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文献名1霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
文献名2第1篇 高砂の松よみ(新仮名遣い)たかさごのまつ
文献名3第4章 懐旧の歌〔846〕よみ(新仮名遣い)かいきゅうのうた
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-01-13 17:48:44
あらすじ末子姫は、帰順したバラモン教の石熊を連れて、捨子姫、カールと合わせて四人連れでテル山峠の頂上に着いた。石熊は、はるか昔に松竹梅の宣伝使が黄泉比良坂の戦いに際して、蚊々虎に導かれて珍の都の両親に別れを告げた場所であることを説明した。カールは末子姫に歌を所望した。末子姫は、かつてのエルサレムの天使長・桃上彦が、都を追われて底の竜宮で正鹿山津見と名前を変えてさまざまな艱難苦労を経験したところから歌い始めた。そして正鹿山津見の三人の娘・松竹梅が別れの歌を歌った場所に引き合わせて、自らの境遇を歌った。歌い終わって末子姫は傍らの石に腰を下ろした。続いて捨子姫が歌った。捨子姫は、末子姫に付いて世界を廻る自らの境遇とこれまでの足跡を述懐し、神素盞嗚尊、日の出神、言依別、八人乙女らの行方を想い、歌を終えた。一行は峠を東に下って珍の都を目指した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月14日(旧06月22日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月15日 愛善世界社版41頁 八幡書店版第5輯 587頁 修補版 校定版44頁 普及版16頁 初版 ページ備考
OBC rm3004
本文のヒット件数全 2 件/神素盞嗚大神=2
本文の文字数3305
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本文  末子姫は新にバラモン教の石熊の帰順を許し、捨子姫、カールの四人連れ、漸くにしてテル山峠の頂上に辿り着いた。
石熊『サア此処が有名なテル山峠の頂上で御座います。黄泉比良坂の大戦以前に、珍の都の正鹿山津見の神様の御娘、松竹梅の宣伝使が始めて宣伝の初陣に此処を、蚊々虎と云ふ天教山の木の花姫の神様の化神に導かれて、お通り遊ばし、松竹梅の宣伝使は遥々と珍の都を振返り、両親に訣別の歌を歌はれた所です。随分連山重畳として四方に拡がり、大西洋の波は霞の如く棚引き、何とも云へぬ絶景の地点で御座います。茲で一つ汗を入れて、ボツボツ降る事に致しませうか』
末子『何とも云へぬ涼しい風が御座いますなア。勿体ない事乍ら、此処で少時休息して参る事に致しませう。どうせ二日や三日歩いたつて珍の都へは容易に行けませぬから……』
捨子『つい目の下に見えて居るようですが、随分里程があると見えますなア』
カール『モシ、末子姫様、松竹梅の宣伝使がここで懐郷の念に駆られて訣別の歌をよまれた旧蹟ですから、貴女も一つテルの国を別れるに臨み、得意の御言霊を以てお歌ひ下さつては如何でせう』
末子『オホヽヽヽ、お恥かしい事ですが、左様な結構な宣伝使の御歌ひになつた由緒ある地点と聞けば、歌はずには居られますまい。……捨子姫さま、あなたも一つ御歌ひになつたら如何でせう』
捨子『先づ貴女から先にお口を切つて下さいませ。私も驥尾に附して蛇足を添へますから……』
 末子姫は山上の涼しき風に吹かれつつ、声調ゆるやかに歌ひ始めたり。
『神の都のエルサレム  天使の長と現れませる
 桃上彦の大神は  松竹梅の三柱の
 いたいけ盛の娘子を  珍の館に残しおき
 聖地の混乱後にして  見るもいぶせき船に乗り
 命からがら和田の原  漕ぎ出で玉ふ折柄に
 尊き神の御恵に  一度は竜宮の金門守り
 乙米姫に助けられ  悲しき月日を送る折
 天教山に現れませる  神伊邪諾大神の
 珍の御子と現れませる  日の出神に助けられ
 琴平別の亀に乗り  淤縢山津見と諸共に
 此高砂に安着し  珍の都に出でまして
 三五教を広めまし  珍山峠を乗越えて
 心の空もハルの国  鷹取別の守りたる
 ハルの城下に出でまして  数多の敵に取巻かれ
 所構はず突き刺され  沙漠の中に埋められ
 命カラガラハルの国  逃げ出でまして珍山の
 谷間に湧き出る温泉に  病を養ひゐます折
 淤縢山津見や蚊々虎の  神の司に巡り会ひ
 駒山彦や五月姫  一行五人は天雲の
 山の尾の上を打渉り  大蛇の船に乗せられて
 やうやうウヅの都まで  帰らせ玉ひて五月姫
 珍山彦の媒酌に  鴛鴦の衾の契をば
 結び玉ひし芽出たさよ  五月五日の夕間暮
 聖地を後に三人の  松竹梅の愛娘
 訪ね来りて親と子の  嬉しき対面遊ばせし
 珍の都は白雲の  彼方に幽かに見えにけり
 茲に三人の姉妹は  神の教を伝へむと
 草鞋脚絆に身をかため  父の命や母命
 二人に暇を告げ乍ら  三人の司に伴はれ
 此れの峠に登りまし  父と母とに訣別の
 名残を惜しみ玉ひたる  心の色もテル山の
 昔思へばなつかしや  妾も同じ八乙女の
 か弱き身にて斎苑館  鎮まりゐます父上の
 膝元離れて遥々と  メソポタミヤの顕恩郷
 それより進んで波斯の国  教を開く折柄に
 バラモン教の人々に  捉まへられて和田の原
 便り渚の捨小舟  八人乙女はちりぢりに
 神の仕組か白波の  上漕ぎ渡る悲しさよ
 神の恵の幸はひて  汐の八百路も恙なく
 魔神を払ふハラ港  テルの国をばスタスタと
 東を指して進み来る  テル山峠の山麓に
 三五教の神司  罪もカールの神人に
 思ひ掛けなく巡り合ひ  乾の滝に立寄りて
 其壮大を賞めゐたる  時しもあれや滝の上に
 さも凄じき目を見はり  大口開けて睨み居る
 醜の大蛇に魅せられて  巌の片方に石熊の
 神の司が直立し  苦み玉ふ憐れさよ
 直日に見直し聞き直す  神の御前に村肝の
 心を捧げて願ぎ奉る  吾言霊は天地に
 忽ち通ひて石熊の  神の宮居は自由自在
 大蛇は直に解脱して  雲を霞と消え失せぬ
 心も固き石熊が  赤き心を推し測り
 神の大道を共々に  伝へ行かむと宣伝歌
 歌ひて漸く山頂に  登りて後を眺むれば
 山河草木麗しく  神の恵の充ち足らひ
 天国浄土の有様を  隈なく現し玉ひける
 あゝ惟神々々  神の恵の著じるく
 教の花のいと清く  吾等は茲にやすやすと
 珍とテルとの国境  四方を見おろす雲の上に
 立ちしは神の御恵みぞ  さは去り乍ら吾父の
 神の尊は今何処  あが姉妹の五十子姫
 愛子の姫を始めとし  五人の姉は如何にして
 此世を過ぐさせ玉ふらむ  行方も知らぬ波の上
 雲の彼方を打眺め  朝な夕なにあが父や
 姉の命の消息を  思ひ煩ふあが心
 いつしか晴れむ常暗の  帳は開けて天津空
 月日も清くテル山の  山の尾の上の風清く
 心楽き松の世の  親子姉妹一時に
 嬉しき顔を五六七の世  神のまにまに高砂の
 此神島に身を忍び  神の教に仕へなむ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と述懐の歌を歌ひ、恰好な腰掛岩の上に身を托し、汗を拭ふ。捨子姫は風に面を吹かれつつ、さも愉快げに四方を見晴らし乍ら、体を東西南北に回転しつつ、歌ひ始めたり。
『東や西や北南  四方の国型眺むれば
 大海原に浮びたる  高砂島の名に恥ぢず
 太平松や楠堅木  槻の大木は青々と
 見わたす限り山々に  茂り合ひたる麗しさ
 天国浄土も目のあたり  眺めて暮す心地して
 旅のうさをも打忘れ  神素盞嗚大神
 珍の御子と現れませる  姿優しき末子姫
 主人の君と仰ぎつつ  何れの里か白雲の
 空を眺めて海の上  やうやうここに渡り来て
 月日も清くテル山の  尾の上に登りて眺むれば
 吹来る風も芳ばしく  木々の梢は花盛り
 味よき木実は限りなく  枝もたわわに充ち足らひ
 飢ゆる事なく吾々は  喉も乾かず楽みて
 常世の春に会ふ心地  天地を造り玉ひたる
 元つ御祖の大神の  開き玉ひし三五の
 教の司と任けられて  何処を果てとも長の旅
 進み来るぞ楽けれ  あゝ惟神々々
 神の御霊の幸はひて  世人の為に玉の緒の
 生命を捨子の神司  末子の姫の側近く
 仕へ奉りて永久に  太き功績を立てまつり
 神の御子と生れたる  あが天職をまつぶさに
 尽させ玉へ天津神  国津神たち八百万
 殊に尊き国治立の  厳の尊や豊国姫の
 瑞の尊の御前に  誠をこめて願ぎまつる
 あゝ惟神々々  神の御霊の幸はひて
 天教山に現れませる  天照します大神の
 珍の御前に逸早く  八岐大蛇を言向けて
 神素盞嗚大神が  一日も早く功績を
 高天原に参上ぼり  大蛇の呑みたる村雲の
 剣を手早く大神の  御前に奉らせ玉へかし
 瑞の御霊の大神の  八人乙女の末の子と
 現れ出でませる末子姫  かしづき奉る捨子姫
 新に仕へし石熊の  神の司や三五の
 道を歩めるカール迄  厚く守らせ玉ひつつ
 五六七の御世の神政に  清く使はせ玉へかし
 神は吾等と倶にます  吾等は神の子神の宮
 雲井の上に千木高く  仕へまつりて宮柱
 太しく立てて大神の  御前に清く復り言
 詳さに申させ玉へかし  旭は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  高砂島は沈むとも
 曲津は猛く攻め来とも  神に仕へし吾身魂
 五六七の御世の末迄も  変らざらまし神の前
 慎み誓ひ奉る  さはさり乍らコーカスの
 山にゐませし素盞嗚の  神の尊は今何処
 日の出別や言依別の  神の命は如何にして
 道に尽させ玉ふらむ  五十子の姫や愛子姫
 英子の姫は今何処  別れて程経し吾々は
 音づる由も波の上  清く泛べる高砂の
 テル山峠の頂上に  後振返り振返り
 哀別離苦の感深し  あゝ皇神よ皇神よ
 御霊のふゆを幸はひて  一日も早く大神に
 吾等を会はせ玉へかし  女心の一筋に
 遥に拝み奉る  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましせよ』
と歌ひ終り、これより末子姫を先頭に一行四人はテル山峠を東に降り行く。
(大正一一・八・一四 旧六・二二 松村真澄録)
(昭和一〇・六・九 王仁校正)
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