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文献名1霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
文献名2第3篇 神縁微妙よみ(新仮名遣い)しんえんびみょう
文献名3第13章 都入〔855〕よみ(新仮名遣い)みやこいり
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-01-30 19:24:11
あらすじ珍の館の神司・松若彦は、数多の国人を引き連れて、二挺の輿を用意し、都のはずれのカリナの里に陣を張り、末子姫一行の到着を待っていた。松若彦は馬を下りて姫の前に罷り出で、ご来臨への感謝を慇懃に述べ立てた。末子姫は、テル山の麓まではるばる使いの者を迎えに寄越してくれたことに感謝の意を表した。互いに挨拶を終えると、麗しい森陰に立ち入って、しばし休息した。松若彦は、末子姫に輿に乗っての入城を懇願したが、末子姫は神様から賜った足にて歩きたいと拒んだ。松若彦は、国人が至誠を込めて姫の降臨を祝って作った御輿にぜひ乗って欲しいと頼み込んだ。松若彦は、末子姫の来臨は、珍の国の最初の国司・正鹿山津見神が、松若彦の父・国彦に予言したことであり、それは神素盞嗚大神の御子がこの国を治めるということに他ならないという謂れを明かして説いた。末子姫も、実は珍の国の国司を継ぐという自分の使命について、父神から聞かされていたと明かした。松若彦は、女王が御輿に乗るのは決して贅沢のためではなく、人民に代わって大地に足を踏まないようにして神祇に敬意を払うお役目なのだと諭した。これを聞いて末子姫は、捨子姫ともども御輿に乗ることを了承した。末子姫の言葉はなんとなく威厳を帯びてきた。末子姫は、御輿にかつがれてウヅの国の立派な城門をくぐり、本城指して進み入った。道の左右には数多の国人が、救世主の降臨と涙を流して歓喜に暮れている。カールは石熊とともに、白砂を敷き詰めた道を、息せき切って城内に進み入った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月15日(旧06月23日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月15日 愛善世界社版152頁 八幡書店版第5輯 626頁 修補版 校定版163頁 普及版59頁 初版 ページ備考
OBC rm3013
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本文  巽の池の曲神を  神の伊吹の言霊に
 言向け和し末子姫  捨子の姫を従ひて
 焼きつく如き炎天を  かよわき足を運びつつ
 春、幾、鷹に送られて  草野をわたり河をこえ
 再び山を乗越えて  又もや谷間を辿りつつ
 旅の枕も数重ね  桃上彦の鎮まりし
 三五教の神館  ウヅの聖地の間近まで
 漸く進み来りける。  松若彦は馬に乗り
 御輿二挺を舁つがせつ  数多の国人引率し
 神素盞嗚大神の  珍の御子なる末子姫
 捨子の姫を迎へむと  威儀を正して白旗に
 赤き十曜の紋を染め  風に靡かせ堂々と
 長蛇の陣を張り乍ら  ウヅの都の町外れ
 カリナの里に現はれぬ  松若彦の一行は
 末子の姫の一行と  カリナの里に出会し
 忽ち馬を飛び下りて  末子の姫の前に寄り
松若彦『珍の都の国彦が  御子と生れし神司
 松若彦は今茲に  瑞の御霊の末の御子
 末子の姫や捨子姫  御二方の御出ましを
 神の御告に知らされて  新に御輿を造り上げ
 茲にお迎へ申したり  殊更暑きウヅの国
 尊き御身を持ち乍ら  神の御為道の為
 世人の為とは云ひ乍ら  よくも御出まし下さつた
 指折り数へて国人が  瑞の御霊の御降臨
 今か今かと待佗て  喜び勇んで居りまする
 尊き珍の姫様よ  従ひませる捨子様
 茲にてお休み願ひます』
 いと慇懃に宣りつれば  末子の姫も会釈して
末子姫『噂に高きウヅ館  松若彦は汝が事か
 吾等一行を親切に  テル山峠の麓まで
 春、幾、鷹の御三方  迎への為に遥々と
 よくも遣はし玉ひしぞ  おかげで道中恙なく
 いよいよ此処へ着きました  あゝ惟神々々
 尊き神の引合せ  はてしも知らぬ白雲の
 メソポタミヤを立出でて  教を開く折柄に
 吾等が姉妹主従は  バラモン教の司等に
 虐げられて棚無しの  寄るべなぎさの捨小舟
 さも恐ろしき荒波に  つき放されし苦しさよ
 妾は幸ひ天地の  神の恵を蒙ぶりて
 捨子の姫と諸共に  ハラの港に安着し
 テル山峠を乗越えて  巽の池に潜みたる
 大蛇の神を服従はせ  心も勇み身も勇み
 松若彦の現れませる  ウヅの都を当途とし
 いよいよ此処に現はれぬ  松若彦の神司
 妾は未だ手弱女の  力少なきまな娘
 何卒宜しく頼み入る  あゝ惟神々々
 神の教に服従へる  教司の御前に
 始めて述ぶる御挨拶  完美に委曲に聞し召せ』
 言葉静かに宣りつれば  松若彦は腰屈め
 揉手し乍ら喜んで  末子の姫の御手を取り
 力の限り握りしめ
松若彦『あゝ姫様よ姫様よ  いよいよ是よりウヅの国
 汝が命の降臨に  いと平けく安らけく
 戸ざさぬ御世と治まりて  鬼も大蛇も荒風に
 吹かれて散りて影もなく  神の御稜威はいやちこに
 輝き渡り玉ふべし  あゝ惟神々々
 神の御末の末子姫  珍の身魂の御前に
 松若彦が赤誠を  捧げて感謝し奉る』
と互に挨拶を終り、麗しき森蔭に立入りて、少時息を休むる事となつた。
 松若彦は詞丁寧に、末子姫、捨子姫に向ひ、腰を屈め乍ら、
松若『噂に高き瑞の御霊、神素盞嗚大神様の珍の御子と現れませる末子姫様、並にお付添ひの捨子姫様、よくマア遥々と此熱国へ御降臨下さいました。私は申すに及ばず、ウヅの都の神殿に仕へ奉る神司を始め、数多の国人はどんなに喜ぶことで御座いませう。全く私は救世主の御降臨と欣喜雀躍の余り、二三日以前から、余りの嬉しさに夜も碌々に休むことも出来ませなんだ。余り俄に拵へました此御輿、お粗末では御座いますが、どうぞ是から、これにお乗し下さいまして、御入城の程偏に希ひ上げ奉ります』
と頼み入る。末子姫は首を左右に振り、
末子『折角の思召、無に致すは誠に済まない訳で御座いますが、勿体ない、結構な神様より、足を頂戴致し乍ら、どうして輿なんかに乗ることが出来ませう。折角乍ら是計りはお許し下さいませ』
捨子『姫様もあの様に仰せられまするから、どうぞ是計りは御無用にして下さいませ。又妾は姫様の侍女として、お側近く、朝な夕なに御奉公致す婢女なれば、仮令姫様が御召しになつても、妾は左様な勿体ないことは、到底出来ませぬから、悪しからず御収め下さいませ』
松若『左様では御座いませうが、あなた様の御降臨を国人が喜び、寄つて集つて昼夜の別なく作り上げた御輿で御座いますれば、どうぞ国人の至誠に免じ御乗用し下さいます様、一同に代り、たつて御願申上げます』
末子『頑固のようで御座いますが、妾の様な若い女、神徳もない者が、如何して此様な立派な、神様の御召し遊ばす御輿に乗せて頂くことが出来ませうか』
松若『貴女様は神様の御経綸に依つて、ウヅの国の司として御出で遊ばしたので御座いませう。貴女様に取つては左様な事は御考へ遊ばさないでせうが、正鹿山津見の神様が、黄泉比良坂の戦ひに、御出陣の際、私の父の国彦に向つて仰せらるる様……神素盞嗚大神様の姫御子が此国へ降臨遊ばして、宇都の国一円をお治め遊ばす時が来るから、それ迄は汝国彦、吾館を預り能く守り居れよ、珍の御子降臨の時は、是を奉じて国の司となし、汝は左守右守の神となつて、神業に奉仕せよ……との御教示で御座いました。吾父は最早国替を致しましたが、其後を継いだ此松若彦、父の言葉を無寐にも忘れず、珍の御子の降臨あるまでは、大切に守らねばならぬと、今日まで力の及ぶ限り守つて参りました。貴女はいよいよ此国の女王となつて、国民を治め、又教主となつて国人を尊き神の御道に教へ導き下さらねばならぬ御役目で御座います』
末子『及ばぬ乍ら、其使命は妾も父大神より承はつて居りました。何卒宜しく御輔導の程を御頼み申します』
松若『御勿体ない其お言葉……松若彦身に取り、実に無上の光栄に存じます。至らぬ愚者なれ共、宜しく御指導下さいまして、永くお使ひ下さりませ。偏に願奉ります』
末子『御互様に宜しく願ひます』
松若『あなた様は父大神より、此国の女王とならせ玉ふことを御存じとあらば猶更の事此御輿に御乗し下さらねばなりますまい。決して御輿にお召し遊ばすのは贅沢の為でも、又は楽に道中を遊ばす為でも御座いませぬ。此世界は天地の御恩に依つて造られた以上は、天はさて置き、地には至る所に国魂神の神霊宿らせ玉へば、大地の上を踏み歩くも、吾々人民は恐れ多い次第で御座います。ぢやと申して、国人一般が大地を踏むことを恐れて居りましては、道行くことも出来ず、耕し一つすることも出来ませぬ道理、そこで国の司と現はれます女王様は、万民に代り、天に跼まり、地に蹐して、神祇を尊敬遊ばし、国民の代表となつて、お土を御踏み遊ばさないのが御天職で御座いますから、どうぞ此処の道理を聞分け下さいまして、これより先は城下で御座いますれば、せめて城下丈なりと、お土をふまない様に、吾々に代つて御苦労に預りたう存じます。又捨子姫様も御近侍の役、どうぞ姫様に御伴遊ばすので御座いますれば、此御輿に是非是非御乗しを願はねばなりませぬ。此儀偏に御願申し上げます』
末子『さう承はらば、否むに由なきことで御座います。左様ならば仰せの通り、御世話になりませう。……捨子姫殿、妾が許します、否命令します、あの輿に乗つて妾が後に従ひ来られよ』
と漸く末子姫の言葉は何処となく権威を帯びて来た。捨子姫は否むに由なく、素直に『ハイ』と答へて、末子姫の輿の後より外の輿に乗せられ、数多の国人の歓呼の声に送られ、賑々しく入城することとなつた。
 ウヅの都の入口には非常な立派な門が建てられてある。末子姫は此表門より輿に舁つがれ、行列勇ましく本城さして進み入る。通路は白砂を布き詰め、道の左右には数多の国人、地上に跪き、救世主の降臨と涙を流し、感喜の真情に暮れてゐる。いろいろの音楽の音に送られ黄昏前、奥殿に安着した。
 カールは途中に石熊に追つ付かれ、茲に両人は手に手を取つて、白砂の布きつめたる道を、息もせきせき城内指して進み入る。
(大正一一・八・一五 旧六・二三 松村真澄録)
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