。丑三時に東の空に俄かに黒雲が起こり、大きな怪物が降ってくるのが見えた。四人が指差し眺めていると、麗しい女神が中空に現れると、金毛九尾の悪狐が北方の常世の国の方面に逃げて行くのが見えた。その後に、空中を錦の袋が櫟ケ原に落ちていくのが見えた。一行は夜が明けると高姫を追いかけ始め、日の暮れごろにようやく櫟ケ原の柏楊樹の下に端座している高姫のところに着いた。高姫は心魂開け、真如の日月が心の空に輝いて天眼通力を得て四人が後を追って来ているのを知り、端座して祝詞を上げながら待っていた。高姫の様子がすっかり打って変わって高慢なところが消えているので、常彦と春彦は驚いて声をかけた。高姫は女神の戒めにあって改心した経緯を一行に話した。そして竜と玉に、黄金の玉を国玉依別に返却するようにと依頼した。高姫の改心に常彦と春彦は涙を流し、実は自分たちは杢助の内命によって高姫を改心させようとお供になって着いて来たことを明かした。竜と玉は黄金の玉を懸橋御殿に持って帰った。高姫一行は日の出姫が示した行路を取って大原野を越えて海岸線を北上し、アマゾン河をさかのぼる旅に出ることになった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月12日(旧06月20日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月3日 愛善世界社版174頁 八幡書店版第5輯 529頁 修補版 校定版178頁 普及版81頁 初版 ページ備考
OBC rm2912
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本文  常彦、春彦は後より追つかけ来りし玉、竜の二人と共に、アリナの高山を漸く登り、到底、高姫に追付く可らざるを断念し、高山の頂きにて息を休め、其夜を明かした。
 丑満頃と覚しき時、東の空をフト眺むれば、俄に黒雲起り、満天の星は一つも残らず姿を隠し、追々風は烈しく峰の尾の上を吹き捲り、四人は眠りもならず、其雲を怪しみ眺めつつあつた。忽ち東の天に黒雲の中より、輪廓明かなる白髪の大怪物現はれ来り、地上に向つて降る姿が見えた。四人は『アレヨアレヨ』と指し、眺めてゐた。暫くあつて容色端麗なる女神又もや空中に現はるるよと見る間に、見るも恐ろしき金毛九尾白面の悪狐は暗を照らし乍ら、北方常世国の空を目がけて走り行く。四人は奇異の思ひに打たれ、目も放たず東天を眺めて居た。不思議や空中に錦の袋、あたりを照らし乍らこれ又フワリフワリと櫟が原の上に落下するのを見た。
 漸くにして東天五色の雲に色どられ、天津日は悠々として昇らせ給うた。四人は直に天津祝詞を奏上し終つて、木々の果実を朝飯の代りにむしり喰ひ、宣伝歌を歌ひ乍ら、足に任せて、高姫の所在を探らむと下り行く。
 漸くにして日の暮るる頃、櫟ケ原の高姫が端坐せる白楊樹の下に辿り着いた。高姫は心魂開け、真如の日月心の空に輝き、天眼通力を得て、四人の後を追ひ来る事を知り、茲に端坐して祝詞を奏上し乍ら、一行を待つてゐたのである。
 鏡の池の神霊と  現はれませる月照彦の
 神の命の戒めに  天狗の鼻の高姫は
 高い鼻をばめしやがれて  忽ち身体震動し
 人事不省に陥りつ  懸橋御殿にかきこまれ
 国玉依別始めとし  数多の神の司等に
 水よ薬よ祝詞よと  手あつき介抱に息を吹き
 感謝するかと思ひきや  又もや例の逆理窟
 教主夫婦も驚いて  愛想をつかし別館に
 早々姿を隠しける  後に高姫傲然と
 御殿に近く仕へたる  国、玉、竜の宣伝使
 向ふに廻して減らず口  いろは匂へど散りぬるを
 四十八文字で世の中の  一切万事高姫が
 解決すると法螺を吹き  金剛不壊の如意宝珠
 麻邇の宝を国依別の  教司や玉治別
 言依別の教主等が  広き御殿を拵へて
 三千世界の神宝を  隠してゐるに違ない
 高姫ここへ来た上は  最早逃れぬ百年目
 綺麗サツパリ渡せよと  無理難題を吹きかける
 常彦、春彦其外の  御殿に仕ふる司等も
 猜疑の深き高姫に  顔見合せて当惑し
 一時も早く此場をば  出発つて欲しいと促せば
 高姫眼を怒らして  悪言暴語を連発し
 遂には清き神殿に  阿修羅王の如駆上り
 扉に両手をかくる折  鏡の池の守護神
 狭依の彦が現はれて  高姫司の首筋を
 グツと掴んで階段の  真下にきびしく投げつける
 流石の高姫目をまはし  半死半生の有様を
 以後の見せしめ捨ておけと  常彦、春彦両人は
 国、玉、依や竜などの  神の司の親切を
 暫しとどめて別館に  到りて神酒を頂戴し
 世間話に耽る折  御殿に怪しき叫び声
 何事ならむと一同は  駆より見れば此は如何に
 大の男は高姫を  手玉に取つてさいなみつ
 其儘姿を隠しける  高姫驚き立上り
 玄関口に立出でて  手早く草鞋を足にかけ
 アリナの山の急坂を  矢を射る如く逃げて行く
 高姫やうやう大野原  芒の茂り白楊樹
 並びて立てる櫟ケ原の  大木の根元に辿り着き
 草臥果てて腰おろし  前後も知らず眠入りけり。
 高姫夜中に目を醒まし  耳をすませばコハ如何に
 獅子狼や虎熊の  幾百千とも限なく
 声を揃へて唸るよな  身の毛もよだつ物凄さ
 黒雲四方に塞がりて  足許さへも見えかぬる
 暗の帳を押あけて  現はれ出でたる白髪の
 雲つく許りの大男  耳まで裂けた大口に
 血をにじませて進み寄り  アハヽヽヽと大笑ひ
 時節は待たねばならぬもの  生々したる人間の
 肉を食ひたい食ひたいと  今迄飢ゑて居た爺
 天の恵か有難や  此高姫は年を老り
 少しく肉は固けれど  腹の空いたる吾身には
 決して不味うはあるまいぞ  あゝ有難や有難や
 これから頂戴致しませうと  高姫司の前に寄り
 グツと髻を握りしめ  笑うた時の厭らしさ
 廿日鼠が大猫に  掴まへられた時のよに
 身をビリビリと震はして  戦く折しも嚠喨と
 天津御空に音楽の  響き聞えて一道の
 光明大地を射照らせば  さも恐ろしき怪物は
 煙と消えて美はしき  女神の姿忽然と
 笑を湛へて出現し  種々雑多と天地の
 真の道理を高姫に  諭し玉へば頑強な
 高姫司も村肝の  心の底より悔悟して
 玉に対する執着の  迷ひは爰に速川の
 清き流れに落しける  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ。
 常彦、春彦外二人は高姫の今迄の如き高慢面に引替へ、極めて温順な顔色となり、行儀よくつつましやかに、芝生の上に端坐して、小声に祝詞を奏上し居る姿を眺めて、案に相違し乍ら、
常彦『モシモシ高姫さま、如何で御座いました。貴女のお姿を見失つては大変だと、吾々はお後を、一生懸命に附けて走つて参りましたが、何を言つても、アリナの高山……とうとう貴女の御健脚には追ひ付き得ず、峰の尾の上で、とうとう往生致し、一夜を明かして、漸く此処に参りました。ようマア待つてゐて下さいました。アヽ、これで肩の重荷が下りた様で御座います』
高姫『常彦に春彦、鏡の池のお役人様、嶮しき道を遥々と、能うマア来て下さいました。私もおかげで、長い夢が醒めました。只今の高姫は昨日迄の様な、自我心の強い、猜疑心の深い、高慢坊の高姫では御座いませぬ。スツカリと神様の訓戒を受けて改心を致しましたから、どうぞ御安心をして下さいませ。さうして茲に御座います此錦の袋に這入つて居る黄金の玉は、テーナの里から国玉依別の教主がワザワザ持つて来られた御神宝で御座います。どうぞ玉公、竜公、あなた御苦労ですが、此お宝を鏡の池の懸橋御殿へお供をしてお帰り遊ばし、国玉依別様に御神殿へ納めて戴いて下さいませ。此お宝は夜前まで白楊樹の梢に引かかつてあつたので御座いますが、天教山の日の出姫神様が御神力に依りて、無事に私の前に降つて来られた、大切な神界の御神宝で御座います。一寸御覧なさいませ。金色燦爛として目の眩き計りの御光がさして居ります』
とニコニコし乍ら、錦の袋の紐を解き、四人の前に玉を現はして見せた。四人は稀代の神宝に肝を潰し、只茫然として舌を巻き、目を見張り、少時無言の儘感歎を続けてゐる。暫くあつて常彦は口を尖らせ乍ら、
『高姫様、貴女は今迄寝ても醒めても、玉々と玉気違の様に仰有つて御座つたが、こんな結構な玉が手に入つた以上は、さぞ御満足と思ひの外、玉公や竜公にお渡しなさると云ふ其見上げたお心は、私も感心しましたが、心機一転も余り早いぢやありませぬか』
高姫『イヤ早い所ぢや御座りませぬ。妾の改心が丁度十二年遅れました。それが為に聖地の方々に対し、いろいろの御迷惑をかけ、神業のお邪魔を致し、大神様に対しても申訳のない御無礼計りを致しました。妾の様な身魂の曇つた神界の邪魔者を、神様はお気の長い、改心さして使うてやらうと思召して、能うマア茲まで辛抱して下されたと思へば、妾は勿体なうて、お詫の申様も、御礼の致し様も分りませぬ。是から妾は此櫟ケ原を東へ渡り、いろいろと神様の為に苦労を致し、今迄の深い罪を除つて貰ひ、アマゾン川を溯り、鷹依姫様や竜国別様、あわよくば、言依別様にも面会し、今迄の深い罪のお詫を致した上、自転倒島へ帰り、御神業の一端に奉仕する妾の考へ、……コレ常彦、春彦、お前も妾に従いてこれから先は真面目に御用を勤め上げて下されや』
 常彦涙を流しながら、
常彦『ハイ有難う、能うそこ迄なつて下さいました。今になつて白状致しますが、実の所吾々両人は杢助様の内々の御頼みで、貴女のお供に参り、徹底的に改心をして頂かねばならない使命を受けて来て居つたので御座います。アヽそれを承はつて、私も何となく嬉し涙が澪れます。……なア春彦、有難いぢやないか』
春彦『ウン有難いなア』
と云つた限り、涙を隠して俯むいて居る。
 これより玉、竜の両人は錦の袋に納めたる黄金の宝玉を高姫の手より受取り、三人に別れを告げて、アリナ山を越え、懸橋の御殿に立帰り、教主夫婦を始め、役員信徒の前にこれを据ゑ、御禊を修し、教主自ら斎主となり、神殿に奉按する事となつた。これより懸橋の御殿の神徳は益々四方に輝き、遂には高砂島の西半部を風靡する事となつた。
 又高姫は常彦、春彦と共に、大蜥蜴や蜈蚣、蛇、蜂、虻などの群がれる原野を越え、アルの港を指して進み、それより海岸伝ひに、便船に乗じ、ゼムの港に上陸し、又もやチンの港よりアマゾン川の河口に出でて、船を溯らせ、玉の森林に進む事となつた。此間の道中の記事は別項に述ぶる考へであります。
(大正一一・八・一二 旧六・二〇 松村真澄録)
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